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『スマッシュ調査団』 |
| ★スマッシュ調査団★ | |
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| 依頼内容103:本当に初歩的なことなんですが、トップスピンをかけるにはどうしたらいいんですか。あと、サウスポーは有利ですか、不利ですか? |
| 神奈川県のようこさん |
| 報告103: トップスピンをかけるには、ラケットをボールの下に入れて、上に振り上げるように打てばいい。下から上にスイングして打てばトップスピンはかかる。もし、今、ボールに対してフラットな軌道でスイングしているのであれば、それを生かしたまま、打つ瞬間に「ひっかける」イメージでインパクトするといいだろう。 実は、昔のウッドラケット時代ならいざ知らず、今のラケットやガットで、いわゆる「フラット(無回転)」を打っている人はほとんどいない。自然に打っていれば、回転量の差こそあれ、大抵の人はトップスピンを打っている。回転しないボールというのはよほど意識して打たない限り、逆に難しいのだ。 簡単に言うな、トップスピンが打てないからメールしたのだ、という声が聞こえてくる。しかし、トップスピンのコツは下から上にスイングすること以外にはない。ソフトテニス出身の人は、ボールをフラットに打つことに慣れていて、トップスピンを苦手にする人が時々いると聞いたことがあるが、それはそれでフラット系の強打を生かしていけば、強くなれるだろうし、そういう人は「下から上にスイング」すれば強烈なスピンをモノにもできるだろう。ちなみに良くグリップについて言われるが、以前、神尾米さんから「今のグリップできちんと打てている人が、スピンを打ちたいからとグリップを変えるのはナンセンス」という話を聞いたことがある。とにかく、ラケットを一度ボールの下に入れて、そこからナナメ上に振り切ってみて欲しい。それでもうまくいかなかった時にはもう一度メールして欲しい。気を付けたいのはトップスピンを意識しすぎて「擦りすぎ」たり、面をかぶせすぎてしまったり、手首だけでこねたりしないようにする、ということだ。 さて、サウスポーについてだが、はっきり言おう「有利だ」。なぜ有利かというと、まずその絶対数が少ないことが挙げられる。対戦相手のほとんどが右利きの選手のボールには慣れていても、左利きに慣れているということは少ない。「俺、右利きの選手って苦手でさ」などと言っている右利きプレーヤーは自分が弱いのをフォローとようとしているか、さもなければ非常に特殊な人物だろう。 どこで有利かと言えば、右利きの選手と対戦した時のサービスゲームだ(この件についてはこの上の方で、同様の報告をしているので、そちらと合わせて読んでみて欲しい)。左利きの選手はアドコートから右利きの選手のバックサイドに飛んでいく速いサービスを打てるし、スライスの回転が右利きの選手とは逆なので、身体に食い込ませたり、逆にバックサイドへ逃げていくボールを打ちやすいのだ。 15歳のようこさんにはやや辛い例えかもしれないが、かつて世界に君臨したマッケンローやナブラチロワは「左利きだったから天下を取れた」と言う人もいる。そう言えば最近は左利きの強豪がいないが、これは恐らく時代的にストローク時代で左利きの選手の中に強力なストローカーがいないことや、たまたま才能に恵まれた左利きプレーヤーがいないということが原因で、左利きの有利さとは関係ないと思う。左利 きプレーヤーは潜在的に有利な面が多いため、最初は良くてもその後伸びてきにくいという要素もあるかもしれない(これはサービスで有利な部分に頼ってしまい、あれだけの才能がありながら「ただのビッグサーバー」になりつつあるイバニセビッチのことを言っているわけでは決してないぞ!(苦笑))。とにかく、左利きは基本的には有利だ。ただ、付け加えておくことがあるとすれば、サービスでは確か有利だが、ラリーになったり、ネットプレーになった時には特に有利というわけではないということだ。「回転の向きが逆」というのもサービスでは顕著になるがラリーではその効果は少なくなるし、寺地貴弘選手は「嫌だな、と思うのは相手のサービスの時だけ。ネットに出てきたら同じです」と言い切っていた。 トップスピンに関しては今月号(2000年10月号)で特集しているので是非参考にして欲しい。 |
| 依頼内容104:僕のグリップははフォアは極厚、バックはスライスなので薄いです。そのためか少し速いサービスになるとグリップチェンジが遅れてしまい、しばしばミスします。フォアもスライスリターンにすれば良いのですが攻撃性に欠けます。どうすればよいのでしょうか? |
| 広島県のとめとさん |
| 報告104: うーん……。グリップチェンジを速くしてみたら、では回答にはならないんだろうな…。 まず、相手のサービスをしっかり読むことが解決にはなると思う。相手のサービスがどちらに来るのか予測できればこの遅れは防げるからだ。試合の序盤から相手のサービスを良く観察して、クセを見抜く練習をすることは決して無駄にはならない。普段の練習の時でも、パートナーとどちらに打つか相談しないで、読む練習をすることは有効だ。時には相手を欺くためにトスの位置を変えて打ったりする練習もすれば、サービス力の向上にもつながって一石二鳥だ。 次、フォアのスライスリターンは攻撃性が低いとあるが、これはそんなこともないぞ、と言っておきたい。相手の足元に沈めることができれば十分攻撃的だからだ。あまりスイングしないで打つので何となく実感が伴わないかもしれないし、確かにそれ一発で決められるショットというわけでもないが、チップ&チャージを仕掛けるのにはスライスリターンが最も効果的だ。スライスリターンで相手の足元に沈めて、浮いて来たボールをボレーで決めるというのは何ともカッコ良いプレーで、相手の勢いを遮断するにも使える。ややギャンブル的なので毎回というわけにはいかないが、バリエーションとして持つことは強くなっていく過程では必要なことだ。 最後に、速いサービスを相手にする時のオプションとして、「ブロックリターン」を加えるという手段だ。ブロックリターンなら面さえしっかりとできれば、グリップチェンジが多少間に合わなくても返せるし、相手のサービスが速ければ速いほど威力が上がる。実際、ビッグサーバーを相手にした時には、サンプラスでさえこのブロックリターンでボールのコントロールだけに神経を使ってリターンしている。サービスもリターンも最終的に大切なのは「コース」だ。どんなに速いサービスでも相手に読まれれば返されてしまうし、ロケットリターンだって読まれればさらに速いストロークが返って来るものだ。「攻撃性」というのはボールの威力やスピードだけではない。そのコースが重要なのだと考えて自分のプレーを再点検してみることをススめる。今、トップ選手として大活躍しているノーマンやサフィンも、以前から一発の威力は男子テニス界随一だったが伸び悩んでいた。最近二人が繰り返し発言しているのもこの要素なのだ。 |
| 依頼内容105:テニス選手にはメガネの選手が少ないですね(自分が知らないだけかもしれませんが…)。みんな目がいいのでしょうか? それとも目が悪くてもメガネではなくコンタクトなのでしょうか? 自分は普段メガネをしているのですが、激しく動いたり、汗をかくとズレてしまい邪魔だな、と思うことがあります。テニスをするにはメガネとコンタクト、どちらがいいのでしょうか? |
| 東京都のhitさん |
| 報告105: これは困った……。テニス選手の視力のデータなんてどこにもないぞ…。でも、テニスの選手が皆特別な視力の持ち主ばかりという話も聞かない。恐らく、普通の世界とそう大差はないだろう。もちろん、長年の訓練によって動態視力は非常に鍛え上げられてはいるだろうが……。 メガネの選手と言えば、今なら女子のズベレワ選手が代表格だろう。昔を逆上ればナブラチロワやキング夫人はメガネをかけていたトップ選手だ。沢松奈生子選手の叔母さんでウインブルドンのダブルスで優勝した沢松和子さんもメガネだった。男子では、あまり馴染みのないところでは数人思いつくが、晩年のブラッド・ギルバートはしていたな…。でも、名前を出したところで皆さんには馴染みがなさすぎる選手達が多いかもしれない……。 テニスに限らず、激しい動きの伴うプロスポーツ選手の場合、メガネといっても専用の「スポーツグラス」と呼ばれるものを着用していることが多い。代表格はヤクルトの古田捕手だろう。彼らのしているメガネは顔や耳の長さなどを正確に採寸して、専用のサイズを作り出し、支点を多くすることでしっかりと支え、耳の部分も工夫をこらしてズレを防止しているというものだ。また、非常に軽いことでも知られている。 コンタクトの代表格だったのはピアースだ。彼女は最近視力回復の手術を受けたので、その後は裸眼でもそれなりの視力を回復したと聞くが、以前の彼女は極度の近視で、コンタクトをしてプレーしていた(彼女のメガネ姿を見かけたことのある人に言わせると、まさに「瓶底メガネ」だったそうで、近視の度合いも相当なものだったのだろう)。試合中に目薬をさす姿がなかばトレードマークにもなっていたものだった。 さて、どっちが? ということになるとこれは難しい問題だ。目の形状や視力の度合いの関係でコンタクトそのものが「不向き」という人もいるし、メガネの方がやりやすいという人もいる。調査団や編集部で聞いてみた。 「そりゃコンタクト。視野の広さが違う」 「メガネでも、その縁をプレーの目安にしているケースもある。メガネの縁のこの部分にトスを上がった時に打つ、とかね」 等々、議論噴出で結論は出そうにない。話を総合していくと、メガネのダメな点は「ズレ」と「曇り」に集約できそうで、コンタクトのダメな点は「合う人とそうでない人がいる」、「落ちる」、「ゴミが入った時には猛烈に痛い」という点だった。 メガネの不利は「ズレ」の起きないものを使えれば解決できるし、「曇り」も薬剤で防止が可能。しかし、コンタクトの不利はそれそのものの問題で簡単に解決はできない。 結論。広い視野が欲しいならコンタクトだが、しっかりしたメガネが用意できるならメガネ! だ。 ……一般論すぎるだろうか…。 |
| 依頼内容106:バックボレーをつい先日、両手から片手に変えましたが、コーチには「打点が後ろすぎる」といつも怒られています。両手より片手の方が肩幅分前になると聞いたので努力していますが、なかなかうまくいきません。何かいいコツとかはありませんでしょうか? |
| ?県のたけもさん |
| 報告106: コーチの方もいらっしゃる中学生の方ということで、あまり変なことは言えないし、たけもさんのプレーを見たこともないので無責任なことは言えない。基本的に不特定多数の方に向けて発信している読者サービスとしてのこのコーナーの特性上、やや一般論に終始すると思うが、ご容赦いただきたい。 片手打ちの打点が前になるのはなぜか? まず、それから解説した方が良さそうだ。片手で打っている方なら誰でも経験的に知っていることだが、片手打ちだと打点が遅れると力が入らなくなってしまう。その代わり、片手打ちの方が微妙な面作りや、リーチの大きさで有利だ。このメリットは大きく、プロの多くはバックボレーを片手でやっているというわけだ。また、スライス系のボールが多用されるバックボレーでは、片手の方がやりやすい、という面もあるだろう。 しかし、両手から片手に「直さなくてはいけない」のか? というと、実は大した重要性はないのではないかという意見もある。両手できちんと打てているなら、何も無理に変える必要はない、リーチが狭いと言っても余計に足を動かせばそれでいいわけだから、両手でバックハンドをしている人であれば、そのままの方が自然ということも少なくないケースだと思う。 ところで、両手打ちの人が、片手バックボレ−に変える時の導入として、「テイクバックから打ちに行くまでは両手で持っているが、インパクトから後は片手で打つ」というやり方が普通だ。この場合、両手打ちバックハンドストロークと違い、右手主導での動作になる。これをくり返して練習していくうちに、片手でのコツがつかめるはずだ。 運動競技における「コツ」というのは、人により千差万別であり、全ての人に当てはまるようなものは実はない。数をこなしていくうちに、何となくやり方を見つけていく、というのがその実体だからだ。コーチや、技術指導書というのは、その「手助け」をできるにすぎない。例えば、ボレーなら「ラケットの後ろからボールを覗き込むように」という言葉がある。しかし、いつでもその形に持っていけるわけではないし、「打点を肩幅分前にする」と言われて、練習ではともかく、試合でいつもその形 が作れるだろうか? 最終的には数多く(かつ理想的には無駄なく)練習し、様々に起きる状況に対しての引き出しを多く持っていくようにすることが、結局は一番近道なのだ。 |
| 依頼内容107:個人的に球出し用のテニスマシンを購入したいのですが、どんなマシンがどれぐらいの値段で出ているのでしょうか? |
| 兵庫県のS.Sさん |
| 報告107: 個人的にマシンで練習なさると言っても、ゴルフより精密なコントロールが求められるテニスではただ打つだけではあまりうまく行くとも思えない。ボールとの距離感もおぼつかないごく初期のプレーヤーには壁打ちなどの練習も意味があるが、ある程度のレベルに達したら、どうしてもテニスコートは必要なのではないかと思うのだが……、もしかしてテニスコートを個人的に所有されているのだろうか……。 ま、それは置いておくとして。本誌はお持ちだろうか? テニスマシンと言えば、毎月というわけではないが、日本テニスマシン社さんの広告が本誌に掲載されている。まずはそれをご覧いただけるといいと思う。価格的には18.5万円〜25万円。種類もいくつか出ており、どれかはS.Sさんの求める性能を持っていることだろう。 日本テニスマシン社さんの問合せ先は・03−3937−0535(9時〜24時)、FAX 03−3937−9011(24時間受付)。 |
