このコーナーは、本誌と連動する 『スマッシュ調査団』と『テニスフリートーク』で構成されています。
 『スマッシュ調査団』は、テニスに関する素朴な疑問を調査・解決していく、本誌で大好評連載中のコーナー。毎月寄せられる多くの依頼に本誌だけではとても答えていけそうにない。というわけで、インターネット部門を開設することになりました。このコーナーは随時更新していく予定なので、こまめにチェックして下さいね。依頼は、従来通り本誌宛へのお葉書はもちろん、インターネットでも受付けます。インターネット受付分から本誌への展開もあるので、「アレって何かな?」と思ったら、依頼してほしい!
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スマッシュ調査団
過去一覧              

依頼内容451:最近、男子も女子もトップ選手の世代交代が著しいですが、往年の名プレイヤーが現役全盛期の状態(身体能力、技術、使用ラケットなど)で今のトップ選手と戦うとどっちが強いのでしょうか?やはりラケットや技術の進化もあるので現代の選手のほうが強いのでしょうか? フェレーロのストロークにマッケンローがボレーで応戦とかちょっと見てみたい気がします

千葉県のマーボ&カレーさん

報告451:最初に言っておきたいのは、この話題に結論は求めない方がいいということだ。マッケンローの全盛期の記憶の鮮やかなファンにとっては、マッケンローの素晴らしさは神聖にして侵すべからざる領域だろうし、それはフェレーロのファンにとっても同じだろう。
 でも、この種の話題は実に楽しい。
 実はテニス関係者が大会取材やGSなどで一同に会すると、期間中一度はこの種の話題になる。もちろん、結論は出ないのだが、一致しているのは「テニスは進化したよねぇ」という点。だから、「もしあの時代に今のラケットがあったら、マッケンローというプレーヤーは出現しなかったかも」とか、「もし今の用具を持ってアガシがタイムスリップしたら、空前絶後の記録を残したかも」とか「サンプラスはタイムスリップしても、かなり昔に行かないと道具での優位性はないね」とかいった話になる。
 こうした話題は、話すサイドにプロのテニスに対する継続的な理解があって成立するので、「私はプレーはするんですけど、選手はあまり知らないんですよねぇ」という人や、「レンドルが引退した後はあまりテニスを見てなくて。今の選手はあまりよくわからないんですよ」という御仁が多いわが国ではなかなか話題にしずらい部分はあるのではなかろうかと思う。テニスを見ることが、やることと同じかそれ以上に大切にされていないと、なかなかこうした話題にはなりにくいはずだ(なったとしても自分が見ていた時代の常識との比較にしか発展せず、話もふくらみにくいのではなかろうか……)。だから日本のテニスコートでは技術的な話題が出ても、選手や大会の話題になりにくいのではなかろうかとも思う。出たとしてもそこで話されるのはやっぱり技術的なことだったりして……。
 さて、話題を元に戻すと、ラケットがウッドだった時代と、グラファイトになった後の差について、実はラケット以上に雄弁に物語っているアイテムがある。シューズだ。
 昔のシューズは今でもカジュアルシューズとして売られている製品があるので一度見て欲しいが、当時はあのシューズで試合ができたが、今では、できないというだけで、試合における動きやボールのスピード、そして展開の高速化が想像できると思う。また、ガットの進化もラケットの進化と共にすさまじいものがある。
 F1などの自動車競技を思い出して欲しい。一昔前なら、鈴鹿サーキットを1分42秒でラップすると最高に速いレーサーになれたが、エンジンもタイヤも進化した今では1分42秒のラップタイムは「コース上の障害物」と言われても仕方がないほど遅いラップタイムになってしまっている。テニスは自動車競技ほど道具に頼った競技ではないが、テニスも道具の進化で激しい進化を遂げてきた。プレーヤーも道具の進化に合わせ、技術が磨かれている。例えば、テニスをスタートした幼少期にはまだウッドのラケットだった世代と、生まれた時からグラファイトだった世代とでは、技術の成り立ちそのものが違ってしまっている可能性もある。ヒンギスを見て「いかにもグラファイト世代の強豪」と呼んだ人もいるし、サンプラスは「自分の子供にはウッドのラケットを持たせてテニスを始めさせる」と語るなど、人によりテニス観も様々にあるようだ。この種の話題で、当たり前に盛り上がれる日が日本でも来るように、テニス専門誌の一コーナーとしては頑張りつつ祈りたいところだ。
 さて、テニスは常に進化を続けてきたが、層の厚さという意味では今と、例えば30年前では比較にならないほどの変化がある。以前なら100位以下の選手とトップ10ではお話にならないほどのレベル差が存在したが(特に女子)、現在の男子ツアーでは300位台ぐらいの選手なら、トップ10レベル相手であっても場合によっては食ってしまいかねないほどレベルが高くなっている(ひじょーに大雑把な比較だが、女子だと100位台ぐらいの10代の選手ならトップ10を食う可能性はある。しかし、男子と比較すると万年200位以下の20代以上の選手とトップ10の間には厳然とレベル差が存在していると見ていいという違いはある。それだけ男子の層は厚く、女子は今もある一定のゾーンから下は急激に層が薄くなる傾向が今も強い)。
 しかし、逆に考えるとトップ10クラスのレベル差は、男女ともに過去も現在も実は大差がないかもしれないとも思う。ナブラチロワを見れば過去の選手たちの技術の確かさや、体力面のすごさは想像できると思うし、94年の全米の大会直前のエキジビションでは、この年、後に優勝することになるアガシを、マッケンローが破っていたりするのだ。過去の選手たちでもトップクラスは現代の選手たちとそう変わらぬレベルがあった、と見た方が自然である、という傍証は実は数多い。
 もし、全盛期の80年代の選手を全盛期のまま現代に連れてきたとして、当時の道具のまま戦わせたら恐らく相手にならないかもしれないが、現代の道具を持たせ、しばらく練習させれば、現代のテニスに適応してそれなり以上の強さを見せるだろう。何しろ彼らは当時の道具で200キロ近いサービスを打ち、そしてリターンし、ストロークしていたのだ。現代の展開の早さに最初は戸惑うだろうが、少しプレーしている間に慣れるだろうし、慣れてくればフィジカルの強さに問題はないはずなので、かなりのプレーを見せてくれるのではなかろうか。
 逆に、現代の選手を過去に引っ張って行き、当時の道具でやらせたらどうだろうか? 現代の選手たちは現代の道具にマッチした技術の組み立てをしているぶん、過去の選手が現代の道具を使うのと比べると、かなりの時間がかかるのではなかろうか。
 いずれにせよ、立証不可能な命題に対して結論は求められないが、考えるだけでもワクワクはする。マッケンローのスライスサービスにフェレーロが飛びつき、ネット前に殺到したマッケンローがボレーをコントロールする、そのボレーに追いついたフェレーロとマッケンローのパス対ボレーの構図……。ゲームかなんかで再現してくれるゲームメーカーでも出てきてくれるのを待つしかないのかもしれないが、面白そうだ。

依頼内容452:バックハンドの場合、高い打点だと力が入りにくいのでジャックナイフを使うのは有効だと思うのですが、フォアハンドは多少打点が高くなっても強打できるのでフォアのジャックナイフの利点がいまいちわかりません。どのようなときに使えばいいのか教えてください。

北海道のりょうちゃんさん

報告452:ジャックナイフと呼ばれる技術の要は、高い打点を普通の打点に変換して打つこと。軸を傾けた分だけ打点を高く取れるので、普通では強打しきれない高さの打点でも、叩ききれるという面にその利点がある。
 身長のない選手たちが多用するのは、現代のテニスのバウンドがそれだけ激しいからで、依頼者のおっしゃるようにバックサイドではメリットが多い。
 じゃあ、フォアサイドは、と言えば、利点はもちろんバックサイドと同じとして、リズムの問題ではなかろうかと思う。普通に高い打点のフォアを打つよりも、軸を傾けて普通の打点にすれば多くの操作が可能になるのはもちろんとして、リズムが変わることで相手から見るとタイミングが取りにくくなるし、自分のリズムがジャックナイフと合っているのなら、自分のリズムで展開もできる。もちろん、打った後の体勢も崩れないので、もし返されても次への準備が早く行なえるはずだ。
 とはいえ、ジャックナイフが自然の動作として出てくる選手でなければ、確かにあまり意味はないだろう。ジャックナイフ、などと言うとまるで必殺技のようだが、グロージャンをはじめ、このショットを得意にしている選手は別に特殊なショットを打っているつもりなどなく、自然にやっていると思われる。
 選手たちの場合、どんな時に使えば、というより、流れの中で自然とやっていると考えた方が自然なので、難しい問題だが、敢えて言うとすれば、相手の意表を突きたい時や、ラリーのリズムが単調となっていて、相手にリズムが傾いているので、自分のサイドに戻したいとき、高い打点をフラット気味に叩きこみたい時などが選ばれる瞬間だろうか? また飛んだ分だけ普通の打点にして打てるわけなので、彼らにとっては高い打点で打つ時よりもより打ちやすい感覚が伴っている、のかもしれない。

依頼内容453:テニスにスポンサー契約というのがありますが誰でもなれるものなんですか?やっぱり限られた人だけなんでしょうか?例えば学校で契約しているところなどありますが・・
個人ならびに学校での契約など詳しく教えてください

