このコーナーは、本誌と連動する 『スマッシュ調査団』と『テニスフリートーク』で構成されています。
 『スマッシュ調査団』は、テニスに関する素朴な疑問を調査・解決していく、本誌で大好評連載中のコーナー。毎月寄せられる多くの依頼に本誌だけではとても答えていけそうにない。というわけで、インターネット部門を開設することになりました。このコーナーは随時更新していく予定なので、こまめにチェックして下さいね。依頼は、従来通り本誌宛へのお葉書はもちろん、インターネットでも受付けます。インターネット受付分から本誌への展開もあるので、「アレって何かな?」と思ったら、依頼してほしい!
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スマッシュ調査団
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依頼内容651:これは私の考えなんですけど、振り抜きの良いラケットを使わないとスピードが出ない=手首の力(筋力)が弱いってことだと思うんですけど調査団の方々はどう思いますか?

神奈川県のすっぱさん

報告651:手首の力、というのがどこの力かというと、前腕部の力、ということになる。決して手首の関節の力ではないので注意をうながしたい。また、スイングスピードは腕や、まして手首だけで出すのではなく、身体全体の運動連鎖で作り出すものだ。腕だけを鍛えることを調査団では推奨しない。
 スイングの動作というのは、全身の筋力のバランスで成り立っている。例えるなら1本の釣竿だ。その途中が強かったり、逆に弱かったりすれば、竿はきれいにしなることができないため、スイング全体が弱くなるというわけだ。
 つまり、他の部分に比べて、手首(前腕部)の筋力が弱すぎれば、確かにスイングの最後のひと押しが効きにくくなって、振りぬけないということは出てくるだろうが、問題は手首だけではないかもしれない可能性を留保しておく必要もある。逆に言えば、手首だけが強くても、ラケットは振りぬけない可能性も高いわけだ。
 極論すれば、手首の力の占めるウエイトは小さくないだろうが、そこだけが問題だと考えると、故障の原因にもなる可能性がある。自分の身体の状態についてよく理解したうえで、トレーニングをしていただきたいと願う。

依頼内容652:はじめまして 今年の全豪オープンからテニスファンになったので本当に素人の新米です。今はかたっぱしから情報を集めて読みあさってる毎日です。とはいえ実際探してみると驚くほど日本語のサイトが少なく物足りなさを感じ放送局にも要望のメールなど送ってみたり地道にテニスを応援しようとしております。テニススクールにも通ってみようかと思い調べているところです。と、前文が長くなってしまいしたがお聞きしたかったのはヒューイット選手のことです。今回全豪オープンで男子ばっかりかぶりついて観ていたのですが彼は相手のミスでも「カモン」と連発してすっごく感じが悪かったです。実際どういうつもりで言ってるのでしょうか?本人にしか分からない事でしょうが見ていてとても不愉快で・・気持ちとしては「入れてみやがれ」って感じなのかな?地元の声援も「カモン」とかあったんですが実際ああいったスタイルは人気あるのでしょうか?相手の選手はイラッときそうですけどコートを離れれば仲良くできるものなのでしょうか?
 後、プロの試合をもっとたくさんテレビで見たいのですが海外ではグランドスラム以外も放送されているのですか?編集部の方たちは現地の会場以外で試合を見るのはどうされてるのですか?サフィンやロディックの試合を全部観たいと思っても現状では無理そうです。残念。

東京都のサフィンすてきさん

報告652:ヒューイットの「カモン」に関しては実に様々な反応があるが、基本的によく思われてはいないようだし、実際、オーストラリアでも彼の態度はよろしくない、と考えられているようだ。
 というのも、オーストラリアという国のテニスの伝統の中で、彼のようなタイプの選手は実は非常に珍しく、むしろ、異端児の中に入れた方が適当だからだ。
 オージーたちにとっての理想像はラフターのような、コートでの態度もよく、オフコートでも紳士であり、皆から愛されるタイプの強豪で、ヒューイットのような、コートで騒がしいタイプはあまりいい印象では受け止められていないのだ(逆にオフコートでは非常におとなしい青年とのことだし、記者会見などでは少なくとも普通の選手で、むしろ記者たちの質問には誠実に答えてくれる選手の部類でもある)。コートでの彼に関して、多くのオージーたちは「キッド」としてみているようだ。これはやんちゃ坊主という意味で、大人のプレーヤーではないという意味だ。いずれ、成長すれば奴にもわかってくるさ、と多くのオージーたちは暖かく見守っているようだが、外国人はそこまで愛を持って見てはくれない。これはまぁ、仕方のないことだろう。
 また、彼はラテン系の選手たちに非常に嫌われていて、過去にはスペイン勢、最近ではアルゼンチン勢に大ひんしゅくを買い、この前の全豪でもチェラやナルバンディアンは憤りを隠していなかった。ラテン系の選手たちというのは、ああ見えて非常にマナーにうるさい面があり、同時に頭に来た、となるとその感情を隠せない大らかさがある。ただし、根に持つことは少ないようで、一度和解できさえすれば、次からはアミーゴ、という側面もあるようだが……。
 話が逸れた。他の選手たちもその温度差こそあれ、好意的に見ている選手はおらず、「敵視派」か「気にしない派」のどちらかであり、「支持派」はほとんど聞いたことがない。
 自分のサービスエース、あるいはウイナーでポイントを取って「カモン!」とやるのは、たとえ悔しくても仕方がないと思えるもの。たとえ、ミスで終わったポイントでも、それがセットポイントだったり、マッチポイントであれば、これまた仕方ないと思えるものだろう。しかし、それが完全に凡ミスで、「お、ラッキー」と感じるような場面でやられたら、腹が立っても仕方ないというところだろう。彼はいつもではないが、時々これをやるので嫌われているのだ。
 テニスという競技は満場の観客の注目下で、たった二人(ないし4人)の選手だけが、ずっーと注目され続けるという競技だ。凡ミスをやらかせば、それだけでも恥ずかしいのに、相手にガッツポーズまでされれば、より辱められるという形になる。メジャーリーグでは、デッドボールを食らったり、ビーンボールで尻餅をつかされると、次のイニングで報復されることがある。これはチームメイトが恥をかかされたことに対する報復で、この部分に関して、欧米諸国では非常に敏感なのだ。
 かつてのマッケンローは審判に対して切れたが、選手に対して切れることはマレだったし(レンドルなどを、記者会見などでボロクソにこき下ろすことはあったが……)、イバニセビッチやサフィンが切れるのも相手の選手にではなく、審判や自分に対して。ヒューイットのように相手に対する闘志を露に戦う選手というのは今まで少なかった分だけ、まだまだ受け入れられていないということなのだろう。
 サフィンは言っている。「観客はお金を払って、数ある休日のお楽しみの中からテニスを見に来ることを選んでくれた人たちだ。だから、俺たちは彼らを楽しませてあげないといけない。これは一種のショーで、エンターテインメントなんだ」。サフィンはヒューイットの態度を気にしない派だが、彼はヒューイットの態度も、そのエンターテインメントの一部だと見なしているのだろう。
 少なくとも調査団も気にしない派だ。お行儀のいい選手だけでは、テニスはやっぱり少し退屈だ。次には何をしでかすか、というハラハラ感が、プレー以外にあっても別にいいじゃないか、と考えている。確かにマナー上はほめられた態度ではないし、「あんなのを子供が真似したらどうする」というご意見もあろう。しかし、それは身近にいる大人が教育する責任のあること、と考えるのが大人というものではなかろうか。
 ところで、テニスの放映だが、2005年春の時点ではNHKやWOWOWなどの他だと、スカパーのガオラなどでテニスが放映されている(今年はマスターズシリーズが全て放送されるとのこと)。残念ながら日本ではテニスを見たければお金がかかる、という時代になっている(もっとも、これは国際的にはそう特別なこととも言えないが……)。
 海外、と言っても実に広いが、少なくともテニスの人気のある地域ではテニスは他のスポーツと並んで放映され、それなり以上のボリュームで報道もされている。
 我々の場合は、サッカー誌を発行している会社である関係で、世界各地に情報提供者がいて、必要に応じて彼らに協力していただいている。

依頼内容653:度々質問に答えていただきありがとうございます。私はインパクトの瞬間まで手首に力はいれないでリラックスした状態でいると、ラケットヘッドを下に向けるくらいに力を抜くとインパクトが安定しません。そこまで手首の力を抜く必要があるでしょうか。

神奈川県のジャックさん

報告653:よく「余計な力を抜いて」といわれる。しかし、あくまでも「余計な力」を抜くことが大事なのであって、必要な力は入れておかないと、くにゃくにゃしてしまう。
 人それぞれに筋力の違いや、スタイルの違いはあるだろうから、十把一絡げな言い方は避けたいが、スイングは下半身からスタートして、体幹部、肩、ヒジ、手首、指先と順にパワーが伝達されていく状態が理想的な状態(もちろん、いつもこうは打たせてもらえないだろうが…)。この状態を維持しつつ、スイングやインパクトが安定するのが、依頼者の最適な部分ということになるはずだ。こればっかりは、たくさん数を打って、自分が一番心地よく、そして強いボールを打てる状態を探して欲しい。

依頼内容654:テレビ観戦していて思うのですが、男女ともに両手打ちが多いせいかストローク戦で「ここでスライスでチェンジオブペースだ」と思う場面でも延々とハードヒットを繰り返しているということです。サンプラスは結構ストロークでスライスを使い、ここぞというときにハードヒットと緩急自在という印象でしたが、最近はそういった選手は少ないと思います。もうスライスは時代の流れ的に必要性が薄いのでしょうか。宜しくお願い致します。

福島県のハゲ鷹さん

報告654:野球の投手でも同じだが、遅いボールを投げるのは勇気がいるという。強打もできる場面で、敢えてペースを落とすというのも勇気がいるはずだ、と想像して欲しい。それでポイントを取れればいいが、それがキッカケでそのポイントを失えば、自分は自信を失い、相手が勢いに乗る可能性だってある。それができるのは、よほど強い精神力がある選手だろう。
 また、スライスは低く沈められればいいが、少しでも浮けばチャンスボールになるリスキーなボール。よほどスライスの技術に自信がないと、失敗した時に「なんで強打しておかなかったんだろう」と後悔しかねない。
 信じられないタイミングで遅いホールを使えた選手たちを思い出して欲しい。ヒンギスやフェデラーなどのその時点での最強選手たちや、グロージャンやサントロ、O・ロークスなどの魔術師たちなどぐらいが思い浮かぶ程度ではなかろうか。

依頼内容655:前々から疑問に思っていたのですが、サンプラスは犬の様に舌を出す癖を持っていましたが、ずいぶん変わった癖を持っているなと思っていました。そこで質問なのですがこの舌を出す癖は何か彼なりの意味があってやっていたものなのでしょうか。宜しくお願い致します。

