このコーナーは、本誌と連動する 『スマッシュ調査団』と『テニスフリートーク』で構成されています。
 『スマッシュ調査団』は、テニスに関する素朴な疑問を調査・解決していく、本誌で大好評連載中のコーナー。毎月寄せられる多くの依頼に本誌だけではとても答えていけそうにない。というわけで、インターネット部門を開設することになりました。このコーナーは随時更新していく予定なので、こまめにチェックして下さいね。依頼は、従来通り本誌宛へのお葉書はもちろん、インターネットでも受付けます。インターネット受付分から本誌への展開もあるので、「アレって何かな?」と思ったら、依頼してほしい!
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スマッシュ調査団
         

依頼内容701:こんにちは
たまあにタイミングが取りきれなくなります
なのでボールの入りかた タイミングの取り方や
テイクバックのポイントを教えてください

沖縄県のドリヤああああさん

報告701:あまりにも抽象的でなんと答えてよいやら途方に暮れるが、たまに、ということなので、いつもはできているのだろう。できている時と比べて、できなかった時に何が違っていたのかをまず自覚することからスタートだ。それがわかったら、対策を考えて練習すればいい。これを上達というのだ。

依頼内容702:全豪オープンといえば番狂わせの多い大会と認識していたのですが、去年→ 今年と他のどのグランドスラムの大会より上位のシード勢が勝ち残る大会になっているような気がします。何故そうなってしまったのでしょうか?宜しくお願い致します。

福島県の通りすがりのテニス愛好家さん

報告702:全豪で番狂わせが多い、という印象があったのは、開催時期の関係で選手たちが前年度の疲れが抜けていなかったり、故障が癒えていないままで出場してくることがあったり、あるいはトップクラスがスキップする傾向があったりしたためではなかろうか。
 最近、番狂わせが少ない、と感じるようになった原因について考察するとすれば、は全豪サイドの努力もあって、選手たちからも魅力のある大会と認識されるようになり、スキップする選手が減り、体調も全豪に合わせて作ってくるようにもなったからではなかろうか。元々、スローハードのリバウンドエースというサーフェスは、特性としてニュートラルで誰にも有利不利が出にくいと言われているから、番狂わせを生むような条件ではないのだ。
 テニスは人間がやっている。全豪のためにちゃんと準備してくる選手が増えたことが、まぁ、原因と言えば原因だろう。
 しかし、実は調査団では全豪が番狂わせが多い大会、という認識はあまり持っていない……。むしろ、「調子のいい選手が勝つ大会」という見方をしている。基本的には大会に対して先入観を持つことを良しとはしないスタンスを調査団では持っているのだが、依頼者のために敢えて簡単な言葉で他の大会に関してもメモしておくと、全仏は「最も強く、そしてうまい選手が勝つ大会」、ウインブルドンは「最も攻撃的で最もウインブルドンを愛する選手が勝つ大会」で、全米は「最もタフで、そして幸運な選手が勝つ大会」と考えている。

依頼内容703:こんにちは、僕は眼鏡をかけてテニスをしているのですが、この前、練習中に雨が降ってきました。気にせず練習していたのですが、雨が眼鏡について全然集中できませんでした。ナブラチロワ選手は眼鏡をかけていますが、屋外で雨の日の試合ではどうしていたのですか?普通に打てたのでしょうか?その時の試合内容と結果も教えてください。なんとなく気になりました。

宮城県のM.Mさん

報告703:ウインブルドンを思い出して欲しい。ポツポツと落ちる雨粒、そして現れるトーナメントレフリー、彼がトランシーバーで何か話した次の瞬間、コートはシートで覆われる。
 そう、テニスは雨では試合をしない競技なのだ。

依頼内容704:重い球、伸びる球について教えてください。

宮城県のM.Mさん

報告704:ボールの重さに関してはこのちょっと上にも報告してあるので、そちらを参照して欲しい。ここでは伸びるボールに関して報告しよう。
 伸びる、と言っても2種類考えられる。一つはバウンド後に伸びてくるトップスピン系のボールで、もう一つは空中ですーっと伸びてくるように見えて、バウンド後は滑ってくるフラットやスライス系のボールだ。依頼者が言うのがどちらなのかはわからないが、ボールが伸びてくるように感じるのは、回転とスピードのバランスが高い次元で一致しているボールだ。で、この種のボールは打ち返しにくいので、相手は重く感じることが多いだろう。

依頼内容705:二つ質問があります:
-僕はよくストリングを切ります。だけどBabolatを使っているのでステンシルをしたいのです。
そこで質問があります。
ステンシル専用のインクは買いたくないので油性ペンを使ってステンシルをしても大丈夫ですか?
もしもBabolatのロゴなら影響ありませんか?
-ステンシルでストリングが傷みますが、傷んでいるところ以外でボールを打てば影響はありませんか?

アメリカ在住のぐるぐるトップスピンさん

報告705:ステンシル専用のインクを買いたくない、という理由がよくわからないが、ストリングに塗るなら、まずはステンシルマーカーをお勧めする。塗りやすいし、失敗が少なく、油性マジックよりもガットへの影響も少ないように作られているからだ。
 ストリングはその糸の素材によって違いはあるが、基本的に水分、油分、湿気、熱などに弱い。油性ペンには有機溶剤が含まれている場合があるので、基本的にはお勧めしにくいか。しかし、どうしてもというのであれば、止めもしない。どの程度をもって「大丈夫か?」とおっしゃられるのか判然としないが、油性ペンで塗った瞬間に糸が弱り、切れるなどということはない(そんなペンでは怖くて使えないし、指にでもついたら火傷してしまう)。大体、ステンシルマーカーでも、糸に与える影響はゼロではなく、ストリンガーさんは「何も塗らないのがガットには一番」とおっしゃっている。
 バボラのロゴなら、というのは例のダブルラインの部分だけなら、という意味なのだろうか? ガットというのは打つ場所だけが大事なのではなく、面全体が等しく重要。端っこが切れたってダメなのだから、これは理解されると思う。
 しかし、そんなに神経質にならなくても、切れるときは切れる。なにしろガットのことだけを考えるなら、一番ダメージを与えるのはボールを打つことだ。
 また、大丈夫ですか、というのが別の意味だとすると、ジュニア年代の大会ではステンシルマークをつけること自体がルールで禁止されている場合がある。出場する大会のルールをあらかじめ調べておいて欲しい。

依頼内容706:ストロークを打つ際に手首を遅らせて打つことは悪いことなのでしょうか?
 ボクはスイングスピードが速くなるようなきがします。

北海道の愛知の悪童もりぞーさん

報告706:手首が遅れっぱなしのままボールとコンタクトすれば悪影響だが、自然なスイングの動作の中で、最後にしっかりとヘッドが返っているなら問題はないと思う。それでスイングが速くなるかどうかは、依頼者のおっしゃる動作を正確に把握できないし、最終的にはプレーヤーの能力に依存する部分なので断言はできないが、ラケットの先がブンッというぐらい速く振ろうとしたら、誰でも自然とグリップエンドが前に向くような形で前方にスイングが開始され(これが手首が遅れて出るという状態に見える)、そこから肩、ヒジ、手首と順にブロックされてラケットヘッドが前に走っていくはずだ。

依頼内容707:スピードの速いボールと重いボールの打ち方の違いを教えてください。

静岡県の加藤さん

報告707:うーん、難しい問題だ。ただ速いボールでも重くは感じるだろうし……。重いボールをスピードも回転量もあるボールと定義すると、速いボールと同じ速度でありながら、回転量が多いボールということになる。ここで想定される違いはスイングスピードの違いだろう。

依頼内容708:以前スマッシュの紙面に、「ボールのコントロールをあげるにはインパクト後ひじから先を打球方向に伸ばす」と書いてありましたがそうするとラケットのスイングスピードが若干遅くなり、ボールのスピードが遅くなります。ひじを伸ばしてもボールのスピードが遅くならない方法はありませんか?

埼玉県の加藤さん

報告708:別に責めるわけではないのだが、依頼者は色んなところに住んでいて、いろんなお名前を使い分けているようだ。できれば、依頼したいことを整理して、まとめて送っていただけると助かります。
 さて、コントロールとスピードを両立させたいなら、より速いスイングスピードが普通の状態になるよう練習する必要がある。誌面で紹介したのは、コントロールを確保する方法で、スピードアップの方法ではないと理解して欲しい。スピードを変えず、コントロールを上げるためのコツ、しかもちょっとした違いで楽々できる、などという方法が本当にあれば、誰もテニスで苦労はしない。コントロールを確保したいなら、ラケットスイングの中で、ボールに対してより強く方向づけが意識する必要があるし、スピードを上げたいなら多少コントロールを犠牲にしても、より速くラケットを振り抜いてボールに対して強いエネルギーを与えてやる必要がある。これを両立させたければ、身体を鍛え、技術を磨くために多くのボールを打つ必要がある。

依頼内容709:エッグボールの打ち方を教えてください。

埼玉県の加藤さん

報告709:最近、このエッグボールに関する依頼をやたらといただくようになったが、これは別に特別なボールではなく、スピードがあり、かつ深くコントロールするトップスピンのボールのことだ。

依頼内容710:私はあまり日本男子の試合のビデオを持っていません。ちなみに持っているのは鈴木選手と寺地選手の二つです。最近はテレビで日本人の試合を見る機会が限られてきました。そこで質問です。全ての日本人選手の中で(一藤木選手も含めて欲しい)ストロークの威力(スピード)が一番すごいのは誰ですか?プロのプレーを生で見る機会の多い(たぶんそうですとね?)調査団の方々、是非皆さんの意見を聞かせてください。
サーブはダントツで鈴木選手ですよね。

神奈川県のすっぱさん

報告710:いやいや、サービスのスピードや迫力だけなら、鈴木選手より猛烈なサービスを打つ選手もいなくはない。ただ、鈴木選手ほどコンスタントさがないか、サービス後のプレーのクオリティの差はあるが……。松井俊英選手はいいサービスを持っているし、有本尚紀選手や堀口元ビビアン選手のサービスも素晴らしい。
 ストロークの威力、という部品だけを取り出してみるとすれば、調子のいい時の本村剛一選手のフォアは一級品だ。世界のどこに出しても恥ずかしくない威力がある。カウンターという要素をここに加えると、寺地貴弘選手や岩見亮選手、添田豪選手も強いストロークを持っている。一藤木選手の場合は恐らく、今、レッドクレーで試合をさせたら、日本でもトップクラスではなかろうか。
 一番か、うーん。フォアなら本村剛一選手、カウンターも含めると岩見亮選手のフォアもいい。バックなら調子のいい時の寺地選手ではなかろうか……。

依頼内容711:僕は高校生になったばかりなので今後の話になってしまうのですが、テニスが強い大学というのは神奈川や東京あたりではどんな大学があるのですか?また前回の質問の答えでも出ていた≪テニスコーチを養成する講座を持つ専門学校≫というのは大学ではどんな所があるのですか?できればたくさん教えてください。お願いします!