| 依頼内容108:プレーの中で相手の打つボールの予測ができなくて試合に負けてしまうことが多くあります。相手のボールを予測するにはどうすればいいのでしょうか? 打つ場所に対して帰って来る場所が確率的にわかれば教えて下さい。 |
| 静岡県のテニス大好きさん |
| 報告108:
本誌の2000年2月号はお持ちだろうか? その中の連載、「Mr.ブリスコのワンポイントアドバイス」の中で、リターンに関してやや詳しく書かれている。サービスはある程度打って来る方向が決まっているので、こうした予測もしやすいが、ラリー中に「このコースにこの球種で返した場合、このゾーンに、こんな球種が返ってきやすい」などということになると、設定される状況があまりにも多すぎて、知識や研究材料としては面白いが、実際のプレーにどれほど役に立つかはハッキリ言って疑問だ。得意なコース、球種など個人差も大きいだけに一般論を立てることにさえ躊躇してしまう。 予測を立てるには、まず、自分の打ったボールがどの程度のダメージを相手に与えているかを知ることがスタート地点となる。テニス大好きさんも指摘しておられているように「ショートクロスにショートクロスが返ってきやすい」というのは、1.短いクロス方向のボールを打たれた相手は当然前に出てこざるを得ない 2.前に出てきながらストレート方向へは打ちにくいし、ネットも高くなっている 3.結果としてクロス方向が選択される。という順番だ。こうやって理詰めで考えていけば、比較的分かりやすいはずだ。しかし、これを考えながら実行している人はあまりいないだろう。「ショートクロスに打ったら、アングルに返って来ちゃうから……」とショートクロスを使わないというのも考えものだ。ショートクロスは決め手になる武器の一つだからだ。 普段のプレーでこうしたことを「考えながら」プレーできる人は余程の上級者か、天才的な頭の回転と、体の動きがマッチできる人に違いない(例えばヒンギスならやっているような気もするが……)。大抵の場合は自然と体が反応しているはずだ。 これを何とかするには数多く、長くプレーしていくのが一番なのだが、あまり短時間にやろうとすると、疲れてしまう。 オススメの勉強方法は「テニスを見る」ことだ。プロの試合はもちろん、ご近所のテニスコートやお仲間のテニス、草トーナメントなど何でもいい。とにかく数多く見ることが「経験」として蓄積されていくはずだ。プロ野球を見ながら「ここはフォークだろうよ!」とか、「外側を引っかけさせてショートゴロでゲッツーだ!」などと呟くオジサマ達になぜああいうことがわかるかと言えば、小さな頃から多くの観戦歴があり、様々な場面を知識として知っているからだ。テニスでも同じこと。ご自分で練習されることはもちろんだが、テニスをたくさん観戦してみて欲しい。得るものはきっと多いことと思う。ただし!ここで気を付けて欲しいのは「分析マニア」にはだけはならないで欲しいということだ。 |
| 依頼内容109:試合前の集中力の高め方、保ち方の例。プロ選手の例。 |
| 山梨県のSMILEさん |
| 報告109: プロ選手の例、ということなので少し時間が欲しい。 |
| 依頼内容110:近頃、トッププロのフォアハンドのフォロースルーを見ていると、ラケットが肩の上に来ないで脇の下に持ってくる選手が多いのですが、その方が良いのでしょうか? |
| 神奈川県の今イチ…さん |
| 報告110: 各GS大会で500本以上のフィルムを使って連続写真を撮影している編集部には「うなりを上げまくる」ほどの連続写真のストックがある。早速、確認してみた。しかし、おっしゃる様なフォームの写真は、全くないというわけではないが、あまり見当たらない。今イチ…さんがどの写真や選手を見てご依頼になっているのかがわからないので、正確ではないかもしれないが、恐らく、今の選手のフォアの打点が「高く」なってきていることが原因で、そう見えているのではないかと思われる。 「高い打点から左右にはたく」というフォアハンドが最近は主流になってきている。これは特にクエルテンやカフェルニコフなどが得意としており、彼らのフォアには確かにおっしゃられているような傾向が時々見られる。 脇の下というのが「ヘッドが脇の下に落ちている」という意味なら、高い打点をワイパーで叩けば自然とそうなっていくので、フォロースルーとしては特殊ではない(低い打点だとワイパーが上に向かうが、高い打点ではワイパーが横に向かうためだ)。ただし、文字通り「フィニッシュが脇の下」ということになると、確認した限りではほとんど見当たらないのだが……。 「その方が良いのか?」ということになると、これ(高い打点のワイパースイング)を実用で使えるなら「いい」とも言えるが(サイドスピン気味の回転がかかり、逆クロスでは外に逃げていくような軌道が期待できる)、バランス維持と面の維持のためにリストをはじめ、腹筋・背筋の強さが求められるので、一般プレーヤーにとっても「いい」かどうかはやや問題が違ってくる。例えばジャンプしながらのストロークなど、プロが日常的にやっているフォームは一般プレーヤーでも真似しようと思えば、確かにできないことはない。しかし、試合でそれをずーっと続けられるか? というと「スクワットを500回できるか?」という話と同じになる。 理論的にはネットより高い打点でボールを打ち出した方が、ラケットによる打ち出しのパワーだけでなく、重力加速度も利用できるし、角度的にも入射角を稼げる分、確率も高くできるはずだ。しかし、高い打点でボールを捕らえるにはその打点に入っていくための脚力と予測能力が必要だし、高い打点をしっかりと叩き、コントロールするためにはそれなりのパワーが要求される。 とにかく、この「脇の下へ」という意味が良く分からない。もう一度、ご確認いただきたい。 〔依頼110に対する追加報告〕 いまいちさんから、「例えばサンプラスのフォアは肩の上に乗って終わっているのに、アガシやクエルテンは腕の方にきているということです」というお返事が届いた。 これについては、前回の報告と多少似てくるのだが、回答としては「アガシやクエルテンの方が、サンプラスよりスイングスピードが速いからだ」ということになる。 説明しよう。高い打点をハードヒットしようとする時、ヒジの高さを保ったままフォロースルーを抜こうとすると、スイングが速ければ速いほどヘッドは前ではなく脇の下方向へ向かう。これは自然な動作であり、これ自体に実は大きな意味はない。 「フィニッシュは肩の上へ」というのは「基本」として半ば格言化している傾向があるが、これはやや「古い」言い方の部類に属しはじめている(2001年2月号の中とじ企画の中でも少し触れたが、古いから悪いということではないことは強調しておきたい。多くの一般プレーヤーにとってはスイングの最後を左肩の上に持っていくのは、いまだに輝き続ける基本事項だ。ただし、視野をプロにまで広げると、全ての場合においてそうではないのだ)。現在の選手達のフォアのスイング軌道のほとんどはアウトサイドインで、オープンスタンスでセミウエスタン系のグリップで、外側から一気に回してくる打ち方だ。この打ち方で高い打点を叩く場合、スイングスピードが遅ければ肩の上方向に、速くなればなるほど、下方向にむかう。打点が遅れれば、トップスピンをかけて「入れる」ためにそのまま右の頭の上方向に向かうケースもある。 サンプラスの場合、アガシやクエルテンなどよりもややグリップが薄い(現実には巷間言われているほどに薄くはない。セミウエスタンよりほんの少し薄い程度だ)という要素もあるかもしれないし、彼の通常のフォアハンドはそれほどハードに振り切るというよりも「合わせていく」という打ち方なので、アガシやクエルテンよりもスイングスピード自体がさほど速くはないため、結果として左肩の上に乗っているのだ。また、ついでだから言っておくとすれば、サンプラスのフォアは「サンプラスがやっているからいいと言える」と誰もが口を揃えるやや特殊な打ち方で、万人向けの基本からは外れている打ち方だと言われる ともあれ、一度、ラケットを持って、実際に試してみて欲しい。クエルテンやフェレーロのように「ヒジの高さを保ったまま、高い打点をセミオープンスタンス・セミウエスタングリップでアウトサイドインの軌道で打ちにいって、フォロースルーを抜いて」いけば、自然とヘッドは脇の下方向へ下がってくるはずだ。 |
| 依頼内容111:サフィンへのファンレターの宛て先を教えて下さい |
| 東京都のS.Aさん |
| 報告111:
選手へのファンレターは男子はATP、女子はWTAが一括して受け付けている。それぞれの宛て先を示しておく。 男子/ATP Tour International Headquaters, Americas200 ATP Tour Boulevard Ponte vedraBeach,Florida 32082 USA女子/C/O WTA TOUR−Corporate Headquaters,1266 EastMainStreet 4th Floor Stanford Conneticut 06902−3546 USA だ。あれだけの選手なので、いずれ公式サイトもできるだろう。その時にはそこに送ればより確実だと思う(基本的には英語ならOKだと思うが、ロシア語で書けば高感度はアップするだろう)。ちなみにサフィンの自宅は現在はモナコ公国にあることは知られているが、それ以上のことは残念ながらプライバシーに係わることでもあるし、サフィンは友達でもないので、調査団は把握していないし、もし、把握していたとしてもここで公表はできない。ご了承いただきたい。 |
| 依頼内容112:サンプラスは全仏だけ勝てていません。アガシは全部勝ってるし、どのコートでもいつも通りのプレーをしています。コートのせいなんでしょうか? コートの違いについて調べて下さい。 |
| 島根県のテニスマンさん |
| 報告112:
サーフェスの違いについてか……。似たような依頼には以前答えているのだが……。まぁ、いい。サンプラスは確かに全仏を勝っていない。しかし、これを彼の欠点とは言いにくい。テニスマンさんはアガシを引き合いに出されているが、アガシは「サーフェスの異なる4大大会の全てのタイトルを持っている、テニス史上唯一の選手」ということはご存じだろうか? グランドスラマーは過去に数人いるが、彼らは全豪と全米のサーフェスが芝だった時代に達成していて、アガシのように全豪(リバウンドエースという遅いハード)、全仏(レッドクレー)、ウインブルドン(芝)、全米(デコターフという速いハードコート)というそれぞれ違うサーフェスでの生涯グランドスラマーはまだ彼一人だけなのだ。 サンプラスの13個のタイトルは史上・1。彼が最強の選手であることは、全てのライバル達、そしてアガシでさえ認めるところだが、80年代初頭の最強選手で、ウインブルドンや全仏では滅法強かったビヨン・ボルグは全米のタイトルをついに取れないまま引退したし、次の最強選手のイワン・レンドルはウインブルドンだけはどうしても勝てなかったし、その次の最強選手のステファン・エドバーグも全仏では普通の1流選手で、結局勝てなかった。サンプラスの驚異的な実績を考えると確かに不思議だが、苦手なサーフェスや大会があるというのは決して特殊な例ではない。 昨年の全仏の中継で松岡修造さんが「サンプラスはクレーで戦う忍耐力がありません。彼はこのままこのタイトルを取ることはないでしょう」と言い切っていたのを思い出す。実に松岡さんらしい言い方で、「そこまで断言してしまっていいのかな……」と聞いていた方がビビってしまったが、「このまま取れない」かどうかはともかく、言いえて妙だなとは思わされた。 しかし、サンプラスを弁護するとすると、こと「クレー」に関しては「スペシャリスト」達の存在が無視できない。現在のツアーの中で「スペシャリスト」が存在できるサーフェスは「クレー」だけだ。特殊と言えば「芝」では? と思ったアナタ! 確かに特殊性から言えば「芝」の方が特殊なサーフェスだが、その大会数自体が少なく、「芝で強く」てもメリットが少ないのが芝にスペシャリストが存在しにくい理由だ(逆に言うと、サンプラスはその少数派である芝のスペシャリストという側面を強く持っている)。 サンプラスの主武器は200km/hを余裕で超えるビッグサービスだ。オールラウンダーと言われる彼だが、基本的にはサーブ&ボレーヤーであり、サーブ&ボレーヤーでクレーを得意とする選手はいない。彼もそのご他聞に漏れないということだ。 なぜか? まずサービスのバウンドによる減速が激しく、サービスで相手を崩しにくいという点が挙げられる。また、ワイドに打ってもクレーでは「滑って」追いつける範囲が広いというのも大きい。テニスという競技は「相手のコートにボールを返し続けてさえいれば、絶対に負けない競技」だ。サービスは減速してしまうわ、追いつける範囲は広くなるわではサービスを武器にする選手にとっては辛すぎる状況だ。つまり、サービスによって得られるアドバンテージが少なくなる。サンプラスの主武器の威力はこれで減衰する。 次、ストロークの勝負になってしまうと、さしものサンプラスでもストローカーとの勝負では1歩譲らざるを得ないという点がある。クレーの専門家達は皆名うてのストローカー揃いで、体力的にも凄いものがある。松岡氏が「忍耐力がない」と言ったのは彼一流の言い方で、ようするに長いラリーになってしまった時にストローカーを相手にして「決め手」を持っていない、と言い換えた方が良かろう。5セットマッチの最後の最後で2 00km/hを超えるサービスを連発できるサンプラスに体力がないわけはないのだから、問題はそこだ。以前、本誌でビック・ブレーデンによる「テニス必勝法」を報告した時に 「堅実派のプレーヤーは長いラリーの時に“そろそろ何とかしなくては”とではなく、“100本まで続きそうだ何て素晴らしい”と笑って考える」というのがあった。