福島県のハゲ鷹さん

報告655:サンプラスはバスケの熱心なファンだ。この舌を出すというクセが、NBAのスーパースターであるマイケル・ジョーダンのクセでもあったことを思い出して欲しい。恐らく、彼はジョーダンの影響を直接受けたか、その関係者によるアドバイスを受けたと考えられる。
 では、この舌を出す行為がどういう効果があるかといえば、相手を馬鹿にした態度をとることで、相手の冷静さを奪う……、ことではもちろんない。実は身体の余計な力を抜く効果があるのだ。
 人間はスイングをしたり、ジャンプしたりと力を入れようとすると、歯を食いしばる。しかし、最初から歯を食いしばっていると、身体に余計な力が入り、スムーズに身体が動かないことがある。しかし、舌をべろんと出せば歯を食いしばることはできない。結果として、余計な力が抜ける、という仕組みなのだ。

依頼内容656:フォアハンドをスクエアスタンスで打つと体の回転が制限されて窮屈なような気がするのでオープンスタンスで打つようにしてみました。すると今度は体が回りすぎて(特にジャンプして打つ時)体の軸というか壁を意識して打つことができません。その辺の矯正方法を教えていただきたいです。アガシのようなオープンスタンスでの強打を習得したいと思っています。宜しくお願い致します。

福島県のハゲ鷹さん

報告656:依頼者が右利きなのであれば、左手をうまく使えるといいだろう、というのが一般的なアドバイスだろう。前に出した左手を壁として使うことで、スイング全体をコントロールして欲しい。
 あとはもう、依頼者を見たことがない我々には何も言いようがない。オープンスタンスでのフォアなら、身体は回してしまっていいわけだし、もしかしたら、現時点でもちゃんと打てている可能性も否定はできないし……。

依頼内容657:こんにちは
二階堂麟です
最近気が付いたんですが僕の身長と体重は
コリアといっしょでしたなのでコリアのフォームを
真似したいと思います、まずはグリップを真似したいと思います
そこでコリアノ握り方を教えてください

沖縄県の二階堂 麟さん

報告657:基本的に厚い。フォアならほとんどウエスタンだし、バックも左手のグリップは厚めだ。しかし、彼はツアーでも屈指のテクニシャンで、あらゆるグリップから色んなボールが打てる選手でもある。また、彼が相手にしているのは猛烈な勢いで跳ね上がるプロのボール。彼の身長では高い打点で打つことが多くなるため、その分、グリップも厚くしていかないと追いつかない、という側面もあろうから、その点は十分に留意のうえ、練習に励んで欲しい。

依頼内容658:テニスを始めたばかりなのですが、フォアでストロークを打つ時どうしても山なりのボールになります。コーチのを見るとネットすれすれに直線的で早いボールを打っています。僕も、コーチみたいなボールを打つにはどうしたらいいですか?

北海道の?さん

報告658:始めたばかり、というのが引っかかるが、最初は誰でもそうなのでは……。いや、打ちたいボールの種類がハッキリしている以上、そのように打てばいい、とも言える。最初はうまく打てないかもしれないが、打ち方は打たなければ理解もできない。その過程でトップスピンをかけることや、スイングや打点なども体得できるはず。とにかくたくさんのボールを打って欲しい、としか今は言いようがない。

依頼内容659:今更ですが、プロスタッフst.vincent製は独特な打球感があるとよく聞きます。そのビンセント製を再現したというプロスタッフツアーは本当に同じ打球感なのでしょうか。そして、ビンセント製とツアーを比較すると、ラケットに使われている素材などを考えてツアーの方が性能は上になるのでしょうか。宜しくお願い致します。

福島県のハゲ鷹さん

報告659:セントビンセント製のプロスタッフが神格化されるに至ったのは、それでないとダメだ、とおっしゃる皆さんがいらっしゃるからこそ、だとは思うのだが、今の中古市場での尋常ではない価格のつけられ方を見ていると、良し悪しでございますなぁ、という気がどうしてもしてしまう。
 打感というのは、まず糸の種類、そしてテンションで変化するもので、同時に使う人の感じ方にも左右される。仮に全く同じラケットを二人の人が使ったとしても、その打感の表現方法は変わってくるだろう。そういうものだとまずは考えておいて欲しい。
 また、ラケットというのは個体差が否定できないほどにある工業製品で、セントビンセント時代の物だと、それがより顕著であるとも言われる。つまり、当たり、外れがあるのだ。
 使っている素材によって、ラケットの性質が変わる以上、打感も変わるだろう。全く同じである、ということは、全く同じでない限り難しいはずだ。ただし、性能の上下、という観念はラケットに関しては存在しないと考えて欲しい。飛ぶ、飛ばない、などの相対評価はできるとしても、それは性能の上下ではない。ラケットは道具であって、その性能は使う人が評価するものだからだ。文化包丁と刺身包丁の差は性能差ではないのと同じだ。 ご依頼の製品の場合、ウイルソンが当時の製法を再現し、かつ、最新の素材を盛り込んだということから、より広くの層に使いやすくなった、と見られるべきだろう。

依頼内容660:先日シャラポワも出演したTBS(多分)の番組で、サービスコート上に置いた9つの的をサーブで打ち抜くというゲームにサンプラスは出たことはあるのでしょうか。昔の記憶を辿ると結構大物が出ていたような気がしまして。宜しくお願い致します。

福島県のハゲ鷹さん

報告660:筋肉番付のオンエアー開始は1995年の10月。サンプラスが最後に来日したのは96年春のジャパン・オープンだ(お忍びで、プライベートで、というのは知らないが、多分、それもなかろう)。当時、まだテニスのターゲット9はなかった。従って、サンプラスは出演していない。

依頼内容661:よく、「体重を乗せて打てとか体重移動を意識しろ」とかいいますが、実際何処をどうしたら体重を乗せて打てたり、体重移動ができるんですか?

北海道の太郎さん

報告661:物理の授業で、「質量保存の法則」というのは習っただろうか? ラケットとボールの衝突現象で、打った人間の体重がボールに乗り移るようなことがあるとしたら、打っている人間の体重や、ラケットの重量が乗り移った分だけ軽くなってしまうはず。しかし、そんなことはあり得ない。つまり、実際に体重を乗せたり、ボールに体重を移動させることは、その文字の示す意味通りにはできない。
 では、どういう状態なのかといえば、「傍から見て、あたかも体重が乗り移っているかのように、全身で作ってきた力が打点に集約されているような無駄のない打ち方」ということになる。想像して欲しい。例えば、何か重たい物をラケットで動かさなければならない場合、その物体とラケットが触れている部分に全ての力を集約させなければ、動いてはくれないはずだ。あるいは、棒で獲物を叩きのめそう、という場合、棒が獲物にぶつかった時点で全てのパワーが集中するようにするのではなかろうか。それが無駄なく力が集約された状態で、テニスのスイングにおいて、これがなされた状態というのが、体重の乗せられた打ち方となるわけだ。
 また、体重を移動、というよりも重心を移動という考え方もある。重心とは動こうとする体の中心のことで、力を出そうとする場合の中心で、体重の中心でもある。これがボールを打ち返そうという方向に対して移動していくことで、ボールの勢いに負けず、ボールを跳ね返せるということになるわけだ。
 何をどうすれば、というのは、個別の問題で、様々な回答が導き出されるが、打った時点で、自分が出せる最大のパワーをボールにぶつけられたか否か、腕だけの力ではなかったかどうか、というのは自覚ができると思う。最初はボールの飛ぶ方向などに頓着せず、とにかく強くボールを叩く練習をして感覚をつかんだら、同じ感覚でボールをコントロールできる打ち方を探して、練習を積んで欲しい。ボールを強く叩くというのは一種の能力で、磨かなければ自然とできるものではないからだ。

依頼内容662:重いボールを打つ時「ボールとラケット面の接触時間を長くする。」といいますが、どうすればボールとラケット面の接触時間を長くできるんですか?ボールとラケットが当たったらボールは、すぐに飛んでいくのでボールとラケット面の接触時間を長くすることなんか物理的に不可能じゃありませんか?

北海道の太郎さん

報告662:ラケットとボールの接触時間は以前に研究した人があり、大体3/1000〜4/1000秒前後、ということらしい。文字通り、あっという間だ。しかし、実感としてボールが長く接触しているという状態もある。どういうことなのだろうか?
 考えられる方法は二つだ。一つは、ボールをつぶすことだ。テニスのボールというのは野球の硬球などとくらべるととてもやわらかい。これを叩き潰すほど強くボールを当てれば、ボールが復元していく時間と、そのパワーが加わってより速いボールを打つことができるし、接触時間も長く、かつ接触面も広いため、スイングの方向性に対して素直にボールを飛ばしやすくなる。そのためには強いスイングと、正確なコントロール力が要求されるだろう。
 もう一つはガットのテンションを落とすこと。ボールを叩き潰すほどのスイングスピードを確保できないというのであれば、ガットをたわませて接触時間を増やし、反発させるという方法がある。ただし、ボールをつぶすよりもたわませる面積や復元させる範囲が広いため、コントロール性はやや犠牲になりやすく、より繊細なラケットコントロールが必要となる。
 また、しなりの強いやわらかいフレームのラケットというのも、ガットのテンションを落とすのと似た効果があり、ボールとラケットの接触時間をやや増やしてくれるだろう

依頼内容663:東レパンパシフィックテニスを観戦した時非常に気になった事があったので、質問します。浅越vsシャラポワの試合をアリーナで観たのですが、浅越選手の関係者(おそらくはコーチ)数名が、すべてのサーブ前に「前」とか「次だよ」とか「リターン ケア」とか声を出すのです。すべての!ですよ。格別大きい声ではないですが、サービス前ぎりぎりといったタイミングで言うので、勿論会場は静まり返っていて、ほんの一言が非常に気になって…はっきり言って不愉快でした。注意が出た訳ではないですが、主審は何度も彼らを見ていました。シャラポワのサービス前など、妨害ぎりぎりではないでしょうか。コーチングにはあたらない、ルール上問題ないという事なのでしょうが、ジュニアでもあるまいし、マナー違反ではありませんか?

