編集部がホンキでテスト、ホンネでリポート

ラケットfeelingインプレッション

ヤラセなし企画!
連載/第75回

  年末にダンロップからニューモデルが一挙に3機種登場した。特に注目は『エアロジェル200&300』。名前から想像がつくように、人気のツアーモデル『Mフィル200&300』の後継機である。世界で最も軽い固体であるナノテク素材「エアロジェル」を使用することで、重量の付加なく高剛性を実現し、面安定性が一層向上したという。プロスペックの『200』と、少し優しくした『300』の2本を早速試打してみよう。
 続いて『ダイアクラスターリム1.5』も年末に登場。シリーズ2番目の硬派モデルで、中村藍子プロが使用。『2.0』よりもコントロール性を強化し、同時に22ミリ厚に設定してパワーの向上も図っている。
 最後は昨秋発売のパワーモデル『ダイアクラスターリム8.0』を試打。とにかく飛びにこだわって作られた1本。その威力をしかと味わってみる。

AERO GEL 200

AERO GEL 300

DIACLUSTER RIM 1.5

DIACLUSTER RIM 8.0

エアロジェル200

エアロジェル300

ダイアクラスターリム1.5

ダイアクラスターリム8.0

●価格/税込み34,650円(本体33,000円)
●フェイス面積/95平方インチ
●全長/27インチ
●平均重量/312g
●フレーム厚/20?均一
●平均バランス/310?
●ストリングパターン/16×19
●素材/ブレードグラファイト+グラファイト+エアロジェル
●グリップサイズ/2、3
●推奨テンション/55〜65ポンド(※今回はバボラ『シントロニックブリオ130』を55ポンドで張り上げ)

●価格/税込み34,650円(本体33,000円)
●フェイス面積/98平方インチ
●全長/27インチ
●平均重量/290g
●フレーム厚/21?均一
●平均バランス/320?
●ストリングパターン/16×19
●素材/ブレードグラファイト+グラファイト+エアロジェル
●グリップサイズ/2、3
●推奨テンション/55〜65ポンド(※今回はバボラ『シントロニックブリオ130』を55ポンドで張り上げ)

●価格/税込み33,600円(本体32,000円)
●フェイス面積/95平方インチ
●全長/27インチ
●平均重量/310g
●フレーム厚/22?均一
●平均バランス/315?
●ストリングパターン/16×18
●素材/グラファイト+ダイアモンドカーボン+ナイロン+ダイポルギーエポキシ
●グリップサイズ/2、3
●推奨テンション/50〜60ポンド(※今回はバボラ『シントロニックブリオ130』を52ポンドで張り上げ)

●価格/税込み35,700円(本体34,000円)
●フェイス面積/110平方インチ
●全長/27.5インチ
●平均重量/255g
●フレーム厚/26〜27?
●平均バランス/355?
●ストリングパターン/16×18
●素材/グラファイト+ダイアモンドカーボン+ナイロン+ダイポルギーエポキシ
●グリップサイズ/1、2、3
●推奨テンション/45〜55ポンド(※今回はバボラ『シントロニックブリオ130』を50ポンドで張り上げ)

筋力:★★☆☆☆ 
技術レベル:★★★★☆
30代中盤女性。テニス歴13年。身長165?。
女性としてはスイングが速いほうで、球質はナチュラルスピン系。ネットにも積極的に出る。コントロール性の高いトップライトモデルが好み。
筋力:★★★★☆ 
技術レベル:★★☆☆☆
30代中盤男性。テニス歴5年。身長170?。
パワー志向のストローカーで、ボレーは苦手。とにかく振るのを身上にしている。イーブンからトップライトで、しなやかな打感のラケットが好み。
筋力:★★★☆☆ 
技術レベル:★★★★★
40歳間近の男性。テニス歴26年。身長165?。
トップスピン主体のオールラウンダー。食いつき感があり、トップライト気味で、打感がマイルドなラケットが好み。パワーサポートも少し欲しい。
筋力:★★☆☆☆ 
技術レベル:★★★☆☆
30代前半女性。テニス歴9年。身長160?。
ストローク主体だが、ボレーも練習中。攻撃的なストロークが打ちやすく、つかむような打感のラケットが好み。重いラケットは疲れるからパス。
筋力:★★★★★ 
技術レベル:★★★★☆
20代中盤男性。テニス歴10年。身長175?。
編集部随一の筋力を誇るパワーヒッター。大学テニス部出身で、技術も割と高い。飛びが抑えられた、スピン性能の高いツアー系モデルが好み。
筋力:★★★☆☆ 
技術レベル:★★★☆☆
30代中盤男性。テニス歴15年。身長164?。
厚い握りでフラット系のボールを打つストローカー。ボールが面にのめりこむような打感が好き。重めのラケットのほうがスイングが安定する。
AERO GEL 200

お気に入り!

