このコーナーは、本誌と連動する 『スマッシュ調査団』と『テニスフリートーク』で構成されています。
 『スマッシュ調査団』は、テニスに関する素朴な疑問を調査・解決していく、本誌で大好評連載中のコーナー。毎月寄せられる多くの依頼に本誌だけではとても答えていけそうにない。というわけで、インターネット部門を開設することになりました。このコーナーは随時更新していく予定なので、こまめにチェックして下さいね。依頼は、従来通り本誌宛へのお葉書はもちろん、インターネットでも受付けます。インターネット受付分から本誌への展開もあるので、「アレって何かな?」と思ったら、依頼してほしい!
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・投稿されたご意見は、編集部を経由して随時このページに掲載していきます。(ただし、掲載にふさわしくない等編集部で判断したものは除かせていただきますので、予めご了承下さい)。掲載に際しては氏名のみを掲載しますが、ペンネームでの掲載を希望される方は、忘れずにペンネームを記入しておいて下さい。  

発言するよりもまずほかの人の意見を聞きたい方は、 このまま下へスクロールしてご覧下さ い
スマッシュ調査団
過去一覧              

依頼内容401:今回の全米でフェレーロが使ってたラケットは、
X PLOSIVE
X PREMENTAL
X TREME
のどれですか??

東京都のRさん

報告401:03年の全米時にフェレーロが使用していたラケットはプリンス社の発表によれば、来年1月発売のラケットを試用中とのこと。それが上記の3本の内、どれなのか、はたまたどれでもないのかは今後発表されていくことと思われる。この業界のルール上、これ以上の回答は当コーナーには不可能だ。ご理解いただきたい。

依頼内容402:硬式テニスのラケットのグリップは縦と横の幅が違いますが、どんな意味があるのでしょうか? 自分は軟式もやっていたのと手が小さいので正八角形のグリップの方が手にしっくりくるのですが・・・ また、硬式テニスのラケットでも正八角形のグリップのラケットとゆうのはあるのでしょうか?

北海道のAKNRさん

報告402:全てのメーカーの硬式ラケットがそうだとは言わないが、確かにおっしゃるような傾向は見られるようだ。扁平タイプのグリップを採用している意味は、と言われれば、恐らく、その方が面感覚の把握がしやすいからだろうと思われる。
 グリップの形状はメーカーによって意外に個性があるので、テニスショップに行って、色々と触りながら選んでみるといいのではないかと思うがどうたろうか?

依頼内容403:ラケットについての質問です。プロ選手の使うラケットは市販されているものとスペックが違うと聞いたのですが(サンプラスのラケットは一般プレーヤーが扱えないほど重い・・重りを貼っているせい?等)、市販品を使っているプレーヤーはいないのですか?特に男子のトッププレーヤーの情報が知りたいです。
余談ですが依頼内容362について。伊達さんが左利きを右利きにしたのは、ジュニア時代のスクールで右利きの子と左利きの子で分けられてしまい、仲の良かった子が右利きだったので、一緒にレッスンしたいから右に変えたとテレビで聞きました。 かわいいですね。

埼玉県のナナナベさん

報告403:ここでは「市販品」という言葉に対する定義が必要かと思われる。少しテニスを長くやっているプレーヤーであれば、鉛の重りを張ってみたり、グリップテープを変えてみたり、グロメットを交換してみたり、はたまた、ラケットチューンを専門にやっている業者さんなどに頼んで色々と加工してもらっている、という人もいるはずだ。
 プロの全てが、とは言わないが、彼らも同じで自分の使いやすいようにある程度のチューンはする。それを特別なスペックと呼ぶかどうか、「市販品とはスペックが違う」と言ってしまえるか、ということをまず問題にしなければならない。お店で売っている吊るしのまんま使っている選手、という意味ならあまり多くはないだろうし、実際、巷のプレーヤーたちも同じ状況ではないだろうか?
 サンプラスのラケットは以前、ウイルソン社さまからお借りして編集部に実際、彼が使っていた状態そのままのものがやって来たことがある(なんでも彼のラケットバッグからそのまま持ってきた、とか……)。その時にどうして計りを使って重さやバランスなどを計測しておかなかったのか、と今でも悔やまれるが、当時は「おぉ、すげーっ!」とばかりに興奮してしまい、そういった科学的な分析を忘れてしまった。いやはや、本当に情けない……。
 で、どんなラケットだったか? というと、さすがに実際に打たせてはもらっていないので、打ち味までは不明だが、確かに重りは付いていたものの、想像していたよりも重すぎず、300グラム台の後半程度の重さだったように記憶している。素振りをした感じのバランスもほぼイーブンぐらいに感じたのを覚えている(このくだり、全部、体験情報というのが調査団としては余りにも情けない話で申し訳ないのですが……)。一般人が使えないか? と言えば、条件付きだが一般プレーヤーが全く使えないというほどのものではなかったように思う。もちろん、全ての一般プレーヤーが、とは言わないが(例えば今、200gの厚いラケットで、楽しくテニスをしているプレーヤーが、サンプラスのラケットで同じように楽しくテニスをできるか、と言われればもちろんNoだ)、もっと重たいラケットを使っているプレーヤーは学生さんなどにはごまんといるのではなかろうか。
 一般に流布している話として、「プロのラケットは特別製」というものがあり、彼らのラケットは市販品とは比べ物にならないぐらい高品質という話があるが、これはやや伝説に近い。また、彼らが使っているものだけがモノが違い、すごいラケットだから、ああいうボールが打てる、などと勘違いしている若者も少なくないようだが、それは完全に間違いだと言っておきたい。むしろ、プロたちのラケットはメーカーの皆さんが一生懸命「パワフルに」、「快適に」と開発した部分を潰すイメージの「デチューン」であるケースが多く(特に男子の場合)、彼らのラケットをもし一般プレーヤーが使ったとして感じる感想は恐らく、「どうしてこんなラケットで、あんなすごいボールが打てるの?」というものになるはずだ。
 しかし、チューンの程度の差こそあれ、ほとんどのケースでベースとなっているのは市販品であるのは間違いなく、チューンもその延長であるのは事実。グロメットを取り替えたり、ガットのパターンが違ったり、するかもしれないが、フレーム自体はあくまでも市販品がベースのはずだ(特別製のフレームを特注できるレベルの選手というのは、ほとんどいないはず。工場のラインをその選手のためだけに確保する価値がその選手にないと、メーカーだってわざわざお金をかけてはくれないし、いわゆる塗装の塗り替えだって、ある程度まとまった数を作る必要があるので、全ての選手がやってもらえるわけではない。超トップ選手で、しかも道具にうるさい選手以外は、皆様が想像している以上に、多くの選手たちが普通のラケットを使い、皆さんでもテニスショップさんなどに依頼すれば、誰でもできる程度のチューンをしているという程度というのが現実だろう)。
 もし、プロならではの部分があるとすれば、ラケットとはいえ大量生産品にありがちな品質のバラツキを極力廃した形で厳選している可能性はある、という点だろうか。プロにとってのラケットは大事な商売道具。大工さんののこぎりやカンナ、板前さんの包丁だ。例えば10本のラケットを選ぶのに、30〜50本の中から選ぶというぐらいのことはしている可能性はあるし、メーカーと使用契約をしている選手の場合には、その選手が気に入っているバランスの物を選んで渡されているという可能性もある。
  ラケットのカタログなどには、重量の項目に320〜330g、とか、バランスポイントにしても「平均」○cmという書かれ方がしてあるはず。これはつまり、個体差が存在するという意味に他ならず、選手たちはこの中から自分の気に入ったバランスの物を選んだり、鉛の重りを張ったりしてバランスの調整をしているというわけなのだ。
 プロがどんなラケットを使っているか、最も情報を持っているのは、大会のストリンガーさんだと思う。もし、機会があれば大会のストリンガーブースを訪ね、ストリンガーさんに時間がありそうな場面で質問をぶつけてみる、というのも手だろう。くれぐれも忙しそうな時に声をかけたり、話しにくそうにしている質問に食い下がったりしないこと。話しにくい話は何らかの守秘義務に基づくもので、勿体つけてるとか、隠そうとしてるとかではないので、そこは大人の対応をお願いしたいところだ……。
 最後になってしまいましたが、伊達さんの利き腕のお話をありがとうございました。でも、意外な理由だったんですね。
 機会があった場合、ご本人にも改めて確認してみたいとも思います。


依頼内容404:ハンチュコア選手のファッションがとても気になります。
★今月号(2003-11)US OPEN TECHNICAL WATCHING 2003 のP84でハンチュコアが履いているブルーのシューズはどこのメーカーですか?教えて!
★彼女のウェアは独特ですね!ドレスみたいなヒラヒラとか・・・胸元クロス紐アミ
アミとか。スポンサーはどこですか?ファッション特集して欲しいな〜♪

東京都cocomamさん

報告404:彼女のウェアとシューズはナイキ社製だ。ただ、残念ながら03年10月現在、彼女の着用しているカラーは市販されていないとのこと。今後、市販される予定があるかどうかは不明だが、詳細はナイキさまにお問合せいただいた方がいいだろう。
 ファッション特集に関しては、今後の検討課題として編集部に伝えます。

依頼内容405:フェレーロのファンである僕ですが、フェレーロのフォアハンドをUSオープンを録画したりして観察して、打つときに面を伏せると同時にラケットエンドを見せてワイパー式で打っているのを真似して打っています。素振りではうまくやっているんですけど、打つとき変になっているのかボールがうまく飛んでいきません。どうすればいいですか?

北海道のKING OF TENNISさん 

報告405:またもや依頼者を一度も見たことがない状況で言えることは少ないが、「面を伏せると同時にラケットエンドを見せてワイパー式」と考えると意識がグリップ寄りになってしまうが、意識を「ヘッドを高速で返す」という風にしてみてはどうだろうか? 彼の特徴はヘッドの返し。ボールを猛烈に引っ叩くというのが根本的な特徴で、グリップエンドが相手に見える形になるのは結果的にそうなっているだけで、それを目的とはしていない。もう一度よーく観察してみて欲しい。そして、「どうしてそういう風になるのか?」ということを飛んでいくボールの種類と重ね合わせながら、改めて考えてみて欲しいと思う。

依頼内容406:スマッシュは「毎月何日発売!!」とか、決まってないのですか?

長野県のYHWHさん

報告406:…………。1974年の創刊以来、数度発売日は変更されましたが、現在の月刊スマッシュは毎月21日発売です。21日が土曜日か日曜日、休日等の場合、それ以前の平日に繰り上がります。よろしくお願いします(一部地域では、発売日がズレることもありますがご了承ください)。

依頼内容407:僕は今高校2年生で春の個人・団体戦が終わると部活を引退してしまいます。引退後いろいろな草大会に出たいと思っているのですがスクールに所属していません。その場合は個人登録などどうしたらいいんですか?