 東京都のスランプ脱出さん

報告663:依頼者のおっしゃることを信用しない、というわけでは全然ない。これははっきりと言っておきたい。しかし、あったとすれば大問題。これはちゃんと調べねば、ということで調べてみたのだが、現時点では事実関係を確認できていない(本誌取材班の記者、カメラマンは気づかなかったと言っているのだが、これは試合、撮影に集中していればこそなのだろうし……)。以下はあったとしての、あくまでも仮定の話として進めさせていただきたい。問題が問題だけに、複数のソースと事実関係を把握した上でなければ、事実として話は進められない。ご理解いただけるとありがたい。ただ、もし、おっしゃられたとおりのことが完全に事実なら、コーチングの反則を取られても全く文句の言えない状態だ。
 しかし、ジュニアに限らず、プロの試合においても、こうした話は実はありえない話ではないし、これは浅越選手に限らず、むしろよくある話で、もし、依頼者のおっしゃることが全て事実だったとしても我々はあまり驚かないというと不思議に感じられるだろうか。
 以前、ヒンギスの母親であるメラニーさんがコーチングの常習犯としてマークされ、帽子に手をやっただけでコーチングの反則を食らったことがあったが、これは非常に極端な例で(彼女はヒンギスが世界ナンバー1の時にマークされ始め、相手選手からの抗議を受けたために審判も厳しくチェックするようになったと言われる)、多くの、というかほとんど全ての選手たちのコーチは試合中に何かのメッセージを選手と交わしているのが普通なのだ。もう単純に「頑張れ」とか、「ここ大事だぞ」とかいう応援に近いものから、やや具体性を帯びた声までが飛んだりするのは割合よく見られる光景なのだ。特にラテン系の選手たちの陣営などは非常に激しく喜怒哀楽を表現し、ああでもないこうでもないと試合中ずーっと声を出している(あの全仏中でさえ、その声は目立ち、さすがに注意される場面もよく見かける)。
 さすがに超トップクラスの選手とその関係者だとあまり見かけなくなるが(誰とやっても相手は格下、というレベルの選手がそこまでする、というのは通常「みっともないこと」と考えられるからだ)、発展途上の選手とその関係者たちだと、特別めずらしい光景とは言えない。もちろん、コーチングの反則を受けるケースも少なくないが、この反則はそれがあまりに露骨である場合に、審判の裁量で判断される。あるいは相手選手のアピールによっても判断が左右される。普通の大会であれば、声援の声に紛れて目立たないが、東レPPOのようにインドアで、しかも場内が非常に静かな大会では目立ったのかもしれない。ただ、シャラポワが特別アピールしなかったのだとすれば、彼女自身は別に気にしていなかったとも判断できる。ちなみに、コーチングの罰金は通常1000ドル以上で、それが常態化していると見なされれば、特に厳しくマークされ、ヒンギスの母親のように試合中微動だにできない、という状況になる。
 ただし、依頼者のおっしゃるように審判も気にしていたとすれば、いつコーチングの警告を取られても不思議ではなかったはずだ。
 ここで考えられるのは、浅越選手とシャラポワ選手との対戦では明らかに浅越選手がチャレンジャーだったということ。しかも、地元日本の大会ということで、審判も目をつぶった可能性がある。プロの試合の審判というのはただ厳格にルールを機械的に適用するためだけの存在ではなく、興行の仕切り屋としての側面も併せ持つ。ここを理解して欲しい。挑戦者の地元で、準々決勝まで勝ち抜いてきた浅越選手が、世界的なスーパースターと戦う試合で、みだりに地元選手に不利なジャッジを下せば、「普通の国」であれば、試合は興ざめ、あるいは観客からのブーイングが発生したりして(審判か、それを抗議したサイド、この場合はシャラポワに対して非難が集中するだろう)、試合は観客からの支持を失い、試合そのものを壊してしまいかねない危険性もある。確かにこの点に関しては日本の大会では、あまり心配ないかもしれないが、世界中を転戦しているテニスワールドではそれが常識だ。プロの審判というのはそこまで判断している存在なのだ(これを逆に考えれば、全豪の決勝でフットフォールトを取られたヒューイットは実際にジャッジされる以前から、よほど繰り返しフットフォールトをしていたか、審判に相当嫌われていると見ることもできる)。
 マナー違反か、と問われればそうだ、となるが、審判も相手のシャラポワも「ありえる範囲」として許容した結果、と考えられた方がお気持ちも収まるのではなかろうか。実は審判が外国人であっても、日本語での「汚い言葉」、「コーチングに使われる言葉」の知識はあるもの。審判も何を言っているかは理解していたはずだ。その上でスルーしていたのなら、「ここは彼女の地元だから」と、許容範囲と見なしていたと理解した方がよかろうと思う。
 最近でこそだいぶ大人しくはなったようだが、実際、シャラポワの父親の態度も、正直ほめられたものではなかったので、彼女自身も相手のことを言えない、と考えているのかもしれないし……。

依頼内容664:スライスサーブはボールの少し右を打つというサーブのためかデュースコートからは方向とかラケットの角度的にスライスサーブを打ちやすいのですが、アドコートからはどう打っていいのか分からなくなってしまいます。右斜め方向に打つのに、ボールの右を打つとはどういう感覚で打てばいいのか・・・という感じです。
 特に、アドコートからサンプラスがよくやってたフラット系のようなスライスサーブをセンターに打とうとする場合、ラケットの向きをどこに向ければいいのか分からず、センターを狙ったつもりがデュースコートど真ん中に飛んでいってしまいます。
どういう意識でアドコートに打てばいいのでしょうか。

福島県のハゲ鷹さん

報告664:コースを変えるのをスイングや、ラケットの使い方で変えようと考えるからわからなくなるが、どのコースに打とうがサービスの打ち方は変わらないと考えて欲しい。身体の向きを変えればその方向に飛んでいくものだからだ。難しく考えればどんどん難しくなるのがテニス。もっと単純に考えて欲しい。右に打ちたければ右に向き、左に打ちたければ左を向く。相手に対してコースを隠したいという意図でもあれば別だが(これをちゃんと、例えばサンプラスのようにやりたいなら、身体をしっかりと鍛えて、体幹部の軸を保てる筋力が前提となる)、通常のテニスの範囲内では打ちたい方向に向けば飛ぶ、という答えになる。そのためには一つの打ち方で常に同じ方向にサービスを飛ばせるように、安定したサービスを練習で身につけておく必要がある。これがサービスの基本だ。これができて初めて、腕の使い方や身体の入れ方、トスの上げ方などでコースを隠したり、コントロールしたりという「トッピング」を付け加えることができるようになる。最初の段階が怪しい間にいきなりあれこれとトッピングを付け加えようとするのは、悩みを大きくする原因だ。まずは土台を固めて欲しい。今、例えばアレーから、向こうのアレーに真っ直ぐに打つサービスを10回打って9回以上ちゃんと真っ直ぐに打てているだろうか? これがサービスをコントロールする際の前提条件だ。真っ直ぐ打てているなら、その向きを変えれば左右に打てる。話は簡単なのだ。
 考慮されるべきなのは、センターにコース取りをする分、距離は短くなるので、少し多めに回転を意識するか、低めに打つことぐらいだ。
 小難しいことを言う人も数多くいるとは思うが、ベースとしてはこの発想からの各論となっていくはずだ。あとは練習して身につけてください、としか言いようがない。

依頼内容665:シャラポワは試合後ケータイで話していますが、テニスってコーチング禁止ですよね?持ち込んでいいのですか?メールとかでコーチングしてたら気づかないような気がします。あとそれに関連して、ほぼ無いと思いますが、試合中に観客の人と話す(大きな声で
はなく、普通のおしゃべりという感じで)のはありなんですか?教えてください。

千葉県のロディックすてき!さん

報告665:ハッ!! メールなら確かに人に悟られない形での、しかも具体的な内容のコーチングがありえるし、最近の携帯端末は非常におりこうさんで、動画まで送れる。これは多分、ルール上の盲点ではなかろうか……。
 しかし、発覚すれば動かぬ証拠になるうえ、その選手のイメージの大幅な低下も避けられず、リスクも大きい。大体、いくら外野が「こうしろ」とコーチングしても、選手がそれをできなければ意味もないし……。そんな不確かなことのためにそこまでリスクを負えるだろうか。また、一人でもそういう選手が発覚したら、コートへの携帯電話の持込は全面禁止になるはずで、シャラポワと契約しているメーカーには大きな痛手となるだろう……。
 選手とはいえ、年頃の男の子と女の子たち。今や万国共通で携帯電話は必須アイテムだ。しかし、試合中に出られるわけではないので、通常は電源をOFFにするか、マナーモードにしているだろう。携帯電話の使用に関しての明確なルールがあるわけではないが、観客に電源を切れ、とあれだけしつこく言っている以上、選手たちが切っていないはずはない、と思う。あとは選手次第だろう(うっかり、なんてことだって人間である以上はありえるし、実際、試合中に選手のバックの中の携帯が鳴りだした、という事件も過去にあったし……)。
 選手が観客とおしゃべり、というのは、選手次第でありえる話ではある。確かにほとんど見たことはないが……。選手によっては試合前から外部を遮断するタイプと、割とオープンなタイプがいる。オープンなタイプの選手だと、入場後、試合開始までの間のタイミングで知り合いのカメラマンなどと話している光景を見かけたことはある。ルール上、特に規制されているわけではないので、長く話し込んだりしない限り(プレー間は20〜25秒というルールに抵触しない限り)、ありえる話だろう。全米でクエルテンが観客と口論を始めた、というのはかなーり特殊だが……。

依頼内容666:選手の薬物使用疑惑でATPから配られたサプリメントが原因だったという報道を時々目にしますが、ATPは一体どのようなサプリメントを選手に配っているのですか。宜しくお願い致します。

福島県のハゲ鷹さん

報告666:普通のサプリメントだ。いや、誤解のないように言うならば、「これならドーピング検査には引っかかりませんよ」というATPがお墨付きを与えたサプリメントだ。あらゆる製品の品質管理が非常に高レベルで維持されている日本に住んでいると、にわかには信じられない話かもしれないが、世界では表示成分以外の「不純物」の混ざったサプリメントや薬が割と少なくない。ビタミンCのサプリメントの中に、わずかでもドーピングに抵触する成分が混ざっていれば、それを飲んだ選手はアウトだが(最近のドーピング検査の精度はすさまじいまでに上がっている)、こうした不純物の混ざったサプリメントというのは、実は世界中にはごくありふれているのだ。しかし、選手にとってサプリメントはいまや必需品。そこで、ATPが「これなら大丈夫」というものを供給しているわけだ。
 また、「この会社のこの製品なら大丈夫」という一覧も配布されているという。
 以前、問題になったのはATPがOKを出していた製品の中に、トーピングに引っかかる成分が含まれているサプリメントがあったことで、知らずに飲んだ選手の中が検査に引っかかってしまったのだ。当然、選手の過失ではないので、この件に絡んだ選手たちは陽性反応が出てしまっても、それがこの汚染サプリメントが原因だったと判明し、証明できれば全て無罪となっている。

