スマッシュ調査団
              

依頼内容350:最近振動止めが壊れてしまい新しい物に変えました。そこでふと思ったのですが、世界のトップの選手達はどのメーカーのどんな物を使っているのか気になりました。もちろん人それぞれ違うとは思うのですが、プロにとって使いやすい物があるのだと思います。僕の好きなマリア・シャラポアや他にもビーナス姉妹、サンプラスなどの選手が何を使っているかを教えて頂きたいですm(_ _)m。また調査団の方達のお気に入りなどがあれば教えて頂きたいです!!

群馬県のBΩΦWYさん

報告350:おっしゃるように人により、また使用するラケットにより様々ではあるが、選手たちの場合、振動を完全に取ってしまうタイプのものよりも、我々がショップに行った時に「これならある程度の打感が残ってるんでいいですよ」と薦められるタイプの使用者が多いようだ。
 アガシやロディックの輪ゴムに代表される「結んでしまう型」や、サンプラスのドーナツ型などが代表的だろう。また、ウィリアムズ姉妹の場合は付けない派で、選手には付けない派も少なくない。シャラポワも付けない派だった(今後もそうかはわからないが…)。
 調査団は付けない派と、こだわらない派で、特別お気に入りというものは……。あしからずご容赦いただきたい。

依頼内容351:こんにちは。以前から思っていたのですが、ダブルスのポイントの取りかたの特集or別冊(なかとじ)はあるのに、なんでシングルスのポイントの取りかた、あるいは展開の仕方の特集or別冊(なかとじ)はないのですか?

北海道のshinさん

報告351:特集、中とじ、ということになると本誌で、という意味だろうと思う。なんでないのか? うーむ、なんとも素朴な依頼だ。
 まず、第一にはダブルスの愛好者が多く、かつ、ダブルスはシングルスと違ってある程度、決まりごとめいた特集がやりやすく、しかも、ある程度テニスをやってきたことのある人でも、初めてプレーすると難しいのがダブルス。で、ダブルスの決まりごとを知りたいという読者の方が多いことが挙げられる。その点、シングルスはプレーヤーや対戦相手の個性、身体能力や技術、ポイントによる考え方の違いなど、戦術と言っても、それ以前に実に多くの要素があり、ダブルスと違って特集としてまとまりにくいという点と、シングルスを主にプレーされる方からのご要望が少ないなどが理由として挙げられる(ダブルスより個性がより強調されるのがシングルス。自然、戦術も個人個人の資質によって大きく変わる)。
 基本的に技術特集の場合、シングルスでの使用も視野に入れながら作られているはずなので、参考にはなると思うのだが……。いずれ、近いうちの企画の候補にしておきたい。

依頼内容352:ジョンマッケンローのマジカルボレーって何ですか?ドロップボレーとは違うのですか?マッケンローのドロップを特別にそうよぶのですか?

埼玉県のスカッドサ-ブさん

報告352:マッケンローのボレーをなぜそう呼ぶか、と言えば、彼のボレーがマジカルだったからだ。……いや、というのは、マッケンローのボレーのスタイルはいわゆる基本の形とはまるで違っていたのだ。まるで違う方向を向いててんでバラバラな方向に(もちろん、彼は狙って打ってるのだが)コントロールしてボレーしたりと、理屈無用の彼オリジナルのボレーの打ち方だったからだ。
 よく「彼は自分の時代は築いたが、後世には何も残さなかった。それは彼が天才だった証拠だ」と言われる。彼の全盛期、彼のスタイルを真似しようとした人は大勢いたが、誰にも真似ができなかったし、彼独自のプレーと呼ばれるものの中には普遍的に「スタンダード」と呼ばれるものは出てこなかったのだ。
 実際に見てもらうのが一番早いのだが、なかなか見る機会も少ないだろうと思う。もし、何かのきっかけで見られる機会があれば、見てみて欲しい。確かにただのドロップボレーにも見えなくもないが、ああいう打ち方でボレーされたら、相手にとってはどっちに飛んでくるか予想できないし、どうやれば彼の体勢を崩せるのかもわからくなってしまうという、文字通りのマジカルさだったのだ。

依頼内容353:プロは回転を自在にコントロールできると聞きました。例えば、めちゃくちゃ曲がるサーブとかめちゃくちゃはねるトップスピン、やろうと思えばマンガのようなこともできるんだと・・・。僕は絶対に出来ないんですが、何か回転をすごくかけられる秘訣とかヒントとか無いのですか?それともやっぱりそれがプロとアマの差なのでしょうか? それともうひとつ、話は変わるのですが、昔コートは砂時計型だと聞きましたそれは本当なんですか?

北海道のヒュ−イットになりたいさん

報告353:別にプロでなくても、回転を自在に操れる人は大勢いる。ジュニアを指導するコーチの中には昨今の「テニスの王子様」ブームのせいで、影で血のにじむような特訓をしてあらゆるショットの練習をしているという人もいるという。
 秘訣とか、コツとかいったものに関して、テニス誌ではよく特集し、巷では話題にもなるとも思うが、実際には「誰かがやってうまくいった方法」で、もちろん、『おお、目からウロユ』という人もいるかもしれないが、誰もがそれでうまくいくかどうかはわからない。こういう方法もあるよ、という程度のものだと、特に若い依頼者のような方にはわきまえて欲しいと思う。回転をかけると一口にいっても、色々な方法がある。きっと依頼者に最適な方法もあると思うが、それは依頼者にしかわからない。別に練習などという形でなくてもいいから、年中ボールとたわむれている間に自然と身体が覚えこむ、という種類のものは実は案外多いのだ。
 昔、コートが砂時計の形をしていたというのは事実だ。ただし、砂時計と言うと、極端に中心部が細い形を想像してしまうかもしれないが、そこまで極端ではなかった。

依頼内容354:僕は、アーノルド・クレメンの大ファンなんですが、彼のサングラスはどこのブランドなんでしょうか?調査宜しくお願いします。

 

報告354:アメリカに本社のあるOAKLEY(オークレー)社のサングラスで、その都度必要に応じレンズを使いわけているとのことだ。

依頼内容355:僕は目が悪いんですが、目が悪いプロテニスプレーヤーって居るんですか?

大阪府のextremerさん

報告355:悪いと言っても程度の問題だが、いる。選手とはいえ目の悪い選手はごく普通に存在する。テニス選手だから皆、視力が2.0とか1.5というわけではない。
 メガネを着用している選手は多くないが、コンタクトレンズ着用者は少なくないし、視力矯正手術を受けた選手も少なくない。

依頼内容356:朝越しのぶサンの事が知りたいです。HP等紹介しているところがあれば教えてください。

石川県のまささん

報告356:……朝越しのぶ、ではなく、浅越しのぶ選手だ。そのままでは検索エンジンでも引っ掛からなかったことだろう。検索エンジンなどでもう一度トライしてみて欲しい。

依頼内容357:体重の乗った重い球とは何ですか?

東京都のはじめさん

報告357:実は遠い昔、本誌上のコーナーで全く同じタイトルで調査報告をしたことがある。なんだか懐かしい…。
 さて、当然、バックナンバーもないので、改めて報告しておこう。
「体重の乗った重い球」と言っても、本当にボールに体重が乗り移って、質量自体が増大しているわけではない。大体、そんなことになったら、質量保存の法則から考えて、打っているプレーヤーの体重がどんどん軽くなってしまう。
 要は運動連鎖を利用し、体重移動をうまく使った打球行為を行なって打たれたボールはスピードが乗るために「重く」なり、傍でその様を見ているとあたかも「体重が乗っている」ように見えるということにすぎない。これを見ていた人が、「体重の乗った重いボール」と呼んだのだろうと想像する。
 言葉の意味も大切だが、テニスはボールのやりとりで決まるものと考えてみて欲しいと願う。どんなボールを打ちたいか、がスタート地点には常にあり、どうしてそのボールが必要なのか、を考えて結論を出し、その上で、どうやったら打てるのかと考えていくのが自然な思考方法だ。使用方法も不明のまま、ただ「トップスピンが打ちたい」と練習しても、どうしてトップスピンが必要なのかに関しての明確な目的がなければ、焦点の絞れない練習になってしまう。
 さて、体重の乗った重いボール、ということに関してだが、ボールの重さは物理的に言えばスピードに全ての結論が求められることになる。ボール自体の質量は50〜60グラムでこれはどんな状態でも変わらないが、スピードが高くなれば運動エネルギー(高校の物理で学習するはず)が高くなり、ボールの持つ「重さ」は重くなる。テニスの場合、さほどに速くないボールでも重く感じるケースがあるのは体験的には事実だが、物理的にはスピードにしか重さを求めることはできない。

依頼内容358:僕はストロークではスピン量を多めにして打ち込むタイプでが、うちの部では先輩や顧問の先生にフラットドライブに強制されます。僕はへたっぴなので、スピン量を減らしてしまうとミスが多くなってしまいます。更に、僕のラケットは良く飛ぶけど、スピンで抑えが効くというモデルなので、フラットで振り切ると、ほぼ確実にコートに収まりません。どうしたらいいでしょうか?

静岡県のサフィン(・∀・)イイ!!さん

報告358:……どうしたらと言われても困ってしまうが、どうしてフラットドライブを強制されるのか、とまずは考えてみて欲しい。
 想像なので間違っているかもしれないが、スピン過多で威力が犠牲になっているのではなかろうか? それを見た先輩や顧問の先生が、「もっと強く打て」とおっしゃっているのではなかろうか。
 僕はへたっぴなので、とおっしゃっているところを見ると、まだまだ上昇の余地のあるプレーヤーとお見受けする。スピンをかけて打ってミスを減らすのも確かにいいが、少し長い目で見ると強打してもコートに収まってくれるようになった方がいいに決まっている。正直にフラットで振り切るというより、厚めに叩くスピンと捕らえた方がいいだろう。ここは先輩や顧問の先生を信頼して、一度バラバラになっても強く叩くテニスを習得してみてはいかがだろうか? 実は誰でも強打を覚えようという場合は、バックフェンスに打ち込むような練習からスタートするのだ。

依頼内容359:今あってる全仏の2回戦でナルバンディアンを倒した、Nicolas Coutelotって選手はどんな選手ですか?教えて下さい。

福岡県のGYOさん

報告359:まだはっきりと決めたわけではないのだが、本誌ではコーテローと表記するフランス期待の選手だ。
 77年生まれの26歳と、若手とはいえないが、ここ最近ゆっくりと頭角を現して来ている選手で、今年の全仏では1回戦でサングネッティに勝ち、2回戦でナルバンディアンを倒し、クレモンと当たって敗れた。地元フランスでは期待以上の成績だったようで、大きく報じられた。フランスの選手らしく、全ての技術が高く、うまいテニスをする選手。どこかで見かけることがあったら注目してみて欲しい。

依頼内容360:すみません、先ほどの「ゴムつきボール」の者ですが、……

神奈川県のかってぃさん

報告360:……すみません、その先ほどのというのが届いていないようです。改めてまた依頼してください。

依頼内容361:ええと、僕はトップスピンは打てるんですが、スライスの球を打つのがどうも苦手です。バックで打とうとしようものなら、遅くし浮いてしまって全然ダメです。どうすれば上手くスライスを打てるようになるんでしょうか? 部活の顧問の先生には、切らずに拾うようにしろと言われたのですが、どうなんでしょう?