埼玉県のノリさん

報告407:草大会と言っても色々あるが、ほとんどの草大会では参加資格に選手登録を必要としていないので安心して欲しい。本誌にも草トーナメント情報のコーナーがあるので参考にしてみて欲しい。参加条件を指定している大会もあるが、多くは参加者のレベルを均衡にしよう、という大会側の配慮というのが根本にあるものなので、申し込む前に興味を持った大会に電話をして、参加資格や試合内容、大会のルールなどに関してお問合せされるといいだろうと思う。
 日本テニス協会を始め、各都道府県協会や、市町村協会などが主催する「公式戦」に出場したい、となるとJOPランキングなどのポイントが必要とされることがある。ノーランキングでも予選には出場できるが、ポイントが欲しければ、日本テニス協会に対しての選手登録が必要となる。これは各都道府県協会に行き、所定の用紙に会費を添えて申し込めば、誰でも登録できる。詳しくは日本テニス協会のホームページの登録というコーナーに詳しく出ているので参考にしてみて欲しい。アドレスはhttp://www.jta-tennis.or.jpだ。

依頼内容408:つい最近ラケットバッグを購入しようと考えていていろんなサイトをまわっていて外国のサイトを見ていて気が付いたんですが、なぜ日本のサイトにのらないラケットやバッグなどがあるのでしょうか?たとえばウィルソンのシリーズHでは、USAやヨーロッパを見てみると日本にはない H2、H7などがのっていたりH6のMIDサイズがあったりします。これは日本じゃ発売しないからなのでしょうか?またそうだとしたら何故日本では発売しないのでしょうか?

岡山県のG.コリア最高さん

報告408:依頼者はウイルソン社のことだけを引き合いに出されているが、同じようなことはどのメーカーにもあることで、何も珍しいことではない。なぜか? ということになると、各メーカーのマーケティング上の戦略に関わることなので、理由も一つや二つではないだろう。
 一番、考えられる理由は「その国ごとに異なる事情」だ。例えばスペインとアメリカでは売れ筋のラケットが違ったとして、両国とも同じラインナップをリリースしていたのでは売れ方にバラツキが出てしまう。
 仮に、アメリカでは厚ラケが売れ、スペインではとにかく安いラケットが売れていたとすれば(念のために言っておくが、これはたとえ話なので、スペインもアメリカも実態はこのようではない)、当然、アメリカには厚ラケのラインナップを厚めにするだろうし、スペインには価格の低い製品のラインナップを充実させるだろう。これはメーカーにとっては当然の話で、何の不思議もない話だ。
 逆に言えば、欧米にはなく、日本にしかない製品というのも少なくはないし、同じ名前のラケットでも日本のと、アメリカやヨーロッパのでは重量やサイズ展開が違うケースもある。これも日本の消費者の好みと、欧米の消費者の好みをメーカーが調査することによって分析し、配慮した結果だ。どっちの方が優れているとか、手を抜いているとかいった話ではない。
 また、全く同じラケットでも、日本と外国で名前やカラーリングが違うケースもある。その国でアピールする名前や色で売りたいと考えるのは無理のない話で、これは自動車でも同じだ。ホンダの高級車部門はアメリカではアキュラだし、トヨタの高級車部門はレクサスとなっているのと同じだし、色の展開も各国で色々とあるのと同じと考えればいい。
 メーカーもこの国で好評なら、日本でも売れるというマーケティング情報や、日本市場の動向などを見て販売するモデルを決めているはずなので、海外のモデルが日本で発売になるか否かは、全て日本の全体的な消費動向にかかっている。また、最初は並行輸入で話題を呼び、本格的に国内市場で売られるようになったり、日本法人ができたなんていうことも過去になかったわけではない。

依頼内容409: J・クーリエのグリップの握りについての調査を御願いします。もう7・8年前の事だったと思います。クーリエとアガシが決勝を戦ったジャパンオープンの時の話です。とあるコーナーに当時のトッププロ達のグリップの握りの模型が展示してありました。(ゴルフのグリップ矯正クラブのように指がはまるように型どってあるもの。)そしてクーリエのグリップに指をはめて驚きました!かなりのハンマーだったと思いますが、それよりも凄いのが、なんと小指が9割がたグリップエンドをはみ出ているのです。(小指はグリップエンドに触れている程度。)自分でも試してみましたが、その模型どおりに握って打つと小指に力が入らず3本指で打つはめになるのです。当時はこんな握りであの強打か…。人間技ではないなと納得しちゃいましたが、クーリエは本当にこんな握りで打っていたのでしょうか?調査、宜しく御願いします。

埼玉県のナナナベさん

報告409: 実は本誌の92年5月号(残念ながらすでに在庫はありません)の別冊付録で「クーリエテニス」という特集をやっている。お話からすると、ナナナベさんがご覧になったジャパン・オープンは恐らく1995年の大会ではないかと思うので、それより少し前ということになるが、彼の非常に個性的なスタイルは引退するまで激しい変化はなかったので、大問題はないだろうと判断し、ここでは話を進めたい。  当時の写真を改めて確認してみたが、確かに彼はナナナベさんのおっしゃるようなスタイルでグリップしている。当時の彼に付けられているキャッチフレーズは「豪腕テニス」。彼はフォアもバックも厚いグリップからボールを引っ叩いている。通常、ハンマーグリップというのは、テニススクールなどでテニスを教わるときには「やめたほうがいい」とされ、直される対象となるが、これはハンマーグリップがとにかく「間違っている」からというわけではなく、通常の筋力、スイングの仕方、考え方では難しいからと考えた方がいい。  クーリエの生まれたアメリカという国だけではなく、世界の通常の常識下では(一般愛好家ではなく、選手というカテゴリーのテニスにおいて)スイングやグリップがどんな形でも、飛んでいくボールに威力があり、それが十分に効力を発揮しているのなら、それはOKとされる傾向が大きい(威力があっても、コントロールがてんでダメとか、その逆とかなら矯正の対象にもなるだろうが、一から十まで「基本通りに」という具合の矯正はされないのが普通。ただし、これは選手というカテゴリーの人々の場合、物心つく以前にテニスの基本はやり終えているのがほとんどだから、という理由ももちろんある)。クーリエの場合、アガシに夢中になったコーチのニック・ボロテリーに見捨てられた、という話が当時は喧伝されていたが、コーチに見捨てられたため、自己流オンリーでテニスを覚えたからクーリエはああした強引な打ち方になったというわけではない、と思う。彼がテニスをしていく上で、恐らく最も打ちやすく、威力のあるボールを追及した形があのスタイルであり、彼の中では何ら特殊な形ではないはずだ。さらに言えば、彼のキャリアの途中で、彼の打ち方に関して、強制的に直すような人物がいたとしたら、後の成功もあったかどうかわからないし、また、もっと成功できたかもしれない。こればっかりは何とも言えないとはいえ、選手というカテゴリーでは、20歳前後までにその選手が到達できる最大限に近いパフォーマンスを発揮できるようになる必要があるため(25歳で完成すればいい、というゆっくりした考え方なら、じっくりと学んでもいいだろうが、選手カテゴリーで大成功したいと望むのなら、そういうわけにはいかない。つまり、時間がないのだ)、普通の一般愛好家のテニスとはその根本的な成り立ちが違うと考えて欲しい。  クーリエと同世代の選手たちは「クーリエ以上のハードワーカーはいなかった」と口を揃える。ここでチャンではなく、クーリエの名前が出てくるというのが人によっては意外かもしれないが、ジュニア時代からテニスの才能を評価されていたチャンと違い、クーリエの場合は努力でのし上がったタイプだということも考慮に入れた方がいいだろう。  つまり、誰にでもお勧めできる打ち方ではなかった、ということなのだ。そう、依頼者のおっしゃる通り、人間業ではないのかもしれない……。

依頼内容410:ラケット feeling impressionで過去にバボラのピュアドライブやピュアコントロールを掲載した記事がありましたら見たいのですが・・・。あと何故に2002年1月の項目が無いのでしょうか? 見たいです!! お願いします!!!

埼玉県のいっささん

報告410:02年1月号分がない? そんなはずは……。あ、本当だ…。というわけで、修正してもらいました。現在はご覧いただけるはずです。
 ピュアドライブやピュアコントロールを掲載したことはあります。ただ、かの製品たらが発売された当時にやっているため、すでに削除されてしまいました。あのコーナーはメーカーのヒモ付きではなく、あくまでも公正中立に展開している企画なので、ある時期を過ぎた時点で、これまた公正中立に削除していくことにしています。これはサーバーの容量増加による予算の問題(このホームページは、ご覧の通り、実にカツカツの予算体勢なのです)もあり、また、一定期間後に削除する理由は古いものを蓄積していても、すでに絶版になっているモデルなども出てきてしまうためでもあります。
 どうかご理解ください。

依頼内容411:毎月楽しく読ませて頂いております。素朴な疑問ですが、テニスショップやスポーツショップ以外のホームセンター等の大型量販店で売られているテニスラケットについてですが、一流メーカー品にも関わらずテニス雑誌やそのメーカーのラケットカタログを見ても何処にも記載されていないモデルが定価1万円以下の値段で売られているのをよく見ますが・・・この手のラケットは本物?ですか?なぜ販売価格ではなく定価がそんなに安いのでしょうか? 判りにくい質問ですがどうぞ調査よろしくお願い致します。

神奈川県のあがちっちの父さん

報告411:調査団でも量販店に行くとよく見かけ、かつ「見たことない……」と思っていたのがこの手のラケットたちだ。量販店の場合、仕入れのルートによっては、海外でしか売られていない、しかも型落ちのモデルが売られていたりするケースもあるのだが、恐らく、依頼者がおっしゃっているのは、きちんと日本語で書かれたパッケージングで売られている「あのラケット」たちのことをおっしゃられているのだろうと推測する。
 実は業界では「裾モノ」と呼ばれる一群の製品たちがある。これらは普通のお客さんが手にできるカタログには載らない商品群(通常カタログに載るのは専門店でも売られるモデルが多い)で、必ずしも偽モノというわけではない、と思う(現物を見てみないことには断言できないが、現時点で偽モノを作るメリットは考えにくいので、ほぼ100%表示されたメーカーのラケットとお考えいただいて間違いはなかろう)。
「今度の週末に急にテニスをすることになっちゃったよ…」と、普段テニスをしたことのない人で、その週末の予定の後にはテニスをほとんどやる予定のない人が、ラケットに対して、2万5千円とか、3万円もポーンと出すだろうか? とまずは考えてみて欲しい。恐らく、ほとんどの人が許容できる予算というのはもっと低いはずだ。
 実は日本のテニス市場の多くを占めるのは、こうした「裾モノ」と呼ばれるモデルたちだと言われる(特にシューズでは顕著らしい。量販店の場合、裾モノでかつ、どこかの倉庫でホコリをかぶっていたような古めのモデルを格安で提供するというケースもあるだろう。今ではすでにラケットを製造していないメーカーのラケットが売られているケースもしはしば目撃されるし……)。
 しかし、誤解して欲しくないのは、それらが必ずしも全てが「駄目ラケット」ではないという点だ。実はあるメーカーのあるモデルは当初、裾モノとして販売される予定だったが、あるトッププロが気に入って使い出してしまったため、カタログモデルとして販売された、なんていう裏話が割と最近もあるほどなのだ。
 裾モノの場合、大抵の製品はグラファイトや、グラスファイバーなど、一昔前の素材がメインで使われ、最先端の素材や、グロメットの工夫などもない、ごくニュートラルな商品が多いはず。しかし、歴としたメーカーの製品であれば、品質に問題はないはずだし(こういう最も人目に触れる機会の多い製品で露骨に手を抜くメーカーは逆にない、と思う)、長くテニスをやってきたようなプレーヤーだと、先入観なく使ってみれば意外に「お、なつかしい。こういうの探してたんだよ」となる製品に当たる可能性だってないわけではない。さすがにお勧めまではできないが、予算と心に余裕があり、そのラケットにピピピッとくる何かを感じたら、試してみられてもいいのではないだろうか?