神奈川県のオマーンさん

報告711:東京、神奈川でテニスが強い大学と言えば、早稲田大学、日本大学、亜細亜大学、慶応大学、法政大学、筑波大学、専修大学、あたりだろうか(順番に深い意味はありません)。テニスコーチを養成する講座を持つ大学、というのは、ない、のではなかろうか。大学というところはそういう職業養成の場ではなく、学問の場。後々テニスコーチになった時に役に立つ講座はあるだろうが……。
 まずは今の高校の進路指導の先生と相談して欲しい。恐らく、先生の方が今の大学に関して詳しい数字の資料などもお持ちだろうと思う。

依頼内容712:はじめまして。いたって素朴な疑問があります。
今シーズン、ヒューイットがかなり筋肉つけてたくましくなったというのがよく話題になってますよね。公式プロフィールでも昨年の体重68kgから77kgということに変わってます。
彼単体で見たときは(なるほどそうかも)と思っていたのですが、他の選手と並ぶと、やっぱり小柄で細い。身長も180あるとは思えない。とてもプロフィールの「180cm・77kg」の体格とは見えません。まあ筋肉は脂肪よりずっと重いとは聞きますが、でもどうもサバよんでるんじゃないのかなぁ、と疑ってしまいます。
体重別に階級が分かれているわけでもないから、サバよんでる選手って、けっこう多いじゃないかと思うのですが。(女子選手の体重も「え〜ホント?」という数字多いし)正直なところ、スマッシュ調査団の方はどう思われます?
いやホントに他愛のない質問ですみません。

愛媛県のももさん

報告712:選手の身長体重に関して、ATPやWTAが、一年に一度、選手たちを体育館かなんかに集めて、身体測定でもやっている、というなら信用もできるが、あくまでも自己申告制。実は調査団でも基本的にはあまり信用はしていない。以前、ある外国人選手に直接、「君はホントに○cmもあるの?」と聞いた時、「いや、実は○cmしかないんだ(笑)」というケースも実際あった。特に女子の体重は疑惑の数字のオンパレードで、全くあてに出来ない。身長だってセレナ・ウィリアムズを例に取ると、彼女は178cmからある年以降、突然173cmに縮んでいるのだ。伸びたならまだしも縮んだって……。
 ただ、センチの国の人だと、「178cmってのもカッコ悪いから、180cmということにしておこう」という発想も出るだろうが、インチの国の人だと、サバ読むのも、ごまかそうという発想が出るのもインチ単位になる(例えば以前、アガシが「今日のアナタは一体コートの上を何キロ走り回ったと思いますか?」と記者に聞かれ、「キロで言われてもわからないな。マイルならわかるけど(笑)」と質問をごまかしていたことがあった)。1インチごまかされると、センチだと2.5cmも上下してしまうから厄介だ。
 しかし、「他の選手と並ぶと、やっぱり小柄で細い。身長も180あるとは思えない」と依頼者はおっしゃるが、これは他の連中がでかいので、多少は目の錯覚もあるかもしれない。NBAは巨人の集団だが、マイケル・ジョーダンは6フィート6インチで約201cmの身長があるが、NBAの中ではそんなに大柄には見えなかったし、逆にちびっこに見えたジョー・ストックトンは185cmもあるのだ。NBAに行けばカルロビッチでやっと大型選手で、ミルニーで普通。サフィンだとちょっと小さい選手になってしまうのだ。サンプラスやロディックだったら、「あんなに小さい選手なのに頑張ってるなぁ」と見えるはずだ。

依頼内容713:あのお・・・表紙にシャラポワ選手が掲載されていると、本を買いにくいんです。特にアップは勘弁してほしいというのが本音です。私は、いかにもテニスをや
っていますという風貌ではないので、シャラポワ目当てで買っているのではないかと思われそうで気になります(気にしなければいいじゃないかと言われればそれまでですが)。最近は日本にあるあらゆるテニス雑誌でシャラポワ選手、目立つんですがなぜなんでしょう。強いのは事実ですが、それほどテニス自体に面白味を感じないし(私の主観ですが)他に、強くておもしろい選手がいくらでもいると思うのですが・・・。ルックスがいいという前提で話すとしても、そういう視点で扱うのはファッション紙やおやじ系の週刊誌のやることで、テニス雑誌のすることではないように感じます。
海外、特にフランスあたりのキオスクなどで売られているテニス雑誌も同様なのか、すごく気になります。

北海道の重里兵伝さん

報告713:どうやら依頼者にはご迷惑をおかけしてしまっているようだ。しかし、シャラポワ=おやじ系週刊誌、というのも、かわいそうだ。なにしろそれはシャラポワの責任ではなく、見る側の問題が大だと感じるのは気のせいだろうか……。
 他誌の事情はわからないが、シャラポワが目立つのは、それだけ人気があり、かつ、彼女が今や、テニス界のアイコンである、という意味もあるだろう。
 フランスには、フランス人のトップ選手がいて、人気もある。例えば、モーレスモが活躍し、人気があれば、モーレスモになるだろうし、デ杯の時期ならグロージャンの時もあるだろう。アメリカに行けばアメリカの、スペインならスペインのと各国自前で人気選手がいる。もちろん、自分の国の選手だけが表紙になるわけではなく、アガシだったり、フェデラーだったり、時期によっても違うし、場合によってはラケットなどの用具が表紙になったりすることもある。また、当地で大会が開催されれば、それに関連した表紙となる。しかし恐らく、ウインブルドンが近づけば、海外のメディアと言えども、シャラポワ率は高まるだろう。芝の季節は世界中のテニス雑誌はシャラポワかフェデラーで二分されるに違いない(でも、多分イギリスはヘンマン、タイはスリチャパンだろうと思うが……)。
 本誌は表紙となると、とりわけ日本人選手に垣根の高い専門誌として知られ、伊達公子さん、松岡修造さん以外で、表紙を単独で飾ったことのある選手が非常に少ない。それは本誌が「日本人だから」という基準で選手の選定に対して下駄を履かせず、「あくまでもその時期の話題の中心に近い選手」から表紙を選ぶという意識がそうさせている(のだろうと思う……)。
 うーん、現在の本誌の場合、表紙の写真の選定は基本的に中身とリンクさせてある。シャラポワ関係の読み物や、技術企画、インタビューなどが入ればシャラポワになるし、今月号のヒューイットは中にインタビューなどはないが、巻頭技術企画のバックハンドに関連付けてある。決してかわいいから、という理由だけで表紙の選手を選んではいないし、中身と無関係で「この写真のハンチュコワがかわいいから」として中身にハンチュコワの目立った記事なし、とか、広告まがいの表紙とかはしていない、はずだ(……悪意はありませんよ)。以前、ある外国人選手のインタビューのアポイントメントを取った時に、「インタビューに応じるが、その場合はかならず表紙にすること」という交換条件を出されたことはあったが……。-
 もちろん、雑誌の表紙というのは本の顔だけに、初めて本誌を見た人にもひと目で「これはテニスの雑誌だな」とわかってもらいたい。で、今ならシャラポワがテニス選手だというのは、比較的多くの人に知られている。テニスのアイコンとして今、シャラポワほど一般的な選手は国内では杉山愛選手を数える程度ではなかろうか。渋谷の町を歩く人1000人にアンケートを取ったとして、シャラポワとフェデラーなら、より名前と顔が一致するのはシャラポワの方で、世界?1と言ってもフェデラーを知っているのは、少なくともテニスに興味のある方だけだろう。
 シャラポワの人気は日本国内限定ではない。欧米でも注目の選手であり、彼女の活躍に対してあらゆるスポーツメディアが多くのスペースを割いているし、彼女が出る、出ないは大会の主催者にとっては大問題だとさえ言われる。テニス選手の人気は基本的に国境の壁に阻まれやすいが、まずアガシ、クルニコワが国境の壁を越え、今、シャラポワが越えつつある。インターネット時代ならでは、なのだろうとは思うが、最近はテニス選手の人気が、以前ほど国境で遮られにくくなってきたような印象がある。
 テニスの魅力に関しては主観の問題も大だが、17歳でウインブルドンのチャンピオンで、世界第2位、という実績を挙げた選手を、「ルックスだけ」と言うのもどうかとは思う。じゃあどんだけ勝てば認めてもらえるの、と彼女は怒るだろう。
 彼女のおかげで多くの人々の関心がテニスに向いたのは事実。筆者は昨年のAIG・オープンの際、満員近くの観客を集めた有明スタジアムの光景を見て、まるでお客さんがいなかった時代を思い出して涙が出た。素直に彼女には感謝したい。

依頼内容714:こんにちは。いつも楽しく拝見させて頂いております。
ふと思ったのですが、テニスの4大大会を日本語表記(漢字カナ混じり)にすると「全英オープン」、「全豪オープン」等となりますよね。国名の前の”全”ってどう言う意味合いから付いているのでしょうか?「全英オープン」をバラけると、「全ての英(イギリス)のオープン」。。。意味不明です(ToT)「全(世界のテニスファンのための)英オープン」、「全(世界のトップテニスプレーヤーによる)豪オープン」。。。それとも、単に”全”と付ける事で大きな大会を表そうとしているのか(でもそれなら”全”よりも”大”の方があっている気もします)。。どうも腑に落ちないのでこの件について調査よろしくお願い致します。

