編集部がホンキでテスト、ホンネでリポート
ラケットfeelingインプレッション
ヤラセなし企画!
連載/第69回

   フレームがカップ状に屈曲することで、ボールを包み込むようにホールドし、同時にコントロールも安定させるというヘッドの「フレックスポイント」。この画期的な機能がついに名器『プレステージ』と融合した。今月は『フレックスポイントプレステージミッド』を試打してみる。
 また、ヘッドでは今季から「チーム」コンセプトなるものを立ち上げた。ツアーモデルの魅力をより多くの人が味わえるように、設定を優しくした“ツアー入門系”をシリーズ化。その主力機種『FXPラジカルチーム』と、より軽量の『FXPインスティンクトチーム』も試打に供する。
 さらに『S6リキッドメタルエディション』もピックアップ。かつて一世を風靡した『S6』の進化版だ。225gの超軽量ボディが、リキッドメタルをまとってどう変わったのか。リポートしよう。

Flexpoint Prestige Mid

FXP Radical Team

FXP Instinct Team

S6 Liquidmetal Edition

フレックスポイント
プレステージ ミッド

FXPラジカル チーム
FXPインスティンクト
チーム
S6リキッドメタル
エディション

●価格/税込み36,750円(本体35,000円)
●フェイス面積/93平方インチ
●全長/27インチ
●平均重量/330g
●フレーム厚/19?均一
●平均バランス/310?
●ストリングパターン/18×20
●素材/HEADリキッドメタル+グラファイト
●グリップサイズ/2、3、4
●推奨テンション/43〜53ポンド(※今回はヘッド『FXP17』を50ポンドで張り上げ)

●価格/税込み32,550円(本体31,000円)
●フェイス面積/102平方インチ
●全長/27インチ
●平均重量/280g
●フレーム厚/22?均一
●平均バランス/335?
●ストリングパターン/18×19
●素材/HEADリキッドメタル+グラファイト
●グリップサイズ/1、2、3
●推奨テンション/45〜55ポンド(※今回はヘッド『FXP17』を50ポンドで張り上げ)

●価格/税込み31,500円(本体30,000円)
●フェイス面積/105平方インチ
●全長/27インチ
●平均重量/265g
●フレーム厚/24〜26?
●平均バランス/340?
●ストリングパターン/16×19
●素材/HEADリキッドメタル+グラファイト
●グリップサイズ/1、2、3
●推奨テンション/47〜57ポンド(※今回はヘッド『FXP17』を50ポンドで張り上げ)

●価格/税込み31,500円(本体30,000円)
●フェイス面積/115平方インチ
●全長/27 3/4インチ
●平均重量/225g
●フレーム厚/29?均一
●平均バランス/380?
●ストリングパターン/16×19
●素材/HEADリキッドメタル+グラファイト
●グリップサイズ/1、2、3
●推奨テンション/45〜55ポンド(※今回はヘッド『パーフェクトパワー16』を50ポンドで張り上げ)

筋力:★★☆☆☆ 技術レベル:★★★★☆
30代中盤女性。テニス歴13年。身長165?。
女性としてはスイングが速いほうで、球質はナチュラルスピン系。ネットにも積極的に出る。コントロール性の高いトップライトモデルが好み。
筋力:★★★★☆ 技術レベル:★★☆☆☆
30代中盤男性。テニス歴5年。身長170?。
パワー志向のストローカーで、ボレーは苦手。とにかく振るのを身上にしている。イーブンからトップライトで、しなやかな打感のラケットが好み。
筋力:★★★☆☆ 技術レベル:★★★★★
40歳間近の男性。テニス歴26年。身長165?。
トップスピン主体のオールラウンダー。食いつき感があり、トップライト気味で、打感がマイルドなラケットが好み。パワーサポートも少し欲しい。
筋力:★★☆☆☆ 技術レベル:★★★☆☆
30代前半女性。テニス歴9年。身長160?。
ストローク主体だが、ボレーも練習中。攻撃的なストロークが打ちやすく、つかむような打感のラケットが好み。重いラケットは疲れるからパス。
筋力:★★★★★ 技術レベル:★★★★☆
20代中盤男性。テニス歴10年。身長175?。
編集部随一の筋力を誇るパワーヒッター。大学テニス部出身で、技術も割と高い。飛びが抑えられた、スピン性能の高いツアー系モデルが好み。
筋力:★★★☆☆ 技術レベル:★★★☆☆
30代中盤男性。テニス歴15年。身長164?。
厚い握りでフラット系のボールを打つストローカー。ボールが面にのめりこむような打感が好き。重めのラケットのほうがスイングが安定する。
Flexpoint Prestige Mid

お気に入り!