サンプラスがクレーで負ける試合では、やたらと決め急いでは、ミスを繰り返すという場面が多いが、クレーコーター達にこれをやっていたら絶対に勝てない。クレーでは球足が鈍る分、チャンスボールというのは限られており、その時を「造り出す」か、「じっと待たなければならないのだ」(松岡さんが言っていた「忍耐力」とは恐らくこういう意味だろう)。 最後。彼がアメリカ人だからというのも理由にしていいだろう。アメリカ人選手というのはハードコートで育っている分、ハードコートでは滅法強い。過去取ったデータでは、スペイン勢のクレーでの勝率より、アメリカ人のハードでの勝率の方が高かったぐらいだ。テニスをされている方なら心当たりがあると思うが、クレーとハードではフットワークが違う。確かにチャンやアガシはクレーでも強いという印象があるが、アガシも全仏のタイトルは僅か1回しか取っていないし、チャンも全仏で1度優勝してはいるものの、全体的に全仏での成績が飛び抜けているか? というとそうでもない。やはり全米での成績の方がコンスタントにいい成績を残しているのだ。エバート? 確かにエバートは全仏の女王だった。しかし、彼女はどこででも強かった選手だ。彼女の通算勝率はあのステフィ・グラフよりわずか1%とはいえ上を行くようなスーパーな選手なのだ。むしろ「例 外」に分類されるべきだろう。それに、女子の場合は男子ほどサーフェスには左右されない 傾向が強い。 さて、各サーフェスについて簡単に報告しておこう。 ○ハード系 施工方法によってさまざまな性質があるが、基本的にはコンクリートなのでバウンドは高く弾み、「速い」方に分類できる。但し、表面にゴムを張りつけたようなものや、ザラつきのあるサーフェスなどもあり、これらは球足は遅くなる。前者は全米の、後者は全豪のサーフェスに代表されると言っていいだろう。ちなみに有明のサーフェスは基本的には全米型だが、全米よりは「遅め」で、比較的ニュートラルな性質のサーフェスだ。うーん。この中くらいというのが、いかにも「日本らしい」。 ○クレー系 全仏のレッドクレーはレンガを粉状に砕いてさらに焼き、さらさらになったものを圧縮して作られたもの。イギリス圏外のヨーロッパや南米に多い。選手達によれば、感覚としてはハードに近いが足元は滑るとのことだ。他にもリゾート地でお馴染みの海砂や川砂のクレーや、「グリーンクレー」と呼ばれる緑色の水ハケのよい粒の細かい砂にオイルを混ぜて作られたコートもある。 総じて「遅い」サーフェスと言えるが、天候によって速度が変化する。晴天続きで乾燥すると速く、固くなるが、雨天がちだとより遅く、柔らかくなってバウンドもしなくなるという。特徴は足元が滑る分、逆にそれを利用したフットワークができると、ハードコートでは追いつかない(追いついて返せたとしても次が続けられない)ボールに届き、次への体勢にも移りやすいという利点が発生する。横方向でも前方向でも、前に出した足で滑って止まるというのがそのフットワークだが、ハードコートで育った選手の多くはこれを苦手にしているか、全くできない。このフットワークではフォアもバックもスクエアーからオープンのストロークになる。スペイン系や南米系の選手が非常に得意にしている打ち方だ。また、ボールに追いつける分、ラリーが長くなる。ラリーで自分を有利にしてくれるのは何と言っても「深くて高いボール」ということで、彼らにトップスピナーが多いのだ。 ○芝系 芝の毛足の長さによっても違うが、基本的に速くて滑るサーフェス。イギリスをはじめとして、旧イギリス領などに多くみられる。ウインブルドンは短く切りそろえられているので、最初はカーペットのようだが、剥げてくるとイレギュラーのあるクレーでかつ速いというサーフェスに化ける。試合中にも状況が変化してしまう面があり、特殊性としては最も高い。基本的には「バウンドが滑るため低く、減速の度合いも少ない」、「速い」サーフェスだ。 ○カーペット・砂入り人工芝系 カーペットコートはハードコートと芝の特性が同居しているものが多い。つまり「高速系」サーフェスだ。東レPPOで使われているサーフェスなどは「世界一速い」と言われるほどだ。ただし、これも表面の作り方次第で遅いコートもつくれる。芝と違うのはイレギュラーは起きない点だ。 砂入り人工芝(いわゆるオムニコート)系は今のところフューチャーズ(概ね賞金が1万5千ドル以下の大会)以下のITF管轄の公式戦でのみ使用されていて、それ以上の公式戦は行われていないが、基本的な性格はクレーに近い。ただし、クレーよりもボールの回転の影響を受けやすく、スライスなら滑り、スピンなら弾む。ボールの行き方自体は「安定したクレー」という感じだが、雨天時の足元の滑り方はクレーの比ではないほど滑る。比較的「高速系」のサーフェスと言ってもいいが、選手のカバー可能範囲はクレー と同じで広範囲にすることができる。 ○その他 インドの牛糞、フィリピンの貝殻など、各国の事情を反映したコートも多く存在するが、基本的な性格はハードかクレーに近いものが多い。 |
| 依頼内容113:ローランギャロスには魔物が住んでいると言われているのはなぜですか? |
| 島根県のK・Tさん |
| 報告113:
「魔物」は多い。テニスに限らず、あちこちに出没している。自動車レースの色々なサーキットにも住んでいるし、サッカーでも「○○スタジアムには〜」という具合に良く出てくるし、東京競馬場で開催される秋のG・、天皇賞でも3コーナーにはどうも住んでいるらしい……。 テニス界で有名なのは、全仏の大会全体に巣くう魔物と、スザンヌ・ランランコートに住む魔物、ウインブルドンの2番コートに住む魔物が有名だ。特にシード選手達が狙われることが多いようだ。それも決まって無名選手と対戦している時に襲ってくるらしい。 さて、上の報告にも似てくるが、全仏で「魔物」がやたらと活躍するのは、レッドクレーというサーフェスが現在ではやや特殊なサーフェスになっているからだ。特に男子の世界には「クレーコートスペシャリスト」という選手の一団がいて、普段はあまり目立たないが、こと全仏になると水を得た魚、いや土を得たクレーコーターとなって、有名選手達に牙を剥く。彼らは普段、アメリカや西・北ヨーロッパなどで行なわれ、サンプラスやアガシなどが出てくるハードコートの大会には目もくれず、南・中央・東ヨーロッパ各地や南米などで行なわれている比較的小さなクレーの大会で来るべき「日の当たる舞台全仏」に向けて切磋琢磨している男たちだ(ちょっと言い過ぎかもしれないが……)。 「スター選手」を中心に回っているこの世界では、彼らクレーコーター達が出ている大会は同じグランプリ級の大会でも「日陰」の大会。そんな「日陰の男達」がクレーの全仏では「スター選手達」に勝ってしまう。ランキング的な差はそれほど大きくはなくても、「知らない選手」がスターに勝つと、人は「番狂わせだ!」と感じるものだ。「何であんなに強い○○選手がこんな知らない選手に負けてしまったんだ!? きっと魔物の仕業に違いない!」となるわけだ。 ちなみにウインブルドンの2番コートも「シード選手の墓場」として知られるが、原因と言われているのはコートサーフェスの状態だ。センターコートと違い、練習でも使われることのある2番コートはコートの荒れ方の激しいショウコートなので、シード選手達が思わぬ不覚をとることがあるのだ、と言われる。 こうなってくると、全仏の場合の「魔物」とはクレーコートスペシャリスト達ということか……。そういえば確かにムスターやブルゲラは「魔物」モードの高い人達だったな……。 とにかく、過去に何度かそのコートで有力選手が負けたりすることが続くと、魔物のせいにして解決してしまうことが多い。また、選手達も何度かそこで負けた記憶があると、負けた相手のことではなく、コート自体を「嫌がる」ことがある。例えば、全仏のスザンヌ・ランランコートをサンプラスが忌み嫌っているという話もある。 ローランギャロスの魔物とは、ここがいわゆる「強いスター選手がその肩書通り勝てない場所」というところに由来がある、と考えて欲しい。 |
| 依頼内容114:ゲーム中に気持ちのいいボールを打てると調子に乗ってきて、良いボールが打てないと調子がどんどん下がってきます。恐らく初級者だとよくありがちなパターンだと思うんですが…。そこで質問です。気分が良いから気持ち良くボールが打てるのか、良いボールが打てるから気分が良いのか一体どっちなんでしょうか?(鶏と卵みたいな質問ですが…) |
| 兵庫県のFISCHER大好きさん |
| 報告114:
困った依頼だ……。どっちもあるだろうし、その時にその人が置かれている状況によっても違うだろう。その人のタイプによっても違う。私生活の好調さが仕事にもいい影響になる人もいれば、私生活がダメだと仕事までダメになる人、両方がきっちり分かれていて影響の出ない人等々……。 ちなみにスマッシュの編集長は「いいボールが打てるから調子が良くなる」、他の編集者達は「気持ち良く打てると乗ってくる」、「どっちかと言うと気持ち良く打てると乗ってくるけれど、いいボールを打ってるのに気分はそれほどいいわけではない時もあるし、気分が良くてもいいボールが行かない時もある。逆にいいボールを打ってる時は疲れてたりする時の方が多いかも…」、「やっぱりいいボールが打ててる時でしょう。その日の気分がいくら良くてもダメな時もある」とややバラバラな意見だった。 問題を集中力と考えると、1発のいいボールでゾーンに入れることもあるだろうし、なぜか最初からゾーンに入りっぱなしということもあるだろう。 |
| 依頼内容115:ガットについてですが、ダブルスでは一般的に反発の強い物を使う人が多い、と聞いたんですが、なぜでしょうか? であれば、シングルスの時は飛ばない方がいいのでしょうか? |
| ?県のがっとまんさん |
| 報告115:
恐らく、ダブルスで主に平行陣で戦うプレーヤーにとっては反発の強い物を使った方がボレーがしやすいという理由からだろう。 シングルスの場合は、プレースタイルや好みによって違うので何とも言えないが、「ダブルスで飛ぶやつを使うなら、シングルスでは逆」ということではないと思う。でも、使い分けるというアイデアは素晴らしい。ぜひ色々試して、その結果を報告して欲しい。 |
| 依頼内容116:ベルギーのKim Cljisters選手はメディアによって「クリステルス」だったり、「クリスターズ」だったり、「クライシュテルス」だったりしています。どれが正しいのかわかりません。 |
| 長野県のやったぜサフィン!さん |
| 報告116:
他にもエドバーグがエドベリだったり、ピアースがピエルスだったり、フィリポーシスがフィリップーシス、ダベンポートがデーブンポートだったり、マーニーがマーニュイーだったりミルヌーイだったり、シュニーダーがシュナイダー、イリーがアイリーだったり、モーレスモがモレズモだったり、セレスがセレシュだったり、ハースがホスだったり、グラフがグラーフだったり……。表記が揺れていて、読者の皆様には申し訳ないなーといつも思っている。 本誌の場合、本人が希望したと分かっているものに関しては、その発音の表記に最も近いカタカナを当てるようにしている。その他の場合、現地に取材に行った時に言われていた音に最も近い音を当てるようにしている。テニス界は基本的に英語が共通語なので英語読みが多いのだが、選手によっては自分の母国語の発音に近い方がいいという場合もあるし、どっちでもいいというケースもある(例えば、エドバーグの時は、エドベリの方が原語に近いが、本人が「ボクはエドバーグの方がいい」と言ったので、以後エドバーグで統一することになった)。また、不明という選手もあり、そういった場合は英語か原語のどちらかで表記しておいて、わかった時点で変えている。 元々、カナ表記自体に無理があるという感じもするが、カナ表記をしないことには記事も書けないので、やや無理のあるケースもある。それは各メディアともに深く自覚していると思う。 雑誌は各編集部によって基準を作っているようだが、新聞の場合も独自の基準があるが、多くは共同通信社の表記がそのまま使用されることが多いようだ。 さて、ご依頼のクリステルスだが、本誌も最初はクリスターズと表記した。これは英語発音に近い表記の仕方だ。クリステルスはオランダ語的表記。クライシュテルスはド イツ語的表記だろう。 大体、カナ表記自体に無理があるのだが、時々思う。中国語圏の国の映画の題名を見るにつけ表音文字であるカナを発明した我が国の先人達は偉大だったと……。何しろ「クロコダイル・ダンディー」が「鰐先生」になってしまうのだから……。 |
| 依頼内容117:ウインブルドンの1980年から2000年までの優勝者・準優勝者を教えて下さい。 |
| ?県のがっとまんさん |
| 報告117:
報告しよう。Wが優勝者、Rが準優勝者だ。 1980年男子S/W:B・ボルグ、R:J・マッケンロー、女子S/W:E・グーラゴン・コーリー、R:C・エバート・ロイド 1981年男子S/W:J・マッケンロー、R:B・ボルグ 女子S/W:C・エバート・ロイド、R:H・マンドリコワ 1982年男子S/W:J・コナーズ、R:J・マッケンロー 女子S/W:M・ナブラチロワ、R:C・エバート・ロイド 1983年男子S/W:J・マッケンロー、R:C・ルイス 女子S/W:M・ナブラチロワ、R:A・イエーガー 1984年男子S/W:J・マッケンロー、R:J・コナーズ 女子S/W:M・ナブラチロワ、R:C・エバート・ロイド 1985年男子S/W:B・ベッカー、R:K・カレン 女子S/W:M・ナブラチロワ、R:C・エバート・ロイド 1986年男子S/W:B・ベッカー、R:I・レンドル 女子S/W:M・ナブラチロワ、R:H・マンドリコワ 1987年男子S/W:P・キャッシュ、R:I・レンドル 女子S/W:M・ナブラチロワ、R:S・グラフ 1988年男子S/W:S・エドバーグ、R:B・ベッカー 女子S/W:S・グラフ、R:M・ナブラチロワ 1989年男子S/W:B・ベッカー、R:S・エドバーグ 女子S/W:S・グラフ、R:M・ナブラチロワ 1990年男子S/W:S・エドバーグ、R:B・ベッカー 女子S/W:M・ナブラチロワ、R:G・ガリソン・ジャクソン 1991年男子S/W:M・シュテッィヒ、R:B・ベッカー 女子S/W:S・グラフ、R:G・サバチーニ 1992年男子S/W:A・アガシ、R:G・イバニセビッチ 女子S/W:S・グラフ、R:M・セレス 1993年男子S/W:P・サンプラス、R:J・クーリエ 女子S/W:S・グラフ、R:J・ノボトナ 1994年男子S/W:P・サンプラス、R:G・イバニセビッチ 女子S/W:C・マルチネス、R:M・ナブラチロワ 1995年男子S/W:P・サンプラス、R:B・ベッカー 女子S/W:S・グラフ、R:A・サンチェス・ビカリオ 1996年男子S/W:R・クライチェク、R:M・ワシントン 女子S/W:S・グラフ、R:A・サンチェス・ビカリオ 1997年男子S/W:P・サンプラス、R:C・ピオリーン 女子S/W:M・ヒンギス、R:J・ノボトナ 1998年男子S/W:P・サンプラス、R:G・イバニセビッチ 女子S/W:J・ノボトナ、R:N・トージア 1999年男子S/W:P・サンプラス、R:A・アガシ 女子S/W:L・ダベンポート、R:S・グラフ 2000年男子S/W:P・サンプラス、R:P・ラフター 女子S/W:V・ウィリアムズ、R:L・ダベンポート |
| 依頼内容118:ボリス・ベッカーの大ファンでした。今も彼の動向については気になっています。ドイツ在住の姉によれば、色々と幅広い活動をしているとか……。そこで彼が出ているというCMについて教えて下さい。また、その他の主な活動についても教えて下さい |
| 大阪府のけっちゃんさん |
| 報告118:ベッカーも引退してから少し経ったので、もしかすると、良く知らないという若いファンが出てきている頃かもしれない。軽く紹介しておくと、1984年、14歳でテニスをはじめた彼は17歳でプロデビュー。その年の全豪でいきなりベスト8に進出し、翌年のウインブルドンで早くも優勝するという「西ドイツの恐るべき子供」は、一気にスーパースターへの階段を駆け上がった。ほぼ同時期に頭角を現して来たステフィ・グラフと共に、テニス界に「ドイツの時代」を築き上げ、ドイツ国内ではテニスブームを巻き起こした。 90年代初頭の全盛期にはエドバーグと壮絶な戦いを繰り広げ、ファンの間でも「エドバーグ派」(女性が多かったかも?)と「ベッカー派」(男性中心か?)の両派に別れていたものだった。通算勝利数49。特にウインブルドンでは強く、通算3勝、準優勝4回とサンプラス以前に「芝の支配者」と言えば彼のことだった。他にも全米で1勝、全豪で2勝している。最高位は当然1位だ。プレースタイルは「ビッグサーバー」&「サーブ&ボレー」。彼の全盛期のサービスは一説では240km/hを超えていたとも言われている。 日本では「ブンブン丸」とあだ名されてファンから愛された存在だった。セカンドサービスでもお構いなしで強烈なサービスを叩き込んでいた攻撃性。お世辞にも「華麗」とは言えなかったが、猛烈な闘志でボールに食らいついていった姿は心を打ったものだ。彼の存在自体が既存の勢力に対する猛烈なアンチテーゼとして受け止められ、「優等生」然としていたエドバークとは強いコントラストを描き、当時、特に若いファン達の支持を受けていた。 さて、本誌編集部はドイツテニス界の事情については割と強めのパイプがあり、比較的多くのニュースが入ってくるのだが、実は、引退した後のベッカーについては、それほど良いニュースが伝わって来ていない。彼自身の問題なのか、それとも彼の周囲の問題なのかは分からないが、現在のベッカーは「元名選手」というよりも、元名選手として築いた地位や名声を生かした「実業家」としての顔の方が色濃いらしい。 ドイツ国内のテニス関係者の間では引退後も彼に対する期待感が大きかった分、失望感も広がっているようで、時には「バッシング?」とさえ感じられるようなニュースも飛び込んで来ている。 実は引退後の彼に関しては、現役時代にファンだったというけっちゃんさんには、あまりお聞かせしたくないニュースの方が多い。別に犯罪に絡んでいるというわけではないが(脱税疑惑は取り沙汰されているものの、これはドイツの有名人には珍しくないことだ……)、彼の現役時代を覚えていて、当時の彼が好きという方にとっては辛い話題の方が多いかもしれない。 編集部にも色々とニュースは入って来ているし、ネット上で入手できるニュースもあるが、なかなか裏が取れない。これはベッカー関連に限ったことではなく、海外のネット上のニュースは、正直に言って玉石混淆で、ビックリするようなスクープネタもあるものの、誤報が非常に多いのもまた事実なのだ。かなり信用度の高そうなメディアが配信したニュースでさえ、誤報を出していることがある。ここで報告に足る情報かどうかの見極めがつけられない以上、報告は避けたい。 彼が何のCMに出ているのか? というご依頼に関してだが、ドイツに在住のお姉様に聞かれた方が最新のニュースが手に入ると思うのだが……。 |
| 依頼内容119:僕はテニスの初心者です。そこでいろんなことを質問したいと思います。テレビの試合などで「ダウンザライン」とかなにやらわけのわからないことを言っています。まず、専門用語について教えて下さい |
| ?県のラララ・無人君さん |
| 報告119:
我々が普段何気なく使っている言葉でも、突き詰めてみると意味を分からず使っていることもある。思い当たる用語達について報告して行こう。 ●ダウンザライン 直訳すると「ラインを倒す」ということになり、このままではわけが分からない。テニスにおいての意味は、サイドラインいっぱいに打たれるストレートのショットということか、「〜に打つ」と使われた場合は「サイドラインいっぱいを狙ってストレートに打つ」という意味になる。意味的に「ストレートに打つ」という部分が強く(ラリーの時はどちらかのサイドに寄った状態で打っていることが多い。クロス方向ではなく、あくまでもストレートからやや逆クロス気味までの、相手から遠い所へコントロールしたショットで使われることが多いようだ)、またストレートに打つことを「ダウンザラインへ」と言われているケースもあるようだ。 クロスのラリー中にタイミング良くこの方向へ打たれると、相手は追いつけないし、時には動けないこともある。やや必殺技的テイストがある種類の言葉だ。 ●アドコート、デュースコート 専門誌の中では良く使われるが、覚えるまでは意外にややこしいのがこの言い方だ。自分から見て右側のコートがデュースコート、左側がアドコートと呼ばれる。フォアサイド、バックサイドという言い方もある(これは右利きが基準の言い方だ)。 自分が右側に立っている時は、平行カウントか、セットポイントまで2ポイント手前という状態でサービスを打つことになり、左側からサービスを打つ時は、リードしているか許している時、セットポイントで迎えている所からこうした呼び方になったと思われる ●アレー 多くのコートはダブルスとシングルスを兼用で使えるように、シングルス用のラインとダブルスのラインの両方が引かれているが、コートの一番外側の一番細長いゾーンのこと。正しくは「ダブルスアレー」といい、ダブルスではここまでが有効打となる。 ●サービスボックス 野球のバッターボックスと違い、そこからサービスを打たなければいけない場所という意味ではない。こちらは「その範囲にサービスを打たなければいけないゾーン」のことを言う。シングルス・ダブルスともに同じ広さで、ネットからベースラインに向かって行って最初の線とセンターの線、シングルスサイドラインの間のゾーンのことを言う。 ●ライジング ストロークなどで一度バウンドしたボールを、バウンドの頂点を過ぎてから、自分の最適の打点まで「落として」打つのが、一般プレーヤーのみならず、テニスでは一番簡単で安定感の高い打点と打ち方だ。それを「前に出て、バウンドが上昇して来る途中か、その頂点までで打ってしまう」ことを「ライジングでボールを捕らえる」と言う。 一度落とした打点の場合は、ボールも自発的なスピードをかなり失っている状態で、かなり遅くなっており、余裕を持って打てるが、ライジングの場合はボールがまだ「自発的なスピード」を持っており、スピードも速い状態で打つことになる。その上、タイミングを早めに打点を設定するので、余裕もない。 伊達の活躍で一躍有名になった打法だが、伊達ほどのタイミングで、しかも常に打てる選手は未だに出てこない。彼女の場合、「ボールがバウンドする地点を正確に予測してそこに走り込む」という、一般プレーヤーからすると「非常識」とさえ言えるコートの動きでそれを可能にした。スイングは必要最小限で、面の作り方と、その維持が命の打ち方で、少しのミスも許されない。その代わり、「相手の時間を奪う」ということにかけてはこれ以上の打ち方はない。 テンポで言うと、普通のストロークが「イチ、ニ、の、サン!」だとすると、「イチ、ニッ!」(この小さい“ッ”が非常に重要!)で打ってしまう感じだ。 サービスでも使われるケースもあり、トスアップの途中、つまり、ボールが上昇している途中で打ってしまう「クイックサービス」を「ライジングで打ってしまうサービス」と呼んでいるケースもある。 ●トップスピン、スライス等 ストロークの場合、トップスピンは順回転(ちなみに「ドライブをかけて…」という言葉は「トップスピンをかけて」という意味とほぼ同じと考えてもらっていい)、スライスは逆回転のことを言う。トップスピンのストロークの打ち出し時の軌道は、仰角を大きく取った形で打ち出され、ネットの上高くを通過、回転の起こす変化によって下方向へ落ちて行ってコート内に収まる。「トップスピンの方が安定感が高い」と言われるのは、第一にネットの上高くを通過させられること、第2に下へ向かって変化する作用が強いことが挙げられる。また、相手コートに落ちる時に、進入角度が垂直に近づいて行く分だけボールは高くバウンドする。同時に回転しているボールとの相互作用で、バウンド後は「伸びる」ような感覚でボールが跳ねるので、鋭い回転のかかった、深くコントロールされたトップスピンのストロークは相手をコートの外側に追い出すことができるというわけだ。 スライスの場合は、逆回転のボールのため、飛行中のボールには浮力が発生する。従ってコートの中にきちんと落とすためには、軌道自体を低く設定する必要がある。このボールの最大のメリットは相手の打点を低くできるという点と、パワーが必要ないという点だ。 元々、低めの軌道で打たなければコートに収まりにくいため、インのボールの場合はその時点でかなり低いボールということになる上、ボールの進入角度がなく、バウンドしにくい。また、コートとの摩擦と回転方向のベクトルなどの要素が絡み、さらに減速してバウンドは低くなる(サーフェスの種類などによっては逆に弾むような挙動を示すケースもあるが…)。さらに、相手のボールの勢いを利用するのがスライスの打ち方なので、それほどパワーを必要としない。またまたさらに、それほど大きな姿勢の変化を出さないで打てる上、ボール自体のスピードが遅いため、時間的な余裕を作ることもできる。従って、守備的に使われたり、攻撃のキッカケを作るために使われたりすることが多いというわけだ。かつて、ステフィ・グラフがバックハンドでは必ずと言っていいほどこの種類のストロークを使ったが、彼女のスライスは「重い」と対戦選手のほとんどが口を揃えたのは、恐らくその「深さ」に原因があると予測される。深く飛んで来たボールを、相手コートに返すにはそれだけ遠くに打たなければならない要素があるからだ。 サービスの場合もほぼ同様だが、スピンサービスは右利きの選手がアドコートから打った場合は、右利きのバックサイドにボールが跳ねる(右方向に順回転のボールは相手から見て反時計回りに近くなり、バウンド後は左へ飛んで行くことになるため)挙動を示す。 スライスサービスの場合は、ストロークと違い「横回転」のボールのサービスのことを指す。バリエーションが非常に多く、飛行中の軌道で幻惑させようとする横回転がキツメのもの、やや縦回転に近くして、スピンサービスと同じような使い方をするものなどが存在する。バウンド後は「滑っていく」ような挙動を示すことが多い。 どちらのケースでもボールに回転による「浮力」は発生せず、また回転量で深さをコントロールできるため、フラットサービスよりも安定感を高くできる。2ndサービスで多用されるのはこのためだ。 ●レット サービスがネットに引っ掛かったが、サービスボックス内にフォールトせずに落ちた時にかけられる言葉。古い意味として妨害や邪魔という意味があり、恐らく、「今のはちゃんと入ったけど、ネットが邪魔しちゃったからやり直しね」、という意味だと思う。 ●その他 草トーナメントなどで特有の「フィッチ?」というのは「WHICH?」であり、ラケットの表(スムース)裏(ラフ)で、試合前にサービスの権利、コート選択の権利を決める時の言葉だ(プロの場合はコイントスで行なわれている)。 ラケットについては、ガット(ストリングとも言う。ラケットに張る糸のこと。本来は天然素材の物をガット、ナイロン系素材の物をストリングと呼んだが、最近では区別が曖昧)を除いた部分を「フレーム」と呼び、最近の物のほとんどはカーボン(炭素繊維)製。チタン等の金属系の素材や、ナイロン系の素材も使われているが、ほぼ全ての製品で補助的に使用されているのみで、主たる素材はカーボンであることに変わりはない。 ガットを通す部分のプラスティック系の素材を「グロメット」と呼ぶ。最近の製品ではこの部分に様々な工夫をこらして、打球感の向上や、振動吸収の役割を担わせている物が多い。糸が直接触れて、始終ストレスのかかる部分だけに、フレーム自体よりも寿命が短い。「このラケットも寿命かな?」と思っても、グロメットを交換するだけで甦るケースも少なくない(グロメットは多くの製品で交換可能)。また、プロ選手の中にはこの部品を外したラケットを使っているケースもある。しかし、グロメットなしで糸を通す構造になっているラケットは現在市販されている物には極めて少なく、彼らが使っているのはメーカー特別製か、独自のチューニング済のものと考えて欲しい。あるストリンガーの証言では「ある特定の条件を作り出せれば、打球感が良くなることが知られています」ということだった。「ある特定の…」というのは企業秘密ということで教えてくれなかったが、「その分、すごく切れやすくなります。ちゃんとした腕を持ったストリンガーでないとうまくは張れないでしょう」とのこと。試してみたいという人は専門店のストリンガーと十分相談してから実行して欲しい。 握りの部分を「グリップ」そこから先端に向けて順番に、二股に分かれている部分を「スロート」、面の丸い部分を「フェイス」、スロートとで挟まれる3角形の部分のフェイス部分を「ヨーク」または「ブリッジ」、この3角形部分の真ん中に補強材がかましてあれば、それを「ダブルブリッジ」と呼んだりする。 他にも色々な専門用語が存在するが、非常に長くなるので今回はここまでとする。他にも知りたい用語があったら遠慮なくメールして欲しい。 |