愛知県のきんちゃんさん

報告714:ウインブルドンに関して全英オープン、という言い方を本誌では極力避けている。というのは、全英オープンではないからだ。実は、全英オープンという名称が相応しい大会が、イギリスの国内トーナメントとして行なわれているらしい。
 4大大会も元々、それぞれの国の国内トーナメントとしてスタートした。日本の全日本選手権と同じだ。なぜ全、と付けるかといえば、恐らくはその名残だろうという解答になり、オープンと付くのは「国際的に開かれた大会ですよ」という意味だ。
 実は最初の段階では全仏ならフランス人のためのフランスの大会で、これは全豪も全米も同じ歴史を踏んでいる。ウインブルドンだけは最初から国際大会だった、という点も他の3大会とは異なっているし、他の3大会が各国協会主催なのに対し、ウインブルドンは私立のテニスクラブの主催なのだ。
 英語ではそれぞれAustralian Open、French Open、US Openで、All Frenchなどとは言わないが(全日本選手権は、All Japanと言うが)、日本語に最初に翻訳された我々の先人が、「この大会はわが国の全日本に当たると考えられるだろう」と判断して、例えば全仏、としたのだろう。我が日本の先人は、日本語にないものを苦労して日本語に置き換えた。その苦労の賜物とどうか考えて欲しい。

依頼内容715:クレー、ハードコート、芝、カーペットと様々なコートがありますが、どのコートでストロークで打ち勝てる選手が一番ストローク力がある選手といえるのでしょうか?
宜しくお願い致します。

福島県のハゲ鷹さん

報告715:どうにも依頼者は序列好きと見える。クレーでストロークで打ち勝てる選手が、クレーで一番ストロークの強い選手で、カーペットでストロークで打ち勝てる選手がカーペットで一番ストロークの強い選手、ではいけないのだろうか?
 基本的に遅いとされるクレーと速いとされる芝でも、計測すればはっきり秒単位での差はない。ほんの刹那の差があるだけだ。しかし、この刹那の差が大きい。クレー育ちの選手は大きなフォームから、大きなスイングを出すことでボールにパワーを乗せることがうまいが、芝で同じフォームのままだと振り遅れてしまいせっかくのパワーを生かせない。これは芝のシーズンがわずか1カ月前後しかないことも大きな影響で、もし、最初の半年がクレー、残りの半年は芝、となれば、選手たちのストローク力の違いも浮き彫りにされるだろう。実際、クレーコーターたちでも夏のハードコートシーズンの終わりにはちゃんとハードコートのテニスができるようになり、全米で活躍する選手も少なくなくなってくるものだ。
 また、メンタルの問題も大だ。アメリカの速めのハードコートで育ってきた選手だと、2、3回のラリーが続くと次はウイナーを狙いたくなるし、感覚として決まった、と思ったボールを返されるとそれだけで軽いダメージを受ける。しかし、クレー育ちの選手の場合は「ボールは返ってくるもの」と考えるのが基本で、ポイントが決まるまでは集中力が切れない傾向がある。ハードコートでは多少無理をしてでも攻めて行かないとポイントが取りにくいため、ハードコート育ちの選手はリスクを取ってでも攻める場合があるが、クレー育ちだとリスクを取って攻めるより、確実に相手を仕留められる状況に追い詰められるまでトリガーを引かないという傾向がある。どちらをもって上、とするか判断が難しいのは、依頼者にも理解していただけると思う。
「できれば、もっとクレーを増やすべきだ。クレー育ちの選手はハードコートに行っても適応できるが、逆は難しい」と最近、ヒューイットがオーストラリアのテニス界に提言をしたという。芝のテニスの伝統のあるオーストラリアだが、近年は若手の強豪が減っている。ジュニアの育成は大問題でありかつ急務とされ、様々な検討がされている中にこうした発言が出てきたのだという。
 現時点の結論としては、調査団ではクレーで強い選手がストローク力が高い、と見ている。高速サーフェスでストローク力が高い選手ももちろん評価するが、総合的に見れば恐らくクレーコーターの能力は高いとみる。
 しかし、ウインブルドンのボコボコの練習コートで、イレギュラーしまくりだというのに、何事もなかったかのようにテニスのできるトップ選手に、誰が一番か、というのを試合の勝敗以外で付けるのはあまり大きな意味を見出せないのも事実ではあるのだが……。

依頼内容716:スライスを打つコツとグリップを教えてください。

神奈川県のオマーンさん

報告716:ストロークなのか、サービスなのか判然としないが、基本的にスライスをかけることを意識しすぎないこと、ストロークならテイクバックでラケットを高くセットして、そのまま当てていくイメージだけを持つことをお勧めする。あとはたくさん打って体得してください、としか文字だけのこのコーナーでは言いようがない。

依頼内容717:ファンカルロス・フェレーロとアンドレ・アガシの両手バックハンドのグリップを教えてください。

神奈川県のオマーンさん

報告717:アガシは右手はコンチネンタルに近い薄めのグリップで、左手は左手のフォアハンドイースタン前後の薄めのグリップを使っていることが多い。
 フェレーロは右手はバックハンドイースタンからセミウエスタン付近の厚め、左は左手のセミウエスタンからウエスタン付近の厚めのグリップのことが多いようだ。
 しかし、二人とも、相手にするボールや打ちたい球種によって微調節をしているのは言うまでもない。

依頼内容718:今、ボクは高校生なんですけど対戦相手にスライスを使うとそこそこしかきまりません。もっとスライスの質をあげたいんですがどうすればいいでしょうか?
(できるだけ低くすべらせたいです)

愛知県の愛知の悪童もりぞーさん

報告718:できるだけ低くすべらせたい、という明確な目標があるのだから、それを打てるように練習を繰り返せばいい。問題なのは、明確な目標がなく、ただ漠然とスライスがうまくいかない、という状態だが、依頼者の場合は最終的にどうしたのかがわかっている。であれば、あと必要なのは試行錯誤だ。近道はない。練習に励んで欲しい。

依頼内容719:前にコーチが、「ウエイトを使った筋力トレーニングは高校に入ってからにしなさい」と言っていたのですが、中学生で、世界で活躍している外国の選手は、ウエイトを使ったトレーニングはやってないのでしょうか?また、一日にどのくらいのトレーニングをやっているのですか?(持久走何メートルとか腹筋何回など、具体的にお願いします)

神奈川県の湯すけさん

報告719:ウエイトを使ったトレーニングというのは、大人でもそうなのだが、まず鍛える側の人間の情報を正確に把握することが大切だ。つまり、自分のどこが強く、どこが弱いのか、どこをどう補強し、どう筋力をつけるかがが把握されていなければならない。中学生年代というのは、成長期でもあり、骨が伸びようとしているぶんだけ、ただでさえ関節に負担がかかっている。こうした段階で、不適当な負荷をかけてしまうと故障を起こしやすい。したがって、ある程度成長が止まる高校生年代になってから、というのが一般的なのだ。
 しかし、専門家の指導があれば、ウエイトトレーニング自体は年齢に関係なく、全て有害というわけではない。実際、トップクラスのジュニアはウエイトを使ったトレーニングをやっているケースもある。ただし、専門家の指導の下で、の話だ。
 また、トレーニングは個人個人の身体的な状態によって、細かにメニュー分けされる必要がある。ある人がやっていたトレーニングをそのまま導入すれば、その人と同じ条件になるわけではない。危険が予測されるジュニア年代の場合、より慎重になりたいところなのだ。
 興味がおありなら、お近くのジムを訪ね、トレーナーと相談してみて欲しい。最近は専門知識を持ったトレーナーなら、ジュニア年代でも相談に応じてくれるようにもなっている。とにかくまず、自分を知らなければ、つまり、スタート地点としての自分の状態を把握できなければ、どんなトレーニングも意味はないと強く心得て欲しい。

依頼内容720:フォアのストロークでどうしてもボールが浮いてしまいます。どうしたらいいですか?

三重県の遊戯さん

報告720:ボールが浮く原因として考えられるのは二つだ。インパクト時に面が上を向いてボールに当たりすぎていること。もう一つはトップスピンを意識すしぎるために下から上のスイングが強すぎて、回転だけかかっている、ふわーんとしたボールになっていることだ。
 浮かないようにするための対策は二つ。ボールに対して厚く当てそして打ちたい方向に対してボールを押すイメージをスイングの中に長めに入れること。もう一つは、浮かないボールのイメージをしっかりと頭の中で描くことだ。
 試しに自分のフォームをビデオかなんかに撮影し、自分自身で見てみて欲しい。多くの発見があるのではなかろうかと思う。

依頼内容721:トップスピンをかけるのがうまくいきません。トップスピンをかけるコツを教えてください。

三重県の遊戯さんん

報告721:どう、うまくいかないのか、まず自分なりの答えを出すことがスタートだ。コツを教えてください、と言うが、ただトップスピンをかけるだけなら恐らく今もできているのではなかろうか。どういうボールを打ちたいのか、まず自分で明確なイメージを作って欲しい。全てはそれからだ。

依頼内容722:ボレーのコツを教えてください。

三重県の遊戯さん

報告722:ボレーのコツ、とただ漠然と言われただけでは何も答えようがない、とは想像できまいか? 飛んでくるボールを直接打つのがボレー。正直に言って、難しい技術ではな
い。むしろ、ストロークの方がよほど複雑な要素が絡む。ボレーを苦手にしている人は少なくないが、その苦手意識の出発点は恐らく、ボールに対する恐怖感から始まっているのではなかろうか。テニスボールは眼球に直撃でもしなければ、ぶつかっても大怪我をするほどは固くない。怖がりすぎず練習に励んで欲しい。

依頼内容723:つまらない質問をしますがどうか答えてください。ぼくはよくボールがオーバーします。友達からは、「トップスピンをかけろ」と言われますが僕はトップスピンのかけ方がイマイチよくわかりません。トップスピンのかけ方を教えてください。
このコーナーで無理ならスマッシュの本誌にのせて教えてください。

大阪府の枕さん

報告723:友達からトップスピンをかけろ、と言われているということは、現状は恐らくただのホームラン状態なのだろうと想像する。トップスピンのかけかた、などというと難しく聞こえるが、実は今のラケットで普通にスイングすれば、たいていの人なら普通に打てるはずなのだ。
 ボールを打つ時に自分がボールを見下ろすイメージの姿勢のまま、トップスピンをかけようとすると、実はボールは浮きやすい。身体だけが突っ込んでラケットが遅れて出てくると、ラケットの面が狂いやすく、しかもスピンもかかりにくくなるからだ。逆に姿勢を低くして下からボールを見上げるイメージをもってボールに対して入り、そこからボールを打っていくと、自然とスピンがかかることが多い。
 あとは依頼者を知らない我々には一般論しか言えない。ボールを打つ直前だけ下から上 に急激に擦り上げるのではなく、スイング全体を見たときに、下から上になる軌道でスイイングすれば、たいていはトップスピンはかかるものだ。
 友達と試行錯誤して練習に励んで欲しい。