依頼内容667:いつも質問に答えてくださりありがとうございます。今度、飾る為にウッドラケットを購入しようと思ってます。そこで、質問ですが今のラケットだったらスロート部等で硬式or軟式の違いが判りますが、ウッドラケットにも硬式用と軟式用ってありますか?あれば見分け方について教えて下さい。購入しようと思ってるのは硬式用です。

神奈川県のあがちっちの父さん

報告667:「軟式用」、「硬式用」というラベルでも貼ってあればいいのだが……。もし、そんな物が張ってあったとしても、なにしろ古いものなのですでに剥がれてしまっているだろう。 そうなると、見分け方としては形状、ガットのパターン、重さ、グリップの形状で見分けるしかない、と専門店の方もおっしゃっていた。
 形状は今でもそうだが、軟式のラケットの方が逆三角形のフェイスをしていることが多く、ガットのパターンも粗いものが多く、重さも軟式用の方が軽くて薄いことが多く、グリップの形状も丸いものが多い。しかし、これも機種に依存することは否定できず、確実なのは、硬式ラケットとして有名だった機種を探して購入されることではなかろうか。多少値は張るかもしれないが、今ではもう他にはないものなので、ある程度は覚悟の上で購入して欲しい。
 ウッドラケットが全盛だった当時は有名無名を問わず、実に様々なラケットが売られていた。筆者が最初に買ってもらったラケットは量販店で当時1980円で吊るされていた、ハーフケースにはサンタモニカスポーツクラブと書かれたラケットで(当時でも破格の安さ)、当時はとてもうれしかったが、今見ると非常に怪しいラケットだ。なにしろ、サンタモニカスポーツクラブといえば、かつてカール・ルイスなども所属した超名門のスポーツクラブなのだが、そこがテニスラケットを出している、などという話は聞いたことがないからだ。多分、マジソンスクエアガーデンには実在しない、スポーツクラブ名が書かれていた例の「マジソンバッグ」と似た類いの製品だろう……。
 質流れ屋さんの店先などには、このような何やら見たことも聞いたこともないブランドのウッドのラケットが吊るされていることがあるが、こうした無名ラケットたちがどんな年月を過ごしてきたか、を想像できれば、状態がいいはずもない。なにしろ古いもの。しかも木製であることを考慮すれば、ある程度ちゃんとしたメーカーの、ちゃんとしたラケットであれば、無名のラケットよりも大事にされ、元の持ち主もそれなりの使い方、保存をしていた、可能性もある。
 一度、中古のラケットを取り扱っているテニスショップさまなどにお問い合わせいただくといいだろう。購入後のことを考えても、専門店のストリンガーさんでなければガットの張替え自体に問題が生ずるであろうし……(飾るためなら大問題ではないにせよ……)。

依頼内容668:サービスダッシュ時のスプリットステップはどうすればいいんでしょうか?
よく雑誌では真上に跳ぶようにとか後ろに跳ぶようにと解説されていますが、プロの試合でサーブ&ボレーの場面を見ると前に跳んでるように見えます。
自分が見る限りではプロは真上や後ろに跳ぶようにはしていないように思います。しかし雑誌でそのように解説するということはやはりそういうことなのかなと思ってしまいます。実際はどうなのでしょうか?宜しくお願い致します。

福島県のハゲ鷹さん

報告668:どちらでそういう記事を読まれたのかはわからないが、真上に飛ぶ、という話は正直あまり聞かない。第一、ダッシュしながら真上に飛ぶということは一度、完全に停止しないと無理な話で、次の動き出しで不利だし、そんな時間的余裕があるならもう一歩前に出られるではないか……、と素朴に思う。もちろん、初歩の初歩の段階であれば、イメージをつかむために、そういう段階を踏ませるという考え方があっても不思議ではないだろうが、真上や、まして後ろという話はほとんど聞かないのだが……。
 このコーナーでは何度もお話してきたが、目的を間違わないで欲しい。スプリットステップというのは、人間が次の動作に移ろうとする時に自然に出る動作で、正直に言って、意識して行なう動作ではない。また、スプリットステップをすることが目的ではなく、目的は次のボールに対して素早く反応してボールを打つことなのだ。素早く次の一歩を踏み出す手段がスプリットステップであって、これ単体で何かができるようになるとか、動きが何倍も速くなるとかそういうものではない。プレーは単体で見ず、流れで全体を考えて欲しい。ひとつひとつの部品の完成度が高くても、それらが組み合わせられた時に、それぞれが噛み合わなければ、完成品にはならないのだ。

依頼内容669:サンプラスはラケットに鉛をべったり張り付けてたと何かで読んだことがあります。ラケットは重いほうがいいのでしょうか?競技者用のラケットは重いものが多いようですし。あと、重いラケットと軽いラケットを全く同じスイングスピードで全力でボールを打
った場合どちらのラケットがより強いボールを打てるのでしょうか?宜しくお願い致します。

福島県のハゲ鷹さん

報告669:重ければいいというのなら、依頼者は3キロのラケットを使うだろうか? 300グラムではない。3キロだ。使えまい。物にはバランスというものがあるからだ。
 テニスのボールは60グラム弱。200キロで飛んでいるボールを直接叩いても野球では100キロ超程度のボールが持つエネルギーしかない。しかも、200キロで飛んでいるボールにテニスでコンタクトする可能性があるのは、相手の猛烈なスマッシュをノーバウンドでボレーする時が想定される程度で、それがもしマッチポイントでないのなら、無理に触る必要もなければ、そんなボールを打たれた時点で自分の負けを潔く認めたい(サービスの場合は200キロの速度でも、手元に来るまでには100キロ以下になっている)。
 野球では140グラム前後のボールが、遅くとも120キロ以上で飛んできて、それを打ち返さなければならない。バットは700〜1000グラムで、超トップヘビーの性質が持たされているが、これはボールが持つエネルギーに対して、これぐらいのバランスがないと人間の力ではうまく前にボールを飛ばせないからだし、重くても1000グラム前後なのは、人間がスイングしてボールにバットを当てるには、この程度の重さがギリギリだからだろう。
 テニスも同じで、相手のボールが速くなれば、軽いラケットだとボールに負けるという現象が出てくる。軽量ラケットのほぼ全てがトップヘビーの特性を持つのはそのためで、ラケットとスイングで作られるエネルギーが、ラケットの軽さのぶんだけ小さくなるため、トップヘビーにすることで慣性モーメントを稼ごうという考え方が根底にある。
 あと、重いラケットと軽いラケットだと、という質問に対してだが……。依頼者は数学や物理が苦手だったのではなかろうか? ここまでお考えになるのであれば、依頼者にはぜひ高校時代の教科書を再読することをお勧めする。
 ボール側の条件が設定されていないので、単純な勘違いだとは思いたいのだが、仮に静止したボールの話であれば、スイングスピードが同じである以上、結果も同じだ。ここではラケットの質量を考慮する必要はない(ラケットの重量がボールより軽ければ別だが)。全てはスイングスピードで決まると言ってもいいだろう(厳密に言えば、実際にはラケット自体の反発力、ガットのテンションやフェイス面積の大きさよって差が出てしまうので、全く同じテンション、フェイス面積で、同じ反発力を持ったフレーム同士。ただ重さだけが違う、という条件を設定しないと、重さによる影響なのか、はたまた違う要素による影響なのかが特定できなくなる。ここでは両者の違いが重さのみとして考える)。スイングスピードが同じなら、ボールが受けるエネルギーはスイングスピードにしか依存しないので、同じように飛んでいくはずだ。
 違いが出るのは、飛んできたボールを打ち返す時で、これならボールがどのスピードで飛んできたかによって話が全然変わってしまう。
 両者の差は重いラケットと軽いラケットという点のみで、スイングスピードは全く同じ、というなら、ラケットとスイングで作り出されるエネルギーは重いほうが大きいし、慣性モーメント上も有利だ。これはラケットの質量に依存する計算式となる。
 しかし、相手のボールが遅く、ボールの持つエネルギーが選手側に損失の出ない範囲であれば、その差はほとんど出ない。計算上はともかく、実際のプレーの上で体感できるほどの違いにはならない可能性が高い。しかし、ある時点でボールの持つエネルギーと、選手側のエネルギーのバランスが、選手側に不利となるボールスピードが出てくる。こうなると、軽いラケットはボールに押される計算となり、スイングで作ってきたエネルギーをボールに変換できなくなるため、ボールは飛ばなくなっていく。重いラケットなら、このポイントがより遅くなる。つまり、速いボールに対してプラスの状態が作り出せる範囲が広い、つまり、打ち負けにくいと言えるわけだ。
 ボールとラケットが衝突した時、ラケット側が勝った分が推進力となる。単純な引き算だ。極端に言えば、ラケット側が完全に負ければ、ラケットは弾かれてボールはそのまま直進するし、ボール側より常にプラスの状態をラケット側がキープできていれば、ボールは前に飛ばせるのだ。
 競技者がなぜ重いラケットを使うかと言えば、相手のボールが速いからで、その方が「楽」だからだ。また、逆に競技者でも軽いラケットを使う人は、身体のパワーで速いスイングと力強いトルクを作り出しているケースが多いはずだ(例えば、ロディックやセレナ・ウィリアムズ)。重ければ重いラケットを振り回す体力は必要だが、実はラケットの質量が味方になる部分もあり、軽ければ速いスイングは作りやすいが、今度は相手のボールが速くなった時に負けやすくなるのでその分を筋力で補わなければならなくなる。どちらがいいかはプレーヤーのバランスに依存すると考えて欲しい。
 また、サンプラスのラケットに関しては、彼が重りを張っていたのは重くするためではなく、バランスを調整していた、と考えた方がいいと思われる。実際、全くこれは普通の人では使えません、というほど重くはなかった。過去ログにその時のことが書かれているので参考にして欲しい。これは調査団としては少々恥ずかしい報告内容だが……。

依頼内容670:早速貴誌の今月号を購入し、拝見させていただきました。ありがとうございます。
 アガシの新ラケット「フレックスポイントラジカルOS」欲しいなあと思いました。スイートスポットに当てることが下手な私にとってはでかいラケットのほうがいいと思っているのですが、私の偏見というかイメージといいますか、OSは両手打ちではないとかっこよくないと思ってます。何度か両手打ちに挑戦し、失敗した私にとっては大きい問題です。それに片手でOSだとでかくて振り回しにくいのではと思い込んでいます。
 そこで質問なのですが、どうすれば両手打ちをマスターできますでしょうか?スマッシュのページが剥がれ落ちそうなほど何度も読み、録画したアガシの試合のリプレーをさらにスローで見て研究しましたがダメでした。自分なりに考えた私の両手時の問題点は、力が入らない・窮屈・やけに体ばかり回り軸が意識できない・体をなぞるような横振りのスイングしかできない・です。アガシのようなガンガンライジングで打つ両手打ちを目指しています。宜しくお願い致します。