| 依頼内容120:なんか大きな事を言ってしまうんですが、もし、自分の庭にコートがあるのってカッコいいなー、と思った時、一体いくらぐらいかかるのか知りたいのです。サーフェス別に大体でもわかると生活に活力が出るんですけど…… |
| 茨城県の自分のコートっていいナーさん |
| 報告120:
土地の代金については、テニスコートを作ろうとしている地域の公示地価や平均的な地代等を参考にして欲しいが、テニスの場合、ラインで囲まれた10.97m×23.77mの最低限必要な広さに加えて、ルールで定められた「余白」部分としてベースラインの後方に5.5m以上、サイドラインの横に3.05m以上の土地が必要だから、17.07m×34.77mの土地が必要だ。坪数にすると約180坪ほどだ。まぁ、銀座に作ろうというのでもなければ、全く考えられないという広さではないかもしれない。 さて、サーフェス別と言っても施工方法により様々に考えられる。有体に言えば、豪華に作るか、とりあえずでもいいから形にするかでかかる予算にもだいぶ開きが出るということだ。そこを念頭に置いて読んでみて欲しい。 基礎工事から排水に到るまで、完全に施工するとなるとかなりの額が必要になるが、小石をキレイに取って、ローラーでならしただけのコートでも良いというのでよければ、土地代以外にかかるのは労力と、ローラー代ぐらいだろう(実際、そういうレベルの手作りのコートは全国各地の学校関係をメインに多数存在していると聞く)。芝のコートを作るとなると維持管理にもお金がかかるし、レッドクレーだと維持管理に幾らかかるか分からない(日本でレッドクレー用の粉砕乾燥焼き入れレンガ粉が恒常的に手に入るのだろうか…)。 とりあえず、調べてみたので順次ご報告して行こう。各種大会などのスポンサー等でお馴染みの日本舗道(パーフェクトコート)さんに聞いてみた。施工方法や、サーフェスの種類などで違いはあるので難しいとのことだが、「そこを何とか、大体の数字でも教えて下さい」と粘った結果、出て来たのが以下の数字だ。 ハードコートの場合、基礎工事から排水まで色々やるとかなりの額がかかるが、一番安くても600万円〜700万円、大体1000万円ぐらい見積もっておいて欲しいとのことだ。 人工芝ではさらに高く、ハードコートの予算に600万円〜700万円、1000万円ほど追加して見積もって欲しいとのこと。 海砂や川砂などを利用したクレーだと(リゾート地等に多いタイプのコート)、確かに初期費用は上記2種類ほどはかからないが、コートの維持、メンテナンスにかかる費用がバカにならないと思いますよ、とのこと。 耐久性に関しては使用頻度によって大きく差が出るものだが、ハードコートの表面の塗り替えは営業としてやっているような使用頻度の高いところで大体7年ぐらい、プライベートな使用やリゾート等の場合、10年以上持たせている場合もあるとのこと。 人工芝ではスクール等なら3〜4年、リゾート等でも7〜8年で張り替え時期が来るとのことだ。しかし、中には10年以上持たせているケースもあるという。ちなみに、それにかかる費用は300〜400万円ほどだそうだ。 参考になっただろうか? |
| 依頼内容121:クエルテンとラペンティの使っているラケットを教えて下さい |
| ?県のかかしさん |
| 報告121:
2000年10月時点でのことだが、まずはクエルテン。彼の使用ラケットはヘッド社のTi Radicalのミッドサイズ。 次はラペンティ。使用ラケットはバボラ社のピュアドライブだ。ヘッドの方は不明だが、バボラのラケットの場合、「○○選手専用の特別製」というラケットは基本的に作っていないとのこと。通常のチューニング程度で使ってもらえる選手にしか供給しないと関係者は胸を張っていた。 ちなみに、彼ら若いクレーコート育ちの選手達のテンションは、ジュニア時代にポリのガットを使用しているケースが多く(切れにくく、スイートスポットで打撃した時の感覚がナチュラルに近いためだと言われる)、ボールをとにかく叩きたいという傾向があるために比較的高めだということだが、それでも平均で60ポンド台だということだ。 |
| 依頼内容122:私の会社には実業団がありません。他の会社の実業団に入部することは可能でしょうか |
| 千葉県のつーさん |
| 報告122:
他の会社の中にある同好会的な任意の団体に加入したいというレベルであれば、全く不可能ということもないだろうが、「実業団」ということになると業務にまで係わってくる。何しろその会社の看板を背負ってプレーするのだから、常識的には不可能だろう。 可能になるとすれば、両方の会社が同意した上での入部ということになるだろうが、そんなことが可能かどうかはわからない。どちらかがOKと言っていたとしても、どちらかがNOなら成立しないものだ。 一番、現実的なのは転職するか、自分の会社にテニス部を作ってしまうかだろう。ど らにしてもパワーが必要だが……。 |
| 依頼内容123:今年のウインブルドンでは大会運営サイドがATPのランキングに基づかないシード制を採用したことが問題となりましたが、「シード制度は一体誰が決めているのか?」と疑問に思いました。また、ATPやWTAというのはどこまでテニスという競技に干渉していいのでしょうか? よかったら、これらの組織が発足した目的と一緒に答えて欲しいです。 |
| 和歌山県のおそうじ大臣さん |
| 報告123:
「よかったら…」という部分は割愛してもいいのだろうか(安堵)。いやいや、ここで楽をしてはいけないんだろうな…。 さて、「今年の…」と書かれているが、ウインブルドンに関しては「伝統的に」世界ランキングとは別の尺度でシード順位を決定していることで知られている。2000年の大会ではこれに抗議してコレッチャらのスペイン系の選手達が大会をボイコットしたが、過去にもカフェルニコフやムスターなどが同じように大会をボイコットしたことがある。その度に問題になり、その都度大会への批判や、逆に擁護する声などで論争になっている ちなみに、大会のシード制度に関しては過去、本誌のコーナーでも報告したことがあるが、既にバックナンバーは売り切れているので、ここで軽くお復習いしておこう。 テニスで現在の物に近い形のシード制度を初めて採用したのは、1924年のウインブルドンだ。同国人同士が早いラウンドで当たらないようにとの工夫が、その採用理由だったようだ。当時(20世紀初頭)は国家同士の戦いというものが現在以上に重要視されていて(ヨーロッパ系諸国では今も同じ傾向は存在するが…)、こうした工夫が当然として受け止められる土壌があったのだろうと推測される。その後、国別に強い選手をドローの各所に配置するという方式が採用され、27年には現在と同じように国籍に係わらず、強い選手同士が早いラウンドで当たらないようにするという方式になった(USオープンでは56年まで「アメリカ人シード」と「外国人シード」という2種類が存在した)。 シード制度というのは、トーナメントを少しでも「公平」な状態に持っていくための工夫と言っていいだろう(勝ち抜き戦のトーナメント方式自体に公平性が欠落しているという要素は強いが、リーグ戦にするほど日程もコートの面数も、はたまた選手のスタミナもないというのが現実のはずだ)。 この「公平」という要素を極めて重んじるテニスという競技の性質上、トーナメント表の作成に関しても「常に公平なドロー表を用いること」という規則が存在する。公平なドロー表とは4からスタートして後は数字を倍々にしていくことで作れる。4、8、16、32、64、128 という具合だ。参加者をこの人数にすれば、決勝まで全員が同じ試合数のきれいなドロー表が書けるのだ(これに当てはまらないドロー数の大会でも、ドロー表の作成に関してはこの数の表を使うようにと言われている。そのため、1回戦がBYE−※1回戦を免除される−シード選手が出てくるのだ)。 シード順位の決定に関しての権限については、統一の規則上は原則としてエントリー直前の世界ランキング(現在の男子ツアーの場合はエントリーランキング)に基づくものとなっている。しかし、ここでややこしいのが、これらの最終決定は大会運営側に権利があり、大会ごとの競技規則が違ってもいいということになっているのだ。従って、ウインブルトンでは「うちではこういうルールなので」と言えば、それが優先されるということになる。このルール自体、現状を鑑みるとウインブルドンのために付け加えられたという印象が強いが、この規則に従えば、日本で開催される国際大会でも「シード順位はJOPで決定する」という規則さえ作れば、日本人をトップシードに据えることができる可能性があるということになる(そんな大会に海外からエントリーしてくるトップ選手がいるかどうか分からないが……)。 さて、ウインブルドンが使っていると言われる基準は「芝のコートでの実績と、ウインブルドンでの実績を加味して決定」しているということになっている。これに従えば、クレーコートスペシャリスト達にとっては、現在のランキングがいくら高くても、シードで不利になるか、シードが付かないことが予想される(実際多くのケースでそうだった「実績」もある)。過去にボイコットした選手達にクレーコートスペシャリスト達の名がズラリと並ぶのもこのためだ。 ウインブルドンだけにこうしたことが許されているのはなぜか? ウインブルドンに許されるなら、同じ4大大会の全豪や全仏、全米でも同じことがあったっていいはずだ、と思うのが人情だが(全仏には独自シードの時代もあったが…)、違っている点がいくつかある。これらの大会の主催者が、ウインブルドンとは違って各国の協会だということだ。同じようなことが起きない理由はここにある。4大大会の元締めは各国のテニス協会の総元締めであるITF(国際テニス連盟)ということを考えると、それらの傘下にある各国の協会では、総元締めの意向を無視はできないという現実があるからだと予測される。 一方、ウインブルドンだけはイギリスの協会が主催ではなく、あくまでも「オールイングランド・ローンテニス・アンド・クリケットクラブ」という私立のテニスクラブの主催であり、近代テニスの発祥の地という強みもある。これはウインブルドンの側から見ると、「テニスはここで生まれたのだから、我々の方が正しい」とさえ言えてしまうほどの強みだ(日本人の我々には柔道で考えると分かりやすいかもしれない。カラー柔道着の導入や、ポイント制度の導入、無差別級の廃止などですっかり主導権を失ってしまった日本柔道界だが、全日本選手権だけには、無差別級を設けているし、カラー柔道着も採用しないと思う)。 今年のウインブルドンでやり玉に上げられたのは、実はシード順位だけではない。主催者推薦枠(ワイルドカード)の使途である。慣例としてワイルドカードは今年も全てイギリス人選手に与えられた。これはまぁ、どこの国でも事情は同じだから仕方ないとしても、「彼ら、彼女らがウインブルドンの本戦のワイルドカードを貰うに相応しい選手なのか?」という議論があったのだ。 というのも、今年のウインブルドンでワイルドカードを得て出場したイギリス人選手達の全員が1回戦で敗退しているからだ。それも、ジュニア世代の有望選手だというのならまだ理解できなくもないが、年齢を問わず予選にさえ出られないようなランキングの選手達ばかりを出場させていたため、この扱いに関して議論が起きたというわけだ。趣旨としては「現在のイギリステニス界の現状を考えれば、全てがイギリス人に与えられるのはやりすぎではないか? 4大大会は通常の大会とは性質の違う、ステイタスの高いものだ。ウインブルドンはイギリスのためだけのものではもはやない」ということだ。 これらシード順位や、ワイルドカードの扱い等の議論に対して、さすがのウインブルドンも今年、「2001年までには検討する」という、今までになかった言葉を持って答えている(これってすごいことなのよ、ほんと)。 テニスがこれだけワールドワイドなスポーツとして成長を遂げた今、「聖地」と言えどもこれからは世界の流れを無視できなくなってくる可能性が強い。一方で、「ウインブルドンだけは別、という大会があってもいいじゃないか」という擁護派の意見も根強く、誰もが納得する形では、簡単に解決はしないだろうとも思う。 エキジビションマッチならどんなルールを作ろうと、選手達や観客が納得して見られるなら何の問題もないが、選手の動向を大きく左右するランキングポイントにも大きく絡んでくる「公式」の大会が、いつまでも「伝統と格式」にあぐらをかいているのも、いかがなものだろうか、と調査団では考える。皆様はどうお考えになるだろうか? 次に、ATPとWTAに関してだが、まずはATPから。 ATPはAssociation of Tennis Prosというのが正式名称で、「プロテニス協会」とか「プロテニス組合」とでも翻訳すれば適当だろう。発足は1972年のこと。役割としては男子のプロテニス選手のための「組合」に相当すると考えていい。 ATPは男子プロのトーナメントの統括と指導、賞金や仕組みについて大きな影響力を持っている。89年にはITFに対して反旗を翻し、90年には4大大会を除く「グランプリ」(一般大会として最高カテゴリーに属する大会)がITF管轄から「ATPツアー」として、ATPの傘下に入ることになった「事件」も起きている。「テニスをプロの興行として成立、発展させていくため」に大きな影響力を持っており、選手達にとって都合のいいように(特に有力選手に対して)ことが運ぶように(必ずしも選手本位の団体ではないのでは? と思われる政策も時折見られるが、これは「選手達を守るためには、まずはツアー自体の隆盛が不可欠」と考えられているフシがある)運営されているようだ。 WTAはWomen’s Tennis Associationの略だ。直訳すると「女子テニス協会」とでも翻訳するのが適当だろう。女子のプロ選手に組織的な活動の場と力を与えることを目的に、1973年にビリー・ジーン・キング(キング夫人)が中心となって設立された。初代の代表も同氏だ。男子のATPとほぼ同様な性格と考えて間違いはないが、こちらの場合、「女子テニスの地位向上」というテーマに対して果して来た貢献は非常に大きなものがあったし、今もそれを大命題にして取り組んでいるようだ。 さて、今でこそプロの興行として立派に成立し、トップ選手達は莫大な額の賞金を手にすることができるようになったが、ほんのつい20数年前まではナブラチロワや、キング夫人といった当時のトップ選手と言えども、安い賞金しか手にできなかった。選手達の努力はもちろんだが、ATPやWTAが長年に渡って様々に工夫や努力を重ねて来た結果、今のテニス界があると言っていい。その間、「テニス界の発展のため」という大義名分の基に、犠牲的な役割を果たしてきた選手達も数多くいることだろう。 「今の子達はいいわよね…」と時折、ナブラチロワやキング夫人達が語っている場面があるが、これは愚痴というよりも、色々と努力してきた結果を誇るという意味も含まれているような気もする。 |