北海道の鎌矢さん

報告361:しっかりとした顧問の先生の下でプレーされているようだ。スライスは覚えるまでは時間がかかるが、一度マスターしてしまえば、「疲れるからトップスピンなんて打ちたくない」というダメおじさんも増えるほどラクな技術だ。
 まず、ボールを打つタイミングをトップスピンの時よりも早くして、少しライジング気味の打点で打ってみて欲しい。先生のおっしゃるように切るのではなく、拾う、もしくはラケットを肩の上から振り出してそのまま面を当てる感覚にしてみて欲しい。
 あとは練習あるのみだ。

依頼内容362:元プロの伊達公子さんについての質問です。彼女は元々、左利きと聞いた事があります。何故右利きに直したのでしょう? プレイヤーとしては、左利きのほうが右利きより有利だと思うんですが・・・

北海道の私の夢は、テニスクラブのオーナーさん

報告362:なぜ直したか、に関してご存知なのは彼女の親御さんだけで、恐らくはご本人ですらご存じないかもしれない。ゴルフと違ってテニスは用具に「左利き用」というのがあるわけではないので、経済的な理由ではないだろうと思う。
 彼女が左利きだったのは事実で、現役時代も咄嗟の逆球を左手で返球するシーンがよくあった。この要素が彼女の両手バックハンドに威力を与えたという説もあり、結果的には右利きにしてよかったのではなかろうか……。

依頼内容363:至急!
さっそくですが、現在掲載されている読者のページ下欄の「ファンレターの宛先」 (WTA)の確認を願います。先日女子選手宛に掲載されている住所(アメリカ、コネチカット)へ送った所、宛先不明で戻ってきました。私の書き方が間違っていたと思っていました。ですが、本屋でテニスジャーナルを立ち読みしていたら、ファンレターの宛先がスマッシュのものと違っているのです。これはもしかして、WTAの住所が変更になったのかも知れません。至急調査願います。

  岡山県の クロさん

報告363:大変申し訳ありません!! ともう平謝りするしかないのですが、実は02年にWTAは引っ越していて、現在は
133 First Street N.E.
St.Petersburg,Florida 33701 USA
に、変わっています。本誌の担当者のミスです。深く深くお詫びいたします。
 ちなみに戻ってきてしまう前の分に関しては、転送期間が有効だったと考えられます。
以後、こうしたミスのないように気をつけますのでどうか堪忍してください。
本当に申し訳ありませんでした。

依頼内容364:試合で、12ポイントタイブレ−クというのがありますが、どうしてそういうのですか?12ポイントの意味は

埼玉県のヤングライオンさん

報告364:7-5で勝利なら足して12ポイントだから……。では7-0の場合の説明が付かないし、10-8の決着も問題だ。
 いや、こんなパンチが残っていたとは……。
 恐らく、全部で12ポイントを取り合うと考えて、先に7ポイント(過半数)を取ったら勝ちという意味だろう。12個のドラ焼きを2人で取り合って、7個先に取ったら勝ち。ただし、6個と6個になったら、お母さんが出てきて、2個ずつ足してくれて、それを先に2個取った方が勝ちというルールなわけだ。でも、最初に決めた全部の数は12個なので、12ポイントという名称になったのだろうと思う。

依頼内容365:最も遅くテニスを始めたテニスプレーヤーって誰なんですか?やっぱりナルバンジャンですか?

大阪府のextremerさん

報告365:ナルバンディアンは5歳でテニスをはじめたことになっているので、決して遅いほうではない。男子のトップクラスで遅いなぁ、と思うのはオーストラリアのウェイン・アーサーズで、17歳までは楽しくレジャー系テニスをしていたが、17歳でトーナメントプレーヤーになることを決意して、本格的なトレーニングはその後だ、というのが最近のトップでは一番遅いのではなかろうか。

依頼内容366:テニスに効果的なトレーニングってどんな物なんですか?
基礎のトレーニングから、ダンベル、チューブトレーニングまで色々ありますが、どうもテニスには関係無い筋肉が鍛えられてるような気がするんですが…。特に、サーブとフォアハンドに効果あるトレーニングを教えてください、お願いします!!

大阪府の TAMAちゃんさん

報告366:何度かこのコーナーで申し上げてきてはいるのだが、「テニスに効果的な筋トレは何か?」 と考える前に、まず、現在のご自身の状態がどうなのかを調べていった方がよいと思う。プロの選手、これはテニスに限ったことではなく、運動選手全般にシリアスに競技をする層の人々の多くは、自分のどの部分の筋力が足りないかに関して自覚していたり、あるいはトレーナーの下で指導を受けたうえでトレーニングしている。TAMAちゃんさんの場合も、実はサービスとフォアに必要とされる筋力はすでに十分で、問題は別の部分、例えば上半身と下半身の筋力バランスなどにある可能性もあるのだ。
 まずはご自身の状態を専門家の下でチェックすること(いわゆるフィジカルチェック)を強くお勧めする。「そこまでしなくても…」ともし、お考えなら、むしろ筋トレはお勧めしない。筋トレというものは、専門知識を持った人の指導の下か、ご自身でよほど勉強でもしてちゃんとした知識を得ない限り、逆に競技力を落としたり、故障の原因になったりするものだからだ。
 まず、鍛えるべき自分の状態を知る。これがなされていない状態では、どんなトレーニングも意味がないだけでなく、逆に有害になることもある、ということを強く自覚していただきたいと願う。また、テニスというのは、どこをどう鍛えればよい、というのを最も特定しにくい競技の一つであり、そのために長くドーピングと縁がない競技だと言われ続けてきたのだ。瞬発力、持久力、調整力の全てが必要であり、上半身、下半身どちらかだけが強くてもバランスを崩す結果となりかねない。また、筋肉をつけすぎるとその分が体重に跳ね返ってくるため、身体スピードが落ちるなどの弊害も指摘されている。つまり、テニスの筋力トレーニングというのは、テニスに関して知識を持った専門家の指導の下で実施されないと、意味がなくなってしまう可能性もあるのだ。
 どこかに行きたいと地図を開いても、現時点がわからなければ、地図の意味がない、また正しい経路が選べなければ、渋滞につかまったり、たどり着けなかったり……、つまりはそういう風に捉えて欲しい。不特定多数の読者がいる当コーナーで、最も誠実に回答するとすれば、こういう具合になる。ご理解いただきたい。

依頼内容367:依頼内容360のかってぃです。今中3なのですが、部員数も多くコートで打てない日もよくあります。しかし近くに広い公園が無いため、おもりからゴムひもが出ていてその先にボールがついているやつを使って練習していたのですが、顧問の先生に「何の意味もない」と言われてしまいました。それでは本当になんの上達も望めないのでしょうか?

神奈川県のかってぃさん

報告367:何の効果もない……か?……。道具というのは、使い方と工夫で思いもよらぬ効果が出る可能性もあるものなので、一概に意味がないと言い切れないとは思うのだが…。
 確かにあの器具自体の性質を考えるとスピンやスライスをかけてしまうと、ボールが自分のところには戻ってこないので、一定期間を過ぎると効果は少ないかもしれない。しかし、工夫次第で色々と考えられはするはずだ。たとえば、予想もしなかったコースと勢いで返ってくるボールを打ち続けることによって、ボールとの距離感の把握が磨かれる可能性がある。また、ハードヒットしないといいボールが返ってこないので、ちゃんとラケットの芯でボールを捕らえる意識などが磨かれる可能性もある。
 ……これ以上書いていると販売元が怖い顔になってくるといけないので、この辺でやめておく(ちなみに実は編集部全員がこの器具を家に持っている、あるいはかつて持っていたという経歴があった)。どなたか、画期的な練習方法をご存知、または開発した、という方がいればご一報いただきたい。

依頼内容368:ジョン・マッケンローのマジックボレーの動画が見たい!!なんとか用意できませんか?

千葉県のスガちゃんさん

報告368:なんとか、できます多分……。ただ、いわゆる動画にして「動いている」ように見えるコマ数の連続写真の撮影を本誌が開始したのは、彼の現役時代の末期に近いので、全盛期のものはないとお考えいただきたい。近々更新する際にアップしてもらえるよう、担当者に頼んでみるので、少しばかり気長にお待ちいただきたい(一応先方にも予定はあるはずなので…)。
 ただ、一つ申し上げておきたいのは、マジカルボレーといっても特定のショットを指すわけではなく、マッケンローのボレーのプレーのほとんどが「マジカル」と呼ばれるべきものなので、フォアのローボレーとか、具体的なボレーのことではない。つまり、マッケンローのボレーは全てマジカルだったのだ、ということはあらかじめ理解しておいて欲しい。それから、見た後に伝染性が強く、「カッコいい、俺もやってみたい」となるケースが多いが、過去20年間、それに成功した選手は全世界に皆無という点も付け加えたい。実際、今、40代以上の人だと、テニスを始めた頃に一度や二度は真似をした経験のある人が多いと思うが、誰一人モノにできたという人はいないはず。どころか、うっかり真似をしてしまったばっかりに、スランプになったという経験を持っているという人が少なくないはずだ。そこのところだけは注意をうながしておきたい。

依頼内容369:はじめまして。私は子供の頃、病気で片目を失いました。日常生活では不自由は感じませんし、他のスポーツも人よりうまいのですが、テニスだけはどうもうまくいきません。片目の名選手なんていたら励みになるのですが。誰かいたら教えてください。できればコナーズ以降の選手で。

東京都のタマさん

報告369:残念ながらコナーズ以後、という条件でご依頼に該当し、かつ世界レベルで活躍したという選手はいない。

依頼内容370:最近私のテニス仲間の周りで話題になっているのですが、ゲームや練習でのラリーの際に、フォアを打つラケット面と、バックを打つラケット面を必ず決めているという人が何人かいました。要するに「フォアは常にラケットのスムース面」、バックは常にラフ面」というように。理由は『ボールを打つ際に生じるラケットへのしなりやねじれが、ラケットへのクセとして根付くため、フォア・バックそれぞれを、常に一定の面で打った方が、コントロールが安定するから』ということです。私は今までそんなことまったく考えたことなかったのですが、プロの選手などはそうしたことを意識してプレーしているのでしょうか?もしそうだとしたら、私も今後そうしようと思います。