依頼内容724:サーブに当たって亡くなった審判がいるというのは本当なのでしょうか?よろしく御願いいたします。

福島県の通りすがりのテニス愛好家さん

報告724:本当だ。ただし、死因はボールが当たったからではない。テニスのボールにはさすがに直接の殺傷能力まではない。
 故人の名誉のこともあるし、関係した選手のこともあるので、ここで具体的にはお教えできない。ご理解いただきたい。

依頼内容725:ダブルスでのサービスリターンに悩んでます。強いフラットサーブの時、ブロックリターンするのですがネットやアウトが多く、また返せてもスライス気味の緩い球になってしまうので、相手に攻撃されてしまいます。また、緩いセカンドサーブを強く打ってもやはりネットやアウトが多く、リターンはロブ中心になってしまいます。上級者のようにしっかりとドライブのかかった深くて重いリターンをできるようになりたいのですが、どのような練習をすればいいのでしょうか? 通常のストロークはある程度打てるので、ちょっとした「感じ」が掴めれば、ガラッと変わる気がするのですが。

愛知県のmasaさん

報告725:原因はいくつか考えられるが、依頼者を見たことがないので、以下は一般論をベースとしたい。
 通常のストロークを「ある程度打てる」と依頼者ご自身がおっしゃっている、「ある程度」がどの程度なのかはわからないが、確かに「ちょっとした感じが」つかめればガラッと変わる可能性が高い、とは思う。
 しかし、出発点で意識しておいて欲しいのは、「どの程度」をご自身が望んでいるか、だ。アガシだってリターンをふかすこともあれば、ネットだってする。プロでリターンがいいと言われている選手だってミスは0ではない。最初の段階であまりに高いレベルを意識しすぎた結果、テニスが楽しくなくなる、あるいは不必要なスランプ意識が出る、劣等感、苦手意識などが生まれてしまう、などマイナスな感情が出てきてしまったのでは意味がないと思うからだ。
 ジュニア年代の依頼者なら、アガシを目指して死ぬほど球数を打って、コツをつかむこと、とにかく頑張って、と言ってしまってもいいのだが、依頼者はすでに大人。これからプロを目指す、というには少し遅すぎる年齢だと思われるので、あくまでも楽しくテニスが上達したい方だとして話を進めると、まず頭でっかちにならないことを意識してみてはいかがかと思う。
 リターンでは「相手がサービスを打とうとして、そのボールがラケットにあたった瞬間に着地するようにスプリットステップをして」、「テイクバックは小さく」、「スイングはコンパクトに」などなどのアドバイスを受けるだろうし、そういう話をどこかでお聞きになったことがあるだろう。これらのアドバイスも決して間違いではないし、そういう一言でリターンが上達した、とおっしゃる方も少なくなかろう。
 しかし、そういうロジックを一度きれいさっぱり忘れて、ボールにだけ集中して練習してみることもお勧めしたい。その際、意識するのは、自分がどういうリターンを打ちたいか(強いボール、とかいう抽象的なことでもいい)、ということだけで、後はもうボールをよく見て、ただそれを打つことだけに集中してみて欲しいのだ。
 とかく大人のプレーヤーというのは、理屈を知りすぎている分だけ、動きの中に不純物が多くなったりしがちなもの。プレーにとって本来一番大切なボールに対する集中力、どういうボールを打ちたいかの意識が欠けた状態に陥りやすいのだ。「テイクバックが」とか、「体幹部のひねり戻しが」とか、部品を意識しすぎて、肝心のボールへの集中力や、どういうリターンが打ちたいかのイメージングが欠如気味になっている方が多いような印象がある。その結果として、よく見かけるのが、「テイクバックだけアガシ」とか、「フォロースルーだけサンプラス」といったプレーヤーたちとなるのではなかろうか。
 また、ブロックリターンはスライスになるものだし、ダブルスならロブリターンは有効な手段と割り切ることも大事だろうと思う。
 ところで、もう一度よーく考えてみて欲しいのが、サービスというのは、少なくとも一般プレーヤーのレベルのサービスとは、そんなに返すのが難しいボールが来ているのだろうか、ということだ。冷静になってよーくボールを見て欲しい。たいていはゆるいボールが浅く落ちてくるチャンスボールに見えまいか。普通のストロークが打てている、というのなら、冷静にボールを見て欲しい。実際にはさほどに難しいボールではないことが多いはずだ。
 上級者、という人たちはそれを体験でよく知っている。ここで間違えて欲しくないのは、知識として知っているのではなく、身体が知っているから、普通に返せるわけだ、と考えて欲しい。
 最終的な結論としては、ボールに集中すること、どんなリターンが返したいかの明確なイメージを頭の中で持っておくこと、そしてそれを踏まえて練習することが調査団からの提案だ。かのビル・チルデンはかつて「フォームなどというものは、ボールに意識を集中していれば、おのずとできあがる」と言い切っていた。もちろん、相手だっていつも同じようには打ってこないから、数を打って色んなボールに対して慣れることも大事だろう。
 一般プレーヤーにおける技術の差というのは、実は「打った球数」に比例するような気がしてならない。もちろん、人により上達の早い遅いはあるにせよ、近道はないと心得て欲しい。まずは落ち着いて、ボールをよく見て、自分が打ちたい、あるいはボールに入った時点で一番いいリターンを具体的にイメージする、これが大事だ。依頼者も頑張って欲しいと願う。お怪我にだけは気をつけて。

依頼内容726:最近シャラポワ人気でロシア=シャラポワと思っている人が多いと思います。しかし、ロシアは人材の宝庫でたくさんの選手がいますよね?僕が知っているだけでもかなり多いです。その中で僕は一番マリア・キリレンコに期待しています。彼女のプレーはかなりテクニシャン的で、カウンターパンチャーのようなプレーに見えます。身長が低い彼女が、スピード化著しい女子テニス界で生き残るためには何が必要でしょうか?今のプレーではヒンギスのようになりかねないと思うのですが・・・。調査団の方たちはどう思われますか?

香川県のミスキナさん

報告726:キリレンコの背が低いと言っても、公式データでは173cmとあるので、日本人なら大柄と言えるのだが……。それはまぁいい。男子と違い、女子はサービス力によってつく差が大きくはないので、体格上の不利は絶対的不利にはなりにくい、とも言われ、彼女の体格はツアーのトップクラスには必要十分だろうとは思う。ただし、彼女が「世界ナンバー1に長年君臨する」という野望を抱いているなら別だが……。
 キリレンコのプレーのムードは、おっしゃるようにヒンギスによく似ている。しかし、コート上の動きから見る限り、フィジカルは現時点でもヒンギスよりは上だろうし、予測力を抜きにすれば、単純な足の速さや切り替えしのための脚力などもヒンギスを上回っているだろう(ヒンギスはこれらの不利を予測力とバランスの良さで補完しきっていた。しかし、これはトレーニングだけで身につくものではなく、彼女独特の能力と言った方がよかろう)。昨年の全仏でのセレナ戦を見る限り、精神的なタフネスさも十分だ。
 しかし、ヒンギスを追いかけるのは得策とは思えない。なにしろヒンギスを女子テニス界の女王の歴史の中で分類しようとすると、男子のマッケンローのように「例外的な天才」に分類するのが適当な存在で、そのスペックだけなら、とてもではないがトップに君臨できるとは思えないのに、君臨したという特殊な選手なのだ。F1で言えば、非力なエンジンに加え、古臭い設計のシャーシなのに、理屈を超えて劇走していた1993年のアイルトン・セナぐらい神がかった存在と言ってもいい(ちと、わかりにくいか……)。
 キリレンコは、今でも常時トップ30前後、調子と運がよければGSでベスト4、生涯に1度や2度ぐらいはGSで決勝進出やタイトルを取りたい、というレベルでいいのなら、すでに十分にその力はあると思われる。あとは経験を積んで、押し引きのタイミングや細かなテクニックの調整を覚えてくると、すぐにそのレベルで安定できるはずだ。つまり、依頼者の言う「生き残る」ことは現状でも十分可能だと思う。
 ただ、現時点で非常に完成度の高いテニスができてしまっている彼女の場合、逆に「どこを伸ばせば」というのが見えにくいのも事実。調査団ではあと少しだけ、サービスに嫌らしさが出れば化ける、と踏んでいる。スピードや威力を現時点から劇的に向上させる、というのは背が伸びでもしない限り無理だろう。であるなら、もっと相手に的を絞らせない、嫌らしいサービス、嫌らしい駆け引きができるようになれば、と思うのだ。ストローク力はすでに十分なので、あとは角度をつけたい、というぐらいが思いつく程度だ。
 しかし、実はこれは一番難しい要素。なにしろこの「嫌らしさ」とか、「駆け引きの感覚」などというのは、経験によって獲得していくより他に、有効な向上手段がないからだ(ヒンギスは16歳で30歳の駆け引きができていた、という点で非常に特殊なのだ)。性格的にも、周囲の陣営を見ても、キリレンコの場合は「正統派のプレーヤー」として戦っていきたい、という意識が見える。ちょっと心配だ。
 ……確かに嫌らしくもねちっこくプレーするキリレンコはちょっと想像したくないが、彼女のようなタイプの選手は恐らくそれが完成形だろう。あるいは、カプリアティのように筋量を増やして、パワー系に化けていくか……。それはもっと想像したくない。

依頼内容727:いつも僕の質問に答えてくれてありがとうございます。僕はHEADのラケットを使っているので質問なんですが、フェレーロ、サフィン、アガシが使っているガットを教えてください。

神奈川県のオマーンさん

報告727:最近はストリングも種類が豊富になってきたせいか、以前と違って選手たちも割と頻繁に使用ストリングを変えているらしい。なので、ある程度、長期間読まれるこのコーナーの特性上、お答えしにくい。お近くのプロショップの、プロのストリンガーさんなら、その時点での最新情報を持っているケースもあると思うので、機会があれば質問されてみるといいだろう。しかし、最近はポリ系のストリングのユーザーが増えていて、ご質問の3選手もポリ系のストリング(またはそれらとのハイブリッド)を使っていたと聞いている。

依頼内容728:僕はバックハンドを薄いグリップで打っています。その打ち方だとフラットのボールは打ちやすいんですがトップスピンがうまくかかりません。持ち方を変えずにトップスピンを打てるようになる方法はありませんか?