福島県のハゲ鷹さん

報告670:同じ質問をもし、本誌で長期連載中の元某プロにしたとしたら、「たくさんボールを打ちなさい、以上」。であろう。
 いや、なんだかんだ言っても、実はそれが一番の近道なのだ。最終的には理屈ではないのも現実なのだ。練習の段階として、うまい人のを見る→自分で真似してみる→うまくいかない→また見る→またまた練習する……。の繰り返しなのだ。グリップがどうだとか、体幹部の使い方がどうだとかはその時点での話で、コートに立たずボールも打たずにあれこれ思案している時間があるなら、たくさんボールを打って自得した方が早い、というのは案外真実を突いている。大体、「体幹部の筋力が……」、「運動連鎖が……」と詳しく言われて、どんなにその知識を蓄えたとしても、それを頭と身体で理解して、身体をその理屈通りに動かせなければ結局意味はない。冷静になれば誰でも気づくのだが、日本のテニスファンの皆様はかなーり研究熱心と見えて、この手の議論が大好きなようだ。悪いこととは言わないが、理論には薬になる部分と毒になる部分があり、理論に拘泥しすぎると、実際を離れて理論のみが一人歩きを始めることがある。たまに「理論上はそれで正しいかもしれないが、それってどうやるの?」という理論を標榜される方に出くわすこともある。こうなってしまうと、その方は一体何のために理論の研究をされているのだろうと思ってしまう。最終的には実際に即したものが生きた理論であって、それを実現するのは他ならぬプレーヤーの精進に負うところが大きいのだ。また、タイプや筋力にもよってスタイルも様々にありうるもので、ある人には効果があったが、そうでない人には逆効果だった、ということもあり得よう。物理の計算上はいわゆる「理想的な形」を構築することは可能だ。しかし、テニスはただ遠くに飛ばせばいい、速く打てればいいという競技ではない。物理的なアプローチだけでは説明しきれないのがテニスの面白いところなのだ。
 今の依頼者に言えるのは、たくさん練習してください。できれば、ちゃんとしたコーチに付いてみてください、の二つだけだ。アガシのような、に力点を置くなら、彼が幼い頃に繰り返していたという練習である、「最高速に設定したボールマシン(野球用)をクレーンで吊り上げ、ベースラインの中でそのボールを、日が暮れるまで何度でも打ち返す(ミスったら鉄拳制裁)」という練習を追いかけるのが一番かもしれないが……。こうしたスパルタのトレーニングが原因で、今でもアンドレと彼の父親の間には物凄い深い溝ができているらしい。その覚悟はあるだろうか?

依頼内容671:昔、頭上をロブで抜かれそうになったとき、ラケットを空中に高く放り投げて相手のコートに返球した選手がいたと思ったのですが、その選手は誰なのでしょうか?宜しくお願い致します。

福島県のハゲ鷹さん

報告671:あの、ヒントがなさすぎて絞れないんですが……。最近だと昨年の全豪で、サフィンが対ブレーク戦で似たようなことをやったが……。

依頼内容672:東レの大会はあまりにも会場が静まり返っていて空気が重いです。あの静ま
り方は尋常ではないと思います。きっと大会側が観客の方々に一切の私語や物音を禁 じているのだと思うのですが、静か過ぎて選手は逆にやりにくいのではないのでしょうか?そして世界で東レの大会以上に静まり返っている大会はあるのでしょうか?宜しくお願い致します。

福島県のハゲ鷹さん

報告672:静かな場内に対する感じ方は色々で、「テニスはこうでないと!」と感じる人もいるだろうし、「全校朝礼の校長先生のお話中じゃあるまいし異常だ」と思う人もいるだろう。恐らく、伝統的な日本のテニスファンは前者が多く、新しくテニスに興味を持ったファンは後者が多いのではなかろうかと思われる。どちらが正しいとか、間違っているということではない。ただし、インプレー中はともかく、ポイントが決まったりした時にも歓声を上げてはいけないとか、プレー中以外の場面でも静かにしていなければならない、などというルールもマナーも世界中のどこにもない。第一、そんなことを言い出したら、全仏などは観客を全員締め出されなければならないし、会場のすぐ外でバンド演奏のある全米や(もちろん、コートの中にも音楽は入ってきてしまう)、替え歌で応援するオージーたちも出入り禁止だ。かろうじてウインブルドンの観客たちはセーフかもしれないが、彼らは選手の勝敗に賭けをしていることが多いという側面も付け加えられねばなるまい。
 うーん、観客がいなくて静かな大会ならいくらでもあるが、一日平均8000人前後の観客がつめかけていて、あれだけ静か、という大会はほとんどないと思われる。というか、東レPPOが唯一ではなかろうか。一説にはウインブルドンのセンターコートより静かという話もあるほどだ。
 選手によっては「乗りにくい」と感じているらしいが、そういう選手は全豪直後に無理をしてまで二度目の来日はしない。逆にあの静かな状態を「日本のお客さんはテニスを真剣に見てくれている」という形で積極的に理解している選手もいるようだし、全豪直後で疲れている分だけ、プレー以外のイベントの少ない大会に感謝している選手もいる、という話も聞く。「選手たちは」と大括りにするのはあまりにも乱暴なので避けたいが、少なくとも複数回以上来ている選手たちは、あまり気にしていないのではなかろうかと思う。

依頼内容673:全豪の、対ヨハンソン戦でエース50本位、フェデラー戦で20本位と最近アガ シはサービスエースを取られすぎだと思うのですが、どう思われますか?これは相手の調子が良すぎたという理由だけなのでしょうか?宜しくお願い致します。

福島県のハゲ鷹さん

報告673:アガシは元々、被サービスエースの少なくない選手だ。特に相手がビッグサーバーだとその傾向が強くなる。「アガシはリターンの名手なのでは?」という声が聞こえるようだが、これは彼が名手であるからこそだろう。
 彼はリターンから積極的にリスクを取る。彼ほど前にポジショニングしてリターンを構える選手は他にはほとんどいない(女子ではいるが…。多分、全盛期の沢松奈生子さんがリターンしていた位置は、誰よりも高いのではないか、と今でも思う)。当然、読みが外れたり、打てない範囲の厳しいゾーンに来ればそのままエースとなるが、もし、ほんのわずかでもサーバーの手元が狂えばたちまちアガシのリターンの餌食になってしまう。
 となれば、相手のサービスの調子さえよく、アガシのリターンを恐れず、あるいは開き直ってサービスを叩き込み続けられれば、アガシはエースを量産される選手となるとも言える。その紙一重の部分が、彼の凄味でもあると理解して欲しい。彼がサーバーにかけるプレッシャーの凄味を理解できると、相手がサービスを構えた時点からドキドキするようになるだろう。
 また、彼は「返してもポイントが取れなそうだ(優位に展開できなそうだ)」という見切りが他の選手よりも早いのでは、という雰囲気もある。棋士が常に数手先を見ながら将棋を指すのと同じく、テニスの選手たちも数手先を考えながらプレーしているものだと考えると、アガシの読みの早さは常人離れしているともいえるのかもしれない。もう少し泥臭いテニスをしてもいいのでは、とも正直思うが……。

依頼内容674:アガシはフェデラーに3連勝した後は連敗中ですが、フェデラーのどこがアガシを上回ってしまったのでしょうか?私的考えでは、オールラウンダーと呼ばれながらもストローク主体のフェデラーに対しては、アガシのテンポの早いリターンとストロークでアガシは十分に主導権を握れそうだと思っているのですが実際はそううまくいっていないようです。スマッシュ調査団様の考えを宜しくお願い致します。

福島県のハゲ鷹さん

報告674:どこが、と言われれば、現時点では全てがという答えになろう。サービスもフォアも動きもフェデラーの方が鋭く、わずかにバックのラリーでなら主導権が握れそうだが、全豪ではそれもうまくいかなかった。明らかに上回っているのは経験だが……。
 対戦成績というのは、数学のように理詰めで全てを説明はできないが、アガシもこのままでは終わらないのではなかろうか。アガシの場合、もう少しだけサービスが欲しい。もう上積みは期待しにくい年齢だが、サービスのキープがもう少し楽にできる何かを見つけられれば、フェデラー相手の勝算を増やせるのでは、と調査団では考えているし、実際、彼もサービスの強化を最近の課題としているようだ。

依頼内容675:ラケットの進化によって打ち方は変わってきたのでしょうか?
トップスピンが普通になったのは、ウッドじゃなく新素材ができたからでしょうか?

兵庫県のはてなさん

報告675:ラケットにおいて、ウッドと新素材違いで最も大きな差は、新素材のおかげでラケットの面を大きく作れるようになったことだ。これによってそれまではプロなどの限られた人にしか打てなかったショットでも、多くの人が打てるようになり、回転の操作も容易になった。
 実はトップスピンが必須と言われはじめたのは、ウッド時代の晩年で、その先駆者はボルグだった。以前、福井烈さんはボルグの凄さに関して、「それまでならありえなかったタイミングで、しかも普通のスイングと全く同じスイングスピードとボールスピードで、彼はショートクロスに打ってくるんです。こうなるともうボールに追いつけません」と語っていたことがあるのだが、ショートクロスはトップスピンならではのショット。彼の活躍が世界中に衝撃を与え、トップスピンを打てなければ勝てない、というムードを作り、選手たちにトップスピンを磨かせたのだと言われている。
 この文脈に立つと、ラケットの進化によって恩恵を受けたのはプロたちというよりも、一般プレーヤーたちだろう。80年代初頭に全世界に起きたテニスブームで、テニスの一般プレーヤーも爆発的に増えた。しかし、当時の道具では今のように誰もがテニスを簡単に楽しめるという時代ではなかった。プロの試合を見てそれに夢中になれば、誰だってプロのようにプレーしてみたい。ラケットメーカーが争うように新製品を開発したのは、もちろん、プロの世界のプレーの進化にもその原因があるにせよ、より以上に大きなモチベーションとなったのは、一般プレーヤーがテニスを楽しむための進化だったはずだ。
 結果として、新素材のラケットの登場により、プロたちが使う技術もその用具に合わせた形で進化を続けたが、それでトップスピンが、となるとそうとも言えるし、それだけではないとも言えるだろう。