大阪府のテニスっ子さん

報告453:考えてみて欲しい。ある企業や団体、あるいは個人が、ある選手や団体のスポンサーになるのはどうしてだろうか? スポンサードというのは、その選手や団体をスポンサードすることで、ある種のメリットをスポンサーサイドが感じられるという状態でなければ成立しない。だから、誰でも、となるとそうではないし、逆に誰でもOKという結論にもなる。つまり、スポンサーに「おお、この人なら私も支援しがいがある」と思ってもらえれば誰でも資格はあるし、逆に「どうして私があなたを支援しなければならないのかね?」と思われてしまえば、どんな人もスポンサーにはなってもらえないという寸法なのだ。
 スポンサー契約と言っても色々な形態がある。年間○万円という形で、活動費用を出してくれるという形態から、用具契約といってラケットやシューズ、ボールなどを年間決まった数だけ(あるいは望むだけ)支給、もしくは安価で提供してくれるという形態、遠征などにかかる航空券代を年間○万円分までは提供するという現物支給型など、実に細かなスタイルが存在する。所属契約というのもその一つで、一種の契約社員として所属企業の一員として給料が支払われるかわりに、年間決まっただけの業務や所属企業のPRに参加することが求められたり、日本リーグなどの団体戦に出場するという一定の「お仕事」が課される形もある(「お仕事」はまったく求められず、とにかくテニスで活躍することを目指してね、という形態もないわけではない)。
 で、どうやったらスポンサーが得られるか? だが、まずは強くなることだ。強い人や団体は目立つ。目立てば選手や団体と共にその選手や団体をスポンサードする企業も表に出る。これはスポンサーにとってメリットだ。例えば、○○新聞やテレビに○○選手(所属○○)と出るとして、○○新聞に広告を出したり、TVCMなどを出すと一体いくらの費用がかかるか、という考え方になるわけだ。また、選手の袖に企業名の入ったバッチが付いていることがあるが、選手が写真付きで○○新聞に紹介された時にそのバッチが写っていれば、これまた広告効果が期待できるという具合だ。用具は○○選手は○○というメーカーのラケットやシューズを使っている、ということ自体がすでに広告だし、ブランドイメージの向上にも役に立つとも考えられる(これに伴って、例えば○○という選手は本当は、○○というラケットを使っていないのに、○○というラケットの色にしてある、けしからん! という話がテニスファンの間でかまびすしく議論されているのをよく聞くが、これもよくよく考え直せば、選手が使う使わないはともかくとして、とにかく今、そのメーカーが宣伝したいラケットの色にしてあるのだよ、と考えられはしないだろうか? これはラリーなどに参加しているプロトタイプカー・カテゴリーの車がホントは市販車の皮をかぶっているだけで中身はほとんどとっかえてあるけど、あくまでもこれは○○という車種なんだからね、という暗黙の了解状態と置きかえられはしまいか?)。
 学校単位というのも同じで、その学校が強く、メディアへの露出の機会が多かったりすればそれだけでメリットはあるし、その学校が有望選手をたくさん輩出するのであれば、スポンサーからすれば「スポンサードにたる素晴らしい選手を探す手間がはぶける」という具合に、早めにお近づきになっておく、というメリットもあろう。もちろん、その学校出身の卒業生が後に偉くなり、母校を支援している、という形態もあるだろう。
 とにかく、その動機はなんであれ、スポンサーに「この人を支援していれば、うちにもいいことがあるor 満足だ」と思わせられれば、誰にでもスポンサーは付いてくれる。海外の大富豪には「私は大好きなテニスを支援できていることがウレシイ」とばかりに、表には出なくても自分が気に入った選手や団体を支援してくれる個人や団体がある、という話も聞くが、残念だが日本ではまだあまり聞かない。テニスをその国や地域の文化と捉え、それを支援することが成功者にとって一つのステイタスである、というところまで成熟したテニス文化とでもいうべき状況がなければこうした状態はなかなか望めない。これは日本の大会の観客席に閑古鳥が鳴いている間は、決して実現しない状態だろう。
 とにかく強くなること、あるいは、スポンサーに対して、自分を支援してくれれば、決して損も後悔もさせないと思わせるだけの何かをアピールするしか現時点で方法はない。最初に戻るが、その意味では誰にでも扉は開かれているが、誰でもその扉を開けられるわけではないのだ。


依頼内容454:バックハンドの高い打点で打つときに、片足で飛びながら打つ技術がありますよね? それは日本ではジャックナイフって呼ばれてますよね?(次の動きが遅くなるので僕はしませんけど)何故ジャックナイフという呼び方になったのですか?以前スマッシュで寺地選手が実演してたときはフラミンゴバックハンドと書いてました。三年前くらいだったかなぁ。サフィンがUS OPENに勝った次の年の四月号?くらいにはサフィンの連続写真があって、ジャックナイフって書いてあった気がします。とゆうことは寺地選手の実演写真はそれ以前のものだと思います。ていうかjack knifeじゃ意味が分かりません。僕の住んでる州はあんまり強くなく、コーチも教えないのでみんなあんまりしません。もう一つ質問なんですが、日本で呼ばれるジャックナイフは英語ではなんとよぶのでしょうか?やっぱりジャックナイフ?

海外のK.Sさん

報告454:す、鋭い! そのうえ、よく本誌をご覧いただいている方のようだ。
 おっしゃる通り、寺地選手が実演していたときにはフラミンゴ・バックと呼んでいた(実はこの撮影の時にはコーチから「リオス・バック」という言い方も出てきていて、寺地選手が「え? 寺地バックじゃないの?」と言っていたことも報告しておこう)。
 ジャックナイフという言葉が出てきたのは、その後、海外事情に詳しいある別のコーチが、「向こうじゃジャックナイフっていうんだよね」とおっしゃったので、その方がなんとなくカッコいいということで、本誌ではいち早くジャックナイフに改名した。
 しかし、わが国でこの言葉を浸透させたのは「テニスの王子様」(許斐剛著/集英社)であるのは間違いないだろう。
 だが、「向こうでは……」のコーチが言う「向こう」がどこなのか、今となっては聞きにくく、依頼者のいる州で言われていないとすれば、どこなのだろう?
 そのコーチも嘘を教えてくれたわけではないと思うので、どこかでは間違いなくジャックナイフと言っているのではないかと思うが、一般的にはジャンピングショットと言っていれば通じると思われる。また、元々、この打ち方はヨーロピアンクレーで発達した打ち方なので、アメリカではあまり一般的ではない可能性もある。
 しかし、言い訳するわけではないが、技の名前というのは、コーチによっても意外に色々な言い方をしていて、ロシアのバックファイヤーだの、東欧のガラガラヘビなんていうのも過去にはあった。

依頼内容455:僕はスピンサーブを打つとちゃんと回転はかかっているけどあまり飛ばずにネットかかったり自分のコートに落ちてしまいます。どうすれば遠くに飛ばせるようになりますか?

千葉県のいこまんさん

報告455: 回転がきちんとかかっているのなら、まず第一段階はOKだ。あとは練習あるのみだ、としか答えようがない。とりあえず、機会があれば上手な人のそれを何度でも見て、自分でも練習し、体得して欲しい。

依頼内容456:テニス版のフィールドオブドリームスではありませんが、中学生の娘といつでもテニスが出来るように自宅の土地の一部に縦半面のクレーコートを出来るだけ自力で作りたいと思っていますが、可能な範囲で作業の進め方や必要な物品類等の準備すべき内容や施工にあたってのアドバイスをいただければありがたいのですが。費用的にはせいぜい50万円といったところが限界ですが、作るプロセスを含め楽しんでみたいと思っています。詳しい方のご助言をお待ちしています。

神奈川県のパパ一徹さん

報告456:コートを作るといってもどの程度のレベルのものを作るかで費用の方もおのずと変わる。土をローラーでならしただけ、というレベルのものでいいのであれば、丹念に石を拾い、ローラーをかければ事足りるが、水はけを考えて川砂や、レッドクレーのコートを作ろうと思ったら、相応の基礎工事をした上で、その上に砂やクレーを敷き詰め、ローラーなどで圧縮して固めて完成にこぎつけることになる。また、一度敷詰めたらお終いではなく、その後も継続的にメンテナンスが必要なので、初期費用は安く抑えられるが、意外に手間と費用がかかるのがクレーコートの特徴でもある。
 ひじょーに大雑把に言うと、基礎工事はコートにしたい土地を掘るか、盛土をして、最下部には基礎を打って排水用の配管を通し、その上に砂利などを敷き詰めてならし、さらに表面の素材になる川砂や山砂、レッドクレーなどを敷き詰めるという作業になる。本格的なものになれば、水はけのことを考えて砂利の層は粒の大きさに合わせて幾層にも重ね合わせて作ることになる。
 総予算は50万円ということなので、ここまで本格的なものは難しいだろう。ローラーをスポーツ用具屋さんなどに発注しておいて、土地の小石を丁寧に拾い、水準器で水平を確かめながら表面をローラーで固めるだけで立派なコートになる。また、本物をそろえれば、ポールとネットだけでも合わせて10万円以上になるが、高さが合っていればいいと割り切れば、ネットは何でもいいし、なんなら自作してもいい。ポールだって滑車とフックで自作して安くあげる方法はいくらでもある。
 現時点の表面の土がテニスに適さないという場合、テニスに適する砂を敷く必要は出てきそうだが、基礎工事を一からやろうとすれば時間も予算もかかるので、とりあえず木枠かなんかで枠取りをしたうえで、表面となる砂やクレーを敷き詰めてローラーで圧縮するだけでもよかろうと思う。
 あとは時間と予算がゆるせば、徐々に手をかけていけばいいのではなかろうか。まずはお近くのスポーツ用品店さんなどでご相談された方がよかろうと思われる。

依頼内容457:もうすぐオリンピックですね!でも、日本人男子は参加するのですか?国の中で上位3人しか出れないというのは聞いたことがありますが、他にも、ATPのランキングが何位以内じゃないと駄目とかあるんですか? アマも出れるんですよね…?

北海道のふーさん

報告457:まず、五輪の場合は選手に対し、一定の参加資格が求められるという点で通常のツアーとは異なっている。
 選手に対して求められるのは、まず、2001〜2004年の間に最低2回以上のデ杯、フェド杯の代表としてプレーした実績があることで、内、1回以上は03年と04年の代表歴がないと資格がない。どんなに出たくても、また、ランキングが高くてもデ杯、フェド杯の代表歴がこの期間にない選手の場合は出場できないのだ。つまり、04年3月初旬の段階で、00年以来、1度もデ杯に出場していないアガシは出場資格自体がないということだ。
 また参加申し込みも個人でするのではなく、各国の五輪協会が、上記に該当する選手のエントリーリストをITFに提出し、返事を待つというスタイルで、資格選手がいる限り1国で何人まで、など出場枠の上限の数は特に決められていないとのこと。その際、参考にされるのはウインブルドン終了後のランキングで、その時点のランキングと、出場資格の有無などを調査の上で出場枠をITFが設定し、各国の協会がエントリーした選手のうち、この選手とこの選手は出られますよ、と返事が来る、ということになっている。つまり、現時点(04年3月時点)では、誰が出られて、誰は出られないというのは世界中の誰にもわからないということになる。
 バレーボールでも、卓球でも五輪代表を争うための予選や、その選考大会があるものだが、テニスはそれがランキングで代用されているので、出場選手は全員ストレートインでなければ出場できず、もちろん予選もない。
 もちろんプロ、アマ問わず、上記の条件を満たしていれば参加資格はあるし、今大会は男女ともに世界ランキングのポイントも付く大会になった。ちなみに、GSに次ぐ格式が与えられる予定で、男子ならマスターズシリーズのちょっと下、女子はティアUとVの間ぐらいのポイントが与えられることになっている(ただし、シングルスのみ)。
 参加選手など、詳細が判明次第、本誌上でもご報告するはずなので、今しばらくお待ちいただきたい。

依頼内容458:学校を休んでまでテニスの練習をしている人がいるということを聞きました。そこまでしないとプロになれないのでしょうか? また、外国ではこのようなことはあるのですか?