神奈川県のオマーンさん

報告728:フラットが打ちやすいバックハンドのグリップとあるが、片手か両手かが情報としてないのが痛い。また、トップスピンとおっしゃっているが、多分、現時点でフラットとおっしゃっているのも恐らく、十分にスピン系のボールだろうとも思う。まさか山なりのどろんとしたトップスピンが打てないとお悩みなわけもないとは思うが、もし、片手打ちで、低い打点からのトップスピンロブが打てないとか悩んでいるなら、そんなものはプロだって高等技術だと言っておきたい。
 申し訳ないが、せめて両手打ちか、片手打ちかをお知らせの上、もう一度、送信していただきたい。

依頼内容729:前からとっても知りたかったのですがナブラチロワの使ってる見たこともない形のラケットは一体何なのでしょうか。

東京都のサンプラス2世さん

報告729:時期によってプリンス社のラケットを使用していることもあるようだが、依頼者がおっしゃっているのは恐らく、カクカクとした形状の青いラケットのことだろうと思う。あれは、Bosworthという会社のラケットだ。
 この会社は他にはスカッシュなどのラケットを作っていることで知られるが、基本的に量販のラケットではなく、カスタムメイドに近い形態で使用者にラケットを届けているメーカーだ。

依頼内容730:テニスは日本の場合やる人は多いのにサッカーや野球やゴルフみたくあまりテレビで放映してくれません。日本人が活躍しないからでしょうか?トッププロがいるテニス先進国ではテニスをテレビで頻繁に放映してくれているんですか?

静岡県のラコステさん

報告730:海外と言っても非常に広く、国によっても様々だが、ごくごく一般的に言うと、やっている。
 また、GSやマスターズシリーズなどの大きな大会なら、「無料で見られる」テレビ局での中継もあるが、基本的に海外でスポーツ中継を楽しみたければ、スポーツ専門局の出番となる。地域によっても違うが多くはペイテレビで、スポーツ中継を見たければある程度のお金を払う、というのが普通だ(ちなみに、海外旅行をした時にホテルでタダで見られたぞ、という人は、そのホテルが宿泊客へのサービスとして、スポーツ専門局と契約しているというケースが多いはずだ)。
 また、サッカーを除くほとんどのスポーツやイベントは、お互いにスケジュールがバッティングしないようにしているもの。全豪はF1のメルボルンGPと開催時期が重なることを嫌がっているし、アメリカに行けばインディアンウェルズとマイアミは大リーグの開幕直前、全米はアメフトの開幕直前にスケジュールされている。フランスにはカンヌ映画祭から、モナコGP、そして全仏へ、という一連の流れがある。テレビ局もそういうスポーツ界の流れに従って、中継予定を組んでいるため、放送されやすいという側面もある。
 付け足すとすれば、海外にはスポーツファンは非常に数多いが、テニスファンの数は実はそうでもないかもしれない、というと驚かれるだろうか。もちろん、テニスだけを熱心に楽しむファンも少なくはないが、サッカーを除く全ての競技の人気を支えているのは、テニスも自転車競技もバスケットもクリケットもラグビーもその季節ごとに楽しむ、というスポーツファンの存在なのだ。「どっちかって言うとテニスびいき」というレベルの人はたくさんいても、テニスだけを追いかけ続ける人の人口はさほどには大きくはないとイメージしてもよかろう。ただし、彼らがスポーツに賭ける情熱は熱く、生半可なテニスファンでは太刀打ちできまい。なにしろ、欧米の新聞のスポーツ欄では、テニスがトップを飾ることも珍しくはなく、その他の情報もたいていは写真付きの大きめの記事で伝えられるし、テニスの大会結果は1回戦から必ず、ベタ記事でも全て掲載されているのが普通なのだ。「ただのスポーツファン」でも、その情報量は日本の比ではないからだ。
 さて、現在、日本でテニスの中継が少ない理由の第一は、日本人選手の活躍が少ない、というご指摘のような事柄も関係あるだろうが、じゃあ日本人選手が活躍していれば中継があるか、というと、あれだけ日本勢が大活躍している柔道の国際試合の中継が細かいわけではないし、福原愛選手で話題の卓球だって、全部を中継はしていないことを思い出せば、おのずと答えは見えてくるはずだ。日本でのテニスは観戦スポーツとして、まだまだ確固たる地位を得られてはいないのだ。
 元々、テニスはテレビ中継では(少なくとも日本のテレビ局の文法では特に)難しい競技として知られる。テニスはサッカーのように、試合の長さが時間で区切られていないため、いつ終わるかがわからず、しかも長くなれば5時間を超える事もある。5時間と言えばお昼ご飯を食べた後、そろそろ晩御飯のことが気になる時間まで、の長時間。家庭の主婦なら、昼ごはんを食べ、洗濯物をとりこみつつ、昼のドラマを堪能し、子供を幼稚園に迎えに行っておやつを食べ、帰りに晩御飯のおかずをスーパーで買って、さて、今晩は何にしようかしらと考えて、そうだ、とんかつにしましょう、と決めて、なべに油を入れ、豚肉に衣をつけるなどの下ごしらえがすっかりできあがった、午後5時半、という感じだろう。それでやっと1試合が終わるということなのだ。サッカーなら120分の放送枠を取っていればたいていは最初から最後まで放送できるし、雨だろうが雪だろうが試合が中止になることは滅多にないので安心して番組を組める。一方、テニスは放映時間が組みにくいし、雨が降ると中断してしまうため放送できなくなる、というのがその最大の泣き所なのだ(03年の全米では雨のために午後10時過ぎまでただの1球も打てない日があり、放送開始からの11時間近くを、地元中継局の解説者であるクーリエとアナウンサーがああでもない、こうでもないと話していた。もちろん、合間に昔の映像などが挟まれたりはしていたが、よくまぁ、ネタが尽きないもんだと、クーリエの頭のよさを感じさせられた一日だった……)。
 海外のテレビ局の場合、スポーツ中継は一度始めたら、基本的には最後まで流す。映画を放映して最後まで流さないテレビ局がないのと同じで、その結末を見せないというのはありえないとされている。ところが、日本の場合は、国民的な人気を誇る(誇った?)プロ野球中継でさえ、民放は試合途中から中継を始めて、途中で打ち切っている。最初から最後まで放映するのはペイテレビを除けば、NHKぐらいのものだ(NHKもペイテレビだと考えられるが……)。
 これはスポンサーに対し、時間枠でCMを売っている局側の事情と、「スポーツ観戦は本来、生で見るもので、テレビは観客を呼ぶための広報」という意識が強い日本ならではの事情だろう。
 日本でテニス中継が増えるためには、まず、国内の大会に観客が常に鈴なり、04年のジャパン・オープンや、05年の東レPPOのような状態が常に続いていることが前提だろう。次に、テレビ中継されていた場合の視聴率が常にある程度以上高いことが絶対条件だ。テレビ局も経済活動である以上、人が見ないものに資金を投入したりはできないからだ。実際、テレビ局内や、そのスポンサー関係者にテニスのシンパは少なくないのだが、彼らがいくら中継をしたいと思っていても、「テニスをやって、大丈夫なの?」と聞き返されたら、黙り込むしかないというのが現状だろう。
 待っていても中継されるようになったりはしない。ファンが地道にファンとして活動することで、状況も変わってくるはずだ。といって、やることはファンにとって何も難しいことではない。テニスの大会があれば見に行って、テレビで中継していれば見る。これだけでいいのだ。
 実際、経済界のトップクラスにもテニスのシンパが少なくない。しかし、彼らがテニスをスポンサードしたいという気があっても、会社を説得する材料がないと資金は出せないもの。社長が好きだから、という理由だけでは財政を預かる部下たちに「社長、テニスなんかにお金を出す余裕があるなら、社員に還元してください」と言われるのがオチだろう(社長の一存で全てが決まる、という会社もあるだろうが……)。テニスに投資することで、大きな影響がある、と社員の誰もが感じられる社会情勢であれば、テニス好きの社長も安心して「今度大きな大会を主催(スポンサード)してみようと思うんだが」、「いいですね社長、やりましょう! わが社の士気もそれで上がるでしょうから!」となるはずだ。
 テニスファンの奮起を期待したい。

依頼内容731:こんにちは最近ライジングショットをやろうとしていますがどーうもアウトやネット、フレームショットがあります。なのでタイミングの取り方、ボールへの入り方などを教えてくださいあとライジングとはチャンスボールのときだけに使うのですか教えてくださいまし。

北海道のムギャアアアアアアアアアアアアさん

報告731:どのぐらいの練習を積んだ上で、うまくいかない、とお悩みなのかが大問題だ。そんなにすぐにマスターできるなら、誰でもみんなライジング、という状態になるはずだとは感じないだろうか。
 どのレベルのライジングなのかにもよるが、タイミングの取り方というのは、身体の中のリズムで行なうものなので、基本的には数を打って自分のやり方、感覚を見つけ出すしかない。
 ライジングをチャンスボールの時だけ、というのは不思議な見解だが、これはぽーんとゆるく跳ねてきたボールに対し、落ちてくるのを待たず打つという意味だろうか。確かにそのケースでは相手の時間を奪うという意味でライジングが非常に有効だろうが、別にその時だけに使う、などという決まりはない。何なら全部ライジングでもいいぐらいだ。
 依頼者はアウトやネット、フレームショットなど、あらゆるミスが出ているとおっしゃっている。これがせめて、ネットが多い、あるいはアウトが多い、とミスが限定されてくるレベルにくれば、その対策も立てられるだろうが、恐らく、まだまだその段階ではないのだろう。とにかく、ライジングで打つと決めて練習に励んで欲しい。
 ちなみに、通常のストロークの場合、弾んだ後に打つ地点に対してフットワークを使うが、超級のライジングだと、ボールの着地点に向かって走りこむと言われる。伊達公子さんが全盛時代には、多くの日本女子たちが挑んだが、誰も彼女レベルのライジングはできなかったし、今もできていない、と付け加えておこう。そんなに簡単にできるようになるものではないのだ。

依頼内容732:テニスでワールドチームテニスというのがあるというのを知りました。あまりサイトがないので詳しく教えてください!またそれに関連して世界で行われたエキシビジョンやチャリティーマッチについて教えてください。有名選手も参加しているんですか?