東京都のYO-HEYさん

報告370:早速国内の数人の選手に聞いて調べてみた。多少は気にしているという選手と、全く気にしていないという選手に分かれたが、気にしているという場合、理由のほとんどはYO-HEYさんのおっしゃるような「片減りするから」というような理由ではなく、「グリップの手触り」だった。くるくる回していても、グリップの微妙な手触りで、必ず同じ面の方向で止まるものらしい。大体において選手のほとんどは、ハッキリ感じるほどラケットにクセが出るまで同じラケットを使わないので(ラケットは彼らにとっては、純然たる消耗品にすぎないため、一般プレーヤーのラケットに対する考え方とはスタート地点が違っているのだ)、重視するのは感触の方ということなのだろう。ちなみに、ヒンギスのラケットは傷がつくサイドがいつも片方だったということから、彼女は片方の面だけで打っていたことが予想され、また、ヒューイットはステンシルの色の落ち方でその日の調子を見ているとも聞くので、ある程度片面で打っている可能性がある。だが、これらも恐らくはグリップの手触りによる影響が大で、どっちかの面で打たないと、クセがつく、という発想ではないと思われる。
 しかし、おっしゃるような話を実は調査団では初めて聞いた。確かにおっしゃる通りかもしれないと感じた。恐らく、ウッド時代に育った方か、ウッド時代に育った指導者の方にその方法を学ばれたのだろうと推測する。物を大切に使おう、といういいお話だと思う。

依頼内容371:先日投稿したはずなのですが・・・まあもう一度。
毎月スマッシュを楽しみに読ませてもらってます!!!
初投稿です!
えーっと・・・プロの選手の生涯、トレーニングの量、日々の生活は、どういうものなのですか?
(今メールの機能がちょっと壊れているので、心配ですが・・・

  兵庫県のナウい少年さん

報告371:初投稿、ありがとうございます。
まずは、えーっと、プロの選手の生涯と言われても、これは平均的な、と解釈すればいいのだろうか?  過去の調査では、平均10歳以前にテニスを始めて、16歳〜17歳前後でシニアのツアーにデビュー。順調にトップ近くのキャリアを築き、かつ、致命的な故障がない現役生活を送れた選手は、30歳前後で引退する(泣かず飛ばずで、20代前半で引退する選手も非常に数多いし、ジュニア時代に実績を残していても、家庭の事情などで、プロにならないという選手も含めていけば、平均引退年齢は恐らく20代の前半を超えることはないだろう)。引退後の生涯はその選手の活躍や、適性などによって大きく異なっていくので、ここでは割愛したい。
 トレーニングの量は選手によって、またその時期によっても異なるので一概にはいえないが、午前中に数時間、午後に数時間、ジムで数時間という話をする選手が多い。普通の人が働いている時間はテニスのために使っている、と考えればほぼ間違っていない。
 日々の生活? これこそ選手によって大きく違うが、シーズン中なら、練習と移動の繰り返しで、それ以外はごく当たり前に家族や友人と過ごしている。何か特別なことがあるとお考えだとすれば、少し拍子抜けするほど普通の暮らしを送っている選手の方が数多い。さすがにアガシやセレナといったスター様ともなると、普段お付き合いする人々もセレブの皆さん、ということになるものだが、これはセキュリティやら、周囲の皆様とのお付き合い上、仕方のない側面もあり、本人たちが真に望んだ生活かどうかは怪しい。
 この依頼内容に対しては、頑張ってみたつもりだが、ご満足いただけただろうか?

依頼内容372:最近の近代テニスはなぜトップスピンが主流なのでしょうか?
昔はいろいろな個性のある選手がたくさんいましたが、最近は皆似たり寄ったりで見ていてもあまり面白くありません。トップスピンで打つことになぜ固執しているのかわかりませんフラットで打つ選手が出てこないのはなぜでしょう。

埼玉県のサンプラさん

報告372:お苛立ちは理解するが、少々誤解もあるようなので、このコーナーをご覧の多くの少年少女たちが「なんだ、今のテニスはつまらないのか」となってしまわないようにご報告したい。
 まず、今の選手たちに個性がないかどうか、というお話に関して。我々メディアが伝える努力をしていないじゃないか、というご批判をいただくことも覚悟した上で言うとすれば、これは誤解だと思う。プレーにおいても、その性格においても、今の選手たちにもそれぞれに素晴らしい個性がある。たとえマッケンローやコナーズを比較の俎上に載せたとしても、よくよく見れば彼らに負けないだけの魅力のある選手は少なくないと思う。
 確かに彼らはあの時代に輝いて見えたし、その輝きは今もなお衰えていない。しかし、思い出してみて欲しい。スターの輝きというのは、ファンの光による反射の要素も大きいのだ。ファンが光を当て、磨かなければ輝かないのがスターと呼ばれる存在だ。
 確かに多くの選手は行儀がよくなり、言うこともやることもソツのない選手が増えてきた。「個性がない」とおっしゃる気持ちも理解するが、もう少しよく見ていただけると、今の選手たちにも、かつての選手たちに負けない魅力を様々な選手に見出せるはずだ。
 例えば、最近のラテン系には面白い選手が実に多い。フェレーロは最近、あちこちで強気な発言に終始しているし(これは彼がまだ英語を自在に操れていないということも理由だが、半分以上は性格っぽい)、コリアはかわいい顔をしているが、勝負に関してはダーティーさと紙一重なぐらい勝負に徹する一方で、モヤと対戦するたびにTシャツをねだっているミーハーさも持っている。コスタは全仏でラペンティと泥仕合を演じたかと思えば、ロッカールームではフェレーロに負けてうなだれるゴンザレスの元に行ってそっとなぐさめていたり(このシーンは地元テレビ局で放映されていた)、ロブレドは負けた試合の後に悔し紛れにドアを思い切り蹴り上げたりもする。クエルテンはコーチだけでなく、大会のエスコート係と肩を組んでコートに入場したこともあれば、普通のファンとも一緒になって騒ぐこともあるし、ベースギターをロッカーに持ち込んでバンド演奏に興じていたりもしている。「いい人」として知られるコレッチャも突然自分に切れてボールをコートに打ち込んだり、ラケットを叩き折ることもある。ついでに言えば、モヤの歴代の彼女は女子選手であることが多く、スペインの後輩であるF・ロペスはかなりの男前だが、彼女の女子選手サンチェス・ロレンゾと熱々な場面をあちこちで見せ付けている。それぞれに発言もおおらかで、機嫌のいい時には饒舌で、負けた後でもすぐに次の目標へと切り替える選手が多いのがラテン系の特徴だ。
 他の選手も色々だ。クリステルスは誰かれかまわず、スーパー早口で、お喋り好きなことで知られるが、エナンは一人で読書しているシーンが目立ち、セレナは最近ゲームボーイにはまっているらしい。ヒューイットは少々偏屈と言われるほど、テニスに関しては頑固で知られるが、キムによれば「負けず嫌いだけど、シャイでとても大人しい性格」だそうだし、アガシはあれで意外に気が小さく、負けた後の記者会見をすっぽかす常習犯。サフィンはああ見えて妹思いで、サフィーナの試合には必ず顔を見せ、心配そうに見守っているし、妹と言えば、ヒューイットも妹の彼氏をチェックするために出場予定のなかった大会にわざわざ出場して、妹の彼氏と言われる選手とダブルスまで組んだことがある。ロディックはデ杯アメリカチームに参加すると、チームのみんなとストリップ卓球をやるのを楽しみにしていて、ブレークはハーバード大出身のインテリ。最近台頭著しいロシア勢はクルニコワの話を聞かれると一様に不機嫌になるが、ロシア同士で派閥もあるらしく、モスクワ出身組と海外組では同じロシア勢という括りではくくれないという複雑さがある。ミスキナはトップ20になるまで代理人がおらず、ロクなスポンサーもないまま選手活動をしていたし、シャラポワは黙っていればかわいい顔をしているが、試合中はとんでもなく怖い顔で、しかも大声で叫ぶ。……などなど、ここ数年のスマッシュ本誌の中でもお伝えしてきたことが多いが、実に話題も豊富なのだ。もう一度、今のテニスの選手たちにも光を当ててみて欲しい。きっとまばゆい反射で答えてくれると思う。
 次、トップスピンに固執しているというお話だが、これも誤解に近い。恐らく、「固執している選手」はクレーコーターを含めても一人としていないはずだ。要はテニスのスタイルの変化であり、バウンドの使い方、戦術の変化の問題だ。フラットを打たない? 先日の全仏をご覧いただいていたとすれば、全ての選手が低いバウンドを使いたい時や、決め球の場合は、フラットで打っていたと思うのだが……(評価の仕方の問題は大だが…)。もし、全部をフラットで打っていく選手がいないとお嘆きなのだとすると、そんな選手が過去も含めていたのかどうかも問題としなければならないが、調査団の認識では、伊達公子やコナーズでさえ、「全部フラット」という選手だとは言えないというスタンスを持っている。彼らも必要な時にはスピンも使い、スライスもかけていた。伊達に至ってはトップスピンのショートアングルによるアプローチショットを女子テニスで初めて自分のものとして活用した選手という専門家もいるほどだ。彼らがフラット系のボールを軸にしたという見方を間違いだとは言わないが、これはもう程度と認識の問題で、クエルテンもコスタもコレッチャも、チャンスではフラット系の強打で勝負しにいく選手だし、そもそもテニスというのはそういう競技だ。
 面白くない、というのはあくまでも主観の問題なのでここでは問題にしないことにしたい。
 さて、なぜトップスピンが、ということになると、一つにはラケットの素材が高反発化したことなどで、ボールスピードが向上したことが挙げられる。もし可能なら昔のビデオを引っ張り出してきて欲しいのだが、80年代初頭のテニスを現代の目で見ると、実にのんびりして見えるはずだ。そんな中にボルグが登場して時代は変わっていく。
 テニスの戦術の中にそれまでも長く存在した「緩急の使い分け」、「深い、浅い」の他に、「高い、低い」というバウンドによる揺さぶりの幅を増加させたのがトップスピンの効果だった。テニスはポイントの積み重ねで勝敗が決まる競技。1発の威力ならフラットが一番高いというのは、誰もが知っているが、半端なボールでは返されてしまうようになった。しかし、ここにトップスピンという要素を加えると、強く叩いた上にコートに落とすこともできるし、かつ、コースも狙いやすくなる。つまり、トップスピンの技術がテニスの攻撃の幅を大きく広げ、かつ、守備からも攻撃できるという状態を作り出してくれたのだ。
 戦術は技術の進歩と相まって複雑化している。かつてのようにサーブ&ボレーヤーがいなくなってきているのも、この複雑化したテニスの中で、選手たちが勝ち抜いていくための淘汰と考えれば、仕方ないという気もする(一方でこの状態を打破するスタイルも新型のサーブ&ボレーではないか、と言われ始めているのも事実だ)。
 もう一度考えてみて欲しい。プロの選手たちの目的は、第一に「勝利」であって、第二はないのだ。全ては勝つため、という目的に集約される。各々の身体条件や得てきた技術の中で、勝つために日々戦っている。そうなった時、現状で勝つために最初に必要な条件は何か、と考えれば、「相手のコートに1球でも多く返し続ける」ことになる。そんな場合、トップスピンが最も有効かつ、幅広く使える技術ということになるのだ。

依頼内容373:かなり昔にプロの身体能力はどれほどのものか?という質問をしたものです。そのときは待って欲しいとのことでしたが、そのまま気づけば途方もない時間が経過していましたね…調べていただけたのでしょうか?