愛知県のテニス命さん

報告458:依頼者は10代。「学校を休んでまで」という言葉に、無垢な正義感を感じてしまい、どこか後ろめたさを禁じえないのは、筆者がひじょーに不真面目な中高時代を送ったせいだろう……。
 さて、テニスに限ったことではないが、競技に集中するために学校生活を犠牲にする、という人はあらゆるスポーツで数多く存在する。もしかしたら、依頼者の学校にも何らかのスポーツに打ち込んでいる友達が学校にあんまり来ない、というケースもあるのではなかろうかとも思う。そしてこれはスポーツに限らず、将棋や囲碁、絵画や洋舞、日舞など芸術や伝統芸能の分野でも同様のケースは存在する。
 学校というのはしっかりとした自己を確立した人にとっては、あくまでも「学習をする場」で、毎日通うために存在しているところではない、と考えると理解しやすいかもしれない。日本ではまだまだ一般的に通用する考え方ではないようだが、学校の勉強が役に立つ分野と、そうでない分野は確実に存在し、ある特定の技能などを、大人になるまでに習得しなければならない、という状況下では10代で学校に費やす時間を「無駄である」と判断する人々がいてもそれは間違いではないと調査団では考えている。これは、特定の技能の中にはどうしても10代の間に身につけなければ、人生という短い期間では間に合わず、人生に一度のチャンスを逃してしまうものがあるが、学校で学ぶ内容は10代でなくても、後でも間に合うという考え方に基づくもので、日本以外では割合一般的な考え方と言ってもいいかもしれない(だからと言って、依頼者が学校に行かなくていい、という意味ではないので誤解のないように)。
 日本の場合、学校により対応はまちまちのようだが、親御さんが校長先生に相談して認められれば、ある程度の出席と、レポート、テストを義務づけるものの、出席自体は自由にしてくれるというケースを最近よく聞くようになっているのも事実だ。
 もちろん、誰にでも認められるというものではない。テニスの場合であれば、まず選手として将来有望であって、親御さんが学習教育に関しては責任を持つと約束し、どうしても今、練習時間が必要なのだ、と家族ぐるみで学校を説得して、認めてもらう必要があるのが普通だ。杉山愛選手の場合、最初に居た学校から転校して、最後は通信過程で高校を卒業しているし、松岡修造さんの場合は、日本の学校を中退して渡米した関係で、アメリカの高校を出ている。二人とも学校生活ではなく、テニスに全てを集中するための進路選びだった。ただし、ここまで徹底したからこそ彼らの活躍があった、と言えるかどうかはわからない。むしろ、そこまでしなくても彼らならやれたという可能性もあるとも言える。だが、とにかく事実として、彼らは普通の人が当たり前に過ごす高校時代を過ごす選択をせず、テニスに打ち込んだ10代を送ったことだけは間違いがない。
 ちなみに外国人トップ選手たちの場合、こうした話は特に珍しい話ではない(特に女子選手は15、6でプロとしてデビューし、世界中を転戦しているのが普通なので、学校にはいつ行っているのだろう? と想像できれば容易に理解できるだろう)。かつてのヒンギスはツアーを転戦しながら通信教育を受けていたことで知られているし、選手生活の休養を宣言した後は語学学校に通っているという話もある。
 その選手の出身国の状況によっては、通学自体が困難なので通信教育が当たり前になっている国や地域もあるし(広い国土を持つわりに、人口密度の低い国では多い話だ)、日本とは同列に比べられないという側面もあるが、社会の仕組みとしての違いもあるだろう。
 何しろ遅くとも20代の最初までには何らかの結果を出さなければいけないのがプロスポーツ。とにかく時間がないのだ。また、海外の場合、競技生活を終えた後に学校に戻って再び教育を受けて、例えば医者になったり弁護士になったりするのも特に変わったことではないので(日本では高校を卒業したら仕事に就くか、進学するなら18歳から20歳前後までに大学に入学し、遅くとも24歳前後までには卒業して社会に出ないと、変わり者扱いをされたり、社会人としての展望が開けないなどという考え方がまだまだ支配的だし、事実そういう風潮だが、欧米では勉強したいという人が大学に行く、というスタイルなので、30代で大学生でも特におかしなこと、という風には見られないし、それで背負うハンデも自分の責任において克服するというのが当たり前だ)、若く身体が動く間は、自分の才能を生かしてテニス選手という人生を選択し、それが終わったら、また別の人生を生きるために学校に戻る、というのは別に「変わった人生」と見られることはない。むしろ、テニス選手として世界中を回った経験を次の職業に役に立てられるという前向きな考え方が支配的だろう。
 もちろん、学校にまともに行き、普通に卒業して世界で活躍した選手も少なくはない。伊達公子さんは普通に高校に行き、高校卒業後にプロに転向したし、沢松奈生子さんの場合は大学にも行っている。
「そうまでしないと……」という質問に関しては、人ぞれぞれ、としか言いようがない。人それぞれに色んな道がある。依頼者にとっての道もあるはずなので、色々な可能性を模索しながら、自分に最適な進路を選んで欲しいと願う。

依頼内容459: グリップテープの歴史について教えて下さいませ。
(リプレイスメントではなくオーバーグリップのほうです。)

千葉県のグリップさん

報告459:オーバーグリップに関してはバボラ社発祥説と、クナイスル社発祥説の2説があり、どちらが発祥かまでははっきりしなかったが、80年代初め頃にラケットがウッドから、軽金属やグラファイトに変わって行った過渡期に登場し、一般化したことが知られている。
 これは、ラケットの素材の硬度が上がり、フェイス面積も大きくなったことで、フレームに起因する振動が問題視されるようになったためで、グリップをゴムなどのクッション性のある素材にすることで振動を遮断しようという意図がそこにあったこと、テニスのスイングスピードが上がって、グリップのグリップ性が求められるようになったことなどが登場の背景にあると言われる。

依頼内容460:早いもので、涙の引退式からもう半年近くなりますが、彼、ピート・サンプラスは現在どんなことをしているのでしょうか? テニスアカデミーを設立する、と噂には聞きましたが、良かったら調査をお願いします。

福岡県のswiftさん

報告460:サンプラスの今、だが、家族と一緒に過ごす時間が多くなったこと、チャリティイベントに参加したり、キング夫人の60歳の誕生日のイベントに夫婦で駆けつけたり、先日のスコッツデールの大会では、ウイルソン社のイベントに参加したり、アメリカの「TENNIS」誌の特別顧問に名を連ねたりしていることが知られている(現在本誌はアメリカ「TENNIS」誌と契約関係があるので、彼が関わった記事で、何か面白いものが出てきたら随時本誌に日本語版を掲載することになると思うので楽しみに待っていて欲しい)。
 基本的に引退後の静かな生活を楽しんでいるらしい話が伝わってきている以外、特別なニュースは少ない。
 しかし、引退した選手というのは基本的に「有名だが、ただの一般の人」に戻ると考えて欲しい。マッケンローのように引退後も精力的に表舞台に出る活動を続けている人なら別だが、そうでない人だと、チャリティイベントに顔を出す以外はあまり表には出てこなくなることが多いため、ニュース・ソースにも乗らず、「今、何をしているか?」という情報を求めるファンの期待にいつも必ず応えられるとは限らなくなってくる。
 昨年末に配信された写真には夫婦二人で写っていたが、現役時代よりは少しふっくらとし、現役時代にあった険しさがなくなって温和な顔つきになっていた。
 先日、全豪で一時復帰したラフターや、以前のグラフもそうだったが、引退した途端に別人かと見まごうほどその表情が温和に変わる人は非常に多い。テニス選手の生活がいかにプレッシャーにさいなまれているかが偲ばれるというものだが、元選手たちのそういう顔を見る度に「今、幸せなんだろうな」と素直に思うと同時に、一抹の寂しさを感じるのもまた事実だ。

依頼内容461:プロスタッフツアー90にはUSと日本バージョンが発売されていますが、重量の違いはどこから生じているのでしょうか?グリップに重みが入ってるか否か、といわれる方や材料の配分が違う、と云われる方がいます。本当はどうなんでしょうか?お願いします

  神奈川県の重量級さん

報告461:早速メーカーに問い合わせてみた。
 プロスタッフツアー90のUSモデルと日本モデルの違いに関しては「日本モデルの方が軽量なぶんだけ、より質の高い素材を大目に使用しています。想像していただければいいと思うんですが、強度を出すためにはたくさん素材を使えばいいわけです。しかし、それだと重くなりすぎます。重くてもいいというならそれでもいいのですが、日本の市場ではあまり重過ぎると敬遠されるので基本的に軽量化したいのです。でも、素材を減らすわけにはいかないので、素材で調節するわけです。つまり、軽量化したぶんを補うためにより品質の高いものを増やして、強度とバランスを確保するというスタイルです。ただし、製法その他に違いがあるわけではなく、重量と素材の質の違いだけと言えます。質としては日本向けの物の方が、高品質な素材を使用していると考えていただいていいでしょう」とのこと。
 こういう話になると、えてして「なんだ、日本のは偽物か」という声が出てくるものだが(特にネットの世界では……)、それは日本を卑下しすぎたモノの見かただろう。逆に考えれば、欧米人たちは質の高い材料を多く使っている日本のラケットを手に入れられないのだから。もしかしたら、軽量の日本版の方がいいと考える人がいるかもしれなくてもだ。冷静に考えればいいと思うのだが、一般的に日本人と欧米人では身体の大きさがずいぶん違うものだ。日本人男性の平均身長はせいぜい170cmだが、北欧では180cm近いし、その分だけ手も大きければ手も長いし、力も強いことが多いだろう。と考えれば、全く同じ状態でいいはずもなかろうというのが自然だ。普通の日本人が、身体の大きな欧米人と同じ感覚でラケットを使えるようにチューニングする、というのは国際的な商品としては真っ当なことと考えた方がいい。

依頼内容462:ノッチング防止の為にトナークロスを愛用していますが、日本ではバボラ以外は公認されていないと聞きました。本当か調べていただけますか?

  千葉県のリサのパパさん

報告462:依頼者のおっしゃる公認、という言葉の意味がよくわからないのだが、いわゆる公認アイテムで、公式試合で使える使えないというのは、ほぼボールに限ったことと考えていいので(これは選手に向けたルールではなくむしろ、大会に対して向けられたルール)、テニスのルールに則った製品であれば使用に問題はないはずだ。
 現在のルールでは、ボールに回転を与えたりする目的での突起物などをガットに貼り付けることは禁止されているが、磨耗や振動を防ぐ目的のみのもので、合理的な寸法であるものはこの限りではないとされている。ご使用の製品がこれに該当していれば特にとがめだてはないはずだ。

依頼内容463:僕の周りにはリストバンドを利き手でない方につけるという人が多いんですけど、僕は利き手につけるものだと思っていました。プロもリストバンドをつけてる手は人それぞれみたいなので、どちらにつけるべきか悩んでいます。そこで、リストバンドをつける手によって何か効果が違うのかどうか調べて下さい。お願いします。

鹿児島県のずんのやすさん

報告463:リストバンドと言っても、サポーター的な役割を持つものと、単に腕に巻ける汗拭きタオル的なものの大きく分けて2種類があるが、サポーター的なものなら利き腕を中心に、自分のサポートしてほしい腕につければいいし、タオル的なものならどちらでもいいだろう。どちらにつけるべき、などという決まりはなく、効果の有無もバンドの種類によって違うので何とも言えない。人によっては両腕につけている人もいるはずだ。
 いわゆるエルボーパッドを含め、サポーター的要素の強いリストバンドの場合、基本的には腕の筋肉や腱を圧迫し、それらをある程度固定させることで、テニスエルボー予防にある程度の効果が期待できる可能性がある(すでになってしまっている人は医師の診断と指導をあおいで欲しい)。これはエルボーを予防したい腕に付けなければ意味はないので、基本的には利き腕につけることになるはずだ。しかし、それならそれでリストバンドのパッケージなどに何らかの説明が書かれているはずなので、よく読んでみて欲しい。