| 依頼内容124:先日、地元で開催された「信州上田オープン」では普段、滅多にお目に掛かれないJOPのトップクラスの選手達のプレーや、クリニックがあってとても嬉しかったのですが、その大会に出ていた駒田政史選手のファンになりました。彼について調べて下さい |
| 長野県のPONちゃんさん |
| 報告124:
PONちゃんさんも「地方でもこういうイベントや大会があって、選手と交流する機会があると楽しいですよね。こういうことがテニス人気に繋がっていくんじゃないかなと思いました」と書いてくれているが、いや、全くその通りだと思う。実は熊本や山梨、岐阜などでも国際大会は数多く開催されている。取材に行くと観客の数は少ないことの方が多いが、概ね無料で公開されているし、お近くで開催されている時にはぜひ応援に行ってみて欲しい。 どんな小さな大会でも、国際大会である以上は、4大大会などの世界の舞台に繋がっている大会だ。アガシもサンプラスも、サフィンやヒューイットもいきなり4大大会に出られたわけではないのだ。どんなスター選手でも、みんなこうした段階の大会を経ていく。貴方が応援した選手が数年後はすごいトッププロに成長するということだってあり得るのだ。実際、日本のサーキットで稼いだポイントで、世界のトップに昇りつめるキッカケを掴んだ選手も少なくない。 さてさて、駒田選手についてだが、1973年3月30日生まれで、出身は愛知県。血液型はO型で、動物占いだと「たぬき」だ。主な戦歴としては平成6年(1994年)の第69回全日本テニス選手権大会(通称/全日本)の男子ダブルスに、佐藤博康選手と組んで優勝しているのが最高のタイトルと言えるだろう。当時は亜細亜大学の学生(佐藤博康選手も)で、学生ペアが全日本を制したのは第36回の藤井・平野ペア以来33年振りという快挙だった。 |
| 依頼内容125:試合中にアンパイアの方が記入しているのは、どんなものなのでしょうか? 見ているとポイント毎に記入しているみたいですが……。あの用紙はどこかで売られているものなのでしょうか? |
| 埼玉県のテニス命さん |
| 報告125: あれは通称「ジャッジペーパー」と呼ばれているもので(正式にはスコアカード)、関係者は「ジャッペ」などと略していることもある。ポイントの記録として審判員が付けているスコアシートで、ポイント毎に記入するスタイルになっている。正式スコアはこれによって付けられる(エースの数などもこれによって正式記録とされる)。他にも「ポイントペナルティカード」というものも持っていて、ペナルティ等について記録している(国際大会の審判の場合、「各国の汚い言葉辞典」のようなものを持っていて、差別用語等に対して、選手が発する言葉をチェックしているという話も聞く。日本語ならわからないだろうと、「このすっとこどっこい!」とか言うとバイオーション等を取られるかもしれないということだがが、「すっとこどっこい」がルールに抵触するかは不明…)。 |
| 依頼内容126:来年、USオープンを観戦しようと思っています。一人でツアーで行くと言ったところ、「女性一人じゃダメ」と反対されました。そんなに危険なものなんでしょうか? それと観戦ポイント、ナイトセッションのチケットの入手方法を教えて下さい |
| 東京都のM.Nさん |
| 報告126:
先日のUSオープンに取材に行った本誌特派の編集者の話では、「基本的には、今のニューヨークはガイドブック等に書かれている“危険な所”に行かなければ、マンハッタンの中心地では大丈夫だと思う。マンハッタンの中心地は感覚としては夜の新宿より安全かも」とのことだが、「但し、全ての前提条件として、海外旅行には危険が付き物だし、それは国内旅行でも一緒のこと。旅行には常にリスクが伴うのは当然ということは付け加えておかないといけないとは思うけどね。それに来年がどうなっているかなんて、わからないでしょ」ということだった。 さて、ツアーを利用するということなので、リスクは低いとは思うが、それなりの覚悟と、起きたことに対しての自己責任を追うこと、危険には近寄らないこと、万一、何かに巻き込まれた時は、自分の立場を主張して決して泣き寝入りしないことなどが必要だろう(ニューヨーク中心部のまともなホテルなら、日本語のできるスタッフも大抵は常駐しているはずだと思う)。 一番心配なのは会場への行き帰りだ。地下鉄を使うにせよ、他の手段を使うにせよ(ツアーなら恐らくはバスか地下鉄)行きはともかく、帰りは心配だ。ナイトセッションの終了時刻は遅い場合は0時を回る。この時刻まで観戦してしまうと、帰りの足が確保されていない場合、とても心配だ。地下鉄は動いているが本数は少なく、マンハッタンへの途中にはやや危険な地域を通過するので危険がないとは言えない(観戦ツアーの場合には、ナイトセッションが長引きそうな場合には、途中で切り上げて帰るという手段が採られていることが多いと聞いたことがある)。 さて、観戦ポイントとしてオススメなのは? と言われても、非常に多くの場所があって困ってしまう。というのも、センターでアガシがやっているかと思えば、他のコートでヒンギスが、あっちのコートではサンプラスが練習しているというのがグランドスラムだからだ。 まずは、ショーコートだろう(センターコートやルイアームストロングスタジアム等のスタジアムコートのこと)。これらに入場するには通常のチケットの他に、それらのコートに入るためのチケットが別途必要になるが、確実にいい試合が組まれているはずだ。ま、当然と言えば当然のオススメポイントだ。大会の前半か後半かでも違うが、前半であれば大抵は空きがあるので、せっかく行ったんだからと少々追加でチケット代を出して、巨大なセンターコート、アーサー・アッシュ・スタジアムの雰囲気を味わうのも悪くないと思う。天気のいい夕暮れ時に、センターコートの一番上まで登って行って眺めるマンハッタンの夕日はとってもキレイだ(ただし、壁が低くて危険なので、各所に警備員が立っていて長居はさせてくれない。写真の1枚2枚を撮るぐらいの時間は大目に見てくれることが多いと思うが…。それと、高所恐怖症の気がある人は登っていくときはいいとしても、下りは怖いかもしれない。角度がとってもきつい階段なのだ)。 ショーコートや、ナイトセッションのチケットは、場内にあるTicket Exchageというブースで購入できる。料金は年によって多少上下があるので、大会が近づいたらUSオープンの公式ホームページ(www.usopen.org)などで確認してみて欲しい。観戦の猛者はUSTA(全米テニス協会)の会員等になって、事前購入しているという。 アザーコートでもお楽しみは一杯だ。何しろグランドスラム。出場している選手達は男女共に豪華絢爛なのだ。国内の感覚で言うと「なんでこんなスゴイ選手がこんな“田舎のコート”で試合をさせられているのだ!」とびっくりしてしまうほどのことさえある。オーダーオブプレーを熟読して、その日の行動を決めないと、もうどうしていいかわからなくなってしまうだろう(秋に開催されている、どこかの国の国内最高大会も同じことで悩まされるが、志があまりにも違う……)。ショーコートより選手が間近で見られるという良さもある。 その他には、場内の売店の食事のメニューは少々高い(その時の円ドルレートによっても割高感は変わってくるとは思うが…)。ニューヨークという町自体、物価の高い町なので、倍まではいかないが、市価と比べると割高感は確かに高い。でも、量は満足できるレベルだ。味は筆者はアメリカのスタンドの食事に対して総じて「おいしい」という印象を持っているが、人によっては「不味い」という人もいるので、味については言及しないでおこう(筆者は特に人によっては無味乾燥という「パン」の美味しさを白眉としたいと考える。確かに日本のパンの方が単体としてはおいしいが、主食として考えると、主張の少ない欧米のパンの方がおいしいと感じる。毎日食べていても飽きないのだ)。 ちなみに、選手の場合は選手用の食堂が、メディアにも専用の食堂がある。選手の方には我々は入れないのでどんな様子かは分からないが(2000年の大会でドキッチの父親が選手用の食堂で一悶着起こしたのは、食事の値段と量に対してだったというが……)、メディア用の方はランチバイキング式で、当然有料。お値段もニューヨーク価格だった(大会から食券が1日10数ドル分いただけるが、節約しないと1食で使い果たしてしまう程度の値段がついている。夜の12時過ぎまで何も食べないというわけにもいかず、ナイトセッシ ョンの最後まで取材する場合、自分で払って食べている)。話がやや逸れた。 一番感じて欲しいのは、観客の雰囲気だ。どこかの国と違って、観客達が「見学」ではなく、「大会を単純に楽しみに来ている」というのが実に良く伝わってくる。ひいきの選手と一緒になって一喜一憂し(特に試合をしているのがアメリカ人の選手だと)、皆、実に楽しそうに試合を見ている。小さな子供が「カモーン、アンドレ!」と叫んでいたり、そうした声援に対して絶妙な間合いの返しが観客同士、時には選手から返されたりすることも自然な雰囲気の中で発露する。決勝が近づいてきて、緊張感の高い試合になると、耳をつんざくような音量の声援が「降り注いで」くることもある。こんな状況の下では選手達だって、絶対に最高のプレーをしたくなるはずだろうと、痛感する。日本でしか大会の観戦経験のない人だと、今までの常識が根底から覆されるかもしれない。 いや、段々興奮してきてしまった……。テニスファンであれば、どの大会でもいいが一度は4大大会に観戦に行って欲しいと思うし、一度行けば、国内の大会の観戦状況がこのままでいいはずがない、と思うと思う。 最後になったが、ご両親のご心配も良く理解できる。もし、念願叶って観戦に行かれるのであれば、くれぐれも気をつけて、事故のないように楽しい思い出を作って欲しい。 |
| 依頼内容127:ラケットを買い換えたいのですが、欲しいラケットがカタログに載っていません。これって変なやつですか? ちなみにウイルソンのハンマー6.4ストレッチというのなんですが。あと、ラペンティの使っているラケットとプレーの特徴について教えて下さい。 |
| ?県のP.N.甲斐さん |
| 報告127:
ウイルソンのハンマー6.4ストレッチというと、赤・青・白のカラーリングで、フレームにチタンパウダーを配合、パワーホールが搭載されたモデルのことだろうか? ウイルソンさんに問い合わせたが、これはカタログ落ちしたそうだ。つまり、商品としての流通は在庫のみという状態に入ったということ。確かに一部のショップではとても安いお値段がつけられていたのを目撃した。 最近のラケットの製品の入れ替えのサイクルは早くなってきているようだ。しかし、こうした問題はここに依頼するよりもお近くのショップか、もしくは、ウイルソンさんに直接お問い合わせになった方がベターだと思う。 ラペンティの使用ラケットについては、この上の方に同じ依頼に答えているので参考にして欲しい。 ラペンティの技術的な特徴は、クレー育ちらしく、ストローク戦での粘り強さがあるという点。彼自身は「最後まで絶対に諦めないで戦うところを見て欲しい」と、先日のジャパン・オープンで語っていた。 技術的に、際立って特異な点はない。強いて挙げるとすれば、実に丁寧にボールを扱って、極力ミスをしないという意識がかいま見えるところか? ほとんど常にトップスピンもしっかりかけて安定性を確保しようとしているし、叩く場面では叩いている(そうでなければ、ああいうランキングには進出できない…)。但し、非常に慎重なタイプで、確実にポイントできるという確信がない場合は、つなぐというやや守備的な傾向が見受けられるようだ。 |
| 依頼内容128:私もこの上の方にあるK.Kさんと同じく、テニス関連の仕事に就きたいと考えています。質問したいのは「テニスの専門学校」に進学する人のレベルってどんなもんなのでしょうか? やっぱりガンガンやってて、めちゃくちゃうまい人ばっかりなんでしょうか?二つ目は、実業団に入る人っていうのは、どんな人なんでしょうか? ちなみに今、大学3年生です。テニススクールに週4回ぐらい通っています。 |