東京とのみむさんさん

報告732:ワールドチームテニス、通称WTTは、キング夫人たちが中心となって、70年代の初めにスタートした非公式戦で、男女2名ずつのチームで、男女シングルス、男女ダブルスとミックスダブルスの計5戦で戦われる。そのホームページはhttp://www.wtt.com/(当然、英語)。参加を表明した選手たちがドラフトにかけられ(基本的にはアメリカに本拠地を置いている選手が中心)、選手たちは各都市の名前がついたチームに所属する形で戦われる団体戦だ。
 今年の場合、シャラポワ、ダベンポート、ビーナス・ウィリアムズの現役組に加え、ヒンギス、ナブラチロワ、クルニコワやグラフなどが参加を表明(日本から宮城ナナ選手も毎年のように参戦しているし、昨年は宮城選手の所属したチームが優勝した)。男子はロディックやブレーク、ブライアン兄弟に加え、ラフターやベッカー、クーリエやマッケンローなどが参戦を表明している。
 また、エキジビションマッチやチャリティーマッチというのは、世界中で無数に開催されているが、代表的なのは、エルトン・ジョン・エイズ基金のチャリティーイベントや、アガシ基金のイベント、先日のインド洋大津波のような事件があれば、ATPやWTAなどが主催元になって開催されるケースもある。
 エキジビションマッチは主にシーズンオフの冬を中心に各地で開催されているが、当然、その地域で人気のあるスター選手が出てくる。でないと、興行にならないからだ。

依頼内容733:2004年はロシア勢の活躍が目立ちました。しかし、どれも単発でそれ以降の活躍が無いと思うのですが・・・。その理由は何なのでしょうか?ウィリアムス姉妹やクライシュテルスとエナンのベルギーシスターズが復調傾向にある中、このままだと前述の選手がいなかったからだと世間から言われそうで・・・。彼女たちが、この厳しい状況を打開する方法はありますか?調査団の方たちの意見を聞かせてください。また、ロシア選手で今一番期待できる選手も教えてください。

香川県のミスキナさん

報告733:どんな言い訳をしてみたところで、エナン-Hとクリステルスがいなかったこと、ウィリアムズ姉妹に一時の勢いがなかったことが、昨年のロシア勢にとって追い風になったことは事実だ。これだけは認めねばなるまい。
 しかし、そういう時期にしっかりと活躍できる、というのも実力だし、ベルギーの二人が昨年怪我をしたのも実力の内、と考えられれば、昨年のロシアンたちの栄光に何一つ傷がつくわけではない。違うだろうか? 去年、カプリアティもいれば、ダベンポートもいた。エナン-Hは全仏にも出ていたし、ウィリアムズ姉妹だって出られる時にはちゃんと出ていた。日本の杉山だってトップ10に付けていたし、ライバルが不在だったわけではない。しかし、その中で勝ったのはロシア勢だったのだ。この実績に対しては誰もエクスキューズを付けられるものではない。事実として、昨年の彼女たちはベルギー勢よりも、ウィリアムズ姉妹よりも強かったから勝ったのだと胸を張って良いと思う。
 はっきり言おう、確かにエナンやクリステルスが去年も元気であれば、恐らくロシア勢の活躍もあれほどではなかったかもしれない。それは当たり前だ。ベルギーの二人だって、テニス史に残る強豪。元気であればそう簡単にライバルに勝ち星は許さないだろう。しかし、彼女たちはケガを負って戦列を離れた。彼女たちが弱かったのだ、とは言わないが、これも運という実力のうちだ。
 それに、ベルギー勢はあの戦線離脱で、非常に大きなものを失った可能性が出てきているとも考えられる。これはベルギー勢にとっては一生の不覚になる可能性さえある。去年も彼女たちがロシア勢を叩きのめし続けられていれば、ロシア勢は第2勢力の地位に押さえ込まれて、今後の5、6年は磐石のベルギー2強時代を築けただろう(サンプラスやアガシに押さえ込まれ続けた、イバニセビッチやヘンマン、エンクイスト、カフェルニコフたちのように……)。しかし、ベルギー勢が戦列を離れ、ロシア勢が全仏以降を制し続けたことで、彼女たちは何ものにも代えがたい経験と自信を得てしまったのだ。今のロシア勢なら、エナン-Hと対戦したとしても、いささかも闘志をくじかれることはないだろうし、GSタイトルのないクリステルスは下手をすれば見下ろされた状態から試合をスタートしなければならないかもしれない。対戦競技においてこの見えざる部分は、実は非常に大きなウエイトを占め、戦う前からある程度の影響を及ぼすものだ。
 それゆえ、強い選手というのは、たとえケガが治っていたとしても、優勝を争える段階まで戻ってこないとなかなか復帰しない。それは、中途半端な状態で出て、負けて自分自身が自信を失うことはもちろん、自分のプレゼンスの低下も恐れるからだ。それだけに、ベルギー勢にとっては今年が正念場。ここでロシアンたちに不覚を取れば、一気にその他の選手に格下げになってしまう危機なのだ。一方、ロシアンたちにとっても大事なところで、ここで大人しく引き下がってはいけないところなのだが……、どうも彼女たちにはそういう山っ気を感じないんだよなぁ……。
 とはいえ、ロシア勢に関してはそれほど心配はいらないという気もする。なにしろ彼女たちは強い。それも心身ともに強い。今年だって活躍していないわけではない。勝つときにはしっかり勝てるだろう。調査団はそれほど悲観していない。
 確かにミスキナは故障やメンタルの低下などでややスランプ気味だし、クズネツォワも安定感はない。しかし、デメンティエワは常に上位に顔を出しているし、なによりシャラポワはナンバー1争いを演じているほどの出来だ(ペンネームから察するに、恐らく、依頼者はシャラポワをロシア勢とは少し距離を置いて見ているのではないかと思うが……)。
 ミスキナは見かけ以上に全てが速い選手で、同時に頭もいい。ボールにスピードを乗せる感覚を持っていて、見かけ以上に彼女のボールは重く、そして正確だ。
 デメンティエワはサービスがだいぶよくなってきた。ストロークの破壊力は相変わらず凄い。あとは自信さえつければ、いつでも優勝街道に乗れるだろう。
 クズネツォワは女サフィン。いい時は手が付けられない。ただし、悪いときは坂道を一直線に転がり落ちる。それが彼女の魅力でもあるが、本来はもっと安定して実力を出せるはず。何が、ということはないが、「少し落ち着け」というところだろうか。
 シャラポワも同じだ。今はほとんど自分しか見えていないが、あれで相手を見ながら自分のテニスを調節していくようになったら、誰も勝てなくなるかもしれない。
 ペトロワは類いまれな運動神経の持ち主だし、ズボナレワもタフなストローカーで泥臭いテニスができるタイプ。ボビーナやサフィーナは才能の塊のような存在だ。
 また、キリレンコやチャクベタージ、リネツカヤ、ドゥシェビナ、ボンダレンコなど有望株はひっきりなしに現れていて、地元ロシア育ちもいれば、アメリカから出てくるロシア人、スペインやフランスから出てくるロシア人選手もいる。それぞれにそれぞれの特徴があって、誰が期待できるかを特定するのは女子では特に難しい。
 しかし、ロシア勢に共通しているのは、戦う能力の高さだ。これは技術の巧拙ではない。「うまいけど強くない」という選手は星の数ほどいるが、ロシア勢ほど「うまそうに見えないが強い」という人々の集団もいないだろう。
 反面、落とし穴はその闘志の強さの裏返しで、強い期間が長続きしない、ということだろうか。ロシア勢の場合、物凄く強い時期があったかと思うと、突然やる気を失ってしまっているように見える時期がある。年間を通じて常に一定の実力を出す、というよりも、いい時と悪いときがはっきりしている、という印象が強い。もちろん、それでもソコソコは勝つのだが、強い時のイメージが鮮烈なだけに、そのギャップで見る側に評価を誤らせやすいのだ。
 繰り返すが心配はいらない。「ロシアン旋風なんて、ベルギー勢がいなかったからできただけだ」と言いたい人には言わせておけばいいのだ。なにしろ「ベルギー勢はウィリアムズ姉妹がケガしていた間にするすると抜け出しただけの女王じゃないか」とも言えるだろうし、「グラフなんて、セレスが刺されなかったら」とか、「ヒンギスなんてグラフがケガをしてた時代の女王じゃないか」とか、「エバートがコナーズに夢中にならなかったら、デブったナブラチロワに誰も手を差し伸べなかったら、マンドリコワが女王だった」とか、たられば話はスポーツ界では無意味なのだから。

依頼内容734:選手は記者会見で嫌な質問をされますが、どんな嫌な質問にもユーモアで上手くかわすので感心してしまいます。そこで質問なのですが、記者会見用の練習というものはあるのでしょうか?宜しくお願い致します。

福島県の通りすがりのテニス愛好家さん

報告734:男子に限って言えば、していると言える。ATPには毎年、初めて200〜400位前後に上がってきた選手を対象にしたATPアカデミーという行事があり、そこではメディアへの対応の仕方や、ファンとの接し方、賞金の管理の仕方などの講習会を行なっているのだ。
 以前、この講習会に参加した(というか、これはATPが選手たちを招待する形で行なわれる)ある選手にその内容を聞いたのだが、記者会見では机の上に両腕を乗せて前傾姿勢で相手の話を真面目に聞いて、ちゃんと受け答えするように、決して椅子の背もたれにふんぞり返ったり、足を組んだりした態度を取ってはいけません、メディアの向こう側にいるのは大切なあなたのファンやスポンサーなんですよ、などと講習を受け、さらには記者会見のロールプレーまでやるらしい。そのせいか、男子の選手で「こいつ、態度わりーなー」と感じたのは、筆者はリオスぐらいしか記憶がないほどだ。
 一方で女子の場合は、そういうシステムがないから、というわけではないだろうが、記者会見での態度は選手の性格や、その時の気分がそのまま現れている印象で、「昨日は愛想良くしゃべってくれたのに、今日はムスッとしてるなぁ」、「こいつはいつでも態度が悪いなぁ」という選手が割合多い。これはもう試合の勝ち負けや内容にこだわらず、そういう傾向がある。
 しかし、最終的には選手個人のパーソナリティに負うところが大で、ちゃんとした選手はちゃんとしているし、態度の悪い選手はいつでもそんな感じだ。
 それにしてもいつも関心するのは、テニス選手たちというのはみんなせいぜいが20代の若造なのに、トップクラスの選手は実にしっかりとしているという点。10代の頃からスポンサーだの、協会関係者だのの大人たちの間でもまれ、メディアやファンにも少なからず痛い目に遭わされてきた経験が彼らを精神的に磨き上げるのだろうが、みんな実に大人だ。