依頼内容464:チリのフェルナンド・ゴンザレスの使用ラケットは何ですか?
ATPサイトで調べても載ってなかったんです。恐らくバボラのピュアコントロールあたりだと思うのですが・・・

  大阪府のハードヒッターさん

報告464:ピュアコントロールで間違いないと思われる。
 昨年の全仏で間近に見た時には、内側にべったりと重りが貼り付けられたうえ、彼が打つ度にメキィッ、メキィッという音がしていたので(ちょっとオーバーだが……)、彼のラケットの寿命は極めて短いと思われる。

依頼内容465:「調査依頼というより報告です。依頼内容の446のことで今年の全豪、東レは不明ですが、とりあえずエナンのほうだけはスマッシュさんの2003年11月号の初めのあたりにキムと一緒にでかく写った写真で確認できます。
聞いた話ですが、パワーホールは特注でフェイスサイズは100を使っているらしいです。もともと95、100,106と三つサイズ候補があったのですが、市販するときに95は伝統だから小さいサイズは95になったのですが、大きい方は95と100じゃあまり変わりがないということで106になったらしいです。おそらく100SQを使用している理由は調査にもある開発段階で使用開始していたからでしょう」

岡山県のコリア最高さん

報告465:ありがとうございます。早速確認しましたが、本当ですね。いや、本当に皆さんよくラケットを観察してらっしゃるので、そっちの方に驚いてしまいますが……。
 さて、この件については、お詫びというわけではないが、調査団でも責任を持って調べねばなるまいと思った。で、早速、その真相に関してメーカーに問い合わせてみた(本来は、いや、本来かなりイレギュラーな質問に、快くお答えいただいたウイルソン社様の懐の深さに感謝いたします)。
「100というサイズの使用はありません。間違いなく95です。確かにエナンのラケットのパワーホールは選手別注ですが、ダベンポートはノーマルのを使ってます。また、エナンもノーマルをテストしているのは確かでしょう」とのこと。何しろ選手のラケットバッグの中身までご存知の方の回答なので、間違いはないだろう。また、エナンがパワーホール付を別注しているのは「二人とも開発段階で、まだ発売が決まっていない時期から使い出してしまったんです。当時の試作品の中にはパワーホール付とノーマルの両方があって、両方をテストして、付いている方がエナンには合ったということなんでしょうね」とのこと。
 ……もう一度全豪の写真を確認してみなければ……、あ、ついてました……。いや、返す返す本当に申し訳ないです。エナンのラケットにパワーホールはありました。お詫びして訂正いたします(念のために弁解しておくと、実は編集部が撮影してきた写真の中にはノーマルのラケットを持つエナンの写真もあったのです)。
 また、面の大きさに関してはグラフの時にも随分話題にされたそうだが、顔の小さな選手が使っていると実際のフェイス面積以上に大きく見えてしまうケースが多いのではなかろうか、とのこと。外国人選手の多くは、身長の割には顔が小さな選手が少なくはないので、日本人の感覚をそのまま持ち込まない方がいいのではないか、というお話も出た。これは確かにその通りだろう(逆にトッド・マーチンのように巨大な顔の選手だと、実際以上に面が小さく見えちゃうし、カルロビッチのような巨人だと、普通のラケットなのにジュニア用のように見える。これと同じなのだろう)。

依頼内容466:歴史に残る名ライバルといえば、マッケンローとボルグ、エドバーグとコナーズ、サンプラスとアガシですが、次はだれになるとふんでいますか?

  静岡県のアフラトキシンさん

報告466:「いつの時代にもそういう関係があったけど、今は数多くの強い選手がいて、それぞれに競い合っているから、そういう関係が語られるにはもう少し時間がかかると思う」というのは、昨年の全米時点でのフェレーロのコメントだ。
 特定のライバル関係が語られるには、その二人の間に、伝説に残るに相応しい戦いや、関係が必要になる。マッケンローとボルグにはウインブルドンの決勝での死闘があり、サンプラスとアガシには両者が描いたプレーヤーとしてのコントラストと、全米や全豪などで見せた至高のテニスの応酬などが記憶に残る。エドバーグとコナーズというのは、恐らくエドバーグとベッカーの依頼者の書き間違いではないかとは思うが、80年代末期から90年代の初頭にかけて覇を競い合ったこの二人の場合、エドバーグのスピンサービスに対するベッカーのバックハンドリターンが返るか、ベッカーがサービスでエドバーグを吹っ飛ばせるかといった、ベッカーの野性対エドバーグの洗練という側面があった。
 今、そしてこれから、となると数多くの候補が存在する。フェデラー、ロディック、フェレーロ、サフィン、ヒューイットをコアとして、ここにナルバンディアンやコリアも絡んでくるだろうし、ベテラン勢のアガシやモヤ、クエルテンやフィリポーシスはもちろん、若手のナダルなども絡んでくるだろう。今後の数年間は非常に楽しみなのが今の男子ツアーなのだ。
 で、それぞれのストーリーを簡単に紹介しておくと、フェデラーはジュニア時代から天才と呼ばれた過去があるが、ジュニア時代にはナルバンディアンにはなぜか勝てなかったし、ヒューイットの場合、00年のデ杯決勝以後フェレーロを含むスペイン勢とは因縁の対決であり(この時はスペインホームでの決勝だったが、ヒューイットがスペインチームに対し挑発的な態度を繰り返したとされて、以後は目の敵にされている)、フェレーロとサフィンはジュニア時代からの知り合いで(サフィンはジュニア時代をスペインで過ごしている)、長じてからもいい意味でのライバル意識が存在しているらしいし(ジュニア時代はサフィンの方が格上だったらしい)、ロディックの場合はアメリカでの人気がすさまじいうえ、ああいう選手なので、誰とやっても激戦になれば伝説を作ってしまう(01年全米の対ヒューイットとの準決勝や、03年全豪の対エルアンノウィーとの準々決勝など、敗戦に名勝負が多いのが今のところの特徴だが……)。
 その中で、調査団が注目しているのはサフィンだ。サフィンの圧倒的な存在感は他の選手たちにはないものがあり、4大大会のある豪、仏、英、米以外の出身者でどの大会でも観客にひいきされることがないロシア人選手という意味でも、その中身で勝負しなければならない。それに試合中に感情が表に出てくる選手というのもプラス材料だろう。サンプラス対アガシのように、至高の技術を持った同士の戦いとは違った意味の、人間同士の対決のドラマ、を見せてくれるのが彼という気がする。そういう意味ではフェデラー、フェレーロはアガシやサンプラスの系譜を受け継ぐポーカーフェイスで、試合中にはあまり感情が表に出てこない。ロディックは素晴らしくエンターテイナーなところがあるが、サフィンのようなハラハラ感は少ない。
 04年3月時点で調査団がお勧めするのは、サフィン対ロディック、サフィン対フェレーロ、そしてサフィン対フェデラーだ。後は、彼らがGSを中心にどんな戦いを見せてくれるかで伝説は作られていくはずだ。また、アガシと彼らの対決も常に注目されるところだろう。先の全豪でのベストマッチはサフィン対アガシだったという声が強いが、この10数年テニス界に君臨してきたキング・アガシとの戦いは、常に注目される戦いになるはずだ。
 過去の時代と最も異なり、かつ、今が非常に面白い時代という最大の理由は、すごい選手が多い分、GSの2週目ともなれば連日、伝説が作られているということだろう。準々決勝あたりから大激戦の連続で、逆に決勝がつまらない、なんていう大会も増えているほどだ。今、テニスを見られている方々は実にいい時代に遭遇した、と後になって強く思うはずだ。

依頼内容467:ラケットについての質問ですが、アガシが使用していたグラファイト(プリンス),プロワン(ドネー)の間にドネー・スーパーミッドツアー(名前は怪しいです)というラケットを使っていた・・・・、という話を聞いたのですが、真偽はどうなのでしょうか。自称アガシファンなのですが、人から質問され、調査しても分からず困っております。どうかどうかご回答の程、宜しくお願い致します。それにしても過去のラケット情報があまりにも少ない・・・と個人的に感じてます。収集家がもっと増えないと情報量も増えないということなんでしょうが…

  兵庫県のNISEさん

報告467:これは難問だ。というのも、アガシという人はある大会の1回戦だけ使ってた、などというケースの少なくない人で、そこまで細かい情報を持っている人がなかなかいないのだ。基本的にオーバーサイズ付近の大きいサイズのラケットを愛用するのがアガシという人の特徴なので、そのスーパーミッド、ということ自体からも「試用」の臭いがプンプンしている。
 アガシにとって、グラファイト、プロワン、ラジカル・ツアーのシリーズ、そして現在に至るというのが「本妻」の系譜だというのは恐らくすでにご存知のことと思うが、それ以外の「浮気相手(それも一夜限りの……)」までを全て網羅してご存知の方はよほどの方ではなかろうかと……。その上、ラケットがドネーということになると、日本に代理店が存在しないため、公式の情報を出せる人もいない。
 また、昔のラケットの情報が少ない、というのは日本に限らず、国際的にもほぼ同じことと思われる。ラケットは収集の対象ではなく、あくまでも実用品、というのが現在の流れだからだ。博物館などで展示される場合もあるが、その際も「○年の全米でマッケンローが使用していたラケット」という具合で、「○○から○年に発売され、○○や▲▲が使用するなど一世を風靡した名器」という具合の紹介のされかたはしていないのだ。
 もし、機会があれば、アメリカのロードアイランド州ニューポート(日本からだとまずボストンまで行き、そこから車で南に2時間ほど下る)にある「International Tennis Hall of Fame」(通称ニューポートカジノ、あるいは国際テニスの殿堂)にある博物館か、全仏の会場内に昨年オープンした博物館(ここには前世紀からのラケットたちが所狭しと展示、というかオブジェとして飾られている)、ウインブルドンの会場内の博物館に行かれてみてもいいのではなかろうか。収集家、と自認されるほどの方なら、きっと試合以上に楽しめてしまうかもしれない。
 引き続き調査してみたいので、しばしお待ちいただけると幸いだ。

依頼内容468:今、僕はもう浪人かも・・・という状況です(泣)今までは機械系の学部に進もうと思っていました。でも、自分の進路を改めて考えてみると、仕事をするなら小4から続けてきた大好きなテニスに関連する仕事がやりたいと最近思うようになりました。テニス関連の仕事というと、コーチ、選手、ラケットなどの開発者、スマッシュの編集者・・・色々あります。が、そこで質問です!将来ラケットやシューズの開発に携わりたいと思うのですが、開発者の方たちはどのような大学を卒業なされたのですか? 特に学部学科がしりたいです!