「プレステージ」と聞いただけで気後れしてしまうが、ちょっと「ラケットが近づいてきてくれた」と思える仕上がり。重さの割に気持ち良く振り抜けるし、打球感が最近よくありがちな金属的、板っぽいということがなく、柔らかさと硬さのバランスが絶妙。サービスとボレーでのコントロールと打球感は秀逸だ。
このラケットにFXPがくっついたことに関しての良さまでを感じるには、相当速いボールに対して、がっつりと当てていかないと難しいと思う。クラシックよりも確かに飛ぶし、使いやすいが、やはりプレステージの名は伊達ではなく、フラットで凄いボールが作りやすい。ただし、スピンをかけるのは大変だった。

 

スイートエリアは狭めだが、きちんと芯で捕らえれば素直にボールが伸びてくれる。特にスライスと、ライジングで合わせるフラットがいい。スピンはさほど適性はないが、以前のプレステージよりはかけやすい。FXPの効果かも? ボレーのキレもいいが、この重さと面の小ささだと、常に芯で捕らえるのは難しい。
重いけれど、今までのプレステージと比較するとずいぶんと楽になった。振り抜きづらさがかなり軽減されていたし、面のサイズの割にはスイートエリアがそれほど狭いとは感じない。敷居が下がった中でも、一番の魅力であるフラットの強打の打ちごたえはしっかりと継承されている点はうれしい。

お気に入り!

重量がかなりあるが、それを補って有り余るほどの使い回しの良さ。スピン、スライスとも及第点レベルであり、特にこの手のツアー系ではなかった確かなボレー操作性は特筆モノ。パワーのあるプレーヤーなら問題なく使え、パワーがなくても、その使い勝手の良さに惚れ込むことができる1本だ。

 

最後に打ったため、相対的に重く感じたのは仕方ない。ただ、順番の話は置いておくとしても、「辛い」というのが偽らざる感想。飛びすぎるよりはいいけど、これだけ飛ばないとラケットのせいにもしたくなる(笑)。筋力と技量の両方が、相当のレベルで必要。ただし打感は三重丸。「さすがプレステージ」と唸った。

FXP Radical Team

 

全てのショットをこなせるし、打球感も普通、スイングも申し分ないので、対象プレーヤーの幅は広い。ただ、昔のラジカルに比べると、独特のトップの重さ、包み込む打球感といった個性に欠ける。ラジカル組が移行するというより、ラジカル昇格プレーヤー用。その意味ではメーカーの意図は十分果たせている。

 

とてもしなやかという印象で、ラケットにボールが乗っかっている感じが強く、当たると飛ばすの2段階でボールを打っているムード。軽くて振り回しやすく快適だが、ボールは飛ばさないと飛んで行ってはくれないのでちょっと疲れるラケット。軽くて、しなやかで、飛びすぎないラケットが欲しい人に向く?

お気に入り!

ショット的にはどの球種も申し分ないレベル。非常に振りやすいので、自分から叩いていけるし、押し込まれたときの挽回も利く。特に高いボールに対してストレスなく振れるのが良かった。ただ、もったいないのは打球感。どこか乾いた感じで、心地よくない。ボール自体は満点なので、お気に入りとしたが…。

お気に入り!

ラジカルだから厳しいラケットだと思っていたので驚いた。打っていて何も違和感がなく、自分の打ちたいように打たせてくれる。打点が食い込まれたと思っても返球できてしまうほど振り抜きやすく、打球感もマイルドで申し分ない。余分な飾り気はなく、そっとパワーサポートしてくれているという感じが最高。

 

フラットも回転系もそれなりに打てる。コントロールもいいし、ボレーでもしっかり使うことができる。しかし、金属的な打球感だけがいただけなかった。ガキンという感じで、柔らかい打感が好きな僕には感触も音もダメだった。最近流行りの硬い打球感が好きで、中級以上の実力があれば問題ないだろう。

お気に入り!