| 神奈川県のセレナっちさん |
| 報告128:
難しい依頼が来てしまった。 まず、確認しておきたいのだが、セレナっちさんはコーチになりたいのだろうか? それとも実業団の選手になりたいのだろうか?(別に責めているわけではない…) コーチになりたいのだとすれば、専門学校の他にも、コーチを派遣することを業務にしている会社などが経営している「アカデミー」も存在する。こうした所だと、卒業後の仕事先もある程度確保されているので、コーチになりたいのだとすれば、こちらの方が早道ではあると思う。時折、本誌に広告や告知が出ているので、小まめにチェックしてみて欲しい。 実業団の選手になりたいのだとすれば、大学のテニス部でプレーして、公認大会にたくさん出場し、実績を積み上げていかないと難しいだろう。その上での就職活動になる。これは正直言って、非常に狭き門だ。 「実業団の選手ってのはどんな人達…」と言われても、実業団(社会人リーグと呼ぶのが正しい言い方だが)にもレベルがある。最上位の1部には、本村剛一選手や、浅越しのぶ選手など国内のトッププロも所属していたりするし、2部以下にもプロが名を連ねている場合もある(試合の出場は1名ないし、プロ&プロのダブルス1組までだが、所属選手の数に特別な上限はないらしい……。また、会社によっては「テニスだけしている所」、昼間はきちんと業務をやって、勤務時間後に練習するという所の大きくわけて2種類があるという)。高校時代にはインターハイ、大学ではインカレに出場して、上位を争ったレベルの選手達がこれらの上部リーグにはゴロゴロしている。Jリーグを思い出すと、丁度いいかもしれない(サッカーと違い、大学卒業者が多いという特徴はあるが…)。J1、J2問わず、Jリーグの選手達のほとんどは、アマチュア時代にも、地元では「かなりの有名人」というレベルの選手達ばかりのはずだ。セレナっちさんがこれらに該当しないとなれば、今から相当頑張らないと厳しい。でも全く不可能とは言わない。もし、本当になりたくて、真剣に頑張って、そして結果を残した人には相応のものが与えられなければならない。この国はまだそういうファンタジーまで、失ってしまうほど腐ってはいないと思う。とにかく、最初から無理だと諦めてしまうことは最悪だ。どうか頑張ってみて欲しい。「専門学校に通う人のレベル」だが、学校によっては受験資格に選手としての実績の資格制限を設けている場合もあるだろうから、それを参考にするというのが一つの手段だ。 テニスコーチ養成所の場合、ある程度の経験があれば、厳しく実績を問う所は少ないと思う。自前でコーチのレベルまで持っていけるという自負があるのと、コーチは実技はもちろんだが、それ以上に接客業務であり、かつ教育者という側面があるからではないだろうか。実技の能力がどんなに優れていても、それが優秀なコーチかどうかというのは別の話だからだ。 いま現在すでにそれなりの腕前をお持ちで、自信もあるのであれば、アルバイトコーチからスタートするのも手ではある。最近のスクールでは、人手が足りない場所も多いらしく、編集部にはほぼ毎月求人広告の掲載依頼が届いている。そういった所で一から修行するというのも一つの手だとも思うのだが……。 |
| 報告128追加:今年の4月号はお持ちだろうか? 39ページに「ユニバーサルテニスアカデミー」というところの募集告知が出ていると思う。コーチ養成コースとプレーヤーズコースの2種類があるが、コーチ養成コースの場合、テニス歴、年齢は不問ということになっている(実技テスト、体力テスト、面接有)。セレナっちさんが合格できるかどうかまでは、当コーナーでは何とも言えない。 このユニバーサルテニスアカデミーの場合、母体は「テニスユニバース」。関東各地のスクールにコーチを派遣、スクールを運営することが業務としている企業だ。コーチ養成コースを卒業すると、この会社の一員として、テニスコーチに成る道が用意されている 本誌の技術特集などでお世話になっている直江智さんが校長を勤め、その理論的な指導体制には定評があり、実際、ここを卒業してテニスを職業にした人も少なくないという。 探せば他にも同様の趣旨の団体はあるのではないか、と思うが、本誌との関係上、ここで、ご紹介できるのはこのアカデミーになる。 問い合わせは、TEL:0424−83−9 321、FAX0424−83−9350 http://www.tennisuniverse.co.jp/ |
| 依頼内容129:スラセンジャーのヘンマンモデルか欲しいのですが、取り扱っているお店が少ないと思います。ウッド時代は有名なメーカーだったと思うのですが、今ではマイナーメーカーですか? あと、重さが320gと最近では重い方だと思うのですが、男子レッスンコーチ(プロは比較しません)が使用しているラケットの平均重量はどれぐらいなんでしょうか? |
| 千葉県のたべちゃんさん |
| 報告129:
スラセンジャーを扱っているショップが少ないのは、別にマイナーだからというわけではない、と思う。現在、日本でスラセンジャーを扱っている正式な代理店がないためだろう(こういう視点から見ればマイナーだが…)。スラセンジャーは今もウインブルドンで正式採用されているボールを作っているし、ラケットもヘンマンが使用しているのをご覧いただけばお分かりのように、今もちゃんと作っている。大手、とまでは言えないまでも中堅のメーカーだ。ヘンマン・モデルは以前本誌の企画で試打したことがあったが、クセのない素直な打球感がとても好評だった。 国内にも本誌に企画連載中の錦糸町のテニスパラダイスさんなど、独自のルートで仕入れて置いているショップもあるので、お近くのテニスショップ等に一度問い合わせてみてはいかがだろうか(正規のルートがないため、貿易商社などに依頼して、空きコンテナ等で個別輸入しているというのが現状なので、常に店頭にあるわけではないそうだ)。 さて、レッスンコーチ達の使用ラケットについてだが、レッスンコーチと一口に言っても色々だ。多くのコーチ達は「仕事用(球出し等がメインのレッスン用)」と、「自分用」の2〜3種類を使い分けているようだ。 話を聞いた限りではだが、レッスンの時には軽くて楽に飛ぶ、軽量高反発系の厚ラケを使用しているケースが多いらしい(これはコーチ個人や、そのスクール全体が契約しているメーカーからのプッシュがある場合もあるらしいが…)。その場合の平均重量は300gを切るだろう。しかし、自分用に使っているラケットを見せてもらうと、コーチによっても様々だが、やはりそれなりのラケットを使われている方が多い。ヨネックスならRDTi−70とか、ウイルソンならプロスタッフとか……。この場合の平均重量は300gを超えると思われる(もちろん、コーチによっても様々で、公認大会などにも参加する若いコーチは、350gを超えるようなラケットを使っているケースもあるし、ヘッドコーチクラス以上の年配のコーチは軽量ラケットを使用しているケースもある)。 また、レッスン用と言っても、初心者クラスの時と、上級者クラスの時では、相手にしなければならないボールの質が違うため、前者の時は高反発系、後者の時は自分用に近いラケットと使い分けているケースもある。 ちなみに、コーチ達はほぼ1日中ずっーとコートに立ち続け、何らかの形でボールを打っているので、あまりヘビーな物は「仕事用」としては好まないという傾向がある。ただし、実力自体は高い方々なので、個人として使うものはそれなりというケースがほとんどだ。たべちゃんさんが通われているスクールがあれば、一度、実際にそういったことを尋ねられても面白いお話が聞けるのではと思うが、いかがだろうか。 |
| 依頼内容130:ウチのテニス部は1年生だけでやっているのですが、顧問の先生がなぜか出てきて教えてくれないため、指導者がおらず苦労しています。自分も皆にどういうことを助言したら良いのかわかりません…。何か効果的なトレーニング方法や、アドバイスなどありましたら教えて下さい。 |
| 新潟県の1年生部長さん |
| 報告130:
またもや難しい依頼だ…。 顧問の先生が出てきてくれない原因が良くわからないが、高校1年生の段階で、指導者がいないというのはかなり痛い(全国にはこうした状況のテニス部は少なくないらしい。調査団にもそういう高校時代を過ごした者がいた)。 効果的なトレーニング方法や、アドバイスと言われても、テニスは個人競技のため、選手個々人や状況によって様々だから、何を申し上げてよいやら、正直に言って我々にも分からない。 とりあえず確実に言えるのは、基礎体力の強化運動だけは重視した方が良いのではないかということと、オンコートでは、各々がしっかりとした目的意識を持って練習することではないかと思う。部員同士全員がお互いのコーチ役になれれば、相手を教えながら自分の勉強にもなって、双方にとって良い効果が期待できると思う。 顧問の先生に「指導者として出てきて欲しい」と伝えることも重要だろう。同じような苦労をしている高校生は全国に数多いと聞く。熱意を持って説得に当たって欲しい。ありきたりのことばかりで大変心苦しいが、このコーナーが責任を持って解答できるのはこのレベルまでだ。 |
| 依頼内容131:僕は今、高校3年生で、将来テニスやゴルフ、スキーの板などを開発する仕事に就きたいと思っていますが、どうしたらいいんでしょうか。きっと大学で物理や化学などの専門知識を勉強することになると思うんですが、どんな学科に行けばいいんでしょうか |
| 埼玉県のIDさん |
| 報告131:
国内の数社に問い合わせてみたところ、いわゆる素材工学や材料工学系の学科だと、ラケットなどに使われている高分子系の素材について勉強できるのではないか、とのことだった。また、機械工学系でも、テスト用の装置を自分達で作ったり、計測器の扱いなどの仕事も多いので、全く関係ないということではないそうだ。とにかく「材質について極めていきたい」となると、スポーツ用品メーカーよりも、それらのメーカーに素材を提供している理化学系の企業の方が縁はある。 また、あくまでもラケットやゴルフクラブというなら、材質よりも「こうした形状にした場合の強度は……」という分野が入ってくることになり、「建築系にそんな学科があったかも……」と答えてくれたメーカーもあった。これは学校の進学担当の先生などの方が詳しいことと思うので、一度相談してみて欲しい。 また、工業デザインという分野もあり、これだと工業系の大学だけでなく、芸術系の大学にも同様の学科がある場合がある。こちらは主に「デザイン」を手掛けることになるが、そのデザインを支えるための材料的な基礎知識が必須となる。 前者が製造者的、開発者的だとすれば、後者はディレクター、プロデューサー的になるという感じだ。 例えば、ラケットを開発していく上で、「とても硬くて軽くて、しかも安い素材が欲しい」と考えてデザインして発注するのが後者で、そのリクエストに答えて研究・開発していくのが後者と考えれれば適当だろうか? IDさんのペンネームからお察しすると、恐らく、インダストリアル・デザインの方向をお考えなのではなかろうか? 開発のプロデューサー的な役割を果たしたいとお考えなら、工業・芸術系大学の工業デザイン学科、用品の中身について極めていきたいとお考えなら理学部系、実際に研究開発に携わるお仕事をご希望なら工学部系も視野に入ってくる。高校生の段階で細かく将来について考えて、決めていくのは口で言うほど簡単なことではないと思うが、スタートが早くて損をするということはあまりないと思う。どうか、ご自分の将来を真剣に考えて、周囲の方々とも相談して決めていって欲しい。 |
| 依頼内容132:近畿大学の權伍喜選手にファンレターを出したいのですが、近畿大学に送ってもいいのでしょうか? もし良いなら近畿大学のどこ宛でしょうか? 後、權伍喜選手の予定 などどこで調べたら良いのでしょうか? |
| 大阪府のH.Tさん |
| 報告132:
今年のインカレ、全日本で大活躍した權伍喜選手は、近畿大の4年生で間もなく卒業する。その後は、帰国して兵役に就くという話を聞いている(2000年12月時点)。 我が国ではあまり広く知られてはいないようだが、韓国(大韓民国)と北朝鮮人民共和国は「休戦」しているだけで、戦争状態はまだ終わっていない緊張関係にある。つまり、いつ戦端が開かれても全く不思議ではない状態なのだ。当然のように国民には兵役が義務づけられており、スポーツ選手といえどもその例外ではない。ただし、国の代表選手クラスとして指定されると、兵役が少ない期間で済んだり、すごい実績を挙げると延期・免除されたりすることはあるらしい。兵役後は日本に戻り、就職活動をしたいと話していたという事は聞いているが、先のことなので、ここで断言は避けておこう。 ファンレターの宛て先としては、近畿大学のテニス部宛でも良いとは思うが、3月には卒業してしまうはずだ。彼もATPランカーであることに間違いはないので、本誌の読者ページ「LOVE ALL」の下段に掲載されているATPのファンレターの宛て先に送っておけば、多少遅れても恐らく届くとは思う。とりあえず、本誌編集部宛にいただいておけば、転送するように手配する。 手紙の言葉だが、確証はないものの、日本語で大丈夫だと思う(日本語は普通に話せるので)。韓国語で書ければより良いとは思うが……。 |
| 依頼内容133:スクールの合宿などでの水分&栄養補給に関してはどのようにしたら良いのでしょうか2日間で、1日目は日中に5時間連続、2日目は午前中に3時間、昼食を挟んで3時間となっています。途中で空腹を感じることもあるんですが、どんなものを摂ったら良いのかわからなくて…。水分は小まめに摂るように心掛けて、スポーツドリンクやアミノ酸ドリンクを2倍に薄めて飲んでます。これでカロリーは摂取しているので、栄養補助食品では過剰摂取になってしまいますよね。手軽に摂れて、空腹感を抑えてくれるものっ て何かありますか? (太陽の下に置いてあったバナナはちょっと食べたくないし…) |