重すぎず、自然にスイングが出てくる感じ。厳しいラケットに見えるが、Mフィル200より軽めで反発も高いので、中級以上なら十分使いこなせる。ボレーは思ったところにコントロールでき、面ブレが少ない。弾きが良く、金属的な打球感だが、腕に不快感を与えるものではなかった。シャープな飛びを求める方に。

 

重すぎず軽すぎないツアー系モデルで、ちゃんと当てると一度くわえ込んでから放すというイメージ。確かにスイートエリアは狭めだが、きちんと使えばきちんと応えてくれる系のラケットだと思う。強い入力に対してしなやかさがあるのもいい感じ。当てるだけだと逆に快適性は落ちるかも。叩きたい人向きか?

 

飛ばない。でも数字ほど重さは感じず振りやすい。ということはアウトを恐れずガンガン振っていけるわけで、それは嬉しい要素だ。スイートエリアは狭く、芯を外すと衝撃も強いが、細かいことは気にせずしゃにむに振りたい! という人にはお勧め。僕の場合、真芯で納得の当たりができたのは5球に1球程度だった。

 

私には難しいラケットだった。スイートエリアは小さく振り遅れることも多かったので、コントロールしづらかった。相手のボールのパワーを使って飛ばすことはできたけれど、自分から打っていこうと思うとボールが短くなる。だけど、ラケットの重さを生かせるためか、決めのボレーが打ちやすかった。

お気に入り!

合わせるとパワーアシストをくれて、振ればしっかり飛びを抑えてくれる。スイングに合った飛び方をしてくれる万能型ラケット。最初は金属音や重量感に苦労するかもしれないが、慣れてくれば問題なく使える、テニスが楽しくなる1本。面が少し小さいので、ある程度使う人を選ぶのではないだろうか。

 

前作Mフィル200と比べると、柔らかさと引き換えにして、その分弾きを強調したという印象。確かに鋭く跳ね返す力強さがよく実感できる。ただ、弾くものだから微妙なタッチやコントロールの融通を利かせにくくて、ミスしやすいのが気になった。ボレー主体、ストロークでもフラット系で弾き返す人にお勧めだと思う。

AERO GEL 300

 

200と同様、弾きがシャープでキレのあるボールが打てる。大きさの割にスイートエリアが狭い気はするが、真ん中に当たったときの感触は悪くない。どちらかと言えばストローカー寄りの作り。ナノテク共通事項だが、やはり打球感は硬くなる。ダンロップの「柔らかさ」を好む方は、それを折り込んでトライを。

 

200を少し軽く、そしてしなやかにした感じで、とにかくスピンをかけて叩く今どきのストローカーに振った設定。ガツンと当てると一瞬ボールをホールドして飛んでいくムードだが、ボールを持ちすぎず、飛ばしすぎないこの間の味付けがいい。ただし、オフセンター時の振動は気になるレベル。振動止め推奨。

お気に入り!

剛性が高いせいか、板のような打感が気になったが、振動止めで解決できた。長所は非常に振りやすいことで、前め、高めの打点でひっぱたいていける。ただ、その他は特に可もなく不可もなくで、凄くボールが伸びるとか回転がかかるとかいう恩恵はない。まあ、そういう飾り気のなさが、競技志向者に合うのかも。

お気に入り!

Mフィル300よりも打球感はちょっと硬めだと思ったけど、軽く感じられて振り抜きやすくなっていた。だいたいのボールは打てるけど、特にフラット系が打ちやすい。ベースライン後ろで粘るよりも、コート内で打っていくタイプに合いそう。ボレーは200同様に決めやすく、スイートエリアは200より広いと感じた。

 

振動の強さや金属音など、細かいところが気になった。しかし、これらは振動止めを付ければ解消されるので、大した問題ではない。このポイントさえクリアできれば、あとはスイスイ打つことができる。スピンやスライスなどの回転系よりも、フラットでぶつけていくと伸びのある球がコートに突き刺さる。

 

200同様の弾き感がある。200と300の違いは、かなり微妙だ。ブラインドテストで外見上の影響を受けずに評価するなら、両者の違いは僕にはきっとわからない。どちらかというと、200がコントロール重視なのに対し、300はもう少しパワーを高めた印象。どちらかで悩むなら、コスメの好みでチョイスする判断で良い。

DIACLUSTER RIM 1.5

 

重さのせいか、打点が気持ち遅くなり、苦戦してしまった。だが、芯を食ったときの打球感はとてもマイルドで、ウッド系のクラシカルな感覚を彷彿とさせる。スピンで振り回しきる力がなかったためか、スライスやボレーでの感触が良く、しっかりボールを捕らえられればコントロールも利くしボールも重い。

お気に入り!