  東京都のTwilightさん

報告468:国内でラケットの開発から生産まで全てやっているとなれば、現在ではヨネックス様が筆頭であろう、ということで、ヨネックス社様に問い合わせてみた。
「基本的に千差万別ですよ。どこの学部学科、ということは特定しにくいです」とのお答えだったのだが、そこを敢えてとお願いして出てきたのが、「ラケットなら機械系が多いかな……。素材工学系の人間も開発部門にはいますけど……。シューズには文系も少なくないですよ」とのこと。
 というのも、ラケットにしろシューズにしろ、開発を手がけるのは一人ではなく複数の人間がチームであたる。どの分野で開発に携わるかで、分野も変わるものなのだ。例えば、市場の動向を把握してこんな製品が求められている、という基本的なコンセプトを作る人、それに基づいてどんな人材が必要なのかを考えてチームを作る人、どんな素材が必要で、どんな性能を与えればいいかを考える人、コストの計算をして素材を選定し、素材を調達する人、試作品を作る人、試作品をテストしてデータを収集する人、デザインを考える人、セールス方法を考える人、契約選手などからデータを吸い上げる人などなど、1本のラケット、1足のシューズには実に数多くの人々が関わっている。自分がどの分野で携わりたいかで、必要な勉強も変わってくるのだ。
 また、ラケットやシューズの素材から研究したいとなると、ラケットメーカーの手を離れて素材を開発している会社への進路も考えられる。高校や大学の進路関係の先生の方が、そうした情報について、卒業生の進路などで把握していると思われるので、希望する大学の卒業生の進路先などを調べていくとより具体的な情報がわかるだろう。
 ちなみに最後のスマッシュの編集者は文系と芸術系学部の出身者だ。

依頼内容469:ショット(サーブなど)に「重い」や「軽い」などは実際にあるのでしょうか?良く速いけれど軽いサーブだとか耳にするのですが・・・。教えて下さい。

 海外のmkさん

報告469:実はこのテーマに関しては遠い昔、本誌上のコーナーでも報告したことがあるのだが、常に話題になることでもあるし、当然すでにバックナンバーなどはないので改めて報告しておこう。
 ボールの重さに関してはテニスだけでなく、野球やサッカーなど、球技全般に言われていることなのだが、科学的に言うとボールの重さに関しては、そのスピードに求める以外の解析方法はない。
 飛行するボールはそのスピードによって運動エネルギーを持つことになる(高校で物理を勉強すると出てくる話だ)。速ければ速いほどそのエネルギーは大きくなるために「重く」なり、逆に遅くなれば(ボールの持つ質量以下にはならないが、その重さまでは)「軽く」なる。これがボールの重さの正体で、速ければ重くなり、遅ければ軽い。誰にでも分かりやすく説明できる方法は現在のところこれしかない。
 と、ここで話を終わらせてもいいのだが、体感上の問題で、同じようなスピードのボールでも妙に重く感じたり、軽く感じたりというのも実在する現象だ。これは間違いない。
 調査団ではこの原因について色々と考えてみたのだが、最終的にはボールの回転にその原因を求められるのではないかと推測している。トップスピンやスライス、あるいはフラットなど、テニスのボールは常に回転して飛んでいる(フラットと言っても完全に無回転というわけではない)。当然、ボールの周囲の空気は回転による圧力差を生じることになり、わずか60g弱、表面はケバケバで空気抵抗の多いテニスボールの軌道は、その回転の質によって大きな影響を受ける。また、その軌道によって生まれる入射角の違いなどからバウンドの高さや、バウンド時の速度損失にも差が出るはずだ。
 そして、ここで思い出しておいて欲しいのが、どんなボールでも差し込まれたり、十分な体勢で打てない時などには重く感じるという点だ。それが例えば手出しのボールでも、ラケットの変なところで打ってしまえば、ボールは重く感じるし、あんまり飛ばないということが少なくないはずだ。
 つまり、テニスの「重いボール」の正体は、「自分の予測とは違う挙動をするボール」で、「スイートスポットで捕らえにくいボール」のことではなかろうか。思ったより伸びてくる(トップスピン系)、思った以上に低い打点になる(スライス、フラット系)、思った以上に軌道やバウンド後の挙動が変化する(フラット以外の回転系)など、スイングを開始した時点と、実際にインパクトするまでの間に、打者の予想を裏切るような挙動をボールが示している場合、「重い」と感じさせられるのではないだろうか。逆に言えば、打者の予想を上回らない「素直なボール」は「軽い」とテニスでは判断されやすいはずだ。
 テニスの場合はラケットで打つため、野球のバットで打つ時よりもその打点が広いと錯覚されやすいが、実際には数学上のスイートスポットは点でしかなく、スイートエリアと呼ばれる打点でも許容してくれるのはせいぜいその周囲からボール1個分の誤差程度だろう。これ以上に打点が狂わされれば、ボールは重くなるはずだ。
 また、かつての女王、グラフのスライスについて、全ての選手たちが「重い」と口を揃えた。これは彼女のスライスはほとんど常にコートの奥深くまで侵入し、しかも跳ねずに滑るので、コートの後ろの方から、しかも低い打点から遠くに返さなければならないという理由からだったと思われる(浅くなったり、浮いたりすれば、彼女の必殺のフォアが飛んで来るため、打ち返す方はどうしても浮かないように抑えて、かつ深く返す必要があったことも、彼女のスライスを重くしていた理由として考えられよう)。重さは自分がどの地点から打つか、どんなボールを返そうとするか、ということにも左右される可能性がある。
 サービスの場合は速くても角度がなかったりして軌道が素直なら、簡単に合わせられてしまうだろうし、フォームからコースを読みやすいタイプのサーバーでも早めに十分の体勢を作られてリターンされやすいので結果は同じだろう。こうしたプレーヤーのサービスは速くても軽い、と言われる可能性が高く、逆に角度があり、レシーバーの予測とは違う挙動を示すような回転のかかったサービスや、フォームからコースや球種がわかりにくいサーバーの場合、レシーバーの準備が遅れるぶんだけ仮に速度が遅くても、対応が難しくなって重くなる、という可能性は高い。

依頼内容470:フェレーロの大ファンなのですが、どーも最近、フェデラーやロディックのほうがよくテニス以外でも「華がある」やら「天才」などと話題になってると思うのです・・。ズバリ・・・フェレーロのほうがかっこいいし、友達などの間でも人気だし、フェレーロだって天才だ!と思うのです。なぜ世間ではロディックなどのほうが有名なのですか!教えて下さい。

大阪府のダイさん

報告470:「華」や「天才」という言葉は実に曖昧模糊としてつかみどころのない部分があるが、それらは確実に存在している。そして、ロディックやサフィンに比べてしまうと、フェレーロが評価されていない部分でもあるのも確かかもしれない。いや、日本でのフェレーロの人気は凄いし、その才能だって彼らと変わらないのもよく知られている。しかし、日本での人気から想像するほどアメリカではあまり知られていないし、当然、アメリカでは人気の方も今イチだ。
 テニス界がアメリカを中心に回っているのは残念だが事実であり、アメリカで人気があること=世界的に有名という単純な図式が今も描ける。フェレーロの人気があるのは母国スペインと、恐らくこの日本が中心かもしれないとさえ感じる(しかし、スペインで一番人気はコレッチャかモヤなのだとか……)。何で? と言われても困るが、そうなのだから仕方がない。人気というのは不可思議なものなのだ。
 ここで、世界のテニス界の状況を簡単に説明しておくと、アメリカで人気がある選手はまずアメリカ人選手であり、テレビや雑誌、TVCMなどでもまずアメリカ人選手が候補になる。これがフランスに行けば、フランス人選手がまず第一であり、スペインに行けば……、という具合に各国ともまず「自国の選手」が注目され、外国人の選手はその次というのが普通なのだ。
 国境の壁を超えて、どこの国でもスーパースターなのは、まずアガシであり、次がクルニコワだろう。ウィリアムズ姉妹がそれに続く。フェデラーも比較的国際的な人気があるが、これは彼の強さが知れ渡ってきていることと、サンプラスの後継者と目されている点が注目され始めているところだからで、もし、彼のピークが昨年から今年で終わり、今以上の上積みがなければ、そのまま人気もしぼんでしまうかもしれない人気の出方ではなかろうか。
 また、ロディックのアメリカでの人気は凄まじいが、ヨーロッパではアメリカの強豪という見られかたが一般的のようで、かなり注目はされるものの、アメリカでの熱狂さとは比べられない程度の人気に止まっていて、こと全仏ではセンターコートに必ず入れてもられる、という選手ではない(今年は違うかもしれないが……)。
 意外かもしれないが、この下の国際的な人気者となるとアラジやエルアンノウィーという名前になる。サフィンも大変な人気者だが、ロシア以外で彼が一番人気という国はないし、イバニセビッチの場合はクロアチアでは英雄視され、同じくウインブルドンではかなりの人気を誇るが(実はヘンマンより人気があるという噂もあるほど)、サフィンと同じくクロアチア以外で彼が一番人気という国はない。
 実はスペイン勢は一般的にテニス界では人気がない一群とされている、というと意外だろうか? フェレーロはスペイン人選手、というだけで色眼鏡で見られてしまっている可能性がある。
 スペイン勢の一般的なイメージとして、ストローク主体で粘り強く戦うが、スーパーショットはなく、ロディックのように試合中に叫んだり、大げさなジェスチャーで感情を露わしたりはしない部分が「地味」とされ、どちらかと言えば、全仏でスーパースターのアガシやロディックを苦しめる悪役、というイメージで見られているようなムードさえある。フェレーロに対してもそのイメージが持たれていて、大変な損をしているように思われる。実際、彼が試合中に感情を表さないのは亡くなった彼の母親が、試合中に叫んだりする選手が嫌いだったことに由来すると言われているし、発言が今ひとつ面白くないと言われてしまうのだって、彼の英語力に負う部分が大きいと思われる。また、フェレーロのルックスが欧米では「セクシーさに欠ける」と感じられやすいというのもマイナスなのだろう(欧米で「セクシー」と言われるのは、コレッチャやモヤ、ゴンザレスなど、日本では「濃い」とされる人々の方で、生命力の強さ=セクシー、という図式のようだ。フェレーロやコリアなどの美少年系や色男系、天才系の選手は少年少女には人気が出ても、大人の女性には愛されないのだとか……。深い話だ)。
 最後に付け足せるとすれば、彼の家族構成だ。彼の家は父親と姉2名と彼自身という構成なのだが、姉2名の下の弟というのが不利だ。しかも早くに母親を失くした彼の場合、二人の姉が母親代わりときている。ラテン系の一家で姉二人のチェックを常に受けながら成長したフェレーロの性格が、多少ひねくれたからと言って、誰が責められるだろうか? 某局のフランス人コメンテーターの方は「暗い」と評したが、あれは暗いのではなく、きっと怖いのだと理解した方がいいのではなかろうか。彼が外で何かを言ってそれが記事になり、家に帰ると姉二人から矢のようなダメ出しが入るに違いない(念のために言っておきますが、このくだり、全て憶測です)。そして、彼はそれに従ったり、時には反抗したりする思春期を送ってきたに違いない。