愛知県のyoshiさん

報告373:……覚えている。大丈夫です。折に触れ、選手たちに聞いてもいる。でも、有効なデータにならないのだ…。というのも、例えば、50m走のタイムとかを計っている選手はいないし、握力もうる覚え(場合によっては知らないという選手も少なくない)。当然、選手によっての個人差も激しく、データとして有効な形にまとめ上げるには、ある程度の数の選手を一同に集め、身体測定でもしないと無理なのだ…。
 残念ながら調査団にはそんな力も予算もない。大学で研究をされている方なら、ある程度のデータをお持ちかもしれないが、それは非常に貴重なデータだ。「貸してもらえませんかねぇ、いや、インターネットで載せたいので」と言ってお借りできるようなデータではない(調査するのにかかった手間と時間を考えれば、この手のデータというのは、そう軽々とお願いできるほど単純なデータではないのだ)。
 ただ、調査団としても興味はあるし、努力は続けている。気長にお待ちいただけると幸いだ。

依頼内容374:マジカルボレ−の件のお礼を、ありがとうございました。今回お聞きしたいのは、テニスの王子様に出てくるツイストスピンショットの事です。やっぱり漫画オリジナルなのでしょうか? 309にすごく曲がって跳ねるアンダ−サ−ブを練習で見たと書いてあったので気になったのですが。また、サイドスピンをかけるコツがあれば、教えて頂けませんか?お願いします。お礼がついでみたいですみません。 

埼玉県のscud serveさん

報告374:このツイストスピンショット、というのが実はよくわからないのだが、主人公の越前リョーマくんが得意としている「ツイストサービス」のことだろうか? ここではツイストサービスのことと理解して話を進めたい。
 サイト上のこのコーナーと、本誌でも何度か報告してきた通り、このサービスを漫画の描写通りに打つのは不可能だ。漫画の中でのツイストサービスは回転軸を最初は進行方向に取ってジャイロ回転をして、しかも飛行中に回転軸が徐々に下に向いて着地時にはコマのように回っている。これは物理法則上ありえない動きで、これをそのまま再現するのは不可能だ。
 しかし、ツイストと呼ばれたサービスは実在するし、あのように飛び、そして跳ねるサービスもある。名前と打ち方に関しては30年ほど前にアメリカ人選手たちが打っていた「アメリカン・ツイスト」に源流を求める、という噂もあるが、そんな難しいことを考えず、作品上で描写されている現象を再現したいとなれば、スピンサービスがそれに当たると考えるのが普通だろうと思う。
 この場合、「ツイスト」というのは言葉の問題であり、程度を示すものではないと理解した方がいいだろうと思う。ツイストサービスは何しろ主人公の必殺技。作者もただ「スピンサービス」とやるよりも、「ツイストサービス」と名づけた方がカッコいい、と考えて付けたはずなので、そこに拘泥するのは意味が薄いと調査団では思う。これは大リーグの野茂投手の投げ方を「胴体ひねり投法」と言うより、「トルネード投法」と言った方がカッコいい、というレベルの問題と考えた方が間違いが少ないと思われる。従って調査団ではスピンサービス<ツイストサービスという図式では考えていない。
 スピンサービス自体は特殊なサービスとまでは言えないが、これを武器のレベルに高めている選手はさほど多いわけではない。ただ、現在のプロの世界では、レシーバーサイドのラケットの進化や高い打点を打ち込む技術の成熟によって、よほど威力を持って跳ね上げさせないと武器にできなくなっているため、単なる右方向へのサービスのオプションの一つになってきているのが現実だ。最近では、クレーコーター系の選手が、バックサイドからの2ndサービスで相手を大きく外に出したい時に多用するのを見かけるぐらいで、これを武器のレベルまで高めている、という選手はラフターの引退以後はほとんどみかけなくなってしまった(アガシも鋭いキックのコレを武器にしているが、漫画の中のツイストとはイメージがだいぶ違っている……)。打ち方に関して、文字のみのこのコーナーで詳しくやるのはほとんど不可能なので、近い内にサービス特集などがあった時にチェックしてみて欲しい。
 サイドスピンのコツや、アンダーサービスに関してだが、これはもう、とにかくそれをやっている人を見る、というのが第一だろう。そして、自分で色々とやってみることだ。勘違いして欲しくないのは、選手たちが、ラケットとボールを自分の意のままに操れているのは決して「誰かに教わったから」とか「誰かにコツを伝授してもらったから」ではない。とにかくボールに触り、打ち、回転をかけて遊んでいる間に自然と身に付けたものなのだ。時間さえあれば、ボールとラケットで色々と遊んでみて欲しい。その中で、「なるほど、こんな風にラケットとボールが当たるとボールはこんな風に回転して、こんな風にバウンドするのか」と色々と発見があるはずだ。コツというものはそういう中で発見されて初めて身になるものだと思う。特に若いプレーヤーは、そうやって自分なりのやり方を見つけ出してみて欲しいと願う。そのために一番大切なことは、実は、うまい人のプレーを見ること、そして、自分でも飽きるほどボールを打つことに尽きる。頑張ってみて欲しい。

依頼内容375:私は、片方(左)の耳が聞こえないのですが、テニスのプレーにはなにか影響はあるのですか? それとも不利な面がありますか? スクールの時などは左がわからコーチに言われたりすると、聞き取れないときがあるのですが。こんな選手とかいるのですか?

埼玉県のおさるさん

報告375:全く聴力がないというわけではないが、本誌でも大変お世話になっている神尾米さんも現役時代から片方の耳が不自由なことで知られている。しかし、それでも彼女は世界最高24位まで上り詰めた。不利なことも少なくはなかったはずだが、彼女はそれを特に逆境と考えず、選手生活をまっとうし、今もテニスの仕事で頑張っている。

依頼内容376:ウィンブルドンジュニアでの質問ですが、ジュニアの決勝は通常は何番コートで行われるのでしょうか?今回2003年は、2番コートとお聞きいたしましたが、、、。もし決まっていないとするならば、センターコートを使用するときはあるのか教えてください。お願いいたします。

東京都のもぐおさん

報告376:ジュニアの決勝でセンターコートが使用されたという話は聞いたことがない(ここ最近の話。遠い昔は定かではない。何しろ100年以上の歴史のある大会だけに、過去にはあったかもしれないが、現時点では不明だ)。ジュニアの決勝は通常、大人のシングルス決勝と同じ日程となるが、大人のシングルスの決勝のある日のセンターコートは、シングルス決勝の後にダブルスの決勝が行われるというのが普通で、ジュニアが入るという話は聞かない。

依頼内容377:スピンをたくさんかけて球をより深いところに打つにはどうしたらいいですか?

千葉県のまさふみさん

報告377:目的として、深いボールを打ちたいということなら、色々と手段はあるが、まずはネットの高い所を通すことで、スピンをかけたいならラケットをボールの下に入れて素早く振りぬく以外に手段はない。気をつけたいのは深くコントロールしたいからといってスイングスピードをゆるめないこと。あくまでもきちっと振り切っていくことが大切だ。より大きなフォロースルーが取れるようにスイングを前に大きくして打つのもコツといわれるが、飛んでくるボールも一定ではないので、いつも同じやり方がうまくいくとは限らない。とにかく色々と試して体得して欲しいとしか、言いようがない。

依頼内容378:プロの試合を見ていて思ったのですが休憩中にプロたちが飲んでいるカラフルな飲料は何なのでしょうか? 教えてください

神奈川県の森のクマさん

報告378:選手によって特製ドリンクを作っている場合は別だが、一般的には大会が選手用ロッカーに備え付けているの物を用意しているらしい。多くはスポーツドリンクの一種で、粉末のものを水に溶かして飲用している。製品名も実はある程度わかっているのだが、公正中立を旨とする当コーナーの性質上、特定の商品名を報告するのはなかなか難しいが、「○ーパーフュー○ル」というのが多くの大会で使用中らしい、ということだけは、お伝えしておこう。ただ、念のために言っておきたいのだが、これが最も「優れた製品」というよりも、「単に大会が採用している製品」だと考えて欲しい

依頼内容379:低レベルな質問で申し訳ないのですがグランドスラムとはなにをさすのですか?

神奈川県の森のクマさん

報告379:うーん、なんとも簡単そうでいて、意外に難しい依頼だ。最も簡単に回答するとすれば、全豪、全仏、ウインブルドン、全米の4大会を指して「4大大会」と呼び、これらの大会を一般的にグランドスラム大会と呼んでいる。また、これらの大会を同一年で全て優勝すると、「年間グランドスラム(もしくは年間グランドスラマー)」と呼び、同一年でなくても引退するまでに全ての4大大会のタイトルを獲得すると、「生涯グランドスラム(もしくはキャリア・グランドスラム、生涯グランドスラマー)」などと呼んだりすることもある。
 語源はトランプのゲームで、世界で最も普及していると言われる「ブリッジ」という遊び方で完璧に勝つことをグランドスラムと呼んだことから、といわれる。
 しかし、ここで終わらせてしまっては調査団らしくない。きっと皆様もここから先を期待されていることと思うので、ヒトネタ混ぜてみたい。
 実はなぜに「全豪、全仏、ウインブルドン、全米なの?」となった場合の答えがないのだ。「別にイタリアン・オープン、ジャーマン・オープン、カナディアン・オープン、マイアミの現ナスダック100オープンでもいいではないのかね?(以上の大会はウインブルドンを除くほとんどのグランドスラムにも負けない非常に古い歴史と伝統がある)」と言われたら、なんで? という疑問には答えようがないからだ。
 賞金総額が高い大会だから、というなら他にどどーんと賞金を弾むバブリーな大会が出てきたら、全豪はグランドスラムから脱落するのか? と問われればそうではないし(実際、ドイツに賞金総額が非常に高い大会があった時期があるが、この大会がグランドスラムになったわけでは決してない)、歴史があれば? という理由なら、イタリアン・オープンやジャーマン・オープンやカナダのデュモーリエ・オープンだってかなりの歴史を誇っている。
 ま、恐らく、近代テニスの歴史の最初の頃に、最もテニスが盛んだった地域がイギリス、フランス、アメリカ、オーストラリアで、この4地域で最も格式が高く、 かつ高い賞金総額をつけたのがこれらの大会だった、あるいは、多数の強豪選手を抱えていたのがこの国々だった、つまりは本場だった、というのが真相というところではなかろうか。イギリスは近代テニス発祥の地でウインブルドンはテニス大会の故郷だし、フランスもテニス発祥の地であるという自負がある以上(実はテニスのルールブックはイタリアで初めて編纂されたという説があり、イタリア人はイタリア人で「テニスはイタリア生まれ」という自負を抱いているらしい)、外れないこととは思うが、もし、19世紀のアメリカにテニスを振興しようという気持ちがなかったり、オーストラリアでテニスを楽しむ人がいなかったら、もしかしたら、イタリアとドイツ、あるいはカナダは4大大会に入れてもらえた、かもしれない。
 とはいえ、現在の4大大会は、地域的なばらつき具合も非常に具合がよく、なんとなく「世界選手権」ムードは強いので、やはりなるべくしてなった4つのトーナメントが現在の姿なのかもしれない、と同時に感じもするのだが……。