依頼内容412:ラケットの柔らかい、固いとはどういうことですか?ラケットの固さによってボールの飛び具合や威力は変わるのでしょうか?

滋賀県のfujiさん

報告412:ここではガットのテンションや種類、面の大きさによる違いなどを考えず、ごく一般的にフレームの性質の話として進めたい。
 こうした場合のラケットの固い、柔らかいに関してだが、複数のメーカーが数値化して表したことがあるし、今もしているメーカーもある。欧米では今でも「フレックス」という表記が重さや長さと並んできっちりカタログや、店頭で表示されている国もある(ウッド製だった頃の名残だろうと考えられる)。とはいえ、体感する個人差は大きく、ある人は固いと言ったラケットでも、ある人はやわらかいと表現することも少なくない。
 説明しよう。ラケットというのは、使用者のスイングスピードと、相手にするボールのスピードによって使用者の印象が随分と変化する。極端に言えば、ゴンザレスのような選手がフルスイングして、ロディックのサービスを叩いたとすると、大抵のラケットは「やわらかい」となるだろう。逆に「お箸より重いものを持ったことがない」というムードの人が初めてテニスをしておっかなびっくり手出しのボールを打ったとすれば、大抵のラケットは固いと感じられるはずだ。
 つまり、フレームの性質は相手にするボールと、使用者のスイングスピードのバランスを考慮して設定されているため、同じラケットでも、その両者のレベルの違う人が使うと、体感上で差が出てしまうのだ。特に、選手向けとされる面が小さく、厚みの薄いラケットだと、体感上の差が出やすい。この手のラケットは一定以上の強さの入力を想定して設計されているため、パワーがなくスイングが遅い、あるいは、相手のボールが遅いなどのケースでは「固い」と感じる可能性が高いが、ある一定以上のスイングスピードがあり、相手のボールが速いという状況下では「やわらかい」となる可能性が高いのだ。
 遠い昔は「やわらかい」=飛ぶ、「固い」=飛ばない、というイメージもあったが(もっともこれはフレームの物質上の固さではなく、打球感の固さを示す時の尺度だが…)、最近では逆で「固い(厚みが厚い)」=飛ぶ、「やわらかい(厚みが薄い)」=使う人が使うとちゃんと飛ぶが、そうでない人だと飛ばない、という感じで考えておいたほうが間違いが少ないだろう。
 厚みのあるラケットの場合、昔と違って最近のものは振動に関して非常によく考えられたものが多く、打球感を「固い」と感じさせるものは減ってきたが、フレームの性質自体は堅牢に、固く作られている。だから、ボールが飛ぶわけだ。逆にやわらかいラケットは「しなりを利用して飛ばす」というスタイルなので、しなりを利用できないスイングやボールだと、飛ばないという性質が顔を出すことになるのだ。
 ただし、この辺は諸説あると思われ、かつ、製品による性質の違いも無視はできないので、詳しくは専門店で店員さんに質問してみて欲しい。

依頼内容413:今回の全米でアガシやロディックが使っていた衝撃止め(イコライザー?)はどこのメーカーのなんという商品なのでしょうか?

北海道のつつさん

報告413:アガシのものは以前、ヘッド社が製品化していた時期があったが、今はもうない。
 この報告に関しては、まだ裏が取れた話ではないのだが、全米のストリンギングを担当しているところが売っているらしい、という噂を聞いた(国内にも入っている可能性もないわけではないが……)。プロのストリンガーさんのいる専門店でも、一度同じ質問をしてみて欲しい。諸般の事情で、このコーナーではこれが限界だ。
 しかし、何度か報告してきたが、表面に凹凸が付けられているという以外、実態は太い輪ゴム。太い輪ゴムで十分に代用がきくし、効果も変わらないはずなので(恐らく、二人も最初はそうやって試していって、今のに辿り着いたはずだし…)、ご近所のホームセンターや、文房具店などで大きい輪ゴムを購入されればよかろうと思う。

依頼内容414:初めまして。私はテニスを始めたばかりの学生です。私は今までダブルスを経験してきました。しかし、シングルスはまったくダメで先輩達に迷惑をかけてしまってます。どうすればシングルスが出来るようになりますか?シングルスに適した練習はありますか?

神奈川県の秋月レイさん

報告414:シングルスができない? シングルスに適した練習?? うーん。なんとも難しい問題だ。というのも、我々は依頼者を見たことがないので、どうできないのか? どういう迷惑を先輩たちにかけてしまっているのかがわからないし、依頼者がどんな人かも想像しかできないので、以下が的外れになる可能性もある。その辺はご勘弁いただいたうえで報告していきたい。
 依頼者がもし、ダブルスでは普通にプレーできるのに、シングルスではうまくできないという状態で、技術面でまず想像できるのは、依頼者が普段のダブルスで平行陣を主に使用するタイプのプレーヤーであるケースだろう。
 平行陣を主に使うプレーヤーの場合、ストロークはリターンの時に一度使う程度、しかも軽くスライス気味に当てて返して素早く前につめ、あとはボレーとハーフボレーの繰り返しでプレーするという感じになるはずだ。
 シングルスで同じことをやろうとすると、これは純正サーブ&ボレーヤーのプレースタイルに近くなる。最も体力とスピード、そして経験が必要とされるスタイルで、熟成に時間もかかると言われている。もし、こうしたスタイルでプレーしているとすれば、ダブルスと違い、コート全面を一人でカバーしなければならないシングルスの状況では、確実な予測力、素早いフットワーク、確実なアプローチ力などが求められることになるわけだ。つまり、前に出る前に、後ろからストロークでしっかりと展開を作っていく能力が求められているのだ。ダブルスなら多少アプローチが甘くても二人で守っている分だけ、守備範囲も狭くていいし、相手のコースを限定することもできるが、シングルスでは単純に言ってダブルスの倍の範囲を守らなければならないのだ。
 よく誤解されているようだが、サーブ&ボレーヤーが勝てるようになるためには、サービスもボレーももちろん大切だが、実はアプローチの精度、すなわち、ストローク力の向上が必要なのだ。かつてのラフターがGSのタイトルを争えるほどの選手に化けた背景には、このアプローチ力の向上を、本人自身が真っ先に挙げたほどだ。
 したがって、こうしたケースのプレーヤーのシングルス向きの練習というのは、ストロークの練習ということになる。恐らく、短期間で効果は出ないだろうが、継続して続けていけば、シングルス、ダブルス共にいい影響が出るだろう。
 そうではない、自分はそんなプレーはしていない。技術的な課題ではないのだ、となると話が厄介だ。要は精神面か、体力面ということになる。先輩や身近な人とも十分に相談して、対策を考えて欲しい。
 はじめたばかりでシングルスがうまくいく、というケースはない、とは言わないが稀だろう。焦らず練習に励んで欲しい。

依頼内容415:アガシやロディックの振動止めの輪ゴムの結び方なんですが。真ん中の2本のストリングに縛ってるんですかね?それともどちらか1本に結んでるんですかね? 教えてください。

神奈川県のぐりぐりスピンさん

報告415:真ん中の2本のストリングだ。普通、1本だけ結んでも、振動を止められない。

依頼内容416:前回の回答、ありがとうございました。今回聞きたいのは、実は僕は去年のAIGジャパンオープンで世界のトップ選手を見て、プロテニスプレーヤーになりたい!と思いました。
 しかし僕はもう20歳…硬式経験はありません(軟式は中学で全国に出た事はありますが…)。やはり遅すぎる決断なのでしょうか?僕の心の支えは、17歳で本格的に始めたW.アーサーズと大卒後に本格的に始めたJ.ブーテルの二人の存在です。しかし、自分で調べたのですが…テニスはお金がかかるスポーツですね、というかお金持ちのスポーツですね。海外留学の一年相場は約250万円前後と聞いた事があります。こんな大金うちでは出せません、両親に相談したんですが…。
 国内のテニススクールにしても、見に行ってがっかりしました。全部ではないんでしょうが、インストラクターはちょっと研修を受けただけのような人達、試合形式はダブルスのみ。おばさんたちの社交場と化したコート…。こんな環境で世界標準の練習ができるわけがありません。
 少し話がずれますが、僕は日本のジュニア第一主義にとても腹が立ちます。他誌の記事になってしまいますが、ボブ・ブレットがジュニアの実績の無い人や、始めるのが遅かった人にもチャンスを与えるべきだ、みたいな事を言っていました。全くその通りだと思います。ジュニア育成は今に始まった事ではありません。しかし、日本でジュニアからプロになって通用していない人も沢山いるではありませんか!!ナダルやギャスケのような選手が日本から出ましたか?あのレベルの選手を出せないのならばジュニア偏重、他は切り捨て、みたいな姿勢は許せません。もう彼等を才能、の一言で片付けるのにはうんざりです。
 話を戻しますと、今僕ができだけの事をするならば、どういう事をしたらいいのか、またほんの少しの可能性であっても、プロになれるプロセスを教えてほしいです。今僕は大学生で、体育会のテニス部を見に行きましたが、軟式の経験だけで打ち勝てる程の人しかいない弱小クラブでした。だから入っていません。今はテニスをしていません。筋力トレーニングはしています。(不適切な表現があったかもしれませんが、僕には頼る所がなく、どうしていいのかわかりません。是非回答のほう、よろしくお願いします。不適切部分は掲載時削除してもらって構いません。)  