 ちなみにサフィンはスペイン勢の人気がないことに関して「アメリカではアメリカ人のことは事細かに伝えられるけど、スペイン勢をはじめ外国人選手たちに関しては、テレビ放映が少なすぎるんだ」と語っている。「テレビで見られない選手に関心も持てないだろ?」とのこと。これは案外真実だろう。
 今の日本はテレビ放映も少なく、見る方のテニスは人気スポーツとはいえない、というのが現状だが、正直に言って、日本人ファンは恐らく、世界一海外の選手に精通している一群かもしれないとよく感じる。これはサッカーでも同じ状況で、日本のサッカーファンは世界で一番海外の選手について詳しい一群であるだろう。これは世界的に見て非常に特殊な状況だが、自国に愛がないのではなく、そのスポーツに愛があっても、国内のそれだけでは満たされにくいという環境的要因と、「世界最高」と呼ばれる物に対する日本人独特の憧れや畏敬の念といった要素があるに違いない。日本人のこの要素が世界に冠たる技術立国を作り上げたのは間違いないが、スポーツ人気などの分野では世界的には特殊である、ということは頭の隅に置いておいてもいいだろう。というのは、もし、スペインに行ったとして、「フェレーロのことが大好き」とスペイン人に言ったとする。少なくとも好意的に受けとめてくれるのは間違いないが、「何ゆえこの外国人はフェレーロのことが好きなのだろう?」と不思議に思われる可能性が低くないからだ。また、返す刀で「日本人選手には興味がない」とは言わない方がベターだと思う。その選手に良く知られる過失があれば別だが、自国の選手を大切に考えないというメンタリティは外国人一般には理解されにくいからだ。

依頼内容471:これは調査団に関係するかわからないのですが、投稿させて頂きます。最近テニスができなくてスマッシュを買うのを忘れてしまう事が多くなってしまったのです。その影響で先月のスマッシュを買うのを忘れてしまってテニスカタログを手に入れることができなかったんです!やっぱりもう買うことはできないのでしょうか・・・。

  東京都の虎鉄さん

報告471:とりあえずバックナンバー常備店である書泉ブックマート様(東京都千代田区神保町1-21-6 ?03-3294-0011)までお問合せください。あるいは、弊社販売部宛に直接お問合せください。在庫がある場合、ご希望に対応できるはずです(売り切れの場合はご容赦ください)。
 在庫は常に僅少という状態が続いておりますので、毎月21日の発売日に合わせて書店にて急ぎお買い求めいただくか、特別定価時でも、定価で入手できるお得な定期購読をお勧めします(詳しくはトップページのリンクを参照ください)。

依頼内容472:質問します。アガシがDONNAY社と契約する前はプリンスのグラファイト(USA製)を使っていたのは知っているのですがグロメットレス、ピングロメット、フルグロメット(バンパー有)のUSAグラファイト三機種のうちのどれになるのでしょうか?

 広島県のY.Y.Aさん

報告472:最近この手の依頼が多くなっているが、正直、ここのコーナーでは「公式情報」しか出せない(と、こう書けば、賢明な皆様には意味がおわかりになるはず)。で、本誌編集部が所有する88年全米のフィルムを改めて確認してみた。
 当然の話だが、別にラケットのディテールを細かく分析するために撮ろうとした写真ではないので詳細まではわからない。でもバンパーは付いているので依頼者のおっしゃるバージョンの3番目に形状は似ている。ただ、初代のフレームにバンパーを付けたものなのかもしれない。見たままのラケットなのかは写真からだけではわからないし、今もまだ発売されているラケットである以上、憶測で物は言えない。従ってUSA製かどうかも当然不明だ。当コーナーではこの辺が精一杯だ。ご理解いただきたい。

依頼内容473:こんにちは!!2度目の投稿になります!!前回は質問のお答えどうもありがとうございました。おかげでだいぶそれらしいスイング(?)になってきました!!今回は友達の依頼で投稿させてもらいます。依頼内容ですが、その友達は僕と同じテニス部に所属していてとても体格がよくサーブ、ストローク、ボレーをとってもなかなか器用にこなす人です。そんな彼が先日の全豪オープンのサフィンVSアガシのフルセットの試合を見て「彼のフォームを参考にしてアノ強烈なフォアハンドをものにしたい。」といったのです。僕は「彼は体格も常人離れしているし、センスも並外れている」と考えているので、「彼のフォームの真似するのは難しい」と思っているのですが、実際はどうなんでしょうか???また、彼のスイングの特徴や体の使い方、グリップの持ち方、そしてボールの軌道(僕は彼のフォアのボールはほとんどフラットに近い形で、ややスピンをかけていると感じるのですが・・・。)を教えてください。少し馬鹿げていて無理な質問かもしれませんがどうか回答をお願いします。それと大変失礼なのですがすぐ先に春の大会が控えているので至急お願いいたします。

  群馬県のフェレーロ頑張れ!!さん

報告473:至急と言われても、このコーナーは基本的に月に一度の更新なので……(数多い依頼に答えるためには、それなりの調査時間も必要なのです。ご理解ください)。間に合うといいのだが、大丈夫だろうか心配だ。もし、間に合わなくても堪忍して欲しい。
 さて、サフィンのフォアは強烈だ。確かに「あれができれば凄い」と思うのも無理はない。
 しかし、思い出して欲しい。サフィンの身長は193cmあり、その肉体も相当鍛えられていて、チェンジオーバーの時の着替えなどでシャツを脱いだ時の裸を見ると、全身に素晴らしい筋肉が付いているのが確認できると思う。あのショットはこの身長と身体能力があって初めて成立する、とまずは強く理解して欲しい。依頼者の友人を一度も見たことがないので断言はしないが、この基本条件がない人だと、そのまま真似すればあのボールが打てる、と直線で結んで考えない方がいいと思う。何しろ、テニス界の誰もが「サフィンのショットはすごいよなー」と感じていると思うが、誰も真似ができていないのだ。あれは彼だからできる、とまず出発点では考えていて欲しいのだ。
 しかし、その上で付け加えたいのは、「ああいうショットを打ちたい」と考えて練習するのは非常に大切だということ。4大大会を幼い頃から見て育った選手と、そうでない選手は、トップカテゴリーのテニス対する視覚的経験が違うと考えられる。目標を常にあのレベルに置いて練習した選手と、そうでない選手とでは満足できる到達点が異なってしまう可能性を否定できないからだ。
 かつて、ヒューイットは下部のトーナメントで優勝してもニコリともしなかったという。恐らく、「自分が戦う舞台はもっと上で、こんな所で勝つのは当たり前だ」とぐらいに考えていたのではなかろうか。実力とそのための努力に裏打ちされなければ、これはただの思い上がりの生意気な態度になってしまうが、彼はそうではなかったのだろう。激しい上昇意識と現状認識は選手が強くなっていく過程では欠かせない要素になる。
 サフィンのフォアを目指して練習を積む過程で恐らく、依頼者の友人独自の強打の仕方も芽生えてくるだろう。それを大切にして、さらに伸ばしていって欲しい。アガシなどはおそらく、まだ自分のテニスに満足していないからこそ、現役で戦っているのだと思われる。彼の最近の口癖は「私がベストの状態なら誰にでも勝てると信じている」というものだ。今年で34歳になるアガシが今もまだ向上心を持っていることが驚きであり、サフィンも「彼ほどテニスに愛情を注いでいる人はいないよ」と脱帽している。現状に満足せず、向上させようとし続けること。これがテニスに限らず全てのトップ選手に共通した要素だと思われる。
 くれぐれも怪我にだけは気をつけて、毎日の練習に励んで欲しい。

依頼内容474:僕は軟式テニス出身(3年)で、まだ硬式は1ヶ月くらいなのですが、バックハンドを軟式打ちしてもよいのでしょうか?

  大阪府のテニス好き♪さん

報告474:依頼者を一度も見たことがない段階では何とも言えないのだが、ボールがそれできちんと飛んで威力もコントロールもあり、かつ、怪我にもつながらないというのなら、基本的に「やってはいけない」という打ち方はない。恐らく、周囲からは色々と言われるだろうが、少なくとも「選手」というカテゴリーにおいては上記の条件を満たしている限り、「変な打ち方」などと言っている人々の方の考え方のほうが変と考えていいとさえ言える。両手打ちバックハンドもコナーズの時代は異端とされたが、今や主流。依頼者のバックハンドがスタンダードになる日がこない、とは誰も言い切れはしないのだ。
 試してみる価値がないとは言わないし、依頼者にはもしかたら合う打ち方かもしれない。実際、プロの中には軟式打ちに近いバックハンドで打っている選手もいる。気を付けて欲しいのはラケットもボールも軟式より重いということで、それさえクリアになっていれば、『やってはいけない』という打ち方は(前記の条件を満たしている限りにおいて)ないのだ。しかし、もし、それでボールが飛ばない、威力が出ない、コントロールできない、どこかが痛い、という感じになったら、躊躇なく違う打ち方も試してみて欲しいし、意固地にならず周囲の人々のアドバイスに耳を傾ける姿勢も持ち続けていて欲しいと願う。

依頼内容475:2度目の投稿です。プロの選手は相当の練習をしているので、身体能力もかなり高いはずです。そこで考えたんですけどプロの選手の平均的な身体能力を小、中学生で言う体力テストの数値として教えてください。かなり無理がありそうな依頼ですがこれからの目標の

  兵庫県のわかるのかにゃ博士さん

報告475:何度か依頼をいただいている内容で、我々も興味がある内容だが、残念ながら選手たちを一度に集めて、上記のテストを実施する力は調査団にはない(ハンドボール投げなんて、どう考えても無理だ……)。
 こじつけようと思えばこじつけられるだろうが、それでは依頼者に対して誠実な回答になるとは思えない。ご理解いただけると幸いだ。
 大学テニス部のデータなら、どうにかすれば出てくるかもしれないが、それでは納得がいかないだろう。
 うーん困った……。

依頼内容476:僕は「将来テニスの選手になりたい」と夢を持ち日々努力しています。そこで質問があります。プロテニスの選手になるには資格かなんかの条件みたいな物が必要なのでしょうか?