依頼内容380:よく雑誌で「契約した」とありますが、どのようなものですか、それと僕達もどうすれば契約できるようになるのですか。

東京都のくっにさん

報告380:くっにさんは「契約したい」のだろうか? 実は、契約などしないで済むなら誰もしたくないかもしれない、というと驚かれるだろうか?
 テニス選手の場合、何らかの契約を結ぶのは選手個人と対企業ということになって、「○○○○所属」という形の所属契約と、用具の使用契約の大きく二つがある。所属契約は一種の契約社員という形が多く、テニス選手として、ある企業や団体で働く、という意味になる。基本的に賞金以外には収入の手段のないテニス選手にとって、駆け出しの段階では大変ありがたい契約の形態だ。
 その内容は、選手と企業が交わした契約の形態にもよる。契約料として年間いくらを支払うから、その企業・団体の広告や、広報活動に協力するという形や、テニスだけではなく、実際にその企業・団体の業務も行ない、同時にテニス選手を続けるというケース、または、その企業・団体のテニス部の選手として契約する、または、「テニスを業務として」契約社員として活動するなどなど多くの形態がある。
 しかし、アガシがどこそこ所属、という話は聞いたことがないと思うが、トップクラスになると、こうした「わずらわしさ」を嫌ってフリー、という選手が増えるのも事実だ。もちろん、下位すぎて企業から見て魅力がないため、どの企業・団体からも契約してもらえないからフリー、というケースの方がほとんどだが……。
 用具契約は見た目に分かりやすい。例えばラケット、シューズ、ウェアなどの用具がまず最も目立ち、さらにウェアに付けるバッチの契約(航空会社や、世界的な保険会社、銀行、商社、証券会社、機械メーカーなどなど、その選手の母国でアピールさせたいという企業がメインのようだ)がある。しかし、この種の契約にもいくつか種類がある。
 よく誤解されているようだが、ラケットの場合、あまり高額な契約に結びつかないケースが多いと言われる。というのも、ラケットは選手がいいと思えば、メーカーがわざわざ契約料を支払わなくても、選手は使用するものだからだ(契約がなくなっても同じラケットを使っている選手が多いのを見れば、これは簡単に理解できるはずだ)。高額契約が実現するのはアパレルの方で、シューズで有名なN社やR社がすごい金額を支払って選手と契約を結ぶのは、シューズの方でのメリット以上にウェアの契約に負う部分が大なのだ。
 表に出ないのは選手がメーカーやテニス以外の仕事などをしたいという時に仲介する「マネージメント会社」との契約だ。よく、「○○○○というアメリカの10歳の少年が●●●と10年で8億円で契約した」などという場合の契約は、マネージメント会社とのものであることが多い。マネージメント会社は選手のプロモーション活動や、各種契約の仲介をする代わりに、手数料を稼ぐという業態の会社で、「この選手と組んでいるとメリットがある」と考えれば積極的に契約したがるだろうし、あるいは、「この選手は将来間違いなくスターになる」と見込んだ選手にはジュニア時代からつばをつけることもある。ヒンギスは8歳で、クルニコワは10歳の時に億単位の契約を結んでいたのが代表例だろう。
 用具のメーカーはその選手と契約を締結することで、ブランドのイメージを向上させたり、開発のアドバイスをもらったり、販売促進に効果があると見込んで契約を結ぶというわけだ。
 したがって、ランキングが低くてメディアへの露出が少なかったりすればメーカーも契約を結ぶ意味がないので、そんな話は出ないし、逆にすごく強くても人気がなかったり、イメージが悪い選手の場合はこれまたメーカーがお金を払ってまで自分たちの用具を使ってもらうというメリットがないために、契約話が出ないケースもあろう。
 また、もう一つの要素として、その選手の出身国の状況も関係してくる。基本的にスーパースターと呼ばれる選手以外は、メーカーとの契約も国際単位ではなく、国単位で行なわれるものだからだ。だからよく「日本の選手は実力も大したことないのに、ジュニア時代からメーカーの世話になって上から下までぴっかぴか。それに引き換え、ロシアや東欧の選手は実力は十分なのに、何の契約もなしに戦っていて実にハングリーである。日本の選手は甘やかされているのである」とお怒りの方もいらっしゃるが、これは逆に考えれば、「日本人と契約するということに関して、メーカーがメリットを感じている」と言い換えられる。日本には一般プレーヤーも多く、日本の法人がどんな実力があっても無名だったり、親しみが持てない外国人選手と契約するより、日本人選手と契約した方が強くアピールする、と判断したから日本人をサポートしているのであって、選手には何の責任もないし、もちろん、ボランティアではないメーカーにも責任はない。むしろ、日本の企業が日本の選手を、どんなマイナーでもサポートするというのは、日本の企業としての姿勢としては当然とも考えられるし、それだけ日本の一般プレーヤーが彼らを支えているという風にも言うこともできる。
 仮に、東欧やロシアに非常に大きなテニス市場が認められ、メーカーも彼らを支援することによるメリットを大であると判断すれば、ロシアや東欧の法人が彼らを支えるだろうし、そうされるべきだ。しかし、それがない、というのなら、残念だが彼らの国の事情がそれを許さないというだけのことだと言わざるを得ない。そして、これは日本人選手が甘やかされているかどうか、という問題とは根本的に異なっている。確かに日本人選手が比較的恵まれているのは事実かもしれないが、それはむしろ「誇らしいこと」であって、嘆いたり、非難される種類のことではない。むしろ、日本の一般プレーヤーにとっては「俺たちが一生懸命テニス用品を買うことで、遠く日本の選手をサポートしている」ということにもなっているからだ。
 しかし、いい話ばかりではない。マネージメント会社は要するに仲介料で商売しているわけだから、何かの仕事で得たギャランティの一部を彼らに支払う必要があるわけだし、メーカーと契約してしまえばそのメーカーの用具しか基本的に使えなくなる。また、契約内容によってはテニス以外のイベントにも引っ張り出されることも少なくない。
 もし、その選手が最初から億万長者であり、もう、活動にも用具にもお金がいらないや、というレベルなら、あらゆる契約はない方が不便がない。税理士や会計士ぐらいはいた方がいいだろうが、契約さえなければ好きな用具を好きな時に使えるし、イベントに引っ張りだされることもない。広告塔として自分の顔がポスターに使われることもないし、テニスに100%集中できるだろう。
 メリットがあるとすれば、最新技術を持ったメーカーが自分のためだけに用具を整えてくれたりする可能性があるし、特別注文にも答えてくれやすい(億万長者なら金にモノを言わせてこれぐらいは朝飯前だろうが……)。マネージメント会社との契約があれば、面倒なギャランティの交渉や、テニス以外の仕事の手配からスケジュールや財務管理、練習場所や相手の確保までやってくれたりする場合もある。やはりいいことも多い。
 さて、どうやったら契約を結べるか? だが、もし依頼者が10年に一人の美貌の持ち主で、かつ、テニスの盛んな国の出身であり、数年以内には世界で50位以内に入るような実力の持ち主であれば、各種大会に出場している間に自然とそんな話が持ちかけられるだろう。美貌はそれほどでもない、いやむしろ自信がない、というなら、とにかく、まずは大会で実績を残すこと。自分の実力を周囲に認めさせ、かつ、周囲から見て魅力ある選手であり続ければ、そんな話が持ち上がる日もくるかもしれない。もちろん、自分から売り込むことも必要となってくるかもしれないが、それも実績がなければ門前払いされるだろう。とにかく、まずは強くなることだ。

依頼内容381:フォア側で、ラケットを上下上、ボールの左側を打って右に低く弾むショットが私は打てるのですが何て言う技なのでしょうか?是非ともショット名が知りたいです。

千葉県のしゅうさん

報告381:依頼文だけでは正確に動作が理解できていない可能性があるのだが、仮にサービスで、ということになると、いわゆる「アンダーカットサービス」と呼ばれるもので、99年の全仏の決勝でヒンギスがグラフのマッチポイントの時に見せて話題になったことがある。プロだとごく稀に使う程度だが(当時ヒンギスも「グラフに失礼」だなんだと随分叩かれたが、ルール違反ではないので罪はない。しかし、マナー面では「全力を尽くしていない」と判断されることもありるのがこのサービスの一面でもあるため、あまり推奨されない技のためだ)、たいがいの選手はできる技だ。
 しかし、これがラリー中で打つという話になると別で、一種のスライスでドロップショット気味の軌道を描くショットになることが予想される。現在のところ特に名前があるわけではないが、仮にテレビの中継でその動作を実況アナが言葉にするとすれば恐らく「フォアのドロップショット」と言うことになるか、「チョップショット」などと言うことになるかもしれない。動作を見たことがない我々に言えるのはこれが精一杯だ。

依頼内容382:ATPのページで調べるとフューチャーズまではENTRYランキングポイントの獲得内訳が載ってるのですが、サテライトはどうなってるんでしょうか?三週間の成績上位が最終週に出て、そこで初めてポイントが発生することは知っているのですが…。