大阪府のコスタ最高!!さん

報告416:プロになるのは実に簡単で、ただ日本テニス協会に対してプロとして選手登録をすれば、大抵の場合問題なく、「登録上のプロ」にはなれる(ゴルフなどと違い、プロテストのようなものがあるわけではない)。しかし、依頼者がおっしゃっているのは、そういう意味ではないだろう。AIGジャパン・オープンに出て活躍するような、いわゆるトッププロのことだろうと思われるので、ここは真面目に報告していきたい。少々厳しい部分もあるかと思うが、全てが現実であり、本気であればあるほど重要な部分なので、手を抜かず報告したいと思う。
 最初に、調査団では依頼者の熱さがあれば、そして、それが途切れることなく続けば、全く不可能であるとは言わないし、依頼者のおっしゃる通り、ジュニア時代の実績がその後の選手生活に直結しているわけではないのも事実だろう(依頼者の苛立ちも理解するが、一部にやや誤解もあるようだ。これはこの後に詳しく報告したい)。
 まず、依頼者に対しては残された時間の短さを肝に命じて欲しい。今のテニスツアーは、年間20大会(つまり、年間の半分程度)は大会に出場していないと、ランキングを維持、上昇させにくいため、体力的に30代を超えて活躍できる選手が極端に少なくなっている。依頼者は現在20歳だというから、あと10年ない(加齢による肉体の衰えは個人差こそあれ、誰にでも訪れる例外のないものだ)。ジュニア時代、例えば7歳からテニスを始めた人と比べると、13年の差がすでに存在する。依頼者はこの差を残り10年以内、正確には数年以内に追いつくだけでなく、トップに出るということは、追い抜く必要があるのだ。これは生半可なことでは難しい、というのは理解できるはずだ。
 目の前にある厳しい現実をあらかじめ覚悟しておく必要がある。テニスの世界は完全に実力と実績の世界であり、熱意や一生懸命さは尊ばれはしても評価はされないという厳しい世界だ(もちろん、ジュニア時代にどんなに輝かしい実績があったとしても、ツアーに出て勝てなければ、それは思い出話になる)。依頼者は20歳の立派な大人。ここは現実的なお話をしよう。20歳を超えた初心者に近い人をスポンサードしてくれる団体・企業はないであろうから(何しろ、今の日本では日本のトップでさえスポンサー難で苦しんでいるのが現状なのだ)、自力である程度は捻出しなければなるまい。これは個人競技である限り、どのスポーツでも同じで、テニスに限ったことではない。スポーツというのはお金がかかるものなのだ。ゴルフでも同じだし、モータースポーツはもっとお金がかかるスポーツだ。陸上競技でも、器械体操でも全て同じなのだ。「テニスはお金持ちのスポーツですね」と世の中でもよく言われるが、競技としてのテニスをスタートさせたいと願うなら、これは言い訳にもならないと心得るべきだろう。実際、国内の選手でも自分で稼いだバイト代を元手に選手活動をしている選手はゴマンといる。依頼者のおっしゃる「世界標準の練習」という意味がよくわからないのだが、もし、「何不自由なく、競技に専念できる状態」というものだとしたら、要するにテニス三昧の生活なのだから、お金がかかるのも当たり前だ、とは考えられないだろうか? 実際、ツアーレベルの選手でさえ、収入の問題で個人コーチもつけられず、練習環境もままならないまま戦っている選手だっていないわけではない。何不自由ない状態なのはトップ50位台以上ではなかろうか。
 確かに野球やサッカーなどのチーム競技では、クラブチームに入ることさえできれば、その後のお金の心配は減るが、まずチームに入るためには相応の実力を身につけなければならず、それまでにはお金もかかっている。また、チーム競技では自分で進退を決められないという側面も考慮しなければならない。チームに「クビ」を宣告された瞬間、本人が望むと望まざるとに関わらず、競技を続けることはできないというデメリットがある。テニスの場合、自分が望む限り、また、資金が続く限り選手生活を続けることはできるし、野球やサッカーと違い、引退後も一般愛好家の多い日本であれば、テニスコーチという職業の選択肢もないわけではない(野球やサッカーでは、引退後に職業としてそのスポーツを続けられるという人はとても少ない。一方、日本のテニスの場合、一般愛好家が数多く存在しているため、テニススクールも数多く存在し、彼らを指導するコーチという選択肢も存在している)。正直、テニスは恵まれている部類に入れていい競技、という声が他の競技スポーツの選手たちからは数多く聞かれるほどだ。
 話が逸れた。依頼者が選手になる方法を報告せねばならないのだった。
 現時点で世界に通じる日本国内の男子の国際大会はフューチャーズレベルが6〜7大会(開催数は年によってやや差がある)、チャレンジャーレベルが1大会(現時点では全日本室内のみ)、ジャパン・オープンが1大会で、計10大会程度しかない。これらに出場するために必要なのは、まずATPポイントだが、フューチャーズの予選ならATPポイントがなくても出場できる可能性はある。しかし、ノーランキングの選手が多ければ、JOPなどの国内ランキングポイントで序列が付けられるので、全くのノーランキングだと、予選にもエントリーできない可能性もある(というか、高い)。
 全くのノーランキング、ノーポイントでもエントリーできる国際大会は、サテライトレベルの予選になるが、現在、国内では開催されていないので、海外の大会に出るしかない。または、国内のいわゆるJOP大会の予選にエントリーして、勝ちあがってJOPランキングを取得し、国内のフューチャーズの予選に出るという方法もある(現在ではこれが最も普及している方法)。
 海外留学も視野に入れておられているようだが、ごく一般的に言うと、海外のテニスアカデミーでも「実力のあるプレーヤーは優遇するが、そうでないプレーヤーはそれなり」というのが普通だ。だから、20歳で0の状態で海外留学をしても、身につくものがあるかどうかは、本人次第ということになる。
 もちろん、周囲には全世界から集まってきた選手の卵たちがいて練習相手にも、刺激にも事欠くことはないだろうし、優秀なコーチもいれば、コートもボールもあるだろうし、そこで頭角を現せば、スポンサーを探しやすいことも間違いはない。ただし、「テニス選手養成学校」というムードのイメージで行くと、大きく間違えるだろう。もし、生徒がクラス分けかなんかされ、きちんと整えられたカリキュラムがあり、卒業する頃にはある程度のランキングが「保証」されるような技術が海外のキャンプに行けば身につく、なんていうイメージが頭の隅っこにでもあるとしたら、そんな場所は世界中のどこにもないと考えてちょうどだ。むしろ、「なんにも教えてくれなかった」と話す経験者も少なくはないというのが現実だ。テニスに限らず、一般的に海外の学校では「教えて」はくれない。あくまでも「自ら学ぶ場」。自分であらゆる状況に挑んでいかなければ、結局ただ外国でテニスを練習してきただけ、ということになりかねないだろう。
 せっかく大金をはたいて海外に行くのなら、そのアカデミーの周囲が数多くの大会を開催している地域であることが望ましいだろう。何しろ依頼者の目標は選手として活躍することであり、技術の習得ではないのだから、どんどん試合に出場し、その中でジュニア時代からプレーしてきた選手の倍、いや、10倍以上の速度でテニスという競技を体得しなければならないのだ。練習と同時に可能な限り多くの試合に出た方がいいと考えられる。
 ただし、この考え方にも二通りある。一つ目は練習以上にとにかく試合に出ることで経験とポイントを積み上げること。もう一つは、試合にも出るが、とにかく練習を中心に積み上げて、技術を数年間で磨き、ある程度の技術的なバックボーンを整えてから試合に臨むという方法だ。
 前者はどちらかと言えば国際的な考え方に基づく方法で、後者は日本的な考え方に基づく方法と言えるかもしれない。もしくは、前者が体格や身体能力に元々恵まれている選手の方法だとすれば、後者は人並みか、それ以下の身体的条件の選手の選択肢と言うこともできるだろう。例えば、190cm以上で、普通にサービスするだけで220キロ出せるという人であれば、細かな技術を磨く時間があったら、サービスだけで勝負する方法を選択して、どんどん試合に出て経験値を積み、試合の中で磨いていくという方法が選択されやすいだろうし、そうでないというのなら、何の武器もない状態で試合に出ても勝ち目がない、だから練習で何かの武器をとにかく身につけていく、という考え方だ(ま、後者であっても全く試合に出なければ、自分のポジションを測る物差しがないので、試合に出て自分に何が足りないかを考えつつ、練習しなければ意味はないが……)。最終的にどちらを選ぶかは依頼者が決めること、としか、依頼者を全く知らない我々は言えない。
 また、テニス界がジュニア偏重というのは、何も日本だけの現象ではない。いやむしろ、テニス強国と呼ばれる国の方がさらにシビアに淘汰していると考えた方がいい。どんな国であっても、20歳で初心者に近いプレーヤーには、そのプレーヤーに誰もが認めるような輝かしい才能でもない限り、スポンサーは付かないだろうし(または20年に一人の美貌があるとか、マイケル・ジョーダンが野球に挑戦した時のように、すでに他の競技で一流と呼ばれた実績があるとか……)、相当の努力と才能がなければ、周囲もプロになるのを勧めたりはしないだろう。アーサーズが17歳から本格的に競技テニスをスタートさせたのは事実だが、それ以前にもテニスをプレーしていた過去があり、かつ、彼は身の丈190cmを超え、200キロを超えるサービスを持つサウスポーであるという点も考慮しなければならないし、ブーテルの場合も同じで本格的に始めたのが遅かったというだけで、そこから初心者としてスタートしたわけではない。彼らの場合も、スタート時点ですでに相当なレベルにあったから、周囲も「プロでプレーすれば?」となったり、本人も「自分はプロでもやれるのではないか」と考えたはずだ。
 ジュニアでの実績に関わらずチャンスを与えるべき、始めるのが遅かった人にも……、というのは全く同感なのだが、ここでも現実を冷静な目で見なければなるまい。テニスはチーム競技と違い、個人で活動でき、かつ、エントリーもできるという意味で、非常にオープンな競技だ。実力さえあれば、大会の予選を勝ちあがって、本戦に入ることもできるし、実力があれば巨万の富を手にすることもできるメジャーなプロスポーツだ。協会などの組織がジュニア層以外には手を貸さない、ジュニアの実績偏重だ、というならまだ話はわかるが、テニスの大会エントリー&ランキングシステムから考えて、根本的に「他は切捨て」ということができるシステムではない。現実として、「ジュニアの実績がないから選手になれない」などということはありえない仕組みになっている(スポンサーがつかない、という話はあるが、これは企業活動である以上、ある程度は仕方のないことで、限られた予算を有効に使うという観点から見れば、外部が意見できる種類のことではない)。むしろ、現場の指導者たちが悩んでいるのはこの正反対で、「この子は今はまだまだだが、20歳を過ぎたらきっと良くなる」というタイプの選手が、ジュニアで実績が残せなかったという理由で、テニスから離れてしまうことだと訴える例の方が多いのだ。
 ブレット氏が言いたいのも(原典が不明なので、依頼者のおっしゃっていることだけを基に判断するとすれば)恐らくその部分で、「ジュニアで実績が残せなくてもあきらめる必要はない」、「始めるのが遅くてもあきらめる必要はない」という意味だろう(ただし、ブレット氏は「テニスに身長は必要ない」と言って日本人を喜ばせた直後、「185cmもあれば十分だ」と言って日本人を落胆させた過去のある人物なので、「いつまでならいいのか?」など各論においての検証は必要そうだが……。いや、蛇足です…)。「チャンスを与えるべきだ」というのが、企業などのスポンサーに向けられた言葉なのか、選手の活動に大きな影響を及ぼす親や支援者に向けられた言葉なのか、はたまた誰かの誤訳なのかはわからないが、前述した通り、テニスは個人競技で、基本的に最下層の大会からのスタートであれば、どんな選手でも、最下層の大会の予選にはエントリーできるオープンな種目。チャンスはどこにでも転がっており、それは理論上、誰にでも掴むことができるものだ。以前、本誌のコーナーで検証したが、最下層のトーナメントからのスタートでも、もし、全てに勝ち抜いていけば、最短で3カ月でGSの予選に辿り着けることがわかっている(出る大会の全てに勝つ、というのが前提のあくまでも計算上の話だが……)。扉は開いているのだ。あとは飛び込むだけの問題だ。非常に突き放した言い方をするとすれば、飛び込むためにお金がかかる、周りの環境が整わないなどという話は愚痴でしかない(これはすでに実績のあるプレーヤーや、周囲の誰もが認めるような才能の持ち主が同じことで悩んでいれば、「あれだけの実績or才能がある選手に何の支援もない」という具合の論理が成り立つが、それがない場合、あるいは不透明な場合においては、プロスポーツの世界では成立不能の論理となる。わかりやすく言えば、周囲の誰もが認める成績優秀な学生が大学進学を望むのに学費がないというのと、成績は並、もしくは未知数だが「とにかく大学に行きたい、でも学費がない」と訴えている場合の違いに似ている)。飛び込んで成功すれば、億万長者にだってなれるのがプロスポーツという世界。ノーリスク・ノーリターン。しかも、プロスポーツはとびきりハイリスクな世界で、それを飛び込む前に心配するのは、そもそもの資質に問題があるとしか言いようがないからだ。チャンスはつかむもので、誰からも与えられるものではない。テニスのコーチというのも、自分で探すもので、向こうから来てはくれないものだと心得て欲しい。
 ナダルやガスケも引き合いに出されているが、彼らのような存在は、フランスやスペインでも例外で、むしろ世界的な例外と分類するのが適当だろう。それに彼らはまだ結果が出た選手ではなく、今後伸び悩んでしまう可能性だってある。少し冷静になって欲しいと願う。
 今はテニスをしていません、とのことだが、選手になりたい、とお考えなら、まずはテニス協会に選手登録をし(登録方法に関しては日本テニス協会のホームページを参照して欲しい)、どんどん一般大会に出られた方がいい。最初は予選からになるだろうが、とにかく時間がないのだ。
 はっきり申しあけると、20歳でトップクラスを目指す、というお話は一般的にいうと「荒唐無稽」な話であり、また、大変なお金がかかることでもあり、誰にでも勧められる話ではない。調査団が光明を見出しているのは、依頼者が中学時代に軟式で全国レベルだった、という実績をお持ちだというお話だからだ。軟式のトップレベルの人なら1年もあれば硬式でも同程度まではいける、と断言するコーチもいる。しかし、とにかく時間がないということだけは重々意識しておいて欲しい。今はテニスをしてない、とのことだが、どんどん試合に出るべきだと思う。それが現段階では、唯一の道だと考えられる。