スピン性能が極めて高い1本。メーカーがアピールするホールド感については、個人的にはあまり感じられなかったが、それでも力業でねじ込める威力はお世辞抜きにかなりのもの。一方ではボレーで、ボールをつかむ感じがしっかりとあって、安定させやすかったのが好印象。打感も85点くらい。かなりお気に入り。

FXP Instinct Team

 

最初の金属的な硬い打球感は多少違和感があったが、カンカン弾いてコントロールするラケットとしてはラクだし、打った感覚より気持ち伸びがあるので、助けられる感じはある。「草トー1日で5試合!」なんてときには良さを発揮してくれるだろう。ワールドモデルだから仕方ないと思うが、コスメがあと一息。

 

硬質な打球感に賛否が分かれそうだが、私は嫌いではない感じ。弾きが良く、パワーアシストが利いているので、ある程度のミスショットはラケットが帳消しにしてくれる楽チンさはありがたい。がっつりとスピンもできるし、横着して返すのもできる。軽くて振りやすく、広く万人に受け入れられやすいのでは。

 

ラジカルチームと同じ味付けで、その軽量版。女性や非力な人はこちらという感じだ。やはり振りやすく、しっかり叩いていけて、そこそこ助けてもくれるが、打感がドライで、芯で捕らえたという感触は乏しい。とはいえ、ラジカルもこれも、ツアーモデルの魅力を中級層でも味わえるという謳い文句にうそはない。

 

打球感は軽くて、ボールがすぐさま飛び出していく感じ。これがFXPの効果かなと思った。高い打点からでもフラットで打ち込むことが苦にならず、深い場所に返球できるので、ベースラインから下がらずに攻撃的にラリーができる。スライスもスムーズに打てるし、ネットへ出ていきたい人にはいいかもしれない。

 

ラジカルチームと同じような性能で、若干こちらの方が優しい設定になっているようだ。性能的には問題ないが、ただし、金属的な打感と打球音も健在。これまでツアーモデルを敬遠していたプレーヤーに向けて作られたという通り、初中級レベルのプレーヤーでも使いこなせるだろう。ただ、打感の好みは分かれる。

 

スピンをかけにいくとふかしやすい。僕には気持ち飛びすぎる設定で、1〜2個分アウトするミスの多さにストレスを募らせた。合わせて打てばそれなりの使い方ができるが、ヘッドさんの開発コンセプトはそんなふうじゃなかったはずでは? ただ、非力で日頃からもっと飛ばしたいと思っている人には、ちょうどかも。

S6 Liquidmetal Edition

 

スピン、スライスが意識しなくとも自然にかかってくれるので、ネットミスが減るラケットだと思った。コントロール性に欠けるが、腕への衝撃が十分に抑えられているし、面安定性が高い。非力な方、エルボーを抱えている方にとっては相殺されてあまりある恩恵に違いない。さすがS6、いい仕事します。

お気に入り!

食い込まれてもそれなり以上のボールは返せるし、フラットもスピンも自在。大抵のミスはラケットが助けてくれる。反発性も高すぎるというほどではなく制御できる範囲で、正直すごくよくできた厚ラケという印象。速いボールに対して弾かれるのは軽量さゆえの宿命だが、誰が使っても多分、悪い印象はないはず。

 

ある意味凄いラケット。面を作って押すだけで楽にラリーできるという本来の使い方に加え、僕程度の筋力だと振っても使える。非常に高反発でありながら、スピンをかけようとすればちゃんと食いつくから、思い切って振れるのだ。ボレーも全面スイートエリアという感覚で延々と返せるので、特に年配層にお勧め。

 

ラケット面のどこに当たっても同じ打球感で、ある意味、面全体がスイートエリアのようで、楽にテニスができる。ボールはそれほど伸びてはくれないけれど、スピンやスライスはかけやすいし、フラットで打つよりもコントロールしやすかった。軽く扱いやすいので、ラケットワークが必要なショットも打ちやすい。

 

パワーで使うラケットではないことは確かだ。スピンをかけようとしてもふかしてしまう。ただ、どんなに追い込まれたときでも、当てるだけで返球できるのは頼もしい限り。また、コントロール性やボレーでも使いやすいところから、みんなでダブルスを楽しみたいプレーヤーにとって最高の1本だろう。

 

もっともっと飛ぶかと思いきや、力みさえしなければ速めに振っても回転で収められる味付け。楽できて、しかも振り回せるところに快適さがある。反発力はインスティンクト以上だと思うが、距離を思うように調整できるコントロール性能はこちらに分があった。技術レベルは不問。非力な人全般に向くのではないか。