このコーナーは、本誌と連動する 『スマッシュ調査団』と『テニスフリートーク』で構成されています。
 『スマッシュ調査団』は、テニスに関する素朴な疑問を調査・解決していく、本誌で大好評連載中のコーナー。毎月寄せられる多くの依頼に本誌だけではとても答えていけそうにない。というわけで、インターネット部門を開設することになりました。このコーナーは随時更新していく予定なので、こまめにチェックして下さいね。依頼は、従来通り本誌宛へのお葉書はもちろん、インターネットでも受付けます。インターネット受付分から本誌への展開もあるので、「アレって何かな?」と思ったら、依頼してほしい!
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依頼内容880:トミー・ハースとジェームズ・ブレークとト−マス・ヨハンソンのファンなのですが3選手の使用ガットとテンションを調べていただきたいです。

東京都のHaasさん

報告880:最近、この手の依頼が増えているが、はっきり申し上げたいのは、我々がわかるのは、「ある大会の時点で」という話までが精一杯だということ。しかも、選手の道具の情報というのは非常に少ない。というのは、そういう情報に興味を持つ一般プレーヤーは、世界的に見るとどうやら日本以外にいないからで、当然資料も出回らないものだからだ。その手の情報を必要としているのはストリンガーなど一部の専門家だけ、というのが世界的な情勢なのだ。実は、選手本人が自分のテンションを把握していないということも全くないわけではない。また、一部のトップクラスの選手だと、自分専属のストリンガーをツアーに帯同させていたりして、道具に関する情報が一切外部に出ないという選手もいる。最近は特にだが、ガットの種類が多岐になってきており、選手も以前のようにナチュラル一辺倒などではなく、良さそうなものが出ると色々と試す選手が増えている。例えば、ある時期ではナチュラルだったが、ポリに変更し、次の時点ではハイブリッドという選手が多くなっているのだ。また、テンションも常に同じ、という選手は減り、コート内に複数のテンションのものを持ち込んだり、自分の体調や天候・湿度などに合わせて調整する場合も多くなっている。そもそも、選手にとってのラケット、そしてガットというのは完全な消耗品で、特にガットは張り続けたまま使うということはせず、ほとんど常に張り替えて新品か、新品に近い状態のものを使うのが普通だ(少なくともトップ選手の場合。駆け出しの選手の場合は、この限りにあらず)。
 で、この元ダンロップ3人衆だが、それぞれの記録に関して、我々が持っているデータはどれも数年以上前のもので、やや古すぎるようだ(近年、彼らが故障を起こしたりして低迷していたのが主な原因)。せっかく載せるなら新しいデータの方がいいと思うので、継続して調査させていただければ幸いだ。


依頼内容873:浅越しのぶ選手とパラドン・スリチャパン選手が使用している「アルティマムRD.Ti80」のグリップサイズ+テンション+重さを教えてください。

大阪府のテニス少年さん

報告873:現在調査中です。しばらくお待ちください。


依頼内容867:ナダル使用の振動止めについて教えて

千葉県のユウタさん

報告867:依頼者にお願いだ。振動止めの何が知りたいのかをもう少し具体的に書いて送って欲しい……。


依頼内容866:インターネット通販で10年位前のラケットが「新品」「未使用」で売り出し ていたりするのを見かけますが、10年前の新品のラケットと最近のラケットでは実際 のところ、性能的にそんなに違うのでしょうか。同じ値段を出すのならやはり最近の ものを買ったほうがいいですか。

北海道の太郎さん

報告866:10年前と言えば、1995年から96年頃。この頃は長尺ラケットブームで、平日の昼間のテニスコートで厚ラケが主流になり出す前夜、という時代だ。日本では伊達公子や松岡修造、マイケル・チャンなどが人気で、彼らのモデルがよく売れていた。
 正直に言って、同じ値段を出すなら最近の物をお買い求めになった方が無難ではある。性能的に当時のものが「もう全然話にならないぐらい今のより劣る」ということは全くないし、新品で未使用ならフレーム自体の劣化もなかろう。実用上の問題はほとんどなかろう。
 ただし、新品をお買い求めになった方が無難と言うには二つの理由がある。
まず第一に、グラファイトのフレーム本体はいいとして、樹脂製のグロメットが痛んでいる可能性を否定できないことだ。グロメットの素材にもよるし、そのラケットの保管状態によっても違うが、樹脂製のパーツの中には、紫外線などの影響を受けて劣化する可能性があるものがある。仮に日の当たるところで保管されていたラケットだと、未使用の新品、一度もガットを通したことがない、という状態であったとしても、素材が劣化している可能性があるのだ。
 また、10年前のラケットで、今も派生モデルが生き延びていてくれればいいが、完全に絶版だと、交換用グロメットの在庫も心配だ。どうしてもその機種でないと嫌、というのでなければ、新品の方がこの点で安心だ。
 第二に、仮にそのラケットをとても気に入ったとしても、2本目が買えない、探すのも困難というのがある。ラケットとの相性は確実に存在し、「他のラケットなんて考えられない」という方もいる。気に入った1本に出会えるというのは、テニスプレーヤーにとって非常に幸運なこと。仮に10年前のラケットでそれが見つかってしまった場合、幸運と同時に不幸も訪れる。そう、次がないからだ。
 以上の理由で、基本的には新品をお勧めする。ただし、最終的な判断は、依頼者ご自身でなさって欲しい。