  兵庫県の江戸川蒼白さん

報告476:資格や条件は、特にない。日本テニス協会に選手登録をして、プロ申請を行なえば基本的には誰でもなれる。実技試験や筆記試験などがあるわけではない。
 詳しくは日本テニス協会のホームページを参照してみて欲しい。

依頼内容477:エナンモデルは、実は本人は使用していない?
 ジャスティン・エナン・アーデン使用のラケットH TOUR 95は実は、彼女は使用していない様なのですが、どうなのでしょうか?
 よくテニス雑誌や、インターネットの写真でラケットの断面、ラケットの赤い部分を観察するのですが、あきらかにパワーホール搭載モデルと言う事がわかるのですが、発売されないのでしょうか?
 グラフのラケットの時の様に、市場市販されていたモデルと、グラフ本人使用のラケットが違うとファンから指摘され、後にファンの熱い声援に答える形で、ホワイトグラフが発売される事があった奇跡はおきないですかねー?(奇跡をおこしたい!)
 一つ疑問なのが、セリーナモデルなのですが、USAモデルにはパワーホール搭載してないのに、日本発売モデルはパワーホール搭載している。じゃあ何でエナンモデルは搭載していないんだよー?泣
 自分が思った事は、USAの人はあまりテクノロジーが嫌いというか、ノーマルラケットが好きなようなので、パワーホールのようなテクノロジーを搭載したモデルは、あまり売れないので、USAでは発売してないのではないでしょうか(スポーツ店の方に聞いた)?
 エナンモデルに関しては、広告塔の、ダベンポート、エナン、マーチン、他の選手が同じモデルを仕様していますよね、だからコストダウンの為、あえて売れるかどうか、わからないパワーホール搭載モデルと、そうでないモデルをわけて販売せずに、ノーマルモデル一本にしたのでは無いのかなと思いました。(もしくはその逆でエナンが使用しているモデルは売れて、ノーマルは売れないかもしれない?)
 ですがファンといたしては、偽物では打ちたくありません!しかも軽いモデルも嫌です!彼女が使っている重さ、スペックでないと、納得いきません!
 一番いい解決は彼女単独モデル(例 セレナモデル、ヴィーナスモデル、グラフモデル の様に)を発売すれば一番良いのですが、可能性は無いですか?
 もしくは日本限定発売とか?
 可能性が無いのであればスマッシュの雑誌もしくは・インターネットからこの情報を発信させてください!
 この文を読んで心を動かして下さる方がいるかもしれません、もし動かされた方は、ウイルソンさんにメセージを!!!

  東京都のだいちゃんさん

報告477:報告も何も……。ただし、上記の文章の中にいくつか誤解と思しき点もあるので、訂正しておきたい。
 ラケットは決して偽物ではない、という点だ。今の女子の選手の場合、皆様が想像している以上に軽く、しかも飛ぶラケットを使用している選手が少なくないのは事実だ。反対に、ガットのテンションは男子よりもむしろ高い選手が増えている。
 ラケットの個体差(市販品でも必ず存在する数10g単位での製造誤差)は置いておくとして、フレーム単体の重さ自体は恐らく、市販品と大きくは変わらないはずだ(レッドテープを張るなど、その先のチューニングまでは個人差があるはずだが)。以前、ウイルソン社の方などは「ウィリアムズ姉妹のラケットなんか昔からホントに軽いし、飛ぶんですよ。彼女たちがあれを使って結果を出してるんだから、選手たちもいずれそういう方向に行くでしょう。選手のラケットが重くて飛ばない、という時代は過去のものになるはずです」と断言していらしたこともある。実際にセレナが使っているというラケットを見せてもらったことがあるが、非常に軽い(つまり、市販品と同じ)ので驚いたことがある。
 しかし、ラケットには個体差が存在する。彼女が使っているのと同じ、と言って売られていたとしても、数10g単位で誤差は出るし、ストリンガーさんによっての張りの違いなどまで考慮すると、全く彼女と同じラケットは、彼女のラケットバッグから持ってこないと無理かもしれない……。
 それでも、というお気持ちは理解するが……。

依頼内容478:今年の東レでナブラチロワが使用していたカクカクラケットは何と言うラケットか調べてもわかりませんでした。 そこでスマッシュ調査団にお願いです。教えてください!

  東京都のよろよろさん

報告478:Bと読めるステンシルが付いている彼女のラケット。アップにするとBOSWORTHと書かれている。と、ここまではすんなりわかったのだが、この先は……。継続して調査します。

依頼内容479:僕の思い違いかもしれませんがプリンスはラケットを偽装をしまくっています。フェレーロのラケットはどう見てもNXgraphiteではありません。グロメットも付いている(しかもわざわざわかりにくい透明のもの)しラケットの形も全然違います。他の選手のものも同様です。騙しているかのようで悔しいです。何とかなりませんか?

  埼玉県のI.Tさん

報告479:何とかなりませんか、と言われても……。
 公共性の高いインターネットという場で、未確定情報を書く以上は、それなりの覚悟をして欲しい。我々もこれを掲載するにあたっては、それなりの覚悟のうえで掲載している。
 まぁしかし、お気持ちは理解できる。ただ、何とかなりませんか、と言われても、日本でプリンスラケットを輸入販売しているダイワ精工は、本社のプリンスがやっていることに関してはノータッチで公式なステートメントを出せる立場にはないはずだし、日本国内ではどこにこの話を持っていけば理解してくれるかが正直不明だ。
 それから、偽装という言葉を使われているが、自動車レースのラリーなどで、外見は市販車だが、中身は別物と言っていいぐらいの状態の車が平気で走っているが、あれも偽装だろうか?  市販車無改造部門と呼ばれるカテゴリーでも、安全装備に関しては改造が施され、市販車とは比べ物にならない装備が付けられているが、あれも偽装だろうか?
 フレームはともかく、グロメットは選手でなくても、それこそ一般プレーヤーでも人によってはチューンする部品だし、わかりにくくするためにやっていることだ、などと悪意の目で断定していいとは思えない。
 お気持ちは理解するし、当コーナーにはメーカーの肩を持つ理由も義理もないが、選手とメーカーが交している契約は「広告契約」であるはずで(自分の姿や名前をメーカーの広告に使ったり、開発に手を貸すなどの業務委託がメインと考えられる)、その外見通りの用具を使用しなければならない、という形態ではないと思う。つまり、契約を結んだメーカー以外のラケットである、とハッキリ周囲にバレてしまえば契約違反だが、ステンシルが付けられ、あくまでもそのメーカーのラケットであると示されている限りにおいて、契約違反とはならないはずだ(以前、これでSという選手が使っていたラケットを巡ってD社とH社で論争となり、その後、S選手が契約を破棄されたことがあった。契約破棄の原因は定かではないが、選手とメーカーはそういう形式で結ばれていて、ラケットメーカーと契約するようなトップ選手になればなるほど、自分が気に入ったラケットを自由に使えるわけではない、という事例とも言えるかもしれない)。
 また、依頼者のおっしゃることが仮に事実とすれば、あれだけ訴訟天国のアメリカに本籍のあるブランドなので、消費者から必ず訴えられているだろうし、事態は改善されるはずだ。それがないということは、かの国々では自動車レースなどであるように社会通念上、ありうることと認識されているか、法的な逃げ道がきっちりと作られていると見るべきだろう。しかし、とにかく、確証が得られない以上、当コーナーでは何も申し上げられない。

依頼内容480:この間全豪HPの試合日程を眺めていたところ「レジェンドダブルス」(?)というのがありパット・キャッシュやら往年の名選手ばかり出ているのです。これは一体なんなのでしょうか?

  東京都のモヤのフォアはスゴイ!さん

報告480:グランドスラムも2週目ともなれば、選手の数も減り、試合数も少なくなる。そんな頃にスケジューリングされるのがジュニア部門と、このレジェンドダブルスだ。依頼者のおっしゃる通り、往年のスタープレーヤーたちが戦うダブルスのことで、それなりに人気もある。
 基本的には花相撲的な試合で、楽しげに行われている。
 しかし、「いやー、うれしいねぇ」となるか、「見たくなかったな……」となるかは、見る人の愛の形によって様々だろう(特に女子部門)。
 初恋のあの人は、いつまでもあの頃のまま、とは限らないのだ。

依頼内容481:はじめまして、雑誌共々いつも楽しく読ませてもらっています。あまりにもくだらない質問で恐縮なのですが。Babolatのaero tourですが、公式には「アエロ・ツアー」と読むようですね。でも「アエロ」は仏語で、「ツアー」は英語読み。こんな変な組み合わせの読み方は、世界でも通じるのでしょうか?英語圏では「エアロ・ツアー」と読み、仏語圏では「アエロ・ツール」と呼ばれるような気がします。果たして外国でも「アエロ・ツアー」と呼んでも通じるのかどうか調べてください。

 神奈川県のMikiさん

報告481:依頼者のおっしゃる外国、というのがどこの国なのかはともかくとして、目の前にラケットがあり、それを指差した明らかに東洋人が「アエロ・ツアー?」と言ったと想像して欲しい。恐らく、間違いなく通じるだろう。これは「アエロ・ツール」と言おうが、「エアロ・ツアー」と言おうが多分同じだ。「ああ、この人の国ではこのラケットに関して、そうやって呼んでいるのか」と気の利いた相手なら理解してくれるはずだ。そして聞いた相手が英語圏の人間なら、「エアロ・ツアー」と言い返すかもしれないし、フランス語圏の人間なら「アエロ・トューッ(表記不能。敢えて日本語にすれば、トュールだろうが、恐らくこのカナのまま言っても不正確)」とでも言い返してくるかもしれない。でも、これは間違いを正されているのではなく、「僕はこう呼んでいるけどね」という意味に捉えた方がいい。
 どうも日本では「正しい発音」に異様に神経質な傾向があるが、調査団の知る限り、アメリカ人の記者がHeninをエナン(もしくはエナッ)と呼んでいるのを聞いたことがないし、ジュスティーヌなどとも呼ばず、ジャスティン・へニンと言っているのが普通だ。「本人に失礼なのでは?」と考える向きもあろうが、欧米各国では自国の言葉(読み方)で呼ぶ、というのは逆に親しみの表現であったりする場合もあるので、一概にそうとも言えない。
 話が反れた。仮にアエロがフランス語的で、ツアーが英語ではバラバラでおかしい、と考えているとすれば、それは気の使いすぎだと思う。もし、依頼者が他の会話で完璧な発音の英語、もしくはフランス語を操っているのに、ラケットの名前だけごちゃまぜなら変にも思われるだろうが、そうでないなら、相手も不審には思わないはずだ。
 一方、目の前にラケットがない状態で、店員さんに尋ねる時には、名前で言うのは一度考えた方がいい。アエロ・ツアーに関しては国際商品なので、バボラのラケットがある国であれば恐らくラインナップされていると思うが、全てのラケットが世界中で全て同じ名前とは限らないからだ。同じ商品でも、ある国では○○、またある国では●●という名前になっている、というのはラケットに限らず、自動車でも少なくない。その場合、色や形で説明して理解してもらった方がいいだろう。
 実は、発音に関しては少し前にも同じことを調べているので、そちらも参照していただけるとウレシイが、日本のバボラ社さまに問い合わせた時には、日本に来ているフランス人の駐在員の方にまで聞いていただいている。その上でアエロでいいのだ、との回答をいただいている。
 しかし、こういうことにこだわるのは日本人の特徴で、バボラも英語圏では「バボラット」と一般には発音されている。彼らもフランスでは「バボラ」と発音されていることを知らないわけではないと思うのだが、英語ではバボラットだからね、ということなのだろう。これはパリもフランス語ではパリィ、だが、英語ではパリスなのと同じではなかろうか。第3国である日本人の我々がどちらが正しい、正しくないと目くじらを立てられる筋合いの話では本来ない。だったら、ジャパン、などという日本語には一切ない国の呼ばれ方に関して、「にっぽんだ(もしくはにほん)!!」と先に目くじらを立てるのが筋というものではなかろうか、と素朴に思う。