北海道のコスタ最高!!さん

報告382:おぉ、そこまでご自身で調べていらっしゃるとは素晴らしい! 依頼者もかなり苦労した上でここに依頼されているのだろうと思う。こういう依頼者の依頼には頑張り甲斐もあるというものだ。
 さて、サテライトのポイントに関してだが、まずはこのサテライトという大会について簡単に説明する必要があるだろう。サテライトというレベルの試合には基本的にノーランキングの選手でも出場ができる(無論、出場希望者にランキング保持者が多数だった場合は、上から順に序列がつけられて、ノーランキング選手の場合は予選に回されることもある。ノーランキングの選手同士の序列もジュニア年代か卒業直後ならITFジュニアのランキングなどが参考にされ、すでに大人であれば、その選手のその時点での国内ランキングや、国内トーナメントでの実績で序列が付けられる。つまり、まったくのデビュー戦では、出場希望者の数や顔ぶれによってはサテライトにも出られない可能性もないわけではない。大抵の場合は、予選には空きがあることが多いのでほとんど心配はないのだが、賞金総額が高いサテライトや、アメリカやスペインなどテニスが盛んな国のサテライトだと、出場できない可能性もあるし、国や大会によっては「ただ単にポイント目当て」がわかっているような、「明らかにレベルが低い選手」の出場を大会側が制限するケースもあるという)。フューチャーズと並んでプロテニスのツアーの最下層のカテゴリーの一つで、通常は3週間のサーキットと1週のマスターズ(3週間の成績上位で戦われる)で1つの大会と見なされる(※フューチャーズはサテライトだと最低3週間も滞在しなければならないことに対する選手の負担と、4週間も大会を開催し続けなければならない大会側の負担を考えて考案された1週単位のサテライトと言える。ただし、サテライトよりも選手側の負担が少ない分、上位選手が出場することが多く、自然とノーランキングでは出場できないケースも少なくはない。そんな関係で現在はサテライトの上にフューチャーズがある、と考えて事実上の間違いはほとんどない)。
 サテライトと一口に言っても、3週間の賞金総額が2万5千ドルから、9万9千ドルまでの幅がある。これをATPでは、2万5千ドル〜4万9999ドル、5万ドル〜7万4999ドル、7万5000ドル〜9万9999ドルまでと3段階に分けている。サテライトでポイントが与えられるのは優勝者と準優勝者のみで、賞金総額の低い順から優勝者には6、8、10ポイントが与えられ、準優勝者には3、4、5ポイントが与えられることになっている(2003年時点)。
 3週間以上も戦って優勝してやっと6〜10ポイント……。これがグランドスラムの2週間を勝ち抜いた選手だと1000ポイントももらえちゃうのだからこの差はでかい。ちなみにフューチャーズはベスト16で初めてポイントが発生するシステムで、1万5千ドル+ホスピタリティという最上級のフューチャーズに優勝すると1週間で24ポイントが付く。チャレンジャーならベスト32からポイントが付くことになっていて(本戦のドロー数が32を超える場合の予選勝者には別にポイントが与えられるシステム)、チャレンジャー最上級の15万ドル+ホスピタリティの大会で優勝すると100ポイントが付き、でもし予選上がりでの優勝ならさらに3ポイントが追加されるという具合だ。
 ATPのホームページの中に「ATP Rule Book」というPDFファイルがあるはずなので、興味のある方は一度ご覧いただくのもいいだろう。全200ページを超え、全て英語なので、ダウンロードと読むのに根性はいるが(実際、当の選手たちでさえ全てを理解している選手はあまりいないらしい……)、意外に面白いので、ここにたどり着けるという方は一度目を通されることをお勧めする。テニスを見る時の楽しみ方の幅が少し広がるはずだ。

依頼内容383:チリのフェルンド・ゴンザレスの頭部に観客の投げたペットボトルが当たったと聞きましたが大丈夫なんでしょうか?

福岡県のGYOさん

報告383:ご存知ない方のために簡単に説明すると、ご依頼の事件が起きたのは先日のデ杯のアメリカゾーン1、チリ対ベネズエラ戦での話だ。ベネズエラのホームゲームで、ゴンザレスのチリはアウェーということで、観客は100%ベネズエラの味方、チリの敵という状態で、事件はダブルスの試合でベネズエラが負けたときに起きた。ラインジャッジを巡って場内は興奮状態となり、観客席から色々な物が投げ込まれ、その内のひとつがゴンザレスの頭にぶつかったというものだ。
 物はミネラルウォーターのPETボトル。これがガラスのビンだったらえらいことだっただろうが、幸い大事には至らなかったようだ。中南米地域のスポーツイベントは時にこうした興奮状態になるのは日常茶飯事。ファン側に明らかな殺意がない限り、意外にファンも投げていいものと悪いものの区別がついている、というのも隠れた常識。こうした一面も(さすがに調査団でも感心はしないが……)、かの国々ではスポーツ観戦の一風景でもある(ただし、かの国々のスポーツイベントでは、その国の情勢によっては、冗談ではなく明らかな殺意が生じるケースもあり、アウェーの恐怖、ホームの優位性というのは日本では想像できないほどのシビアさがある場合がある)。
 ちなみにその後もゴンザレスは元気に大会に出場しているので、今のところ(?)この時のケガの後遺症はなさそうだ。安心していていいのではなかろうかと思う。

依頼内容384:僕は練習だといつもちゃんと打てているのに試合になると緊張するというか、ビビッて打てなくなってしまいます。試合の時に何か緊張をほぐすいい方法はないでしょうか?

千葉県のまさふみさん

報告384:まず安心して欲しいのは、程度の差こそあれ、試合になれば誰でも依頼者と同じ心境になっているということだ。緊張しているのは自分だけではないと、まずは考えておいて欲しい。
 それから、練習の時にはちゃんと……というのは同じ症状を抱える全ての人が言う台詞だが、これをもう一段階進めて考えてみて欲しい。つまり、「試合でちゃんとできないショットは、できないショットなのだ」とだ。
 練習でちゃんとできていたとしても、試合で使えなければ意味がない。これはよくよく考えれば当然のことなのだが、意外に心の底から理解し、納得できていない人は多いようだ。テニスを健康のため、自分のレジャーのために楽しんでいる、と割り切っている人ならいいが、試合に出て勝ちたいと望んでいる人の場合は、試合で打てないショットは「できないショットなのだ」と考えてみて欲しいのだ。
 もう一度思い出してみて欲しいのだが、練習でできるのに試合でできないと考えているショットは、練習でなら、どんなことがあっても100%できているショットだろうか? プロでさえ、サービスの確率は100%ではないし、ストロークではミスもする。試合になったとたんに高いレベルを自分に望みすぎ、逆に緊張感を自分で増幅させてしまってはいないだろうか?  できることと、できないことを自分でしっかりと把握すること(できることでも、どの程度の確率でできているかを把握すること)。全てはそこからスタートし、できないことは無理をしてやらない、ということが(試合展開によってはどうしても無理をせざるを得ない場面もあるだろうが、無理ばかりしていては試合にならないはず)安定感と確率につながり、勝率の安定にもつながる。伝説的な名コーチであるビック・ブレーデンはかつて、「相手がうんざりするまでロブを上げ、センターを中心に返し続けていれば、大抵のプレーヤーには勝てる」と豪語していたことがある。かつてのアガシのコーチで、今はロディックのコーチをしているブラッド・ギルバートも似たような哲学の持ち主として知られ、若い頃のアガシが、どんなところからでもウイナーを狙っていたのを、ベースラインの中に片足だけでも入って打てた時だけにしなさい、と直させたりして彼のプレーの確率を上げさせることで世界の中心に導いたと言われる(正直、見ている側からすれば、テニスのスケールが小さくなったような感じを受けるものなので、彼らのテニスを「つまらない」と言う人も少なくないが、勝利を求めれば、自ずと確率を高める方向に向くものだ。しかし、アガシのように世界?1だったり、GSで大活躍したりというのは、ただ確率のみではなく、能力の高さがあってできるものでもある)。
 プロというのは、勝利が全てに優先する人々であり(その中でも勝利とエンターテインメント性の両者を兼ね備えた選手がスターと呼ばれる)、一般プレーヤーと平行に比較するのは実は難しいのだが、彼らは試合の中で自分のできないことは、よほどのことがない限りやらない。普段できているプレーでも、例えばその局面ではできない、あるいは通用しないとなれば、その時点でできるプレー、通用するプレーで試合を組み立てる。ある種の割りきりが、外から見たときに「緊張していない」と見せるのだ。
 緊張感をほぐすいい方法というのは、人によりけりだ。よく言われる「手のひらに人の字を書いて飲む」という方法だって、その人が「それで落ち着く」と考えられているなら十分効果的な方法だ。対症療法としては、何か自分が落ち着くための儀式を決めておく、というのは有効な手段だろうと思う。「ガットを直す」でもいいし、「この一球は無二の一球なりぃぃぃぃっ!」と往年の松岡選手のように叫ぶのもいいだろう。とにかく、自分で何か決めておくというのは一つの手段だ。
 しかし、以前、ある元プロに聞いたところでは、「よくこうした相談を受けるが、緊張なんて誰でもする。最終的には慣れるしかない。踏んだ場数、修羅場の数でしか克服できないんです」と断言しておられた。また、「緊張するとできないなんていうのは、元々できないショット。練習でできてた、なんて何の言い訳にもならない。試合でできなきゃ意味がないでしょ? 」、「練習に緊張感が足りないから、試合で緊張する。試合の方が楽っていうぐらいの練習をしていれば、何の問題もない」などなど、プロの皆様のおっしゃることはいちいちご尤もながら、キビシイご意見が多かった。しかし、これもテニスの側面だ。どうにも「テニスはメンタル」などという言葉を額面通りに受けとめて、まるでメンタルさえ何とかなれば全てが解決する、と思い込んでおられる諸兄も少なくないようだが、もし、根本的に解決したいなら、メンタルも結局は練習や試合の中で鍛えられ、磨かれていくもの、と考えて欲しい。実際、メンタルに問題がある、と言われた選手は引退するまで克服できないケースも少なくないし、克服されていく段階では、必ず何かの「勝利経験」が裏づけとして存在するものだ。専門のコーチと常に練習を続け、四六時中テニスに没頭しているプロでさえ、そういう状態だ、ということを理解しておいて欲しい。
 繰り返すが、試合で緊張しているのは自分だけではない。コートの向こう側の選手も同じような気持ちを抱えてプレーしていると、考えてみて欲しい。

依頼内容385:古い人から学ぼうという事で、ビル・チルデンの本を探しているのですが 「チルデンのベター・テニス」以外で日本語になっている本を教えてください。

千葉県のすまっしゅさん

報告385:いわゆる、テニス教本という意味では、「チルデンのベター・テニス」(ベースボールマガジン社)以外では聞いたことがない。お近くの図書館の著者検索サービスか、有名書店さまにお問合せいただけた方が確たる答えが出てくると思う。

依頼内容386:オーラ!毎度お世話になっておりますが今回もちょっと相談を、、、。実は最近(以前からか?)フォアハンドのフォームに悩んでいて、それについて調べていただきたいと思います。分かりにくいとは思いますが、今、僕は「フェレーロのフォアハンド」と「クエルテン(スイング軌道はゴンザレスにも似ている)のフォアハンド」で悩んでいて、以前は後者だったのですが最近前者に変えました(変わった?)。これは自分の勝手な思い込みだと思いますが、彼らのフォームを腕と腰の使い方で%にしてみると(下半身の力は置いておいて)フェレーロは腕20%腰80%で打っていて、クエルテンは腕60%腰20%で打っているように思います。自分は腕力があまりなく下半身の力は強い方なのでフェレーロのフォームで打った方がいいボールが行きます。しかし腰の回転に腕がついていけなくなるのか時々腕が痛くなります。スピンの調整については、クエルテンのフォームの方がかけやすいと思いますがフェレーロのフォームはポジショニングがしやすいと思います(たぶんクエルテンのフォームよりも自由さがないのと下半身を安定させるフォームからだと思います)。そこで質問なのですがどちらのフォームにも良いところがあると思いますが、フォアでの効率的な身体の使い方と怪我をしない様なフォームはどういうものなのか教えてほしいと思います。よろしくお願いします。

