編集部がホンキでテスト、ホンネでリポート

ラケットfeelingインプレッションBRIDGESTONE

ヤラセなし企画!
連載/第73回

   ブリヂストンがこの秋発売した『PBV Cパワー』、通称「楽ラケ」の評判が上々だ。一見それほど厚くないし、デカくもない。スタイリッシュなのに楽にボールを飛ばせる。そんなコンセプトのラケットだ。秘密はC型にえぐれたフレーム断面形状にある。見た目よりストリング面が広いから、たわみによる反発性能、ホールド感、スピン量などの向上が望めるのである。ライトスペックの『Cパワー2.55』と、それより10グラム重い『Cパワー2.65』の2機種を早速試打してみる。
 さらに競技者層向けの「プロビームXブレード」シリーズから、『2.9MP』と『3.2MP』をピックアップ。攻撃的なエッグボールが打てると謳われているラケットだ。前者は競技者層といっても割と中級寄り。後者はよりシビアで、トップアスリートの少し下ぐらいが対象になっている。

PBV C-POWER 2.55

PBV C-POWER 2.65

PROBEAM X-BLADE 2.9 MP

PROBEAM X-BLADE 3.2 MP

PBV Cパワー2.55

PBV Cパワー2.65

プロビームXブレード2.9MP

プロビームXブレード3.2MP

●価格/税込み34,650円(本体33,000円)
●フェイス面積/116平方インチ
●全長/27.25インチ
●平均重量/255g
●フレーム厚/21〜26?
●平均バランス/365?
●ストリングパターン/16×18
●素材/ハイモジュラスカーボン+P.S.C.グロメット
●グリップサイズ/1、2、3
●推奨テンション/45〜55ポンド(※今回はテクニファイバー『マルチフィール1.30』を50ポンドで張り上げ)

●価格/税込み34,650円(本体33,000円)
●フェイス面積/111平方インチ
●全長/27.25インチ
●平均重量/265g
●フレーム厚/21〜26?
●平均バランス/355?
●ストリングパターン/16×18
●素材/ハイモジュラスカーボン+P.S.C.グロメット
●グリップサイズ/1、2、3
●推奨テンション/45〜55ポンド(※今回はテクニファイバー『マルチフィール1.30』を50ポンドで張り上げ)

●価格/税込み31,500円(本体30,000円)
●フェイス面積/98平方インチ
●全長/27インチ
●平均重量/290g
●フレーム厚/21〜22?
●平均バランス/325?
●ストリングパターン/16×19
●素材/ハイモジュラスカーボン+Xブレード+タングステンラバー
●グリップサイズ/1、2、3
●推奨テンション/47〜57ポンド(※今回はテクニファイバー『X-R3 1.25』を52ポンドで張り上げ)

●価格/税込み34,650円(本体33,000円)
●フェイス面積/98平方インチ
●全長/27インチ
●平均重量/320g
●フレーム厚/21〜22?
●平均バランス/305?
●ストリングパターン/16×19
●素材/ハイモジュラスカーボン+Xブレード+タングステンラバー
●グリップサイズ/2、3
●推奨テンション/49〜59ポンド(※今回はテクニファイバー『X-R3 1.25』を54ポンドで張り上げ)

筋力:★★☆☆☆
技術レベル:★★★★☆
30代中盤女性。テニス歴13年。身長165?。
女性としてはスイングが速いほうで、球質はナチュラルスピン系。ネットにも積極的に出る。コントロール性の高いトップライトモデルが好み。
筋力:★★★★☆
技術レベル:★★☆☆☆
30代中盤男性。テニス歴5年。身長170?。
パワー志向のストローカーで、ボレーは苦手。とにかく振るのを身上にしている。イーブンからトップライトで、しなやかな打感のラケットが好み。
筋力:★★★☆☆
技術レベル:★★★★★
40歳間近の男性。テニス歴26年。身長165?。
トップスピン主体のオールラウンダー。食いつき感があり、トップライト気味で、打感がマイルドなラケットが好み。パワーサポートも少し欲しい。
筋力:★★☆☆☆
技術レベル:★★★☆☆
30代前半女性。テニス歴9年。身長160?。
ストローク主体だが、ボレーも練習中。攻撃的なストロークが打ちやすく、つかむような打感のラケットが好み。重いラケットは疲れるからパス。
筋力:★★★★★
技術レベル:★★★★☆
20代中盤男性。テニス歴10年。身長175?。
編集部随一の筋力を誇るパワーヒッター。大学テニス部出身で、技術も割と高い。飛びが抑えられた、スピン性能の高いツアー系モデルが好み。
筋力:★★★☆☆
技術レベル:★★★☆☆
30代中盤男性。テニス歴15年。身長164?。
厚い握りでフラット系のボールを打つストローカー。ボールが面にのめりこむような打感が好き。重めのラケットのほうがスイングが安定する。
PBV C-POWER 2.55