依頼内容865:海外ダンロップがなくなると聞いたのですが本当でしょうか?

東京都のHaasさん

報告865:海外ダンロップ? ダンロップ本社のことだろうか?
あんな巨大企業がなくなったら、誰でも見られるニュースで大々的に報道されるはずだ。
 それに、そんな重大事を正式な発表前に我々に知る術はないし、仮に知っていたとしても、不確かな情報を発表はできない。ご理解いただきたい。


依頼内容864:いつも質問に対し丁寧に回答して頂き感謝しております。私は現在、HEADのiプレステージMP XLのラケットを愛用しとても気に入っておりますが、ラケットも古くなり、そろそろ買い替えかなぁ〜って思っております。しかし、最近ではインチアップ(ロングサイズ)の発売が少ない様に感じます。(27.5inに慣れると普通の27inは使いにくいです)そこで質問ですが、このiプレステージMP XL(27.5in)は発売当時グロージャン選手が使用していたと思うのですが、現在グロージャン選手はHEADのLMプレステージMPのラケットを使用していると聞きました。このLMプレステージMPには27.5inのロングサイズは国内では発売されていないと思うのですが・・・グロージャン選手は普通の27inを使用しているのですか?それとも27.5inにロングアップして使用しているのでしょうか?調査お願い致します。

神奈川県のあがちっち父さん

報告864:グロージャンのラケットに関しては、04年の全米時ですでに「リキッドメタル・プレステージのMP」でヘッドサイズが98、というのが我々の持っている資料にある。申し訳ないのだが、インチアップしているかどうかは定かではない。
 選手によって、半インチの違いでも全然ダメ、という選手と、すぐに慣れてしまう選手の両方がいるが、彼がどちらのタイプかも正直わからない。
 ……お役に立てず大変申し訳ないが、選手の道具に関しての情報というのは、我々でも調査が非常に難しい。ご了承いただけると幸いだ。


依頼内容863:プリンスのモアプレシジョンを使っています。打つ瞬間の心地よい打感が好きです。そして最近、ガットのテンションを58から48にしました。58のときは、スピンボールで粘って勝とうと思っていたのですが、最近は、速い球で自分できれいなポイントを決めたくて48にしました。結果、たしかに楽に打つことが出来るのですが、エラーが多くなりました。なので今は、自分が目指すべきプレースタイルを見失いがちです。とても難しいと思いますが、この悩みを解消するヒントや参考をください。あと、黄緑のn-codeに少し注目しています。どのようなラケットで、どのようなプレースタイルに合うかなど・・・とても一般的にはいえない自己中心的な質問ですが、なにとぞ教えてください。

東京都のマスターさん

報告863:速いボールを打ちたくてテンションを落とした、というのはいいとして、テンションを落とせばスピンもかけやすくなるはず。エラーが多いというのがアウトのエラーなら、気にすることはない。あとは強打しつつスピンでコントロールする感覚さえつかめれば、いずれエラーは減ってくるだろう。ネットのミスが多くなった、ボールが浅くなりすぎるというなら問題だ。今の自分の状態について、お近くの仲間などと話し合ったり、コーチ役の人とも相談してみて欲しい。
 また、自分のテニスの方向性を見失いがち、という状態は案外多くの人、というか、ある程度以上、テニスに打ち込んでいる人なら多かれ少なかれ抱える問題だ。サーブ&ボレーヤーを目指していたが、どうもストロークの方が得意だし、その方がポイントが取れる、とか、その逆とか……。
そこでどう考えていくかはその人それぞれの判断でいいと思うのだが、もし、試合に勝ちたいという気持ちの方が強いなら、スタイルに固執するのは解決法として最短距離ではないだろうし、あくまでも自分の理想を追求する、というのなら、目先の勝敗に囚われすぎないという態度も必要だろう。それらが混乱してくると迷いにつながるが、そこを明確にできれば、あとはどう自分を処していくかだけの問題。勝ちたいし、自分の理想も追求したい、というのは、ちょっと贅沢な悩みだ。なにしろそれはみんなの願い。それを悩みなどと言っていいのか? と笑い飛ばすぐらいの気持ちが必要だ。
一度、じっくりとテレビで好きなプロの試合や、身近な人のテニスを見たりして、自分の足元について、再考する時間を作るのも効果的ではなかろうか。自分がどういうテニスをしたいのか、どういうテニスをしている時が一番楽しいかについて、一度じっくりと考える時間は無駄にはならないはずだ。
 ラケットに対して、どんなプレーが、というのは、ラケットのカタログに書かれていることをある程度以上信用していい、というのが調査団の結論でもある。
 実際、毎月編集部は色んなラケットを打っているが、メーカーの言う対象プレーヤーが、「全然違う」という印象を持ったことはほとんどない。いや、ある程度メーカーの肩を持つ義理、ぐらいはある当コーナーではあるとはいえ、我々には彼らの言い分をそのまま伝えるような義務はない。だが、本当だ。メーカーが掲げる対象プレーヤーというのは、ある程度以上信用していい。ただし、その読み方について、例えば、「ストロークを主体のシリアス・プレーヤー向け」となっていたら、それはあくまでも一般的な意味でのそれであり、そこから類推していければほとんど間違うことはない、はずだ。