福岡県のGYOさん

報告386:研究熱心な依頼者だ。特に異論はないのだが、考え方として、テニスの目的はフォームではなく、どんなボールに対し、どんなボールを打ち返したいのか? そして、自分の能力(筋力・体格・それまで培ってきた技術的な蓄積・どんなボールを打ちたいのかという好み、性格など)、そして対戦相手で最終的には決定されると考えて欲しいのだ。テニスはフォームで勝負するわけではなく、ボールのやりとりで決するスポーツ。ボールがまず最初にあり、フォームはそのボールを実現するための手段だと、出発点を再考してみて欲しい。そのボールを実現するためには、人それぞれに置かれた条件によって、目指す目標へのアプローチの方法も色々と変わってくるはずだ。腕が何%で腰が何%と考えるのも悪くはないし、研究者としてはいいのだが、人間は機械ではないし、テニスという競技は実に様々な状態での打球機会がある。この依頼の結論は正直に言って依頼者にしかわからないことだと思う。
 そして、依頼者のおっしゃる「クエルテンのフォア」、「フェレーロのフォア」の定義だが(詳しく書いてはいただいたのだが……)、文字のみである以上、恐らく調査団と共通のイメージを持てていない可能性がある、という状況では、これを基準に話もしにくいことをご理解いただきたい。
 フォアの効率的な身体の使い方というのも、例えば、相手がプロ級のボールを打ってくる相手で、打ってきたボールがスピンなのかスライスなのか、それとも球出しのボールなのかで各論としては違ってきてしまうし、依頼者もうすうすお気づきだとは思うのだが、クエルテンもフェレーロもそれぞれの選手にとって、「ケガをしない効率のいいフォア」を打っているからこそ、世界でトップと言われる現在のポジションがある。両者にとっても目的は「威力があり、かつ安定感のあるフォア」というものだったはずで、それぞれが依頼者のおっしゃるように違って見えるのであれば、その相違は当然、二人が置かれた身体条件や、能力などの環境条件の違いによって生まれたと考えるのが自然だろう。
 そういう全ての要素を省略して、最大公約数的に報告するとしても、依頼者にとって有効な真実がそこにあるかどうかわからない。最終的な結論は、「依頼者が最も違和感を覚えない打ち方」がケガをしない打ち方であり、「依頼者の能力(含む身体能力)の範囲で最も威力のあるボールが打てる打ち方」が一番効率のいい打ち方だ。速いボール、ゆっくりしたボール、スピンかスライスかでも「効率の良さ」に変化は出るだろう。
 いや、依頼文をそのまま読めば、腰の回転に腕がついていかずに痛くなるのは、恐らく身体が先に開きすぎて腕が遅れすぎ、打点が後ろになった結果、食い込まれやすくなっているか、結果として手首を使いすぎることになってしまい下側のヒジが痛くなっているのでは、と想像できるし、クエルテンのフォームの方がスピンの回転が操作しやすい気がしているのは、よりグリップを厚く握っているか、前でボールをさばいて打っているからだろうと想像する。フェレーロの方がポジショニングしやすいと感じるのは、より下半身を安定させて打とうと意識が行っているからで、クエルテンだとしにくいというのは、上半身に意識がいきすぎているからだろうし、フェレーロの方がいいボールがいくのは下半身が強い自覚がある依頼者が、しかも下半身に意識がいっている状態で打っているせいだろうし、下半身を重視した分だけ、しっかりポジションに入れているということがよく影響しているのかもしれないとも思う。
 しかし、何度でも言うが、テニスについて、難しく考えるのは大変面白いのだが、実効性がその労力に見合うかどうかは疑問が多い。腕と腰のパワーのパーセンテージなどを考えていく場合、野球やゴルフの打撃行為であれば、ある程度決まった速度の(ゴルフなら止まった)ボールを、基本的には静止した状態で、決まった打点で打ち(野球はストライクゾーン以外は打たなくてもよい、ということになっている競技だ)、さらに遠くに飛ばせば良い、強く叩ければよいという要素が強いので解析にも意味はあるし、実効性も多くの人にとって高いものが期待できるが、テニスのストロークは静止状態では打てず、相手コートに落とさねば意味がなく、速ければよいというわけでもない。さらに、一度自分のコートに落ちたボールはどんな打点になろうが打たねばならないし、対戦相手の技量やタイプによっても「効果的」かどうかが変わってしまう。絶対に見落としてはいけないのは、テニスは相手がいる対戦競技という点なのだ。
 依頼者が研究家になって、この道を究めたいというなら別だが、自分のプレーに役立てたいというのなら、難しく考えすぎず、頭の中をフラットにして様々なボールを打って色々な結果を頭の中にインプットしていくことが第一だと思う。その結果として様々な蓄積ができていくはずで、自分に足りない部分、十分な部分、さらに伸ばせそうな箇所を探してデジタル化して練習し、試合でさらに実験を繰り返す、というのが理論派のプレーヤーの生き様かと思う。また、理論を極める際に見落とすと意味がなくなるのは、「理論のための理論の構築で、実践とかけはなれる」という点だ。理論派が最も陥りやすいのは、理論を追求するあまり、理論に拘泥してしまい、現実に目の前で起きていることより、理論上の出来事に重きを置いてしまいがちになることだ。デジタル化することによって、様々なことを数値化できるのだが、その数字が何から生まれたのかを常に忘れないことだ。研究は実践のための研究でなければ意味がない。実用化できない理論は、結局理論のための理論でしかなくなってしまうのだから。

依頼内容387:仲間にフォアが手打ちになっていると言われます。手打ちを矯正するためには、どうすればいいのでしょうか?

東京都の@ドコモさん

報告387:依頼者を全く見たことがないという状態で言えることがあるとすれば、ラケットを持っていない方の手(依頼者が右利きか左利きかもわからないので、こういう書き方をしておく)を、打点に向かってしっかりと出し、前側の肩ごしにボールを見るぐらいのつもりでボールに入って、オープンスタンスを使っているならある程度ボールを引き付けて、スクエアスタンスなら前足の前あたりの打点で一気に振りぬく、というのを心がけて欲しい。あくまでも前に出した手で作った壁を大事にして、身体が先に開かないようにすることだ。ラケットが常に先に走っていって、身体はその後についてくる、というイメージを持って欲しい。
 ……というのが、ごくごく一般的な手打ちの対症療法だが、依頼者にこれが当てはまるかどうか、一度も依頼者を見たことがない我々には正直に言ってわからない。違和感があるという場合には、躊躇なく身近にいるコーチや先輩の助言に従ってみて欲しい。

依頼内容388:いつもスマッシュにはお世話になってます。夏休みということでテニスに熱中したいのに受験生ということで勉強に熱中しなければいけないのが残念です。お聞きしたいのですが全国ジュニアテニスのランキングってあるのですか?あるのでしたらそれが載っているホームページを是非教えてください!

東京都の虎鉄さん

報告388:こちらこそ、いつもご利用ありがとうございます。
全国ジュニアのテニスランキングというのは国内だろうか?
国内のであれば関東テニス連盟のホームページ上に発表されている。
http://www.tennis.or.jp/jta/chiiki/kanto/
なので、探してみて欲しい。
 世界のジュニアランキングはITFのホームページのジュニアITF(当然英語)のバナーからリンクされていけるはず。
 参考にしてみて欲しい。暑い夏が続いているが、勉強にテニスに頑張ってみて欲しい。

依頼内容389:この前フェレーロとクエルテンのフォアハンドについて質問したものですが、フォアハンドのフォームとして少し前まではスクエアかクローズドで構えて体重移動で打っていたのに対して最近はセミオープンから上半身を捻って打ち終わりに後ろ足を前に出す回転運動で打つようになっているんですよね?そこで考えたのですが、フェレーロのフォームは正に後者でセミオープンから回転運動で腕の動きを抑えて腰の回転で打っている様な感じです。一方クエルテンはクローズドで打っている場面も多く、低い打点のワイパースイング等でも腰の回転重視で打っている様な感じは見えません。この前はゴンザレスはスイング軌道がクエルテンに似ていると書きましたが少し違う様な気がします。ゴンザレスも捻り戻しと回転で打っている様ですが腰の回転重視というわけではないようです。そこでですが、やはりその上半身の捻り戻しと回転運動で打つフォームの方がスピードが出やすい のでしょうか?しかしあまり自由さはないような気がします。