依頼内容417:始めまして。最近テニスをやっていて浅いボールしか打てないようになったのですが・・・・ どうやったら深いボールが打てるようになりますか? 教えてください

北海道のベンさん

報告417:全く依頼者を見たことがなく、かつ、この短い依頼文から我々が想像できることは少ない。依頼者が若く、成長期であることを考えると、スピンのかけすぎか、相手が強くなってきてボールの勢いに押され始めているかのどちらかだろうと思われる。深く考えず、バックフェンスにボールを当てるような勢いでラケットを振りぬく練習から再スタートしてみて欲しい。厚い当たりで打つ感覚を取り戻せれば、恐らく大丈夫だ。まずは、どうしてそうなったのかを自分で考えてみて、自分なりの結論を出してみて欲しい。それが問題の解決の道であり、成長というものなのだ。

依頼内容418:サーブについての質問なんですが、私はインパクトの瞬間まで出来るだけボールを見ようとしていたのですが、プロの連続写真を見てみるとインパクトの瞬間は顔が前を向いている事に気がつきました。そこで質問なのですが、どの瞬間にボールから目を離してインパクトの瞬間はどこを向けばよいのでしょうか?それと友達から聞いた話なのですが、ラケットのヘッドに鉛をつけるとサーブが早くなるらしいのですが、ラケットをトップヘビー化するメリットとデメリットを教えてください。おねがいします。

大阪府のhirotoさん

報告418:まず、サービスで大切なのは何かをもう一度考えてみて欲しい。最後までボールを見ていることだろうか? 大切なのは、威力のあるサービスを、きちんとコントロールすることのはず。ボールを最後まで見る見ないは、副次的な要素で、目的ではないし、どの瞬間に目線を切るか、なども同じだ。
 選手の中にも色々なタイプがいて、最後まで頭を残す選手もいれば、早めに前を向く選手もいる。これらも全ては「ラケットを早く振りぬこう」、「きちんとスイングしてボールを打とう」とした結果なのだ。肩や腰の可動域は人それぞれに違い、全身の筋力のバランスも違う。自然と、一番ラケットを早く、かつスイングをコントロールしようとした時の形も微妙な差が出てくるものだ。
 サービスのフォームがある程度できあがっている人の場合、そのチェック場所として、目線を気にしたり、左手の挙げ方を気にしたりということはしている。例えば、「今日は何かサービスが乱れるな」と感じた時に、「あ、そういえば今日は目線を切るのが早いな」と気付けば元のフォームに戻れるという具合だ。その意味では依頼者が「最後までボールを見る」というチェック項目を否定するものではない。ただ、目的は速い、あるいは威力のある、あるいは確実にコントロールできるサービスを打つことであって、最後までボールを見ることではない、ということだ。
 ラケット先端の重りについてだが、先端部が重くなるトップヘビー状態のメリットは、ラケットの慣性モーメントが上がることだ。つまり、一度加速させれば、ラケットがその速度を維持しようとする力が強くなるということ。極端に言えば、ヒモの先端に重りを付けて、ぐるぐる回す状態を想像して欲しい。これがトップヘビーという状態だ。トップライトというのは逆で、重りの側を持ってヒモをぐるぐる回す状態。イーブンバランスというのはその中間で、同じ太さの棒をグルグル回している状態と考えればいい。
 と、以上の要素から想像していただければ理解できると思うが、トップヘビーなら、ボールを打つ場合に、ラケットがより大きな力を貸してくれることになる。ただし、その反面、急な反転動作、テニスならボレーなどでの取り回しが難しくなったり、スイングを開始した後の微調整がしにくいなどのデメリットが出てくる。サービスが速くなる? うーん、一度加速させられればスイングスピードが空気抵抗などで落ちにくいので可能性はあるが(また、理論上は、重くした分スイングの加速自体に余計にパワーを要求されるようになる)、ほぼ静止状態のボールを加速させる運動のサービスよりも、相手から飛んでくるボールを打ち返す場合により効果を体感できるはずだ。

依頼内容419:ミカエル・ペルンフォースのファンでした。最近私もプレーしていませんが、この間の全米オープンにジミー・コナーズやクリス・エバートが出ているのを見てふと思い出してしまいました。彼は今どうしているのでしょうか?

埼玉県の埼玉のちんげん先生さん

報告419:ペルンフォルスと言ってもご存知ない方の方が今では多いだろう。1963年生まれのスウェーデン人プレーヤーで、86年の全仏で準優勝、90年全豪でベスト8など80年代中期から90年代中期までの約10年間、トップクラスで活躍した選手だった。実は96年頃までは大会に出場しており、現役の長かった選手だ。
 現在の彼が何を生業にしているかまでは不明だったが、彼は選手としてシニアツアーで活躍している。シニアツアーは日本にはあまり情報が流れて来ないが、マッケンローや、フォルジェ、ルコントなど往年の名選手たちが出場していて、欧米では人気種目になっている。ペルンフォルスもその中でプレーしていて、なかなかの成績のようだ。
 せっかくインターネットに接続できる環境をお持ちのようなので、検索エンジンなどでペルンフォルスを探してネットサーフしてみてはいかがだろうか? 世の中、いかがわしいサイトも少なくなく、ネットサーフィンという言葉もやや過去のものになりつつあるが、新しい世界が開けるかもしれない。

依頼内容420:いつも楽しく読ませて頂いております。私は毎年欠かさずジャパンオープンを楽しみに見に行ってます。そこで質問ですが、今年も全米チャンピオンのロディックの欠場でメイン選手が減ってしまい楽しみが半減してしまいました。プロのテニス選手はハードな世界で怪我や疲労など出場できない理由は色々あると思いますが、ジャパンオープン等の大会で選手が欠場すると、その選手に対して罰金等のペナルティーはあるのでしょうか?私の見たい選手ほど欠場するような気がします。

神奈川県のあがちっちの父さん

報告420:ロディックのようなトップシード級の選手が欠場することによる痛手は、楽しみにしていたファンにとってはもちろん、大会や大会のスポンサーにとっても大きな痛手。当然、罰金が制度化されている。
 ちなみに、プロのテニス選手の場合、その大会に出場するという意志表示は一種の「契約」となる。つまり、一度出ると言った大会を欠場するのは、基本的に約束違反と見なされるため、故障などのやむをえない場合を除き、出ると約束した大会には出なければならない道義的責任とプロフェッショナルとしての責任が同時に存在している。ここをしっかりと理解しておいて欲しい。アマチュアのスポーツではなく、プロのテニスは興行でもあるのだ。「そんな、選手だって出たくないもん、っていう気分の時だってあるはずじゃない!」と選手を愛するファンの気持ちもあろうが、プロテニス選手の欠場は俳優で言えば、舞台に穴を空けるという意味でもある。気分次第でドタキャンするどっかの女性デュオのような状態は許されていないのだ。
 さて、選手がやむなく大会を欠場する場合、大会の始まる前の週の金曜日の正午まで(アメリカ東部時間)に、その旨を申告しなければならず、それを過ぎての欠場は罰金の対象となる。逆に言えば、それ以前に申請していれば正当な欠場ということだ。前週の大会の最後に故障を発生してしまったり、前週に決勝まで戦っていた場合はその限りではないようなのだが、規則の文言上は欠場の申告と、罰金の支払いに例外例は特別設けられていないので、申告が遅れれば、一律に対象と考えてもいいだろう(実際、03年のフューチャーズで日本のある選手が決勝まで勝ち残ったのだが、彼は翌日からスタートするインドのチャレンジャーにエントリーしていた。予定通り午前中に決勝を終わらせられればギリギリ間に合ったらしいのだが、その日は生憎の雨。試合は午後になってしまった。その結果、彼はインド行きの飛行機に間に合わず、フューチャーズの優勝賞金額並の罰金をATPに支払わなければならなくなった事件も起きている)。
 罰金の額はその選手のランキング(最も新しい)で決められている。例えば、03年の場合だと、ランキング2位の選手が、期限までに欠場の申告を怠った場合、最低でも5000ドル、最高で8万ドルの罰金が制度化されている(その年何度目か、などでスライド式に罰金額は増額される仕組)。
 罰金額は大会の格式や、ドタキャンの回数などで決められ、特に悪質であると見なされた場合にはATPが特別に制裁金を課す場合もある。
 詳しくはATPのホームページにあるATP Official Rule bookに出ているのでそちらの最新版を参照してみて欲しい。
 それから、依頼者が見たい選手に限って……、というお話は泣ける。多分、同じようにお考えの皆様も数多くいるのではなかろうか。ジャパン・オープンを長くご覧になってきた依頼者であれば心当たりがあるかとも思うが、97年にサンプラスが欠場して以来、大会ポスターをある選手が一人で飾ると、その選手が来日しない、という事態が数年連続で続き、いつの間にかポスターがメインの選手一人ではなく、複数の選手で構成されるデザインになってしまっている。大会側の苦心、良心の呵責、そして予防策が見え隠れするではないか……。

依頼内容421:埼玉県内川越市、富士見市でテニスサークル活動しています。最近活動を始めたばかりですが、試合にもでたいと思ってます。川越市周辺で社会人テニスリーグみたいのはありますか? レベル的にまだまだなので、初中級くらいででれる部で団体戦があれば教えていただきたいです。

北海道のシュガーさん

報告421:埼玉県で活動されている、北海道の依頼者……。ま、いいか。
まずは川越市か、埼玉県のテニス協会にお問合せいただいた方がいいだろう。日本テニス協会のホームページをまずは参照されることをお勧めする。草トーナメントであれば、数多く開催されていると思われるので、本誌の草トーナメント情報のコーナーも参考にしていただけると幸いだ。

依頼内容422:日本テニスの特徴って何ですか?