依頼内容846:今ネットオークションを見ていたのですが、バボラのアエロプロドライブのカバーって黄色いラインが入ってるやつですよね??なのにピュアドライブのカバーといっしょにうつっているのを発見しました。しかも保証書も中国語のようです。これ話題になっている偽ものでしょうか?

千葉県のアンディさん

報告846:そのオークションページを見ていないので、何もお答えしようがない。保証書は数ヶ国語で書かれている場合もあるし、単に中国で売られていた真性品であるかもしれない。残念だが、それだけでは断定できない。

依頼内容837:今年の全仏の時のナダルのラケットはBABOLATのデュララストを35ポンドで張っていたという噂を聞いたのですが、常識的に考えたらぶっ飛んじゃうって思うんですけど、それはナダルのトップスピンがすさまじいからそのくらいテンションを落としても大丈夫って事なんでしょうか?でもロディックのテンションは恐ろしく高いらしいし、、、
それともこれは単位の間違いでしょうか?

兵庫県のクレーコーターさん

報告837:全仏のナダルのデータはどこで入手されたデータだろうか?  我々が持っているデータでは今年の全仏のナダルは、バボラのデュララストの16ゲージを53ポンド、というデータなのだが……。
 気をつけていただきたいのは、メートル法の国では、テンション表示もキログラムであるケースが少なくないということで、ポンドとキログラムの変換時に使う基準値を間違うと、当然、数字も違ってきてしまうことだ。1キログラムは約2.2ポンドと覚えておくと計算しやすいはず。しかし、それだとナダルは70ポンドになるな……。全く考えられない数値ではなく(ちなみに今年の全仏のロディックは73ポンド)、もしかしたらどこかのタイミングではそれぐらいで張っていた可能性も否定はできないが、53ポンドという数字とはやや離れすぎている。さて真実は……。


依頼内容790:ラケットは自分に合ったものを、というのが信念でしたが、セントビンセント製のプロスタッフMIDを使ってみたいという欲求に負けて近いうちの購入を決定しました。そこで質問なのですが、偽者をつかまされたくはないのでビンセント製とその他のプロスタッフの見分け方を教えていただきたいと思いました。よろしく御願いいたします。

福島県のいきなりダイヤモンドさん

報告790:以前、そういったビンテージ・ラケットを専門に扱うショップの担当者の方にうかがったところ、肝心な部分は「企業秘密」ということで教えてもらえなかったのだが、いくつかは過去ログに出してある。ここは根気良く探していただきたい。
 しかし、一番確実なのは、信頼できるショップで、それなりの対価を支払って購入することだろう。物が中古品なので、当たり外れはあるし、当時の製品の品質というのは今よりもずっと当たり外れが多いものだった。依頼者たってのご希望ということであれば止めはしないが、同じお金で今のラケットを2本買ったり、チューニングしたりした方がいいと思うのだが……。

依頼内容787:いつもありがとうございます。
高校2年生の男子なのですが、部活をノンプレッシャーボールで行うことについてど う思いますか?プレッシャーボールでは空気がすぐ抜けてしまうので頻繁に変えたい ところですが部費をそんなに集められないので。
また、ノンプレッシャーボールを使うことによって上達が妨げられることはありますか? よろしくお願いします。