福岡県のGYOさん

報告389:大変研究熱心なのはいいとして、もう少し視野を広げたほうがいい。テニスのストロークは野球の打撃のように決まったフォームで常に打つ競技ではない。確かにある局面を見ればおっしゃるとおりかもしれないが、現実の選手たちというのは腰の回転重視で、とかいう具合にボールを打つことはしていない。彼らはその場面に合わせて、彼らの最も打ちやすい打ち方で打っているだけなのだというと、理解しがたいだろうか?
 依頼者が理想的なフォアとは? と考え、悩む気持ちは理解するが、いいだろうか? その前にまず、そんなものが存在するのか? という視点も用意しておいて欲しいのだ。何にプライオリティを置くかでその「理想」も変わってくる。スピード重視なのか、スピン重視なのか、はたまたコントロール重視なのかでも変われば(局面によってこれも千変万化する)、その人の個性、能力、戦術的な志向性、目的、身体条件、サーフェス、対戦相手、ポイントの状態などなど、設定しなければならない条件は非常に多い(テニスが他の競技より難しく、テニスの雑誌が毎月毎月、そして何年も技術特集を組め続けているのは、その複雑性に負う部分が大きいのだ)。例えば、一つのラリーの中でも「一球目はスピード重視の方が効果が認められたが、二球目はコントロール重視の方がよく、三球目はスピン重視の方がよかったかも……」というのがテニスの競技としての特質であり、それらの設定条件の中から最大公約数を抜き出して、どうにか結論を出したとして、それが依頼者の実際のプレーに何か役立つのだろうか、ということも合わせて考えて見て欲しいのだ。理論としては面白い。しかし、一体何が目的なのかを見失ってしまうと、せっかくの理論も意味がなくなってしまう。
 フェレーロだって必要があればスクエアで打つこともある(ただし、クローズドで打つという場面は彼らの場合には、よほど特殊なケースでもない限り、ほとんど皆無のはず。クエルテンがクローズドで、とあるが、少なくとも調査団では彼がクローズドスタンスでフォアを打っている場面が多いなどという認識はないのだが……)。腕の動きを抑えているように見えるのは、彼らが無駄な動きをせず、彼らがその局面で判断した最短距離でボールとコンタクト&コントロールしようとしているからであり、それだけボールを長く引き付けているからだと考えた方が自然だろう。長く引き付けることによってコースを隠したうえで(スピードや効率を追求すると、このコースを隠すという視点がなくなりがちだが、実際の試合ではこの要素の重要性は極めて高い)、相手の予測の裏へボールをコントロールするために、スイングスピードを速くしてかつ前後左右にコントロールする練習を(引き付けた分だけスイングを速くしないと帳尻があわないため速くし、速くした分より高度な調整力が求められる)日々繰り返しているのだ。
 この目的のうえで練習していく過程で、腰が回転するようになったりはするだろうが、腰を「回転させて打つため」には練習していないはずなのだ。つまり、彼らの目的は「速く、確実に、しかも幅広くコントロールできるストロークの構築と、そのレベルアップ」であり、スピードや威力はその結果として付いてくるもの、という見方の方が間違いが少ないと思われる。
 野球でも、テニスでも初期段階であるほどスピードガンの計測速度が気になるというが、テニスの場合も、トップクラスになればなるほど、スピードよりもコントロールを重視し、かつどのタイミングでどのコースへ、どんなショットを打ち、適切に展開していたか? 適切に処理したか? 時には相手の意表を突いて的を絞らせないようにできたか? などを気にするようになる。アガシクラスになると、「240キロのサービス? ラケットに当てられさえすれば、より速いリターンが返せるというだけだよ」と言い出すようになる。もちろん、ゴンザレスのように能力的な優位さを持っていれば「威力でも押したい」という選択肢が出てくる場合もあるだろうし、アガシやエナンのような身体条件なら「威力は筋力などの身体能力に基づくものから出すのではなく、タイミングで確保する」という方向性も出てくる。どちらの方が「理想的」という問題ではない。それぞれに置かれた条件が違う以上、ゴンザレスにとっては全身を目一杯使ってラケットを加速して爆発的なインパクトを確保し、かつ、高めの打点から直線的にウイナーを狙うという方向性の方が「理想的」に見えたのだろうし、エナンは絶対的なパワーではセレナと勝負にならないが、打点を前にして打つボールがまだエネルギーを持っている状態で打つことで、不足分のパワーを補おうと考えていると想像できる。これも彼女の条件下では「理想的」と言えるかもしれない。それぞれにとって「理想的」な状態は微妙に違うもので、視野を広く考えて欲しい。

依頼内容390:僕の好きなヒューイット選手は180cmで65kgとスポーツ選手としては異常に体重が軽いですがテニスはそんなに筋力が必要ないのでしょうか。でも体力はすごいし…。やっぱりスタイルにもよるのでしょうかね?体脂肪が何パーセントくらいあるのかも知りたいです。

東京都の三朗さん

報告390:ヒューイットの体格のデータを見ると、確かに「大したことはないな」と感じてしまうかもしれない(実はそもそも、この数字自体に疑惑の目を向けられもするのだが……)。依頼者が体脂肪率を知りたくなるのもよくわかる。我々も知りたい。もし、この身長体重で、体脂肪率まで人並みだったら、絶対的な筋肉の量も大したことない、ということになってしまう(一般に体脂肪より、筋肉の方が重いため、筋肉質の人は見かけ以上の体重があるもの)。しかし、残念ながらヒューイットの体脂肪率のデータはない。以前、ジャン・マイケル・ギャンビルの体脂肪率が一桁だった、というのが話題になってことがあるが、話題になったぐらいだから、ヒューイットも案外10%台で、普通より少し低い程度という可能性もある。
 さて、テニスの場合だが、以前調査したところでは、試合時間が5時間だったとしても実働時間は実は15〜30%程度で、実働時間はせいぜい1時間程度ということがわかっている。意外に実働時間は少ないのだ。とはいえ、体力が必要ないかと言えばさにあらずで、動いている時はほぼ無酸素運動の繰り返しになるのがテニスの特徴。運動強度としては、かなり高い部類に入り、水泳で例えると「軽くバタフライ」という感じになるらしい。
テニスに必要なのは、瞬発系、持久系の両方で、高い次元でのバランスが求められている。選手によってタイプが違うのは当然ご存知だろうとは思うが、ヒューイットの場合は、やや持久系の選手では? と考えれば、あの体型も理解の範囲内だろう。
 テニスのボールは50〜60g程度で反発力も高く、硬式野球ボールと違い、頭に直撃しても目などでない限り、致命傷に至るほど硬くもない。ラケットも300g〜400g台で、速度は最大でも200キロ前後。ボールが最大のエネルギーを持つのは200キロで放たれたスマッシュを直接ボレーしなければならないケースが想定される程度で、この場合のエネルギーは恐らく野球の140キロの速球に匹敵すると思われる。これをバットの1/3程度の重さしかないラケットで返すのには大変なパワーが要求されるが、そんなケースは稀有のはず。基本的にバウンドしたボールを打てばよいというテニスでは、バウンドと空気抵抗によって大きく減速されるので、200キロのサービスでも手元では初速の半分以下になっているという。ストロークの最大速度はせいぜい160キロ前後と言われるが、空気抵抗とバウンドで手元ではかなり遅くなっているはず。絶対的な筋力はこれらに対応できれば十分、ということになる。もちろん、パワーがあるに超したことはないにせよ、筋肉が付けば、その分体重も増加するもので、スピードがスポイルされる危険もあるし、テニスのように最高速から急激なストップが繰り返される競技では、体重の負担がそのまま関節にかかってくる。マイケル・チャンがヒザを故障した原因が当時、つけすぎた筋肉による体重の増加と言われたことを思い出せば、自ずと「テニス体型」というのも登場することになる。テニスではその性質上、必要とされる絶対的な筋力は、ハンマー投げや重量挙げのように必要なわけではないし、野球の長距離打者のような体格が求められる競技とも思えない。
 つまり、彼を陸上で言えば中距離から、長距離選手タイプの選手と考えれば、筋肉が付きすぎていても持たないし、体重も適当な重さでないと逆に自分のスタミナを消耗してしまうということになる。クエルテンや、フェレーロなども似たようなタイプと言えるかもしれない。やや短距離系かな? というのはセレナで、ハイジャンプなど瞬発系が強いのかな、というのはビーナスかもしれない。各々の生まれ持った性質の中で、バランスを磨き、戦っているのがテニス選手ということなのだ。
 …とまぁ、こんな風に考えてテニスを見ていくと、きっと楽しいのでなかろうか、と思うがいかがか?

依頼内容391:1977年のスマッシュのバックナンバーはありますか?

東京都のバムさん

報告391:大変申し訳ないのですが、本誌最新号のバックナンバーのコーナーに掲載されている以外のバックナンバーは全て在庫切れとなっています。編集部が資料用として1冊ずつ保存はしてありますが、これはその性質上、お分けできませんし、法令の定めるところにより、原則としてコピーもできません。
 図書館か、古書店で根気良くお探しいただくより他にはないと思われます。

依頼内容392:こんにちわ。
シューズのことで気になったのですが、ハードコートの大会で、ハードコート用のシューズではなく、バスケットシューズでプレーしてしまっても良いのでしょうか?プレーの内容に問題はないとは思いますが、失格、などということになったりしませんか?くだらない質問ですが、どうかよろしくお願いします。

福岡県のスイフトさん

報告392:大会で、ということになると、大会のルールにのっとっているか否かを確認する必要がある。どんな大会でも大会事務局が大会のルールを定めているはずなので、事前に確認した方がいいだろう。
 ラケットに比べて、シューズにこだわるようになるのは、それなりに腕が上がってきて、大会にもよく出るようになってから、というケースが多いようなのだが、昨今のテニスシューズの出来は、一昔前のそれとはまるで別次元なので、可能であれば、テニスシューズを購入してプレーして欲しいと願う。
 プレーの内容に問題がないかどうかは本人がどのレベルで納得するか、という要素が大だが、ないとは言いにくい。
 テニスシューズもバスケットシューズも基本的に縦と横の激しい動きに対応するように作られてはいるが、基本的に体育館内での使用を前提としているバスケットシューズの場合、グリップはよくても持ちが悪く(ゴムが柔らかいぶん、コンクリートのハードコートではあっという間に磨耗してしまう)、アッパーもテニスほど頑丈に作られているものは少ないので、少し擦れただけでも切れたり、破けたりする可能性がないとは言えない。また、バスケットシューズは、バスケのジャンプを頻繁に繰り返す競技特性から、着地衝撃の吸収性に大きく配慮したケースが多い。この衝撃吸収素材はテニスシューズの場合には薄手の物が最近はよく使われているのだが、これは衝撃吸収以上に、接地性や、安定性を重視しているためだ。というのも、衝撃吸収を重視すれば安定性が失われるという側面があるからで、テニスの場合にはジャンプよりもスライドが多用されるという理由もあるだろう。とにかく、シューズの開発者の皆さんはそれぞれの競技特性や、そのモデルの対象とするプレーヤーレベルなどを考えて、最適のものを開発してくれているはずなので、「似たようなもんだから大丈夫だろう」というのは、出来る限り避けて欲しいと願う。また、さすがに最近は少なくなっているとは思うのだが、バスケットシューズの中には、コートにゴムの色が付いてしまうというゴムを使用している可能性があり(テニスシューズの場合、現在市販されている物であれば、ほぼ全てがノンマーキングタイプのはず)、確信が持てないのであれば、使用は控えた方がいいと思う。

依頼内容393:こんちは!!いつもスマッシュには、お世話になってます。フォアストロークに関してです。速くてネットギリギリの打球を打ちたいんですが、どうしたらいいんでしょうか?ちなみに私は、ストローカーで何とか速い打球を相手コートに入れたいという気持ちが強い。打点はボールがバウンドし、最頂点に達して少し落ちたところを打ちます。

神奈川県のレッドアイズデビルさん

報告393:……速くてネットギリギリのボールを打てばいいのでは? いや、目的が明確なのであれば、そのボールを打つための練習を繰り返していけばいいと思われる。速い打球をコートに入れたいのであれば、少し打点を高くした方が入りやすいとは思うが、この辺も人それぞれに感覚が違うので、「こうした方がよい」とは単純には言い切れない。
 ただ、このままではなんだかだとも思うので、一つ二つお話するとすれば、もし、依頼者がパワーには自信があって、どんなボールでも叩ききれるとおっしゃるなら別だが、速いボールを打つのに打点を一度落とすのはもったいない。ライジング気味に叩いていけた方が相手のボールの勢いを利用できるし、打点も高く取れるはず。また、速くしようと厚く当てれば当然安定性が犠牲になるので、スピンの調節も覚えた方がいいだろう。
 お気持ちはよくわかる。今から5、6年ほど前、スリチャパンがまだチャレンジャーを回っていた頃、彼のプレーを見た人みな口を揃え