依頼内容482:イバニセビッチは今年こそウインブルドンに出場するのでしょうか? 悲願の優勝を果たした2001年の翌年と翌々年、私は彼が再びセンターコートに立つ姿を見にはるばる渡英したのに、あの勇姿を目にすることはできず。今年こそ…と願っているのですが。

  長野県のおねこさん

報告482:ゴランに会うために渡英してしまうほど行動力のある方なら、すでによくご存知のことだろうとは思うが、どちらとも断言はしにくい。
 テニスの場合、選手が出場するか、しないかは試合前日にオーダー・オブ・プレーが発表され、さらに、試合当日になってその予定された時間に選手がコートに入って来て第1球目のサービスを打つまで(あるいはリターンするまで)、出るかどうかとは断言できない競技だからだ。
 数年前、ジャパン・オープンに来たアガシのように、会場には来た、練習もしていた、しかし、試合には出なかった、というケースもある。ゴランがイギリスに入った。ウインブルドンの練習コートで練習していた、でも出なかったということだってありえない話ではない。
 現時点(5月初旬時点)でのイバニセビッチのランキングは本来ウインブルドンの本戦どころか、予選にだって出られない程度の低いランキング。彼は大会に対して主催者推薦枠をもらえるように申請中で、それが通れば出場が叶うという形だ。左肩の状態は未だ万全ではないようだが、彼も今年が最後のチャンスと考えているようで、多少の痛みなら我慢して出てしまう勢いのコメントを各地で残している(過去2年も同じような発言をしていたが……)。
 仮に彼がとにかく出るつもりでいたとして、彼が出られなくなるというケースは、2通り考えられる。まず、ウインブルドンが400位代の選手である(現在の彼はこの辺りのランキング)ゴランに対して再び主催者推薦枠を与える意義を認めず、彼の主催者推薦枠の申請を却下した場合だ。過去のGSチャンピオンや元?1選手というのは、実は年数回は主催者推薦枠を申請する権利が公に認められているため、ウインブルドンも99%認めるとは思われるが、そこはあのウインブルドン。正式に発表があるまでは何とも言えない。01年のことに、もしかしたら懲りちゃってるかもしれないし、当時のゴランには落ちたりとは言え100位台のランキングがあった……。
 もう一つは本戦の主催者推薦枠ではなく、予選なら出してあげるよ、となって、予選の主催者推薦枠を獲得。ゴランは予選に出場したが、あえなく敗退してしまった場合だ。まぁ、考えられない線ではないが、予選のワイルドカードを与えるなら本戦のを出すだろうし、ゴランが「ハイ、わかりました」と大人しく予選を戦うとも思えないので、これもほとんどありえない(もし、本当にそうなったら一般的には元チャンピオンに対してかなり失礼な話だとも思うだろうが、逆にウインブルドンとイバニセビッチ両者の聖地に対する見識の高さに改めてうならされてしまうような気もする)。
 つまり、6月中旬時点でゴランが試合に出られる程度に健康であり、ウインブルドンが彼に花道を、と粋に考える大会であれば、彼に会える可能性は大いにある。
 ただし、断言はできない。依頼者ほどの方であれば、ご理解いただけることと思う。

依頼内容483:僕はフラット系のストロークで打っていて、特に高い打点だと上手く決まるのですが、低いボールが来た時には、どうしてもネットしてしまいます。やはり、この様な時は、トップスピンでつないで、高いボールを待つしかないのでしょうか?できたら、低い打点でも、フラットで打てる方法を教えてください。お願いします。ちなみに、グリップはセミウエスタンです。

  東京都のYosiさん

報告483:何とも報告の難しい依頼だが、ネットより低い打点からフラットに打ってボールがコートに収まるなら、誰でもそんなボールを打ちたい。多分、スペイン人選手だって同じ考え方だろう。
 ただし、テニスというのはボールの威力だけで勝負が決するわけではないという前提をまず置いておきたい。その上でフラットでガンガン打ちまくって攻め勝ちたいなら、そうやって打てる位置に足をつかって動いていかなければならない、と考えて欲しい。
 アガシはデビュー当時、コートのどの位置からでもウイナーを狙って打っていた。それで勝てる相手も少なくはなかったが、成績には常に波があり、後にアガシのコーチに就任することになるブラッド・ギルバートは、自分が現役時代にアガシと戦うときには、「アガシには打たせれば勝てる」と考えていたという。当時のアガシはそんな位置からではウイナーなんて取れない、という場面でも叩いてはミスを繰り返し、自滅していたからだ。
 アガシのコーチになったギルバートがまずアガシにアドバイスしたのは、「ウイナーを狙うのは、コートの中に足が半歩でも入った時だけ」ということだという。その後、アガシの成績がみるみる安定したのは多くのファンの知るところだ。
 また、依頼者の年齢ではご存知ないかもしれないが、伊達公子選手はライジングプレーヤーで、フラット系のボールを中心に戦っていた選手だが、彼女のテニスを支えていたのはフットワークだった。彼女以上に足を動かしてボールのポジションに素早く移動した選手は当時他にはいなかった。
 つまり、依頼者のおっしゃるようなテニスを現実のものにしたいなら、とにかく足を動かして叩ける打点を取ることだ。だがもし、その打点が取れなければ、その時点ではチャンスメイクを心がけてプレーを組み立てることをお勧めする。その方が試合では負ける確率を下げられるからだ。
 ただし、練習に戻った後は、試合で打点が取れなかったボールを次は取れるように鍛える必要がある。これを一般的には上達と呼ぶ。
 グリップやスイングワークの問題ではないし、ましてやカンタンなコツでどうにかなるという性質の問題ではない。依頼者の課題はほとんどのトーナメントプレーヤーの課題と同じであり、身体を鍛え、予測力を鍛え、反応をよくして、スイングを素早くする、という克服方法以外、依頼のようなテニスを現実にはできないと心得て欲しい。

依頼内容484:GW中にある女子ツアーを見てふと思った事ですが、プロツアーのコートのサーフェースって何種類くらいあるんですか?(ちなみにその大会はオムニコートでした。)。また、公認されているサーフェースで変わったものがあったらぜひ教えてください。

  福井県の若 秀さん

報告484:男子のデ杯(ワールドグループ)が公認するサーフェスでは、まずGSで採用されているサーフェスであること(つまり、ハードコートなら、全米のデコターフか全豪のリバウンドエース、全仏のクレー、ウインブルドンの芝の4種類)、インドアのカーペットであれば、最低限3大会以上に採用されているサーフェスであること、となっている。女子もほぼ同一のルールだ。インドアのカーペットに関しては別に規定があり、その時の採用基準に従って決定されている。
 ちなみに、オムニコート(ちなみに、オムニという呼称は実はあるメーカーの商標で、一般的に言うときには砂入り人工芝が適当なのだが、すでに日本では一般名詞化していると考えて、調査団ではオムニコートと表記する。海外ではサンドフィルや、サンドコート、シンセティックグラスなどと呼ばれることが多いようだ)は男子のATPツアー(賞金総額2万5千ドル以上のチャレンジャー大会以上のカテゴリー)では公認されていない。女子のWTAツアー(ティア○と付く大会格式以上の大会)では未公認となっている。これはGSでの採用実績がなく、かつ、オムニがインドアの大会でも使われていないからだろう。
 この格式より下のいわゆるフューチャーズや、サテライトといったレベルの大会は、国際テニス連盟(ITF)の管轄になっていて、ITFのルールでは、その大会の開催される地域で普通に存在するサーフェスであればよい、となっているため、日本開催の大会ではオムニも公認されているというわけだ。
 変わったコートと言えば、インドに行けば牛糞を固めて作ったハードとクレーの中間ようなサーフェスがあったり、フィリピンには貝殻を細かく砕いた砂で出来たコートなどが存在する。

依頼内容485:クレイコートをオムニコートに変えるのに、一面いくらぐらいかかるのでしょうか、教えてください、

 秋田県のNOV@さん

報告485:元々のコートの状態にもよるし、どの程度の規模の工事が必要か、あるいはどの程度のオムニコートを作るか、作る地域の人件費などの要素によっても左右されるが、という前提付きで、以前、調査団が調べたところでは1面700〜1500万円の間だった、と記憶している。
 スクール使用などのハードな使用条件だと3年前後、リゾートなどの使用で7〜10年程度で張替えの必要が出てくるらしい。その都度、数百万円の費用がかかるという。
 さらに詳しくは施工業者さまなどに直接お伺いいただいた方がよかろうと思う。

依頼内容486:ナイキテニスの業者向けのカタログってないんですかね? ナイキジャパンに問い合わせたらないって言われました。大阪のスポタカとはどうやって仕入れているのでしょう?

  北海道のikelongさん

報告486:……。ナイキジャパンさんに問い合わせて、ない、と言われたのであれば、ないのだろうと思うし、大阪のスポタカさんがどんな風に仕入れているかも、大阪のスポタカさんにお問合せいただいた方がいいのでは、と思うのだが……。
 メーカーは季節ごとに製品の発表会と受注会を各地方で行なっているはず。その時には各商品に関して細かく紹介されたカタログも配られているし、商談もその場で色々とやっているのを我々も眼にする。本誌をはじめとしたメディアも発表会でそうしたカタログをいただいてきて、その後のグッズ紹介記事などの企画を考えている。恐らく、そうした機会にバイヤーさんが直接やりとりをしているのではないかと思うのだが……。

依頼内容487:前回は質問に答えていただきありがとうございました。
スマッシュ様は長い間、日本・世界のテニスをずっと誌面にて見られきたわけですが、日本におけるテニスブームは数字に表すとどのような歴史があるのでしょうか?ボルグ、マッケンローの時代、ベッカー、エドバーグなどの時代は現在よりも数字において活況だったのでしょうか?(用具類等の売上や、テニス人口など興味があります)

  千葉県のgripさん

報告487:本誌の創刊は1972年。日本におけるテニスブームの幕開けと共にできた雑誌と言ってもいいと思われる。実は、都内各地のテニスクラブもこの数年の間に30周年記念行事を開催していたところが少なくなく、30数年前の日本のテニスに対する熱気が偲ばれる。
 さて、ボルグやマッケンローが全盛で、全世界的なテニスブームだった時代と言えば80年代前半までということになる。この時期の本誌は現在のほぼ倍のページ数があった。広告もテニス関連だけでなく、自動車からリゾート地、当時はまだまだ高嶺の花だったパソコンなど、ありとあらゆる種類の広告が入っている。雑誌の広告の種類を見れば、その時期の読者層というのもある程度は推定可能で、当時のテニス誌というのはテニスフリークのみならず、多くの読者層を引きつけていたのが見て取れる(当時はあまりに数多く寄せられる広告依頼をなんと断っていた、というのが今では伝説になっている)。
 その後、80年代末期から90年代初頭のベッカー、エドバーグ時代はテニス人気の過渡期の時代だった。日本では「中興の時代」と捉えられているが、実は世界的にはテニスの人気が衰退の一途を辿ったのがこの時期で、アガシの登場と