何かのプレーに特化させず、普通に使うならこれは買い。総合力が高いフレームで振動もなく、打感もマイルド、ちょっとだけパワーを貸してくれる設定は男女を問わずウレシイはず。スピンもフラットも思ったよりちょっと威力が出るというイメージなのだ。重量も適度で、重すぎず軽すぎない。万人向けの1本。

 

打球感が本当にソフトで、ヒートコンバートの効果に改めて脱帽。ただ、その他は結構シビア。真芯で捕らえたときと少し外したときの飛びの落差が大きく、正確な技術が要求されると思った。スピンも一生懸命振っている割には伸びない。いいのはスライスとボレー。ボールの下をえぐるショットがよく伸びてくれた。

 

打球感はマイルドでとても良かった。重さがあるためか、振り遅れやすくコントロールは難しい。思い切り振ると深いボールが入ってくれるけど、そういつもフルスイングできないので、いいボールになる回数は少ない。強いボールに対しても、あまり面ブレすることがなく打ち返せる点は上級者には嬉しいと思う。

 

打球感の良さは「さすがのリム」といったところ。振動止めを付ける必要もなく、腕に優しい。ただ、ラケットの性能自体は中途半端と言わざるを得ない。スライスはそれなりに打てるが、スピンがかからない。低い球をスピンで持ち上げようとしても、ネットにかかってしまう。スイートエリアも狭い気がした。

お気に入り!

マイルドな打球感が心地よく手のひらに伝わり、打球情報がすごくわかりやすいのが特徴。まさに手のひら感覚で打てるという、最近のラケットにはあまりなかった設定がかなり気に入った。弾きはエアロジェルに比べると控えめだが、その分乗っかる感じがあって、スピン&コントロール性には分があったように思う。

DIACLUSTER RIM 8.0

 

球足の速いコートのテニスでは、軽くて取り回しがいいので振り遅れなくていい。スピン、スライスの回転系もかかりやすいし、追い込まれたボールもしっかり振り抜ける。芯を食ったときは腕への不快な振動がほとんどなく、けれど打ち応えはあるという不思議な感じ。フラットなボレーが特に気持ちいい。

 

いわゆる厚ラケだが、振っていっての味付けもいいと感じた。強引に巻き込むと、この手のラケットには付き物のおもちゃっぽさがさすがに出てくるが、ちょっとしたミスならラケットが全部カバーしてくれるのは初中級者にはありがたい設定だと思う。楽しく週末のテニスを楽しみたいなら視野に入れてもいい。

 

力を使わずに伸びのあるボールを打てるという点で、年配者に打ってつけ。普通の男性が普通に振ると、さすがに飛びすぎるが、あまり振らずに早いタイミングで面を合わせるようにすると、自分の感覚以上にボールがギューンと伸びていく。この振り方でこれだけ行くかー、と驚く。この射出感はメーカーの宣伝通り。

 

打球感は軽い感じでスイートエリアは広く、ラケットのどこに当たっても同じような感触。軽いため打ち込もうとすると無理に手首を使ってしまう傾向があったので、スイングで飛ばすよりタイミングを合わせるのが得意な人にいいと思う。だけど当てるだけだとネットが多かったので、多少は押していったほうがいい。

 

パワフルに打つには若干反発性が強い。しかし、気持ちよく振り抜けるので、当てるだけの人でも振りたい人でもピタリと合うだろう。ボレーは回転をかけようとせずに、フラットで当てるといい球が飛ぶ。ダブルスプレーヤーで、パワーが欲しい層から、少し力の強い方にもオススメできる、上出来の1本。

 

いい意味で予想を裏切る、侮れない1本。軽さと飛びに偏った軽量厚ラケかと思いきや、これらの要素にプラスしてホールド性を備えた仕上がりだ。ゆえにスピンをかけられれば、コントロールもつけやすい。打感もこのクラスにしてはトップクラス。ミドルエイジからシニア層を中心に、幅広く受け入れられると思う。
 
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