依頼内容735:私は動いてるガスケ(ギャスケ?)の試合を見たことがないのですが、ネットで「ヤツの高い打点のバックハンドの強打は凄い!」との書き込みを見ました。そんなに凄いのでしょうか?宜しくお願い致します。

福島県の通りすがりのテニス愛好家さん

報告735:片手打ちのバックハンドだからといって、高い打点が叩けないようでは今はトップクラスに行けない時代だ。ガスケ(本誌ではしばらくはこのままガスケで行こうと考えている。ギャスケ、でもガスクェでもいいとは思うのだが、多分、日本人が発音したときに想定される一般的なアクセントのポイントからしても、ガスケにしておいた方が日本人には言いやすく、相手の理解も早かろうと思うからだ)。
 確かに凄い、と言えば凄い。いや、はまった時の威力はツアーでも屈指だろう。しかし、両手打ちの選手ならもっとすんごいのがいないわけではない(それも数多く……)。とにかく、機会があった時には一度ご自身の目で確かめてみて欲しい。

依頼内容736:私は貴誌の技術特集以外にもそれ以上にテニス界のことを知ることができるページやモノクロのページをよく拝見させていただいております。ありがとうございます。
 そして選手のインタビューの記事は好きでよく読ませていただいていますが、そこ でとても気になることがあります。
 外国の選手は若い選手でもアガシやサンプラスのことを普通に「アンドレ」とか 「ピート」と言っているようですが、あっちの人たちは明らかに年下の人たちに呼び 捨てにされても気にならないのでしょうか?私の個人的な感覚で、もし鈴木貴男さん が福井烈さんを「烈!」とフレンドリーな感じで呼んでいたら私は「えっ!?」とび っくりしてしまうと思います。
 いつか私が生でアガシの試合を観戦し、サインをもらおうとするとき、私はアガシ を「アンドレ」か「Mrアガシ」のどっちを使い呼ぶのが礼儀なのか分からなくなっ てしまい質問させていただきました。
 いつも質問に親切、丁寧、明快に答えていただきありがとうございます。今回も宜 しくお願い致します。

福島県の通りすがりのテニス愛好家さん

報告736:いつもご愛読ありがとうございます。
 さて、「映二、俺、今回のデ杯は辞退するわ」などと、例えば本村剛一選手が、デ杯監督である竹内映二氏に話しかけている場面に居合わせたら、筆者だってドキッとする、というか途方に暮れる。日本的な文化では、後輩が目上の人に話しかける際には、相手の苗字にさんを付けるのが一般的で、もう少し仲がいい同士でも、映二さん、など下の名前にさん付けというのが普通だろう(たまに非常な親しみをこめて、ちゃん付けで呼ばれている人もいなくはないが……)。
 しかし、欧米社会では、ファーストネームで相手を呼ぶ、というのは割と普通。何しろ親子の間でもピートだとか、アンドレなのだから、少なくとも面識があり、お互いに普通のコミュニケーションが取れている選手同士なら気にはならない、というかそれが当たり前なのだ(これは、欧米人の苗字には似た名前が多いため、ウィリアムズさん、と言ったら何人もののウィリアムズさんが振り向いてしまいかねないが、ファーストネームならその確率がやや下がる、という社会的事情もある。また、苗字は家族に対しての名前だが、ファーストネームはその人だけの名前という意味で、親しみと共に相手を尊重する、という意味あいもある)。
 しかし、海外生活の長い人に聞いたところ、さすがに初対面で、はるかに下の立場の後輩がいきなり「ハイ、アンドレ」というのは、非常識だと思われるだろう、と聞いて実は筆者も少し安心した。
 お互いにファーストネームで呼び合うには一つの手続きが必要らしい。それは、例えば、こんなやり取りだ。
 後輩「はじめまして、アガシさん。僕はアンディ・ロディックです。いつもあなたを応援しています。」。アガシ「ありがとうアンディ。君は背が大きいね。でも、アガシさんは照れくさいな。アンドレでいいよ。」。後輩「そうですか(笑)。じゃあ、アンドレ、あなたに聞きたいことが……(以下略)」というものだそうだ。こうした挨拶の後は、お互いにアンディでも、アンドレでもいいらしい。ただ、英語にも敬語は存在するので、呼び方こそファーストネームでも、受け答え自体は後輩が敬語を使う、ということは少なくないそうだし、また、後輩がタメ口でも、目上の方がよほど格式ばった人でなければ、後輩のタメ口を気にはしないらしい。これは、敬語の話し方を知らない、という人が現実にいるためでもあるだろうが……。
 さて、サインを貰う時も、例えば試合後のコートサイドかなんかで、他の観客ともみくちゃになりながら手を出して、という状況なら、「アンドレーッ」と呼びかけてもいいだろうが、サイン会など、1対1になる機会があり、二言三言は会話ができそうだ、という状況なら、最初はMr.を付けたほうがていねいだろうとは思う。しかし、アンドレでも、選手は別に気にはしないとも思う。声援の時にはファースネームで全然構わない。むしろ、「カモン! ミスター・アンドレ!」などと、例えば全米で叫んだら、何かのギャグだと思われる可能性がある……。

依頼内容737:フェデラーのフォアハンドについて、解説してほしいです。
雑誌の特集なども読んでいますが、どういった部分が優れているのか、他の選手との比較もまじえてお願いします。
・グリップ、スイングの軌道などの打ち方
・サンプラス、ロディック、アガシ、サフィン、ナダルらとの比較
・トータルとして彼が最強である理由
こうした視点で、お願いします。

愛知県のダブルスプレーヤーさん

報告737:フォア、という部品の比較だけをするなら、フェデラーより凄いフォアを打つ選手はごまんといる、というと意外だろうか。テニスの一つのプレーに関して、コンピューターのベンチマークや、野球の投手のストレートのスピード、打者の飛距離などのように、それ単体を抜き出して比較する、という行為に関して調査団ではあまり大きな意味を見出せないのだが……。
 テニスはサービスを打ち、あるいは返し、相手の体勢を崩してポイントを奪う競技。どれ一つとして、欠ける事は許されない。また、常に相手がある対戦競技であり、例えばフェデラーサイドからだけでベンチマークができるのは、サービスの最高速度だけだろう。つまり、依頼者が3番目に挙げておられる、トータルとして、という視点を無視しては何一つ説明できない競技特性がある。また、トータルとして彼が最強である理由とあるが、では、その「最強」であるフェデラーに全豪で勝ったサフィンの立場はどうなるのだろう? 調査団でももちろん、フェデラーの強さを認めているが、誰が最強だ、と単純に定義するつもりはない。対戦競技において、絶対強という存在はよほどのことがない限り現れないものだからだ(まだできたてホヤホヤの若い対戦競技ならともかく、少なくともテニスほどに成熟した競技において、絶対強の現れる確率は恐ろしく低いだろう)。
 という前提を置いておいて、お話したい。グリップやスイングに関しては、その打点や狙いなどによっても微調整がされているものだが、フェデラーのフォアには特殊な部分は少ないと調査団では思っている。彼の際立った特徴は身体のしなやかさで、これは例えばクエルテンに通じる自然さな力強さがある。決して無理をして力任せにラケットを振っているのではなく、自然とラケットを加速させる能力が彼は高い、と言えば適当だろうか。かつての中日ドラゴンズのエースだった今中投手のように(依頼者の年齢ならご記憶であろう)、腕に力が入っているわけではないし、軽く投げているようにしか見えないのだが、その腕の振りは速く、球速も速い。つまり、フェデラーは今中投手のように、しなやかに腕を繰り出せるタイプと見ている。
 比較の対象として挙げられているサンプラス、ロディック、アガシ、サフィン、ナダルというのはそれぞれ素晴らしいフォアの持ち主で(というか男子でフォアがダメならトップには上がってこれないが……)、一体何を比較せい、とおっしゃられているのかがよくわからないほどだ。強いて言えば、サンプラスとフェデラーは走らせられても強打できるフォアを武器にしていて、アガシはライジング能力が高く、ロディックとナダルはとにかくスイングスピードが高くて、スピンもフラットも威力があるが、ナダルの方が安定感を重視したフォアを選択することが多い、という程度だろう。
 で、トータルに見てだが、フェデラーはそのトドメのフォアを使うまでのプロセスにおいて、実に多くの手段を持っていること、また、大きな動作を作らなくても、小さな加速距離で高いスイングスピードを出す能力が高いこと(これはもう、トレーニングでどうこうとか、筋力だ身体能力だというより彼の天性の感覚に近いものだろう)などを利用して、普通の選手なら体勢が崩れている、という場面でもボールをコントロールできる範囲が広い、と見ることができる。これが彼の際立った部分だろう。

依頼内容738:僕の好きな日本選手のうちの一人に不田涼子選手が入るのですが、不田選手のプレースタイルがイマイチわかりません。あるサイトでは「コントロール系のオールラウンダー」という風に書かれていましたし、他のサイトでは「ハードヒッター」と書かれていました。実際に彼女の試合を見たことが無いので、プレースタイルを教えてください。つまらない質問で、すいません。