依頼内容676:一藤木貴大選手について詳しく教えてください。また、どれくらい強いのですか。

愛知県の4年後の日本のエ−スさん

報告676:1988年12月17日生まれ。172cm/63kg。3歳からテニスを始め、小学生時代にテニスのために一家でイタリアへ移住。その後、スペインに拠点を移して現在に至る。というのが一応、本誌の連載で載せているプロフィールだが、今はもう少し背が伸びているかもしれない。
 2005年3月7日のATPポイントは1ポイントで1473位タイだが、ジュニアのトーナメントには出場していないため、同年代の16歳と比べてどの程度か、と言われると何ともいえない。とりあえず、ATPポイントを取得している日本選手としては、現在最年少だ。
 ヨーロッパを拠点に活動しているため、彼が出ている大会もスペインを中心としたサテライトやフューチャーズ。正直に言って、ポイント取得のことだけを考えれば効率は悪い。何しろレベルが高いからだ。ポイントのことだけを考えるなら、アジア近隣のサテライトに出た方がずっと効率がいいのはテニス界ではほぼ常識だし、実際、比較的資金に恵まれた選手なら、そうしている欧米の選手も少なくない。しかし、彼はそうした道ではなく、敢えて厳しい地域のトーナメントで力を磨き、そこで勝つことで上に上がろうとしているようだ。スペインの下部サーキットで勝てれば、ツアーに出ても勝てる、という考え方なのだろう。ポイントを稼ぐためだけにアジアのサーキットで勝つのも選択肢ではあろが、年齢的にはまだそこまで焦る必要もない、と考えているのかもしれない。
 どのぐらい、と言われても皆さんにわかりやすい指標がないのだが(例えばフェデラーがどのぐらい強いか、と聞かれて誰にでも理解できる適切な言葉があろか?)、彼はジュニアとしてスペインのカタルーニャ代表に選出されたこともあるとは言っておこうかと思う。強国スペインと言っても、テニスが盛んなのは実はバルセロナを中心としたカタルーニャ地方が中心で、そこの代表に選ばれるぐらいだから地元での評価は非常に高いと思われる。
 また、最近聞いた話では、少なくとも、全米で優勝したクズネツォワよりは強いらしい(彼の拠点はクズネツォワも拠点とするサンチェス・カサルTAで、二人は時々練習を一緒にするとのこと)……。これじゃなんの指標にもならないか……。
 うーん、スペインで彼を見ていた植田実フェド杯監督は、昨年の全仏の際、「彼はケガさえしなければ凄い選手になれる」と太鼓判を押していた。うーん、ちょっと具体性に欠くか……。
 ITFのジュニアで6位の選手に勝っている、ATP100位台のスペインの選手とレッドクレーの試合で互角の打ち合いができる、……今、言えるのはこのぐらいだろうか。

依頼内容677:テニスを始めたばかりです。今は、コンチネンタルグリップで打っているのですが、プロの選手をみるとセミウエスタングリップで打っている人が多いみたいです。いったいどのグリップの握り方で打てばいいんですか?

北海道の太郎さん

報告677:最近テニスを始められた方で、コンチネンタルが普通のグリップ、というのは、一体どういうテニスをされているのだろうか。ストロークではスライス主体のネットプレーヤーだろうか? それとも、コンチネンタルの裏側を使った極厚グリップで打っているのだろうか……。
 薄いグリップでプレーする。それならそれでその道を極められるのも悪い選択ではないと思うが、ストロークで強打したり、トップスピンを使いたい、というお気持ちがもしおありなら、気持ちグリップを厚めにして試してみることをお勧めする。

依頼内容678:こんにちは。ぼくは最近アエロツアーを買いました。なので今度はナダルのフォームを真似しようと思いました。だからナダルのグリップ教えてくださいナダルのようなトップスピンが打ってみたいので教えてください

沖縄の二階堂 麟さん

報告678:……依頼者はつい最近、コリアのグリップを質問されていたような気が……。まぁいいか。フォアはほぼフルウエスタン。バックも両手打ちで厚めのグリップを主に使っている。
 ただし、彼のような、に力点を置くと、彼のように打つには、彼のような身体が必要だ。頑張って練習とトレーニングに励んで欲しい。

依頼内容679:いつも私のくだらない質問に答えていただきありがとうございます。 
? どの選手にも一度は神が降りた試合というものがあると思います。私が独断と偏見で選びました試合は、99年の全英の決勝のサンプラス・00年の全米の決勝のサフィン・01年の全米の決勝のヒューイットです。これらの試合では3選手とも何をやっても上手くいき対戦相手は相手にならなかったです。正直言って。しかしアガシのそういった試合は今のところ私は巡り合えていません。
 そこで質問なのですが、スマッシュ調査団様が選ぶアガシに神が降りた試合は何でしょうか?宜しくお願い致します。

福島県のハゲ鷹さん

報告679:GSに限定すれば、95年全豪のサンプラス戦、01年全米のサンプラス戦、02年全米のサンプラス戦、同ヒューイット戦、03年全豪のサフィン戦、99年全仏のメドベデフ戦などを始め、いくらでもあると思うが、彼の存在自体がすでに神がかっているので、勝ち負けは問題ではないように思う。

依頼内容680:いつも質問に答えて頂きありがとうございます。最近、テニスもサッカーやNBA 等の人気スポーツと同様にトレーディングカードが国内でも手軽?に買える様になり、私もマニアではありませんが好きな選手のカードを買っています。そこで質問ですがこのカードには有名な選手(ヘンマンやフィリポーシス等)でも又、日本選手が誰も居ません(日本の女子選手ならランキング的にも人気的?にも数人はカードになっても良いと思うのですが・・・)カードになる選手はどんな基準で選んでるのでしょうか?カード製作会社(NETPRO)の国内で人気選手だけでしょうか?それとも選手側でカードになるのを拒否してるのでしょうか?

神奈川県のあがちっちの父さん

報告680:テニスは他の競技のように選手の肖像権を例えばATPとかWTAの団体が管理していない。選手の肖像権は基本的にその選手個人が保有しており、大会で撮影される写真に関しても、報道目的として使用される以外の用途は、選手の承認がないかぎり認められていない(本筋とは関係ないが、インターネットの個人ホームページの開設者の皆様には、特に強く理解していただきたいのが、選手の肖像権はもちろん、1枚の写真を撮影するためにどれだけのコストがかかっているか、カメラマンがどれだけの汗を流しているかだ。ネット上で写真を探し、それを貼り付けるのには、確かに時間も手間もかかるかもしれないが、権利者に無断で行なっているのでは、というケースがあまりにも数多く報告されている。その1枚の写真に対してどれほどの人間が関わり、どれだけの時間とお金がかかっているかを、どうか想像していただきたいと強く願う。安易に写真が流通することで仕事を失う人が増える可能性がある、という想像力もどうか持って欲しい。全ての情報は決してタダではないのだ)。
 NETPROブランド(版元は元々オーストラリアの会社だった、はず……。このカードに関しては、本誌上での調査団にとっては記念すべき最初の調査課題だったので、よく覚えているし、実は手元には数枚のレアカードがあったりもする……)の正規代理店が国内にはなく、問い合わせ窓口も存在しないため、公式の見解に関しての詳細は我々にもよくはわからないのだが、恐らく依頼者のおっしゃる「人気選手」のみ、ということになるのだろう(91年に発売が開始された同社のカードには以前は男子しかいなかったが、最近は女子も入ってくるようになった)。
 また、選手の肖像権を管理しているのは、通常は選手が契約するマネージメント会社。ここがOK出す、あるいは逆に売り込むというスタイルが存在していると考えるのが自然だ。例えば、クルニコワをOKする代わりにこの選手もカード化してください、という交換条件などもあるのではなかろうか。もちろん、オファーがあっても選手側で拒否している可能性もあるが、カード化されることで選手側のメリットはあっても、拒否する合理的な理由が見当たらないのでこのケースはあまり考えられない。金銭面で折り合わない、というなら大いにありうるが、野球やバスケのカードと違い、テニスのカードはそれ自体で莫大な契約金が動く、というほど巨大な市場ではないようだし……。日本人選手がないのは確かに不思議だが、その理由はよくわからなかった(テニスの王子様関連ならいくらでもあるようだが……)。
 日本ではランキングが割合重視されるが、欧米では1位以外はあまり重視されていないようなムードも強い。その選手が5位だろうが、30位だろうが、何か語り草になるような試合をやっていたり、GSのタイトルを持っていたり、かわいかったり、カッコ良かったり、面白かったり、という方が人気面では重視される傾向が強いのだ。

依頼内容681:アガシやヒューイットはパスが上手いですが、このようなパスが上手い方々はパスを打つ時は相手の動きを見てどっちに打つか決めるのでしょうか?それとも最初から「ココだ」と決めてから打つのでしょうか?宜しくお願い致します。

福島県のハゲ鷹さん

報告681:格闘技で、相手に隙が生まれた時に攻撃を加える際、相手の動きを見て、どこに打つか決める、などというまどろっこしい手続きを踏んでいる選手はいないだろう。また、「相手がこう動いたらここにパンチを出す」とあらかじめ決めているボクサーもいるまい。テニスでも同じと考えられていいと思う。目に入る情報に対して脳で、ロジックで判断するという手順を飛ばして(実際に処理しているのは脳だとしても)、身体が自動的に反応している、という状態まで磨き上げられているのがプロという人たちなのだ。
 もちろん、時間的な余裕がある時にはその限りではないだろうが、基本的にはプロという人たちはテニスに関してロジックで身体を動かしている人々ではない、という認識が必要ではないかと考える。彼らは膨大な反復練習による反射能力と、試合経験による視覚的反応で、相手に対して最もダメージを与える方法をロジックではなく、視覚情報で判断できている人たち、と考えて欲しい。

依頼内容682:輪ゴムの結び方を教えてください。

北海道のアガシ最高!!さん

報告682:ぎゅっと結んでいる。いや、特別な結び方ではなく、普通の振動留めを付ける位置に輪ゴムをほんとう無造作にぎゅっと結んでいるだけだ。

依頼内容683:ハーフボレーでスライスがかかりません。かかっても上にいく感じです。ど
うすればいいですか?

京都府のテニ男さん

報告683:ハーフボレーで面をオープンにしてスライスをかけようとすれば、当然ボールは上に上がりやすいだろう。これは入射角と反射角の問題だ。基本的にハーフボレーでの打点は低いはずで、下から上にボールが上昇している段階で打っているはずだ。下から上のボールを浮かせず、押さえたいのであれば、ある程度面は垂直からかぶせる形にしないと、方向付けがしにくい。フォアの場合はスライスよりむしろ、フラットからトップスピン気味に返す人が多いのではなかろうか。
 ここでどうしてもスライスをかけたいなら、厚く当ててボールを押し出すイメージが必要となる。プロでもバックではスライスの方が安定させやすいためか、スライスを使っている。この場合、普通のボレーよりもていねいにボールを運ぶように打っているのだという。何度でも練習して、うまくいった時の感覚を身体に覚えこませて欲しい。

依頼内容684:ボールを潰して打つとありますが、どうしたらボールを潰して打てるんですか?