北海道の隼さん

報告422:またも北海道…。北海道はテニスブームなのだろうか?
 日本テニスの特徴は? という問いに対し、現時点で世界で語られているのは、という意味で報告するとすれば、主に女子の特徴になる。というのも、男子にはまだ世界的な活躍選手がまだ層として存在したことがないからで、「特徴」を評価するほどの数のサンプル数がないからだ。以下はそういうつもりで読んで欲しい。
 世界で言われる日本テニスの特徴は、皆、最後まで試合を諦めず戦い抜くということ。早いタイミングでボールを捕らえて展開し、フラット系のボールを多用すること。試合中に表情を変えないため、感情が読みにくく、何を考えているかわからないこと。などが挙げられている。
 また、ジュニア年代まで目を落とすと、コーチの言うことを素直に聞く選手が多く、また練習熱心なので上達が早いという評価もあるらしい。
 実は最後まで諦めず戦い抜くという特徴は外国人選手から見ると相当恐ろしいものに写るらしく、相手が日本人選手となると対戦相手の外国人選手も最後まで油断したりしないのが特徴的だ(03年のウインブルドンで0-6で1stセットを奪われた浅越がハンチュコワを逆転、ハンチュコワに泣きべそをかかせた試合が象徴的と考えていただいていい)。また、日本人選手のボールはバウンドが低く、深く入ってくると手強いというのも良く知られている。
 意外に思われるかもしれないが、海外での日本人選手の評価は総じて高い。日本テニスに関して嘆く声が日本国内に充満しているのは、現状に満足しない向上心の高さからなので無理はないことなのだが、コーチたちや選手本人たちが嘆くのはいいとして、ファンまで同じ調子だと日本のテニス全体に元気がなくなってしまう。日本のテニスの美質は世界に誇れるものがある。あとはトップカテゴリーでの経験を積んでいければ、必ずやトップクラスで活躍できる選手が多く出てくるはずだ。
 ……若い読者は知らないかもしれないが、今から15〜20年ほど前のサッカーファンたちも同じ思いをしてきた。Jリーグになる以前、日本のサッカーは企業スポーツであり、プロではなかった。社会人リーグである日本サッカーリーグの試合には閑古鳥が鳴き、観客が満杯になるのは海外のチーム同士が戦うトヨタカップぐらいだった。
 自然と海外の有名選手の名前はたくさん知っていても、日本人選手で知られている名前と言えば、奥寺康彦とか水島武蔵らの海外組と、日産の木村や柱谷兄弟、読売クラブの戸塚などの代表選手、大ベテランのヤンマーの釜本ぐらいで、冬の高校サッカーで活躍した選手の方が社会人の選手より知名度が高かったほどだ。ちなみに雑誌も報道記事は今と同じくあるものの、技術企画も幅をきかせていた。サッカーのイベントには必ずと言っていいほど、子供向けのサッカークリニックがあり、現役選手や引退した選手たちが子供たちに熱心に指導していたものだった。
 ……なんだか今の日本のテニス界と酷似しているではないか。
 違っているのは、日本のサッカーはいつかW杯に出られる日が来るとファンは信じていたことだ。確かに口では「日本のサッカーはさぁ…」と言いつつも、試合を見ている時には熱い気持ちになったものだったのだ。そして、それがファンたちにとって、一つの共同幻想でもあったのだ。そういう歴史を経て、日本でW杯が開催され、U-20の代表の試合までテレビで同時中継されるように成長した今日がある。
 テニスファンには日本のテニスの将来について、熱い、そして明るい理想像を常に持っていて欲しいと願ってやまない。

依頼内容423:片手ジャックナイフというのは存在するんですか? 存在するとしたら打ち方を詳しく知りたいんですが・・・・・・。

北海道のhayaさん

報告423:ある。最近は特に意外に良く見かける。両手打ちの場合とあまり大きな違いはないが、右足支持で立ち、テイクバック時の左手での引きつけをいつもより我慢して振り抜くという形になる。北海道ではなかなかプロの試合を見る機会は少ないと思うが、もし、お近くでプロの大会など(国内大会なら北海道にもいくつかある)が開催されていれば観戦に行かれるといいだろう。運がよければ何度か見られるかもしれない。

依頼内容424:ラケットを買い換えようと思いカタログを見ていたのですが、長いタイプと短いタイプのものがあったのでメリットとデメリットを教えてください。

神奈川県の森のくまさん

報告424:ラケットの機種によって大きく異なる分野なので、ひじょーに大雑把な話になるのだが、長いことのメリットはズバリ、その長さにある。
 棒状のものを、軸を持った形で円運動させた場合、先端にいけばいくほど移動距離が長くなるぶんだけ速度は速くなる。これは中学か高校の物理や数学でも学習することだ(いわゆる角速度だ)。これをテニスに例えると、同じスイングでも、長いラケットの方がヒットポイントのスイングスピードが上がるという意味になる。今から7、8年ほど前に「長尺ラケット」のブームがあったが、その時にはこの効果がしきりと喧伝された。
 しかし、冷静に計算してみればわかるのだが、1インチか1.5インチ程度長くなったところで、スイングのエネルギー自体が同じだとすると、変わるのはせいぜい数パーセント。誤差の範囲でしかない(重量のバランスの違いによる慣性モーメントの違いにまで目を向ければ、もっと大きな違いが出る可能性ももちろんあるが、純粋にラケットの長さだけに言及すると、数字上にはその効果は確かに現れるとはいえ、実際の使用者の段階ではあまり変わらないだろう、という結論となる)。
 つまり、ラケットを1インチ長くしたからと言って、150キロのサービスが170キロになる、ということは考えにくいわけだ(長尺ラケットブームの牽引役となったチャンは当時、最速で210キロのサービスを打っていて、「長尺効果」だとしきりと騒がれたが、ラケットを1インチ長くしたぐらいで、40%もサービスの速度が上がるなどということは物理的には考えにくいので、これは彼のフィジカルの充実に負うところが大であると考えるのが自然だろうと思われる)。あまり過度の期待は禁物だ。
 ある人気漫画で非常に長いラケットを使ってすごいボールを打つキャラクターが描かれていたが、現在のルールでは、ラケットの長さは通常サイズの27インチより2インチ長い29インチというのが長さの限界。2インチは約5センチなので約ボール1個分打点が遠くになる。同じスイングスピードだとすれば、打点では5%程度スイングスピードが速い計算になるが、100キロのストロークが105キロになった程度なんて体感できるほどの差ではない。むしろ、ボール1個分の誤差の方が感覚としては大きくなってしまいかねない。
 ようするに、実際に使ってみて、使いやすい方を使えばよい、という結論になる。
ただし、今まで通常の長さのラケットを長く使っていた人が、ラケットを長くした場合、違和感があるという話も実際によく聞かれるので、もし可能なら、試打用のラケットを借りてみるか、同じタイプのラケットを持っている人にお願いして試打させてもらうといいだろう。

依頼内容425:一藤木貴大選手が日本の大会に来ると今月号の記事に書いてありましたが、どの大会に参加予定か教えてください。

千葉県のコック野郎さん

報告425:どうにもおだやかではないペンネームだ。
 さて、これは03年12月上旬での情報だが、一藤木貴大選手(プロに転向するらしいので、選手と呼んでおきたい)は、確かに日本でJOP大会に出場する予定があった。しかし、04年の初めに現在の拠点であるスペインでの一般大会に出場できることになったため、国内大会への出場予定は白紙となったとのことだ。詳しくは彼のお父様のコラムが本誌で連載中なので、逐一チェックしていただけると幸いだ。

依頼内容426:最近アガシはガットを、縦糸にルキシロンの「アルパワー」を試していると聞いたのですが、昔はアッシャウェイの「ケブラー16」でしたよね?今はどっちを使っているか調査お願いします。あとテンションも分かればうれしいです!

兵庫県のもももさん

報告426:アガシという人はサンプラスと違って、あれで意外に「いい」と思ったら色々と試すタイプの選手として知られているので、今、何を、という問いに対する回答のしにくい選手だ。もちろん、テンションに関しても同様で、試合によって、その日の体調によって、気温、湿度によって、出場する大会の使用ボールによって変えている可能性が高い選手でもある。コートに数種類のテンションのラケットを持ち込んで、サービスゲームとリターンゲーム、試合の前半後半で使い分けていた、というのはチャンが有名だが、アガシも同じことをしている(いた?)という話も聞いたことがあり、これまた難しい問いとなる。
 おっしゃられるように彼がポリ系ガットを試していた、という話も聞いたことがあるし、依頼者のおっしゃるメーカーの名前も聞いたことがある(我々の元には虚実入り乱れてはいるものの、様々な非公開情報が入ってきていて、その中にはもちろん選手の用具情報もある)。しかし、どのメーカーのどのブランドで、どのゲージか、今もまだ使っているのかなどに関して、彼はガットメーカーと契約して使用しているわけではないので、仮に判明したとしても、このコーナーではその品名などを公開することは原則としてできない。特にアガシ級の選手だと、彼が何を使っている、ということ自体が広告となってしまうからで、そこに大きな利害が生じてしまうからだ。
 非常に申し訳ないのだが、この件に関して報告するのは、一応テニス専門誌のホームページである当コーナーでは限界がある。どうかご理解いただきたい。

依頼内容427:三度目の投稿(依頼)です。随分以前の(依頼内容77)と同じ依頼になりますが、現在シニアーツアーに出ているはずのジミー・コナーズが使用しているラケットは何でしょうか?いろいろとネットで検索したのですが、ひっかかりません・・・。ますます中年のコナーズに再び愛の手を!