東京都のピュアコンMPさん

報告787:昔はノンプレッシャーのボールは固いの重いの、腕に悪いのと言われたが、最近の出来のいいボールはそうでもなくなっている。そりゃまったく同じではないし、できることなら試合と同じボールで、こまめに交換しながら練習した方がいいに決まってはいるのだが、部活動で使うぐらいの数を揃えるとなると、確かに部費が大変だろう。
 まずは先輩など、部の代表でお金を出し合って、市販されているノンプレッシャーのボールを数種類買ってきて、上級生などでテストしてみて、その上で導入するかどうかを決めたらいかがだろうか? 正直、調査団では実用上での問題は、最近は少ないのでは、とくなってきたように思う。仮にブラインドテストをして、どれがプレッシャーボールで、どれがノンプレッシャーボールか、というのをやったら、正確に答えられるのはそれなりの経験者以上だけ、ということになるのではないかとも思う。
 上達に関しては、心配しなくても大丈夫だと思うが、ただ一つだけ言えるとすれば、ノンプレッシャーボールは確かに反発性は落ちないが、毛は剥げる。毛がなくなったようなボールまで反発性があるから、と使っていると、試合では全くボールの感覚が違ってしまってビックリするかもしれないので、やはりほどほどで交換することは必要だろう。

依頼内容782:ラケットを何週間か使っていると、すぐにグリップの片側だけがへこんでしまいます。どうしてでしょうか?とても打ちづらいので、対処法などもあったら教えてください。

東京都のゆっけさん

報告782:状況が正確に把握できない。グリップテープの問題なら巻きなおせば済むが、文字通りへこんでいるなら一大事だ。一度、テニスショップにそのラケットを持って行って、相談してみて欲しい。グリップが壊れているかもしれない
 もしかして、依頼者の握力はバイオミック・ジェーミー並(古っ!)に強いのだろうか……。

依頼内容775:A-Rodみたいに、hybridのストリングを使う人がいますが、ストリングを長く使える以外にどんな利点がありますか?A-RodのPro Hurricane + VS Natural Touch をあげたら、どんな利点が出てきますか?

海外のぐるぐるスピンさん

報告775: ハイブリッドという張り方自体が広く普及し始めたのは、わりと最近だ(アガシなどはかなり以前からやっていたようだが、先のウインブルドンでは大会オフィシャル・ストリンガーが張った65%がハイブリッドで、今や主流の地位になったようだが……)。現在、発売されているガットの種類は非常に数が多く、また、その性質も様々で、「ハイブリッドにすればこうなる」という答えは正直に言ってない。というか、そもそも、ハイブリッドというのはそういうものだ、とも言える。
 なぜ、ハイブリッドというものが出てきたのか、について考えてみて欲しい。特にトッププロたちの場合は「ガットを長持ちさせたい」などというセコイ考え方(いや、ほとんどの一般プレーヤーにはここも大変重要なのだが……)ではなく、あくまでもプレーで最大限、自分のパフォーマンスを発揮できる状態を目指している。だからハイブリッド、と一口に言っても、打感を追求したものもあるし、耐久性を追及する形もある。そしてもちろん、その中間もあって、ほとんど無数のバリエーションが考えられる。目的は従来の1種類の糸を張るだけでは実現が難しかった状態を、2本の糸で作ろうというものなのだから、その組み合わせ次第で色々な性質が出せるものなのだ。
 だから例えば、切れやすいタテ糸に耐久性の高い糸を張り、横糸にやわらかい糸を張って、打感の良さと反発力を両立させたり、ナチュラルガットのゲージをタテと横で変えて究極の打感を追求したり、横に耐久性の高い金属素材が入った糸、タテにはさらに固い金属系素材入りの糸で究極の切れにくさを追求する……などなど、組み合わせによって利点も色々と考えられるのだ。
 何しろまだ本格的に普及しだしてから歴史が浅い分野でもあり、また、使用者の感覚によっても随分と評価は変わるだろう。ある人が固いと言った打感も、違う人が使えばそうでもない、となる分野でもある。なかなか一般論は立てがたい。好奇心がおありなら、ぜひ一度、ご自身で試してみることをお勧めする。
 ちなみに、ご存知ない方のために補足しておくと、A-Rodというのは、ロディックのこと。アメリカでのニックネームの一つだ。
 ロディックは上記のガットを、バボラのピュアドライブに張っている。ピュアドライブ自体、割と反発性の高いラケットなので、ある程度、糸の方で制御してやらないと飛びすぎるようになりやすい。そこで、固めの糸とやわらかめの糸を張ることで調節しているのだろう。ロディックはジュニア時代から軽めで振りやすいラケットを好んで使っていたため、彼自身には違和感はないだろうが、理由を考えるとすれば、ポリ系の糸だけだとちょっと飛ばなすぎパワー不足の面が顔を出すため、ある程度の反発力が欲しいなぁ、と試行錯誤して辿りついたのがこの組み合わせではなかろうか。

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