| 千葉県のテニス大好きさん |
| 報告133:
良く勉強されている方とお見受けする。依頼文を拝見する限り、特別、これと言って追加で何か申し上げる必要がないほどしっかりとした対策を取られているようだ。「過剰摂取」とあるが、人間はガソリンでエンジンを動かしている訳ではないので、そんなに厳密に考えすぎる必要もないと思うのだが…。若い女性の方なので、ダイエットを考えると確かに不安もあるだろう。 手軽と言えば、バナナ、チョコレート、エネルギーバーなどがテニスの世界ではポピュラーだ(プロ選手が試合中に摂る食事も、上位から順番に並べると大体この順番になる)。 厳密なエネルギーの管理をしたいのであれば、エネルギーバーが最適だろう。これは1本で100キロカロリーなどと言った具合に製品化され、パッケージングされているので、カロリーの管理が楽だ。バナナが好まれるのは、糖分(すぐにエネルギーになりやすい)とカリウム(疲労回復に効果があるとされる)が多いためだ。太陽の下のバナナは確かに嫌なものだが、元々は燦々と降り注ぐ太陽の下で育った果物だと考えると、味も違ってくるのではなかろうか……(何だか無責任な発言だ…)。 いや、こういった場合には、おいしく口にできる物が最適だと考えたい。で、あれば、テニス大好きさんの好物の何かでも良いのではなかろうか、と思う。お菓子などにも最近では「1袋120キロカロリー、栄養素は何が何ミリグラム…」とかいった具合に、詳しく書かれているものが増えてきた。それらを参考にしながら管理していくという手もある。そんないい加減な、と思わないで欲しい。これは案外重要なことで、好きなものを食べたり、飲んだりするというのは、栄養云々よりも時には効果が高いことがあるのだ。 長い練習や試合では、身体はもちろんだが、精神的にも非常に疲れる。そんな状態の時には栄養面を重視するよりも、精神面のケアをした方が効果が上がる場合が実際に あるのだ。 例えば、暑い夏、試合が長引いて、ファイナルセットに突入した時などには、栄養剤入りのスポーツドリンク類よりも、炭酸飲料の方が気分的なリラックス感を得られる場合もあるだろう。炭酸飲料のほとんどは糖分が多いため、急場のエネルギー補給には確かに適しているものの、それ以上の効果は飲料自体にはあまりない。しかし、炭酸飲料を試合中に飲むというプロ選手は、実は案外多いのだ。これは「気分転換のため」という理由が大きい理由だという。こうした側面から考えていくと、普段食べつけている好物を食べる・飲むというのも栄養的以上に効果があると思う。 疲労回復にはクエン酸やカリウム、ビタミンB群などが効果があり、エネルギーに変換されやすいのは、ブドウ糖などの糖類、炭水化物だ(この辺は恐らく、テニス大好きさんの方が詳しいのではなかろうか……)。他にも効果的なものはたくさんあるので、それぞれの状態や嗜好に合わせて選んでいって欲しいと思う。 |
| 依頼内容134:私の娘は6歳からテニスをはじめて、来年テニス推薦で高校に進学する予定です。ただ、本人はオーストラリアでホームステイをしながらテニス留学したいとも言っています。オーストラリアの高校へテニス留学して卒業する場合、また、オーストラリアの高校に在籍しながらテニスクラブに通い卒業する場合、いずれもホームステイが前提ですが、オーストラリアの高校の授業料。テニスクラブの会費、ホームステイの費用、留学先等の情報があれば、お答えいただきたいのですが…。 |
| 愛知県のGさん |
| 報告134:
またまた難しい依頼が………。 とりあえず、高校の推薦入学の決定、おめでとうございますとは申し上げておくべきだろうと思う。 さて、留学にかかる費用だが、各種の費用共全て、どの程度の条件を備えるかによって大きく変化する。学校は公立なのか、私立なのか? ホームステイ先に求める条件はどの程度なのか? テニスクラブに所属すると言っても、どのランクのテニスクラブに、どの程度の頻度で通うのか等々、変動する要素が広すぎて絞りにくいのは、まず念頭に置いていただきたい。 また、留学生を受け入れているテニスアカデミー等もある。こうしたアカデミーの中には、規定の料金を支払えば、テニスはもちろん、学校の手配からステイ先の用意までやってくるという所もある。ちなみに、これらのアカデミーの中には、選手として日本でそれなりの実績があり、将来的にも有望だという選手には、授業料の割引や料金の免除などをうたっている場合もあるので事前に確認してみて欲しい。 オーストラリアの場合、日本よりは生活にかかる物価が安い。留学先として選ぶ場合、日常生活にかかる費用というのは意外と見過ごされがちだが、授業料などの決まったお金の他に、これらもしっかりと計算の内に入れておきたいところだが、これこそ変動が最も大きな要素だ。 オーストラリアについて詳しくは、オーストラリア大使館(港区三田)に直接お問い合わせいただくか、同大使館のウェブサイト(http://www.australia.or.jp)などを参考にされると良いと思う。また、来春進学される予定の高校の進学・留学関係のご担当の方などとも相談されると良いのではなかろうか。あるいは、テニス推薦で進学されるほどの実力をお持ちの方であれば、コーチの方々に相談されるのも有効な手段ではないかと考える。テニスのコーチ達の中には留学経験のある方や、経験者を知っているという場合が多く、我々以上に生の情報を持っていらっしゃることだろう。 |
| 依頼内容135:タンロップのMAX400iPROというラケットが中古で売っていたんですが、どんなラケットだったんでしょうか? いいラケットだったんですか? 教えて下さい |
| 埼玉県のたこさんさん |
| 報告135:
最初に言っておきたいことがある。ラケットは道具だ。使う人の好みに左右される。「いいラケット」かどうかは、実際に使う人が判断するもので、ある人が絶賛するラケットでも、違う人が使うとそうでもないことがある。まずはこれを念頭に置いて欲しい。 また、古いラケットに対して「希少価値」を云々して、“ビンテージ”としているショップ等もあるが、これはそれらの古いラケットに対してその価値を認める人にとってのみ有効な考え方であり、全ての人に当てはまる考え方ではない。これらは人によってはただの中古(使っていなくても“ただの古いモデル”)にしか写らない場合もある。実際には後者の方が多いのではなかろうかと思う。中古で安かったからダメなラケット、高かったからいいラケットかというと、それはそっちの方面での人気にのみ左右された価格の付けられ方であり、製品自体の良し悪しとはほとんど関係がないと考えた方がいいだろう。正直に言って、今の中古市場の価格の形成のされかたにはいくつも疑問があり、100%肯定できる状況下にはない、というのが調査団の感想だ。 一方で、ラケットの発売サイクルが短くなってきた現在、気に入ったラケットが数年で廃版になってしまうのは悲しい出来事だとも思う。そういった意味で、中古市場は健全な形で形成されて欲しいと願っている。最近のラケットの場合、新しいラケットがイコール「いいラケット」とは言いがたい傾向が出てきているからだ。 便宜上、我々が記事を作る時に「いいラケット」と表現することはあるが、これもあくまでもその記事を作った記者の感想の延長であるということと、「実に良く考えて作ったラケットですよ」、というぐらいの意味でとらえて欲しいと思う。スポーツの用具である以上、いいか悪いかは「好きか、嫌いか」と、しっかり「仕事をした」製品かどうかぐらいしか、「いい、悪い」を差別化できないのだ。 さて、前置きが長くなったが、MAX400iPROについて、ダンロップスポーツさんに問い合わせてみたのでご報告しよう。 MAX400iPROは90年代初期から中期にかけて発売されていたラケットで、当時の売り文句は「振動吸収性を極めたプロの腕」ということになっている。ダンロップの大ヒットラケットである「MAX200G」を頂点とするMAXシリーズのラインで製作されたうちの1本で、当時の価格は30,000円。 「フレーム形状をMAX200GPRO2やMAX300iPROよりスリムにして、軽量化を実現。また、ダンロップ独自の中空射出成形により、優れた振動吸収性能を持つアヴェレージプレーヤー待望の傑作」とカタログには書いてある。 今のダンロップ社のラインナップで言えば、RIMシリーズのRIMツアーに当たる位置のラケットと言えようか? 結論から言うと、悪いラケットではないと思う。但し、今の多くのラケットよりだいぶ重いはずだ。当時は「軽量で、アベレージプレーヤー向き」として売られていたが、もし、現在、このラケットが新品として売られているとすれば、バリバリのトーナメントプレーヤーモデル的な位置づけになるのではなかろうか? 何しろサイズにUSL、SLまではともかく、今ではほとんど見かけなくなったLがラインナップされているのだ。その上、フェース面積は84平方インチ。今の新品ラケットにこのサイズの物はほとんどない。 たこさんさんが気に入るかどうかはわからないが、値段が手頃な価格なら、試してみてもいいと思う。実際に試打したことがないのでここでは何とも言いがたいが、使ってみると恐らく、年長者のベテラン達が「ダンロップっぽい打ち味だ」と語る、柔らかさが実感できるのではなかろうかと思う。 |
| 依頼内容136:中学のテニス部に入って今まで頑張ってきました。市の学校単位の大会ではそこそこ勝てるようにもなってきたんですが、「テニススクール」所属の選手達には全然かないません。僕も中3の夏からスクールに行っていますが、小学校の頃からテニスをスクールでやっている選手には追いつけないのでしょうか? 追いつくにはどうしたらいいんでしょうか? |
| 広島県の悩めるジュニア選手 |
| 報告136:
我々は「クラブテニスのジュニア」と「学校テニスのジュニア」という言い方をすることがあるが、これは学校テニス出身のプレーヤーが等しく経験することらしい。 自分も頑張ってきて、そこそこ強くなってきたなー、と思って大会に行くと、そこには今まではあまり聞いたことのなかった名前の選手がいて、しかも上位シードに名を連ねていて、もうとんでもなくレベルが違うという……。 まず最初に言っておこう。中学生の段階では焦る必要は何にもない。確かに現時点でのレベル差は大きいかもしれない。しかし、問題はここから先だからだ。 物心つく前からテニスをしていた選手と、中学に入ってからはじめた選手では、レベルに違いがあるのはむしろ当然のこと。しかも、実力が本当に伸びていくのは高校生以上になってからなのだ。中学時代はまるで勝てなかった相手でも、高校に入ってからは負けなくなったという例も数えきれないほどあるのもまた事実(例えば、サフィンが「自分が14歳の頃は、フェレーロに全く歯が立たなかったけど、プロになってからはほとんど負けていない」という話をしてくれだことがある)。 確かに今のままでは彼らに追いつくのは大変だし、それなりの努力は必須だ。しかし、「才能が違う」という諦め方は良くないと思う。「才能」という言葉は努力と過程を無視しているように感じるからだ。クラブプレーヤー達だって、生まれつき強かったわけでも、うまかったわけでもない。彼らの強さ・うまさの裏には、やはりそれ相応の練習が隠されているのだ。 前に神尾米さんに伺ったケースをお話しておこう。ちなみに彼女は「クラブテニス」のプレーヤーに種類に属するジュニア時代を送っている。 神尾米さんの場合、中学の時には午後3時〜午後10時まで、高校の時は週2回部活でやって、あとは毎日午後9時まで練習していたという。もちろん、朝は朝で自主練習をしていたという。1日8時間近い練習…。神尾さんは全く普通の話をする時と同じような、ケロッとした顔で語っていたので、その時は「へぇ…」などと流して聞いてしまっていたが、改めて考えるとこれは異常事態だ。筆者が中学生の頃には放課後に4時間も練習していただけで「今日はハードだった…」などと思っていたものだが、彼女は1日7時間以上も練習して、翌朝も自主練習をしていたというのだ……。帰宅部の人でも、3時半に家に帰った後、7時間も同じことができるだろうか。ドラ○エやFFならできるかもしれない。しかし、テニスである。練習である。「テニスが好きだから」と一言で片づけられる練習量ではない。まして思春期の多感な時期の少年少女が、起きている時間のほとんどをテニスコートや練習場で過ごす……。そうやってたどり着くプロというのはすごい世界なのだと改めて思う。クラブテニスのジュニア達はそういう世界の入口にいる選手達なのだ。彼らを見て、学校の部活動でやっている選手が単純に「才能が違う」と言ってしまうのは、あまりにも乱暴だと思う。彼らにだけ特別な才能があるわけではない。言ってしまえば、様々な偶然が重なって、彼ら彼女らは小学生の頃からテニスを始めて今に至っているだけなのだ。 「日本のシステムの中では勝ったジュニアだけが残ってこれるようになっている。だから、ともすると“勝ち方”ばかり知っているこじんまりとしたジュニアばかりが残ってしまいかねない。それに、背の小さな選手の方が、完成が早い分、ジュニア時代は試合で勝つことが多い。でもね、身体の大きな選手や、プレースタイルの大きな選手が完成するのは日本人の場合は特に遅いんです。こういった選手は大体、20代に入ってからようやく本格化します。それなのに、ジュニアの大会で勝てないからと本人も周囲も途中で諦めて、テニスを止めてしまう。この辺のシステムを何とかしないということは強く感じている」と以前語ってくれたのは、元フェド杯コーチの丸山薫さんだった。 中学生の現段階では勝敗にこだわるよりも、プレーの質や、身体能力のアップ(筋肉をつけるよりも、身長が大きくなるように良く食べることとかのこと…。)を重視した方がいいと思う。もちろん、テニスの練習も質と量を高めるべきだが、これはそれぞれに置かれた条件が違うので、誰にでも、望む |