埼玉県のちんげん先生さん

報告427:コナーズの大ファンとおっしゃる依頼者には少し悲しいお知らせだが、我々が少し前に得た情報ではコナーズは今はシニアツアーも引退していると思う。「あの人」のことなので、また舞い戻ってくる可能性がないわけではないが、彼も04年には52歳。さすがのシニアツアーでも「世代交代」と相成ったと聞く(何しろ最近のシニアツアーにはコルダだとか、ビランデルだとかも出ているのだ)。
 さて、彼が使用していた(る?)ラケットだが、最後に彼が使用していた、らしいラケットで我々が把握しているのは「ウェイベックス」社のラケットだ。Wavexと書く。
 コナーズの他、クリス・エバートもこのメーカーと関係を結んだらしいということが数年前に発表されていた。コナーズとエバート……。30年近い歳月を経て再び二人が…、なんてことは考えすぎだが、このウェイベックスのラケット、実は日本にも代理店が存在する。しかし、今もまだ活動されているかは不明だ。

依頼内容428:プロテニスプレーヤーについて質問があります。
@ATPランキングをあげてグランドスラムの予選に出るまでにはどうすればいいんですか?1番初めはチャレンジャーから始めるのでしょうか?これはどんなトッププロも通ってきた道ですよね…?
Aランキングの上位と下位ではあつかいにどのような差があるんですか?
BUSオープンでは日本人選手には日本食のお弁当が差し入れられるって聞いたんですけど本当ですか?他の国にもそのようなサービスがあるんでしょうか?
C参加賞とかは無いんですか?
多いですが、プロ選手の活動はまだまだ分からないことが多いので回答をお願いします。

北海道のテニスファン歴3年さん

報告428:まずは(1)から。
 ATPというか、男子の大会には下から順番にサテライト・サーキット、フューチャーズとあって、チャレンジャー、インターナショナル・シリーズ、テニス・マスターズシリーズ、グランドスラムとなっている。下の2つのカテゴリーはATPポイント対象の国際大会ではあるものの、ATPの管轄ではなく、ITFが管轄する大会となっている。全くのノーポイント、ノーランキングからスタートする、となるとまずはサテライトかフューチャーズの予選がスタートラインとなる。
 現在ATPポイントを1ポイントでも持っていると概ね1350位前後のランキングとなるが、1ポイント獲得を目指すレベルの選手の数も考えると、およそその倍から3倍の選手がいると思われ、全世界に大体3000〜5000名弱の選手がいると予想される。依頼者には申し訳ないが、チャレンジャーというレベルはかなり上のレベルの大会で、ここからスタートできる選手というのは、大会を開催する地元でかなり期待されているジュニアが主催者の推薦を得るか、その大会があらかじめ「ワイルドカード・トーナメント」のような大会を行なって、その勝者に対して主催者推薦を与えたなどのケースしかないだろう。
 まずはサテライトの予選に出場して勝ち抜いて本戦に上がり、3週間のサテライトサーキットを上位でフィニィッシュして、サテライトのマスターズに出場。優勝か準優勝してATPのポイントを獲得する。最下層のサテライトで優勝して得られるポイントは6ポイント。6ポイントは現在だとおよそ1000位前後に相当する。1000位前後まで来られれば、次は1週間単位での開催であるフューチャーズの予選に出場できる(正確には『可能性がある』だが)。早速出場して優勝したとすれば、フューチャーズで得られるポイントは12〜24ポイント。ここまでで合わせて30ポイント獲得したことになるがこの時点で予想される順位は500位台の後半だ。もう一度フューチャーズに今度は本戦から出場して優勝したとする。すると最大54ポイントまで上げられる。もう400位台の中盤相当となってしまった。ここまでくれば、レベルの低いチャレンジャーの予選なら引っ掛かる可能性が出てくる。早速出場して、またもや優勝したとしよう。2.5万ドル〜5万ドルのチャレンジャー優勝で得られるポイントは25〜50ポイント。25ポイント加算したとすると79ポイントとなる。これは300位台中盤に相当するポイントだ。欠場者が多いGSなら運が良ければ予選に引っ掛かる。
 と、ここまで、全て勝ってきたとすれば、要する時間はわずか7週間。さらに万全を期してもう1週チャレジャーで優勝すれば完璧で、130ポイント持っていれば200位台中盤に相当するので、よほどのことがない限り、GSの予選には出られる。
 つまり、2ヶ月間負けなしで突っ走れれば、ノーポイント、ノーランキングからでもGSの予選に出られてしまうのが、今のテニスの仕組みなのだ。
 ちなみに、「どんなトッププロも通ってきた道ですよね?」という依頼に関してだが、基本的にはYesなのだが、以下の例外も考えられる。
 まずはジュニア時代の実績から主催者推薦を受けてツアーレベルの本戦または、予選に出場させてもらった選手が、期待通り勝ってしまった例。
 アメリカ人、フランス人、オーストラリア人、イギリス人のどれかであり、ジュニア時代に大変有望視されていて、それなりに実績を残し、かつシニアにデビューする最初のシーズンだと、いきなり地元のGSの主催者推薦を得られてしまうケースもある。しかも、それで数回勝ってしまえば、ポイントもつくため、その後、1年間はそのポイントを生かしたツアー日程を組めるという例だ。
(2)上位と下位の扱いの差だが、大会規模での差と、同一大会内での待遇の差の2種類が考えられる。上位の選手たちが出場するいわゆる「グランプリ」だと、ホテルも一流と呼ばれるホテルが用意され、ホテルと会場の行き来にも専用のトランスポーテーションがサービスされ、会場内での食事もおいしい……、などなど、一流の待遇が与えられるが、下位のトーナメントはそのレベルに合わせてそれなりの待遇しかない。
 GSなどの同一大会内での上位と下位の待遇の差はシード選手か、そうでないかに大別される。シード選手であれば、試合の順番や、練習コートの都合などのリクエストが通りやすかったり、会場とホテルの移動もバスなどの乗り合いの乗り物ではなく、専用のハイヤーが用意されたりする。ウインブルドンなどはロッカールームがシード選手用とそれ以外で区別されているともいう。
(3)依頼者が聞いた原典が明らかではないので、確たることは言いにくいが、全米で日本人選手にお弁当という話は、大会から支給される公式のサービスではなく、ニューヨークで「日本」(通称レストラン日本)というレストランを経営する方の差し入れのことではなかろうかと思う。
 このお店のオーナーが大変なテニスびいきでいらっしゃって、全米に出場する日本人のテニス選手のほとんどはここにお世話になっているという、テニス界ではかなり有名なお店だ(ちなみに、このお店はクルニコワや、ミルニーなど外国人選手のひいき筋も少なくない)。もちろん、ニューヨークでもかなり有名な日本食レストランで、多くのガイドブックなどにも紹介されている。もし、機会があれば、全米の期間中に一度行かれてみるといいかとも思う。思わぬ選手との出会いがあるかもしれない(ただし、ここのお店には選手はプライベートで来ているので、決してサインをねだったり、写真を撮ったりしないこと)。
 他の国の選手たちの事情はよくわからないが、アメリカは移民の国なので、それぞれのコミュニティからのバックアップは多かれ少なかれ受けているのではなかろうか。しかし、これは大会からのサービスではなく、限りなくボランティアに近い形態だ。
 実は全米に限らず、他の大会を開催している都市でも選手たちの行き着けのお店というのが大概存在し、そのお店も大会期間中は選手をバックアップする、という光景はテニスの世界では珍しいことではない。
 ちなみに、メディアが行き着けのお店というのも存在する。選手たちのお店と大きく違うのは、そこが行き着けになる理由が価格的にひじょーにリーズナブルだったり、深夜までオープンしているという理由なのがメディア行き着けのお店の特徴だ。
(4)……参加賞? うーん。プロの大会において、賞というのはつまり賞金だ。プロであれば、その大会に出場した、というだけでたとえ予選の1回戦負けであっても賞金が出る。ちなみにGSの場合、本戦の1回戦に出場するだけで約150万円の賞金が出る。予選の1回戦負けでも約25万円前後の賞金が出るのだ。これが参加賞と言えば、参加賞だろうか……。

依頼内容429:もともとボレーは得意じゃないんですけど、今はまっていてうまくなってるのが自分でもわかります。特にドライブボレーがうまくなりたいんですけど、スピンがあまりかかりません。どうにか強烈なスピンをかけたいんです(おおげさにいうとテニスの王子様のドライブBみたいに)。いちからやりなおしたいのでできればかなり基本的なところから応用まで教えていただけないでしょうか?

鹿児島県の北野しょうたさん

報告429:まずはドライブボレーにそんなに強烈なトップスピンが必要なのか? というところから考えて欲しい。「ドライブ」という言葉の意味は「強打」で、トップスピンという意味ではないし、ドライブボレーは前に出て高い打点で叩き込めるのが前提のショットなので(スマッシュするほど高い打点は取れなかったが、普通のボレーで返すほど難しいボールではない時に選択されるのがこのショットだ)、スピンをかけてまでコートの中に「入るようにしなければならない」という必要性は薄いはずなのだ。
 ドライブBを打ちたい、という気持ちは理解する。で、あるならば、俗に言う「ボールを潰す」感覚で打ってみて欲しいと思う。トップスピンというと、「下から上にラケットを振ってボールを擦り上げる」というイメージが強いかもしれないが、ドライブボレーでトップスピンをかけたければむしろ、ボールをラケット面で叩き潰して潰れたボールが元に戻ろうとする勢いを利用するトップスピンの方が有効だろう。
 と、書くと「そのコツを教えて欲しい」という気持ちになるだろうが、これは人それぞれに感覚が異なるので、簡単には言葉で言い表しにくい。何度も練習していく中で自分なりの打ち方を見つけ出してみてほしい。

依頼内容430:僕はスピンサーブを打とうとしてもスライスとスピンの中間ぐらいの回転になってしまいます。どうしたらスピンサーブを打てるようになりますか?