茨城県の不二さん

報告684:まず、「ボールは潰せる」というイメージが必要だ。おかしな話だと思うかもしれないが、本当だ。まず、このイメージができるかできないかで分岐点が存在する。
 テニスのボールはやわらかい。速いスイングスピードでボールとコンタクトすればボールは少なからずつぶれるものだ。つまり、合わせるように、弾くように打つのではなく、あくまでも一度自分のラケットの上でボールを止め、完全に自分のボールとして叩いて打つイメージが、ボールを潰して打つ感覚のイメージだ。方法としては強くボールを叩くこと。つまり速いスイングスピードで打つこととなる。練習して感覚をつかんで欲しい。

依頼内容685:今トーナグリップを使っているんですが、トーナグリップを使っている主な
プロを教えてください

東京都のトーナさん

報告685:恐らく、最もありふれたオーバーグリップテープがこのトーナーグリップだろう。プロの試合を見ていて、紫色のテープを巻いている選手がいれば、それはトーナーグリップだと判断してもいいぐらいだろうと思われる。
 主な、と言われても契約関連の問題があって、我々に公表する権利はないが(選手が契約を結んで使っていない場合、公表することは一方的にメーカーの利益になってしまう。このコーナーはどのメーカーに対しても、あくまでも公平無私に行ないたいと考えているのでご理解いただきたい)、以上のように判断していただいても間違いは少ないだろうと思われる。

依頼内容686:自分はテニスが大好きで将来テニス関係の仕事に就きたいと思っているので
すが、テニスのインストラクターになるには具体的にどうゆう事をしていけばいいのでしょうか?

神奈川県のオマーンさん

報告686:まず、テニスを一生懸命練習して一通りの技術を身につけておくこと。また、将来指導者になりたい、という明確な目標があるのであれば、どうやったら技術を人に伝えられるかに関して(どうやったら打てるか、とは微妙に違うので注意)常に問題意識をもって研究し、将来の生徒さんたちのどんな質問にも答えられるように自分の引き出しをたくさん作っておくことなどをお勧めする。
 具体的には、就業できる年齢になった段階でテニスクラブなり、スクールなりの求人募集に応募し、面接などの末に就職することとしかいえない。また、テニスコーチを養成する講座を持つ専門学校などもあるので、進路選択の一つとして加えるという手もある。もしくは、一生懸命働いて資金をため、自分のスクールをオープンするという手もあるが……。また、各種の資格があるので、その講座を積極的に受講して勉強するのも有効な手段だろう(詳しくは日本テニス協会のホームページなどを参照して欲しい)。
 ただし、テニスのコーチは基本的には接客業であり、生徒さんはお客様という大前提を忘れてはならない。「選手としてとにかく強くなりたい」という人もいれば、「いや、もうただ楽しくボールが打てればそれだけでうれしい」という人まで、集まる生徒さんの志向も様々のはず。それらのお客様に対して、受講中は満足していただけるように心配りをする、というのも大切な要素だ。ただテニスがうまいだけ、教えるのがうまいだけでは優秀なインストラクターとは言えない。テニススクールの求人募集にはほとんど必ず「明るく、責任感のある方」という条件が書かれているが、これは他の要素は勉強すれば後からでも身につけられるが、ここだけは個人の資質に負う部分だから、ではなかろうかと思う。

依頼内容687:こんにちは。今度はサーブのトスについての質問なんですが、僕はトスを上げるときサービスラインに垂直に腕を振り上げるのですが、雑誌には平行に振り上げると載っていました。しかし、試しにやってみたら自分でもびっくりする位メチャクチャになりました。雑誌には基本だと書いてありましたが本当に重要なのですか?マリオ・アンチッチさんとかそんなに平行ではない気もするのですが・・・

宮城県のM.Mさん

報告687:これはサービスのトスを「前から上げる」か「横から上げるか」という意味なのだろうと理解して話を進めたい。しかし、トスの目的はサービスを打ちやすいところにボールを上げることなので、これはある程度以上、自分の形ができあがった人の場合は、実は「どっちでもいい」というと無責任に聞こえるだろうか。
 ご覧になった記事がどんな記事だったか、ここではわからないが、まだテニスを始めたばかりで、これから覚えていこう、あるいはどうしてもトスが安定しなくて悩んでいるという人の場合は、横から上げた方が安定しやすい、という意味として捉えて欲しい。というのは、前から上げるトスの場合、どうしても指などで引っ掛けやすく、後ろに上げやすくなることが多いからだ。また、横から上げてそのまま上げた手を維持すれば、自然な壁が作りやすいが、前からだと、腕が流れやすい人が少なくない、という点もあるだろう。横から上げることのメリットとしては、顔に近い位置から上げるので、まず安定させやすいこと。そして、身体の開きを押さえやすく、サービスの動作を覚えやすいことなどが考えられる。
 だが、繰り返して言うが、トスの目的は自分が打ちやすい打点にボールを上げることで、横から上げようが、前から上げようが、それが目的ではない。それで力強いサービスが、ちゃんとコントロールできているならどっちでもいい、と言えてしまうのも事実ではある。
 ちなみに、傾向としてだが、トスアップして前に飛びついて打つサービスを打つタイプでネットダッシュを高い確率で行なうの選手の場合、前から上げる派が多く、あまりサービスダッシュせずに、ストロークでのラリーを考えてその場で強いサービスを打ちたい、という選手には横から派が多いような印象がある。ただし、これも全てに当てはまるわけではないので、あしからずご了解いただけると幸いだ。

依頼内容688:初めまして。プロのフォアハンドのショットについて聞きたいことがあります。よく、プロのボールは重くて強烈なトップスピンがかかっているが、ボールの軌道は山なりではないと聞きます。そこで、山なりではないというのは、まっすぐ飛んで行って、落ちるということなのでしょうか?もし違った場合、ボールの軌道の頂点がネットからどのくらいの高さなんでしょうか?(ベースライン付近でのラリーの時)特にサフィンやフェデラーなどの打つボールを調べて欲しいです。よろしくお願いします。

神奈川県ののしほさん

報告688プロの、特にクレーコートスペシャリストなど、それを武器として使う選手たちのトップスピンの強打の軌道は凄まじい。日本のある選手は「見ましたか。本物のトップスピン」と普通のトップスピンのボールとは区別して話すほどだ。山なりの軌道を描いた場合は、非常に高い角度で打ち出されたにも関わらず、ボールはコート内に落ち、しかも、猛烈に跳ね上がるというのが「本物のトップスピンの軌道」だ。もちろん、山なりの時もあれば、まっすぐ飛んで急降下というボールもある。一概に「ネット上何m」と言い表すのはあまり適当ではない。よく「コートの中に落とすにはトップスピンが必要」などといわれるが、彼らのトップスピンはそん消極的な表現ではなく、「下向きの変化球」とでも表現した方がいいだろう。
 彼らのボールを間近で見ていると、その凄まじさに驚く。普通の感覚で言えば「あ、ふかした」という高い軌道のボールでも、まるで下に向かって加速したかのように急降下したかと思うと、次の瞬間には地面から発射されたと見えるほどの勢いで跳ね上がってくるのだ。ネットすれすれの低い軌道のボールなら、サービスラインあたりに落ちて浅いのにも関わらず、その後の伸びがすごいために簡単には打ち返せない勢いがあるし、これをショートアングルに打たれたらもうおしまいだ。大体、彼らに自由にストロークを打たせた時点でミスなのだ。
 日本でトップ選手と言われたある選手が、スペインの大会で頭上にウイナーを抜かれたというのは日本のテニス界では割と有名な話で、モヤと打ち合ったあるコーチは、打点を確保しようと下がったらバックフェンスだった、という笑えない話もある(なんでもモヤはかるーく打っているようにしか見えなかったので、自分でも大丈夫だと思ったらしい……。ちなみにその方は身長180センチを軽く越える大きな方だ)。ジュニアの世界でも初めてクレーに行って、クレーコートスペシャリストの国のジュニアと試合をすると、半泣きになるぐらいボコボコにされることも珍しくないという。
 例えば全仏では、そういうボールのやり取りでラリーが成立しちゃっている、とイメージして欲しい。テレビではなかなかその凄さが伝わらないのだが、それはもうすんごいものだ。例えば、ゴンザレスの渾身の打ち込みをフェレーロが叩き返したときには鳥肌が立つほどの凄味がある。小さなコリアが一体どうやってあんなボールを打つ連中相手に勝つのだろう、と思っていると、コリアはもっとえげつないボールを打っているので驚いたりする。これは残念ながら全米やウインブルドンではなかなか味わえない感覚だ。
 こうしたボールを可能にしているのは一重に彼らのスイングスピードが速いからだ。普通の選手ならフラットで打たないと打てないボールスピードを、彼らのスイングスピードはトップスピンで可能にしているのだ。
 これはもちろん、時間的余裕があるクレーならではのことで、大きく構えて大きくスイングして打てるサーフェスで彼らがテニスを磨いてきた結果だろう(しかし、クレーでの時間的な余裕と言っても、1秒とか2秒とかはっきりとした時間的遅さではなく、ほんの一呼吸分とかタイミング的な遅さ程度なのだが、普段、コンパクトなスイングでテニスを構築してきた選手が、クレーになったからと言って急にクレーのテニスはできないものだ)。実際、全仏が終わって、芝のウインブルドン、そしてハードコートシーズンになると、彼らのスイングも徐々にコンパクトに、速いサーフェスに対してアジャストを始める。しかし、彼らの持ち球はあくまでも強いトップスピン。ハードコートでもそのボールを打って勝負できるように調整しているのだ。

依頼内容689:はじめまして。テニス歴2年のテニス馬鹿です。
自分はサーブ&ボレーヤーで、つい最近フォアハンドのグリップをコンチネンタルに したのですが、思ったとおり打ち負けるし、ラケット面も狂うとゆう悲惨な状況で す。
何か良い対処法はありますでしょうか。是非教えてください。

北海道のMETTALICAさん

報告689:せっかくグリップを調整したのに、逆効果だったのだとすれば、フォアを打つ時にはグリップチェンジをすればいいのでは……。もしくは、コンチネンタルグリップを生かして、全てスライスで流しきるというのも立派な対策であるようにも思う。あるいは、フォアの強打を極力使わないで済むようなサーブ&ボレーのプレーの構築というのも考慮に入れて欲しい。
 どうしても強打をしたい、トップスピンのボールで攻撃的なストロークを、と考えるのであれば、普段はコンチネンタルのままでも、フォアの強打の際には気持ちグリップをフォア側に厚くグリップチェンジしてから打つことが、基本的にはお勧めの対策だろう。
 あくまでもコンチネンタルで、というのであれば、スイングそのものをコンチネンタルで強打するスイングに最適化しなければならない。以前、厚めのグリップで打っていたとしたら、今まで構築してきたスイングは全て一度捨てて、コンチネンタル用のスイングをご自身で見つける必要がある。それまで使っていたグリップを敢えていじらない、というコーチは最近少なくないが、これはグリップを変えるということが、本人がそれまでに構築してきたテニスを全て一度白紙に戻すのと同じだからだ。
 ちなみに、ヘンマンやラフターといった、純正サーブ&ボレーヤーたちでも、フォアの強打の際には気持ちフォア側に厚くグリップチェンジをして打っていることが多い。全てワングリップ、という人はいないと考えて欲しい。
 一度、考えてみていただきたいのは、テニスはグリップで決まるものではなく、ボールのやりとりでポイントを取るゲームである、という点だ。全ては打ちたいボールのために逆算して考えられた方がよいのではと考える。まず打ちたいボールがあり、それに合わせてグリップやスイング、身体の使い方などを構築していくのがアプローチとしては普通なのではなかろうかと思う。実際、グリップというのは常に微調整が繰り返されているもので、グリップに支配されるようなテニスというのは、なんだか本末転倒のような気がするのだがいかがだろうか?