香川県のミスキナさん

報告738:まだまだ発展途上の選手に対して、ファンの方に先入観を植え付けたり、選手にレッテルを貼るようなことは避けたいが、「コントロール系のオールラウンダー」であり、「ハードヒッター」という感じではなかろうか。
 え? 相反する要素じゃないかって? いやいや、今の女子の世界を見ていただければご理解いただけるように、強打を精密にコントロールすることは上位に上がるためには必須の能力だ。決して矛盾する要素ではない。
 それから、実に気持ちよくコートを動く選手であり、劣勢となればあらゆる手段を考えて打開しようとする頭のよさも感じさせてくれる。
 ただ、国際的に見て、体格上の不利はいかんともしがたいので、今後レベルが上がってくれば、「パワーヒッター的要素」ではなかなか勝負はさせてもらえなくなるだろう(彼女がセレナやカプリアティ相手にパワー勝負ができるか、と考えて欲しい)。しかし、ある程度以上のパワーは必須でもある。したがって、今の段階での
 これから先、相手がどんどん強くなってきた時に、どんな成長を見せてくれるかが楽しみだ。応援して欲しい。

依頼内容739:外国に手紙を出すにはどんな切手を使えばいいですか

神奈川県のしーさん

報告739:どこの国から出す場合でも、出す人(この場合は依頼者)が投函しようとしている国の切手でいい。日本から出すなら日本の切手、アメリカから出すならアメリカの切手だ。

依頼内容740:前にも、スライス(ストローク)について質問したのですがなた質問です。
 スライスの種類には二つあって「滑るスライス」と「止まるスライス」があると思 うのですが、物理的な違いと、打ち方の違いを教えて欲しいです。また、現役の選手 の中でおそらくスライスが一番上手いであろう選手を教えて下さい。お願いします。

愛知県の愛知の悪童もりぞーさん

報告740:サーフェスにも左右されるが、滑るスライスとはつまりコートへの入射角が小さいスライスで、多くは深く、そしてある程度スピードのあるスライスとなる。止まるスライスというのは、ドロップショットのような回転量の多い短いスライスになるだろう。
 現役でスライスの名手、と言えば、まず思い浮かぶのはフランスのサントロだ。彼は両サイド両手打ちだが、なぜかフォアでスライス、バックで強打という選手だが、彼のクレーでのスライスは一見に値する。以前、サフィンがサントロにボールをひざ下の低い打点にばかり集められ、途中で切れて負けた、という場面を見たことがあるし、彼のドロップショットは本当に戻る挙動を示すことがある。
 フェデラーももちろんうまい。彼の場合は角度の付け方がうまいので、しのいだつもりのショットがそのままウイナーになってしまうこともある。ヘンマンのも素晴らしいし、実は鈴木貴男選手のバックのスライスも実に効果的に使われていると思う。
 他には、女子だとC・マルチネスのバックのスライスはきれいだし、ルアノパスカルのバックスライスもきれいだ。エナン-Hやダニリドウもいい。
 うーん、基本的にサーブ&ボレーヤーか、クレーコーターたちはみんな回転系のボールがうまい。意外かもしれないが、ゴンザレスのバックハンドのスライスだってなかなかのものだ。

依頼内容741:最近思ったのですが、両利きの人がテニスをしたら強そうじゃないですか?
ラケットを体の中心に構えて、ボールが右にきたら右手で、左にきたら左手で打つ!
これによってどっちもフォアで打て、守備力も上がる!この考えってどうでしょう?

宮城県のピッチャーさん

報告741:いた、ぞ。実際に。女子のロシア人選手で、クリコフツカヤというのがまさにその打ち方をしていた。確かに彼女はそこそこ強かったが、上位勢を脅かすにはいたらなかった。
 また、本誌の連載企画である、神尾米さんと雉子牟田直子さんのコーナーに、以前、両利きの方が来られたことがあるが、その時にお二人がおっしゃっていたのは、「最初は戸惑うかもしれないけど、相手の特長を探さないで済むから結局楽かも」と結論されていた。というのは、初めての対戦相手の場合、フォアの方が強いか、バックの方にミスが多いかなど、探さなければならないことが多いが、両利きだというなら、そういうのはないので、もう最初から自分のテニスだけに集中できるから、とのことだった。また、真ん中に打たれたらむしろ自分の方が混乱しちゃうんじゃないか、という話も出た。
 面白いアイデアだが、なかなか難しいだろう。

依頼内容742:フラットドライブとはなんですか?あとフラットドライブの打ち方を教えて ください。

三重県の遊戯さん

報告742:フラットの強打のことだ。テニスの基本に近い打ち方で、全く特殊なものではなく、フラットに強打すればいいのだ……。

依頼内容743:私はオリヴァー・ロークスのファンです。あまり有名というわけではありま せんが、去年の全米ではカルロス・モヤを下しベスト16、今年の全豪でもベスト1 6に入っており、今年のはじめの方のATPランキングではTOP10に入っていま した。身長165cmと小柄ながら、これだけの成績を残しているのにあまり注目さ れていないのが残念です。私の独りよがりな考えかもしれませんが、もっと注目され てもいいと思います。

愛媛県のニョン様さん

報告743:調査団でも彼は注目している選手だ。……で、我々は何を調査すればいいのだろうか?

依頼内容744:フェデラーのフォアハンドストロークのグリップの握り方と使用ストリング スを教えてください。

神奈川県のオマーンさん

報告744:もう、何度でも言うが、ベースとなるグリップというのはあったしても、選手たちというのは、打ちたい球種や打点などの要素によって、無意識の内に細かく微調節を繰り返している。ある時点のグリップがわかったとしても、それが参考になる、とは考えない方がベターだと思うのだが……。
 彼の場合、セミウエスタンとイースタンの領域を状況に合わせて微調整しているように見える。さほどに薄くはないが、厚くもないという感じだ。
 ちなみにストリングはウイルソンの「ナチュラル」をタテ糸に、横にモノ芯のシンセティック・ストリングのハイブリッドを使用していることが多いらしい。

依頼内容745:ベースライン手前に来た高いボールを叩く時にどうしてもスピンが多くなっ てしまって威力が出ないのですが、そういうボールに威力を与えるにはどうすればい いでしょうか?

神奈川県のオマーンさん

報告745:ベースライン手前まで入ってきた深い中ロブ、ということでいいだろうか? これは確かに打ち返すのが難しいボールで、プロでもこのボールに対しては、返球のうまい下手があるほどだし、はっきり言って、これをズバンとたたき返せる人は、世界でもトップクラスと呼ばれる人になろう。だから、自分だけができない、と悩む必要はない。誰にでも難しいボールだ。
 これをちゃんと叩き返すには、まず、高いスイングスピードと、遠くまで正確に打てるコントロール力が必要だ。ここはもうトレーニングや練習で身につけるしかない。
 後は二つの選択肢。打てる打点まで足を使って下がって打つか、リスクを取ってライジングで叩くか、だ。
 状況によってどちらが正解、ということではないが、普段からこういうボールに対する対処法を練習していないと、咄嗟になかなかうまくはできない。練習ではできるだけ様々な条件を考えて練習してみて欲しい。

依頼内容746:サーブアンドボレーヤーやボレー好きな人はトップライトのラケットがよい とされていますが、私はこの話に少々納得がいきません。例えばピート・サンプラスのラケットはどう見てもトップヘビーにチューニングされていました。パトリック・ラフターのラケットも(名前が思い出せないのですが)トップライトではなかった気がします。ヘンマンのラケットは詳しく知らないのですが。そこで質問です。プロの世界では本当にサーブアンドボレーヤーやダブルス選手はトップライトのラケットを使っているのでしょうか。

神奈川県のすっぱさん

報告746:一般プレーヤーと、トッププロを同列に考えない方がいい、とまず出発点では感じる。しかし、編集部には以前、サンプラスのラケットバッグからそのまま出してきました、というラケットが撮影用にウイルソン社さんから特別に、ということでやってきたことがあるが、そんなにトップヘビーだとは感じなかったのだが……。いや、この顛末は調査団としては非常にお恥ずかしいエピソードで、我々はサンプラスのラケットがやってきた、というだけですっかり舞い上がってしまい、重量やバランスなどを調査することをすっかり忘れ、すげーすげーとながめたり、素振りをするばかりで、感覚的な印象のみでしかお話できないのだが……。
 いや、まず、男子の世界では、ということにすれば、トッププロと呼ばれる人々は基本的にトップヘビー系の、ラケットが「余計な仕事をする」チューニングをあまり好まない、という傾向はある。彼らがラケットに求めるのは、あくまでも「自分の意思を忠実に再現する道具」であることが多いのだ。
 したがって、多くはイーブンから、ややトップヘビー気味、あるいはややトップライト気味というラケットのユーザーが多いと調査団では聞いている。いずれにせよ、さほどに極端なバランス設定の選手は多くないらしい。
 そういえば、鈴木貴男選手が以前使っていたラケットはかなりトップライト傾向だったが……。

依頼内容747:僕は今厚いグリップからスピンではなくフラットを主体として打つことが多いので、どうしてもネットすれすれにボールが行かないと、アウトを多発してしまいます。
そこで最近スピンの練習を始めたのですが、スピンをかけつつも重いボールが打ちたい、と思ったのでいろいろ自分で調べたのですが、重いボールを打つにはボールを押すことが大事と書いてあったのですが、ボールを押すとは、インパクトした後もグッと腕全体で前に、大きくフォロースルーする、という解釈でよろしいのでしょうか?
あと学校のクラブに一時期、指導に来てくれたコーチに、「プロは耐久性でポリガットをえらんどんやない、普通のガットやとスピンがかかりすぎるからや」みたいなことを言われました。
スピンがかかりすぎたら何か不具合がおきるのでしょうか?
僕はスイングスピードがかなり早く、フェレーロのようなスイングでスピンをかけているのでスピンがかかりすぎないか心配です。

兵庫県のクレーコーターさん

報告747:今、厚いグリップを使っているのなら、トップスピンへの適性はあるはず。というか、無意識のうちにトップスピンを打っているのではなかろうか。フラットとはいいながら、恐らく、現時点でもそれなりにスピンもかかっているだろうとも思われる。
 また、解釈としてはほぼおっしゃる通りで間違いではない。ただし、依頼者がおっしゃっているのは、トップスピンというと、やたらとラケットを下から上に振り上げて、ボールを擦ることばかりに意識が行きがちな人に対して使われるアドバイスの系統に入るので注意が必要だろう。あとは個人個人の感覚の問題で、ボールを打っていく中で、自分の感覚をつかんで欲