千葉県のまさふみさん

報告430:依頼者を全く見たことがない状況で、この依頼文を読んだだけの情報ではなんともい言いにくいのだが、依頼者のおっしゃっているサービスの現状は恐らくいわゆるトップスライスという状態だと思われる。
 これは女子選手がスピンサービスの代わりに(女子選手は一般的に男子選手ほど腹筋と背筋の筋力がなく、反って打つスピン系サービスを苦手にしている。さらに言えば、女子選手の場合は両手打ちのバックハンドの選手が多く、中途半端なスピンサービスを打っても逆に叩き返されるわ、自分のバランスは崩れたりするわでメリットが少ないので、トップスピン系の回転はかかるが、打ちやすいので自分のバランスも崩さずにすみ、かつある程度スピードも安定感も確保できるトップスライスを多用している選手が多いのだ)使うサービスで、極めれば一般レベルではかなりの武器になるし、右方向へコントロールするサービスの一つのオプションとしても活用できる。
 ちなみに、スピンサービスをしっかりと、威力のあるやつを打ちたいのだ、ということなら、身体能力のアップとセットでやらないと効果が出ない。決して手先のコツでどうにかなる、というものではない。もし、依頼者が腹筋や背筋の筋力や、身体バランスに自信がない、という状態なら、まずはそこから始めないと根本的な解決にはならないと心得て欲しい。

依頼内容431:ラケットの付ける錘テープの事なんですが、つけると折れやすくなるという事はありますか? 友人から聞いたのですが、確証も持てないので教えてください。ちなみに軟式、硬式両方でお願いします。

埼玉県の学さん

報告431:杓子定規に「重りを付けたら折れやすくなる」とは言えないが、可能性はある。重りを付けるということは、そのラケットにとって想定外の負荷がどこかにかかるという状態が予見できるためだ。また、硬式・軟式の両方で、ということだが、基本的にラケットでボールを打つという行為に違いはないので、軟式でも硬式でもほとんど同じと考えていいと思われる。
 ラケットの機種やプレーヤーのスタイルによっても折れやすい場所は違うので、一概にここに張るとここが、という事例は挙げにくいが、重量バランス上、打撃時にどこかの部分に集中して負荷がかかりやすいバランスにしていると、可能性はある。超トップヘビーのバランスにしている、とか、だと危険性がないともいえない。
 しかし、今のラケットのほとんどはかなり丈夫なので、そう簡単には折れないと思うのだが……。

依頼内容432:最近各メーカーをチェックしていて思ったのですが、各メーカーの本社は何処の国なのか気になっています。そこで、各メーカーの国籍を是非調べてください。できれば、マイナーからメジャーまでコミで・・・

岩手県のacidさん

報告432:本社、という意味でいうと元々のルーツの国から別の企業体に買収されてしまったブランドも少なくないので、ここではルーツということで進めたい。
 まずはラケット。
 ウイルソン、プリンス、ガンマはアメリカ。
ヘッドがオーストリア、フォルクルはドイツ、ダンロップとスラセンジャーはイギリス、バボラはフランス、そしてブリヂストンとヨネックス、ミズノが日本だ。
 お次はシューズ。ラケットとかぶるブランドは割愛すると、
 アシックスが日本、アディダス、プーマがドイツ、ナイキ、ニューバランスがアメリカ、ディアドラ、フィラ、セルジオ・タッキーニがイタリアだ。ガットだと、キルシュバウムはドイツ、ルキシロンはベルギー、パシフィックはドイツ、サバレスはフランス、ボウブランドはイギリスだ。そして、ゴーセン、トーアストリングは日本だ。

依頼内容433:世界最速サーバは1試合平均どれぐらいの速さなのか。

兵庫県のD・テニスさん

報告433:依頼の趣旨が今ひとつ伝わってこないのだが、世界最速サーバーとは一体誰のことを指しての依頼なのだろうか? 記録を持っているのは239キロというサービスを打ったロディックとルゼツキーだが、彼らの1stサービスの平均速度を知りたいのか、それとも2ndを含めた平均速度なのか、年間を通じてなのか、ある1試合の集計でいいのかがわからない。
 選手というのはその日の調子や対戦相手のタイプや調子によっても、その日のサービスの速度は一定とは言いがたい。例えば、猛烈なサービスを持つことで知られるフィリポーシスだが、相手によってはわざとサービスの速度を落としてサーブ&ボレーに出やすくしていたりもする。根本的な部分で、選手たちは自分のレベルが上がれば上がるほど、スピードガンの数字を全くと言っていいほど意識しなくなるものだ。これは野球の世界でも同じなのだが、要は数字よりもタイミングの使い分けなのだ。
 どうしても平均速度が知りたい!! ということなら、せっかくインターネットに接続できる環境があるようなので、4大大会のスコアボードの試合記録の欄にある平均速度の欄を参考にされるといいだろう。
 しかし、速度の数字自体に、ほとんど大きな意味は見出せないと思うのだが……。

依頼内容434:今 コリアの使っているラケットは、「ツアーNXグラファイト」のミッドプラス・ミッドサイズのどっちか分かりますか?
 同じガットを緩く張る・硬く張る事によって、面安定性・サービススピードは変わるんですか?

北海道のコリア最高さん

報告434:コリアのラケットに関しては、プリンスさんに直接お問合せいただいた方が確実に早く情報が得られると思われる。
 また、ガットのテンションで面の安定性が変わったり、サービスが速くなるか、ということだが、杓子定規にこうだ! とは言いにくいものの、あるにはある。
 面の安定性は文字通り面が正しい向きに向き続けるかということ(より正確に言うならプレーヤーが向けた面を向き続けるか、となる。すなわち、プレーヤーが誤った面に向けていれば、道具はそれを補正はしてくれないので注意)。これは面が固くなるように高いテンションで張れば、面は板のようになるので可能性がないわけではない。やわらかい面だとやわらかい分だけ面自体の維持力が弱いため、ボールをコントロールしにくくなる、という可能性はある。
 サービスが速くなるか、に関してだが、これは逆に面の反発性を上げてやればその分だけガットがトランポリンのようにボールを弾き飛ばしてくれるようになるため、低いテンションで張れば速いサービスが打てる可能性はある。
 しかし、ここでも最大の問題は、やはり土台となるプレーヤー自身がそれなりに一定でなければこの差を体感しにくいということ。プロたちのレベルであれば、すぐに差となって現れる可能性があるものの、いわゆる一般プレーヤーのレベルでどこまで違いが出るか、となると、それぞれの環境によって様々だろう。恐らく、同じことを実行しても、プレーヤーによって効果があった、なかったと意見が別れるのではなかろうか。
 依頼者もとりあえずお試しのうえで、もう一度ご自身なりの結論を出された方がよかろうと考える。

依頼内容435:こんにちは!!いつも楽しく読ませてもらっております!!僕は部活動でテニスをしている学生でプレースタイルはフォアを中心としたストローカーです。フォロースルーは前に押し出しながらフィニッシュは上に来る基本に近いスイングです。そこで長所のストロークに磨きをかけて鋭いスピンをかけようと思い、参考のためにこのホームページやスマッシュでグリグリのスピンのかかったスペイン系や南米系選手の動画や連続写真を見ています。そこでふと思ったことがあるのですが「プロプレーヤーのフィニッシュはウエストの方に来ている」という事です。僕も強烈なスピンをかけるために「ヘッドの返し」を意識しながら打つようにしていたのですがかなりワイパー気味に振り抜かないとどうしてもコースのコントロールできません。しかし、このスイングだとスピンはかかっても押しのない「カラカラスピン」になってしまい「エッグボールに」近い強い球は行きません。やはり、フィニッシュを下にするスイングより基本どうりフィニッシュは肩の上に持っていくべきなのでしょうか???
 それとインパクトの際に「ジャンプする」利点を教えてください。

群馬県のフェレーロ頑張れ!!

報告435:過去にも何度か報告してきたが、テニスで勝敗を決するのはフォームやスイングではなく、ボールだ。その意味では依頼者の追求方法は間違っていない。
 スペインや南米系の選手たちのフィニッシュが肩の上ではなく、脇に向かうのは実は自然な動作であって特殊なことではない。厚いグリップで、オープンスタンスを使い、高めの打点をワイパーを使って振りぬけば、誰でも自然とそうなる。試しに素振りをしてもらえれば、簡単に理解できるはずだ。
 ただし、彼らのスタイルをそのまま導入しようとしても、今までそういうスタイルでなかったのなら、そう簡単に強いボールが打てるはずはない、とも心得て欲しい。何しろ彼らは気が遠くなるような激しい練習を経て、あのスタイルに辿り着いたのだ。
 よく誤解があるようなのだが、彼らが打つトップスピンはボールを擦って回転をかけているわけではない、ということだ。むしろ、ボールを叩き潰しつつ、かつ擦るという表現が適切ではなかろうか。つまり、かなり厚くボールとコンタクトしているのだ(厚いグリップというのは元々ボールを厚く叩けるという利点があるのを思い出して欲しい)。また、これは世界中の選手たちの中でも、彼らの際立った特徴であり、これを試合中ずっと継続し続けられるというのは彼らの体力が前提である、という点も心得て欲しい。擦ったり、面の上でボールを転がす、というようなイメージでは打っていないのだ(トップスピンロブや、ムーンボール系の時には別)。テレビなどで機会があればよく「聞いて」みて欲しいのだが、彼らがボールを打つ音にそのヒントが多く隠されている。一般プレーヤーがトップスピンを打つと「カシュ」とか、「スカッ」とかいった具合に音が小さいことが多いが、プロの連中のトップスピンはちゃんと「ボカッ」と音がしているはずだ。フラットで打ち抜いた時よりも音は小さいとはいえ、少なくとも決めにいった時のストロークではボールが叩き潰されたような音がしているはずだ。
 依頼者を一度も見たことがない我々に言えるのは、鋭いトップスピンのボールが打ちたければ、今までトップスピンを打ってきた時よりも逆に厚くボールとコンタクトして、かつスピンをかけられる打ち方を見つけて欲しいということだ。最初はほとんどフラットになってしまったり、ホームランになる可能性もあるが、めげずに練習していけば、依頼者に最も合った方法が見つけられるはずだ。
 その結果が依頼者に合ったスイングであり、フォームになるはずだ。
 最後に、ジャンプする利点だが、ジャンプしているのは結果であって、目的ではない。したがって、利点というのも後付の理由になる。軸を持った回転運動でストロークしようという場合、後ろから前の体重移動でボールを飛ばすというよりも、身体の軸を中心にした回転運動でボールを飛ばすという動作になる。このとき、地面を足につけた状態のままだと、身体を回転させ切りにくいので、結果的にジャンプしている、というわけだ。利点を探すとすれば、ジャンプすることで回転がしやすいこと。きちんと着地して、かつそこでバランスを崩さない人であれば、次への動作が機敏に行なえることなどが考えられる。

依頼内容436:〔フォア(セミウエスタン〜ウエスタン)で男女それぞれTOP1〜30位ぐらい〕の条件を満たす中で(プレイスタイルに関係なく)、サーブ・ボレー・ストロークの(全部を含まなくても、その内どれか1つでもOK)体の使い方などが上手いと思われるプレーヤーは誰ですか?(スイング・体の使い方などを参考にするプレイヤーを探しています。)
 タッチプレイヤ−というのは、一般的にどのようなプレイヤーを指すのでしょうか?

東京都のアッキーさん

報告436:「参考にしたい」と考えるサイドの人が、どんなタイプのプレーヤーかによって、「参考になる選手」というのも変化するものだが、「身体の使い方がうまい」という条件で、一般的に選択するとすれば、男子のストローク系なら、アガシ、フェレーロ、コリア、スリチャパンなどを筆頭に、トッププレーヤーならほとんどが当てはまる。女子ならセレナ、エナンなどが筆頭だろう。
 サービス系ではどういうサービスを目標にしているかによっても変わるが、ロディックやクエルテン、フィリポーシスなどは全身を使ったフォームだ。女子ならセレナ、エナンはもちろん、レイモンドやビーナスなども悪くはないし、ロシアのペトロワもいい。
 しかし、トップと言われる選手で身体の使い方がうまくない、という選手はあまりいない。もちろん、程度の差はあるが、腕力だけ、脚力だけでトップクラスという選手はいない。だから、誰の試合を見ても、必ずどこかは参考にできる部分があるはずだと思う。
……答えにはなっていないと思うが、正直、こうとしか答えようがない。