依頼内容690:こんにちは!!つい最近思ったのですがラケットに表記されている適性テン
ションは守るべきなのでしょうか???サンプラスやフィリポーシス、サフィン、ハースといったプロは70ポンド以上でストリングを張っていると聞きました。ラケットはその負担に耐えられるのでしょうか???

群馬県のサフィンファンさん

報告690:「適正テンション」は守ったほうがいい。というのは、「適正テンション」というのは食べ物でいえば賞味期限のようなもので、「このラケットを使うなら、この範囲が一番性能を発揮しますよ」という意味のものだからだ。また、「適正テンション」以上のテンションでガットを張り、万一それでラケットに破損が出た場合、メーカーの保証が効かない場合があるし、ストリンガーさんも破損を恐れてあまりやりたがらない。もし、再現してみよう、という気がおありなら、あらかじめ、「壊れてもいいです」という同意が必要となるだろう。その場合は自己責任として実行して欲しい。また、必ず信頼の置けるプロのストリンガーさんにやってもらうことも大事だ。
 一方、プロにとってのラケットは純然たる道具。壊れるのを心配するより、自分が一番いいプレーができる環境を迷いなく選択しなければならないという条件下の人々だ。彼ら彼女らは一年に何本ものラケットを消費する。契約のある選手ならメーカーから供給もされるし、契約のない選手でもラケットは税金では必要経費として控除の対象にもなるはず(ちょっと考え方がセコイか?)。そこには惜しみなく投資されているはずだ。しかし、一般人にとってのラケットは高いお買い物。そうホイホイ買い換えられるのはお金持ちだけだろう。
 ラケットの機種や張る糸にもよるが、「適正テンション」以上でもある程度、ラケットは耐えてくれるだろう。ただ、どこまで耐えてくれるかは、ここで確たることは言えない。ただし、当然リスクは高くなる。表には出てこないが、実際、時々は壊れたりしていることもあるだろう。フレームはともかく、グロメットは簡単に割れるものだし……。

依頼内容691:あまり弾まないボールをボレーで打つにはどうしたらいいですか?

北海道の不二さん

報告691:ボレーを滑らせたいなら、スライス回転をかけること。もしくはドロップボレーと言ってボールの勢いを殺したボレーなら弾みを抑えることはできる。サーフェスの状態によっても異なるので、試合ではそのサーフェスにあわせて微調整は必要だが、弾まないボレーはスライス回転が基本だ。強く深く打てば、入射角が浅くできるのでフラット系のボレーでも弾みは小さくできるが、ドロップボレーを弾まなくさせたいなら、大目の回転量が必要だ。打つボレーの種類、深さなどで、回転量の操作は必要になるのも心に留めておいて欲しい。

依頼内容692:サンプラスは02年はコーチを雇っては変え、雇っては変えという状態でした。そしてロディックはギルバートをコーチにしてから急に成績が上昇したような気がします。
 そこで質問なのですが、コーチは選手に何を教えるのでしょうか?あのレベルの選手たちにはコーチ達も技術的なことは教えることができないと思います。
よろしく御願いいたします。

福島県のハゲ鷹さん

報告692:昔、アガシがブラッド・ギルバートをコーチに選んだ時、「お前がブラッドに何か教わることがあるのか?」とサンプラスが驚いてアガシに問いただした、という話がある。コーチに選手が何を求めるか、は選手によって様々だろう。
 実は「もう、プロのトップレベルの選手には教えることはほとんどない」と日本のあるツアーコーチにお話を伺ったこともあるのだが、テニス界を見ていると、プロの選手につくコーチ、と一口に言っても、いくつかの種類にカテゴライズできそうな印象を受ける。大きく分けると「育成型」、「参謀型」、「相談役」の3種類だ。
 育成型というのは出始めの若手の選手につくコーチたちが多い印象で、また、中堅以降なら技術的に何かを変えたい選手などに需要があるタイプのコーチたちだ。技術的に何かを上達させたりするメソッドや、選手の抱える技術的な課題に対する対策の引き出しが豊富なコーチがこのタイプだろう。例えばロバート・ランズドルフやボブ・ブレットなどがこの辺りに入るのではなかろうか。
 参謀型は選手の頭脳としての能力の高いコーチとなるのではなかろうか。選手というのは、練習や試合、日々のトレーニングで精一杯。できれば『考える』部分は誰かにまかせたい、と思うもの。自分がどうやれば最高のパフォーマンスをコートで発揮できるかに関して、自分の代わりに考えてくれる存在は重宝される。この代表格はブラッド・ギルバートなどになるのではなかろうか。
 相談役というのは、選手はもう技術的、戦術的な要素をコーチにはそれほどは求めていないが、何かに迷った時に、信頼して相談できる相手としての存在となる。もちろんコーチ側には総合的な能力が求められるが、コーチのスペシャリストであるという以上に、人格的な魅力が求められる。選手をやる気にさせ、盛り立てる能力が高いコーチたち、と言い換えてもいいだろう。多くは選手の両親だったり、元名選手だったり、といったコーチがこの中に含まれそうだ。女子選手たちはコーチと結婚したりするケースも少なくないが、これもその一つの表れではなかろうか。
 また、育成型のコーチは現役時代の実績よりも、コーチとしてのスペシャリストが多いの対し、参謀型や相談役は元選手系が多いようだ。
 トップクラスの選手が育成型のコーチを求める場合は、何か技術的に変えたい部分や、悩んでいる場合で、この時は技術的な練習もするだろうが、基本的な考え方として、プロの選手とコーチの関係は、我々一般人におけるスクールのコーチと生徒、という関係ではない。まして、師弟関係などと考えるのは全く違っている。コーチを養うのは選手であり、選手にとってはチームメイトでもあるが、あくまでもオーナーは選手だからだ。
 選手によってコーチに求める要素は違うので、一般論としてはなんとも言いにくいが、総じて言えるのは、選手の頭脳の役目がコーチの役目、とは言えるのではなかろうか。また、選手がコート上でのプレーだけに集中していられるように、練習相手を探したり、コートを確保したり、選手の代わりに色々な雑務をこなす、という役目でもあるだろう。いや、楽ではない……。

依頼内容693:リターンがうまくいく方法を教えてください。

北海道の不二さん

報告693:あまりにも漠然としているので、ボールを良く見て、大振りせず、たくさん練習してください、としか言いようがない……。なぜ、リターンがうまくいかないのか、一度ご自身でよく考え、ご自身なりの結論を出してみて欲しい。対策はそこから導き出されるはずだ。

依頼内容694:テニスを始めて半年ですが、これからテニスをするにあたって必殺技(攻撃の軸になるようなワザ)はないですか?

北海道の不二さん

報告694:ない。
 テニスはポイントの積み重ねで勝負が決する競技であり、ましてや対戦競技。自分の都合だけで何も決められない、とまず出発点では考えて欲しい。ロディックの250キロのサービスや、ゴンザレスの物凄いフォア、コリアの物凄い動きや、アガシの超リターンなど、必殺技めいて見えるショットは確かにある。しかし、これらだって相手次第で全てそれでポイントを取れるわけではないし、取れるのも1ポイント。相手のダブルフォールトでも1ポイント、ロディックの250キロサービスのサービスエースでも1ポイントなのだ。
 攻撃の軸になるショットは各人の体格、身体的特徴や得意不得意、性格的な性向などで異なるだろうが、男子だと基本的にはサービスとフォアを軸にしている選手が多く、女子だとサービスやフォアではなく、バックを軸に組み立てている選手も少なくない。
 例えば、フォアを軸にする選手なら、最後に自分が一番気持ちよく、しかも威力のあるフォアを打てるようにするのがプレーの「組み立て」で、チャンスがあればリターンからでもそれを使えるよう、普段の練習を積んでおくというのが大切だ。

依頼内容695:はじめまして。僕は最近ミリアナ・ルチッチという選手を知りました。しかし、ツアーを見ていると彼女は出ていないように思えます。彼女はまだ20代前半だったような気がするのですが、引退してしまったのでしょうか?彼女のプレーを1度だけでも見てみたいのですが・・・。

北海道のミスキナさん

報告695:ルチッチ……。最近、何がきっかけでお知りになったかが知りたいぐらい近頃は噂を聞かなくなっている。今年でやっと23歳になる若さというのに、彼女の姿はコートから消えてしまった。15歳でWTAツアーに初出場し、同時に初優勝(1997年のクロアチア・ボルの大会)というスーパーデビューで注目された彼女の最高ランキングは1998年の32位。98年にはヒンギスとのペアで全豪のダブルスのタイトルも取ったことがある。
 彼女は色々あった選手だ。故障はもちろんだが、親との確執など、私生活面の問題もあった。今はアメリカに住んでいるらしい、という噂は聞くが確たる情報ではない。
 2004年のアメリカ・ドーハンの7万5千ドルの大会に主催者推薦をもらって出場しているが、予選の1回戦で負けているのが、今のところ(2005年4月中旬時点)最後の記録で、現在はノーランキングということは、この1年以上は大会出場がないということだ。
 引退したか、しないか、というのは正直このレベルの選手だと定かでなく、また、海外の選手にとっての引退は日本人が考えるほ