 

2.65より軽いし、反発も良い。面が大きい分、スイートエリアも一回り広くなった印象で、超初心者の方が「とにかくラケットにボールを当てる」という目的で使うにはいいと思う。ただ、軽さとバランスのせいか、“振り応え”のようなものは得られない。ビュンビュン振りたい人には物足りないかも。

お気に入り!

いわゆる厚ラケではないが飛びは良く、ある程度はスイングして使いたい。で、スイングはミスったけど、こう飛んでほしい、というイメージがボールに現れるという実にありがたいラケットだった。ただし、軽い分だけ速いボールには弾かれる。ジュニアから一般まで、とにかく楽しくテニスをしたいという方へ。

 

しゃにむに振るのでも、当てるだけでもない、8割程度の力でリラックスして振ると、気持ちよくボールが伸びる。振りやすいので強振したくなるが、いい気になって振ると、2.65より高反発な分、僕の筋力だとアウトする。ボレーのしやすさも印象的。高反発だがつかむ感じがあるので、ちゃんとコントロールできる。

 

2.65よりも軽くて楽チンではあるけど、軽すぎてパワーのあるボールが打てている気があまりしなかった。打球感は2.65よりも少し硬い感じ。軽いだけあってラケットを扱いやすく、オーバーヘッドなど苦手なネットプレーもミスが少なく打てたので、ダブルスを中心にプレーする人にはいいと思う。

 

同じラケットなのにこんなに飛ぶなんてずるい! と、叫びたくなるぐらい飛んでいく。とにかく飛んでくれるので、僕のような怠け者は1歩目が遅くなり、当てるだけで返してしまうようになる。逆を返せば、力がないプレーヤーにしてみればこんなに頼りになるラケットはないだろう。初心者にはオススメ。

 

高反発の割に深く食いついてボールを逃がさないから、スピンがかけやすく、コントロールもつけやすい。一方では軽量モデルなのに面安定性もしっかりしていてぶれにくいところにも、フレームのしっかり感を感じ取れる。“案外”と言ったら失礼だが、ハードヒットにも適合する「楽ラケ」。強打も楽々といった印象だ。

PBV C-POWER 2.65

お気に入り!

まさにコンセプト通り。面を作りやすく、スイングのしやすさ、打球感の良さ、どれをとっても高い水準で、いいラケット。スイートエリアが広く、オフセンターをしたという感覚がほとんどなかった。楽に飛ばすときでも、速く振るときでも適度なパワーアシストで、女性ならあらゆるレベルの方にオススメ。

 

ムードとしては中厚のよくできたラケットで、パワーとコントロール性に関して、快適性重視方向でいいバランスを取ったラケットだと感じた。中身が詰まっているという感じの打感の好感度も高く扱いやすい。意外にスピンもよくかかるし、叩いてもいける。色々なことがこれ1本でできるという意味でお買い得か?

お気に入り!

つかまえてから弾く感覚なので安心感がある。振って良し、合わせて良しで、かなり気に入った。2.55のように力をセーブする必要がなく、僕の筋力にピッタリ。フルスイングしてもしっかりスピンがかかってコートに収まり、押し込まれたときは面を合わせれば楽に返る。ボレーも上々。今はこれ、5年後なら2.55か。

 

名前の通り楽なラケット。つかむような打球感がいいし、どんなショットでもパワーをプラスしてくれるのでうれしい。たとえ速いボールが来ても負けずに打ち返せる頼もしさもある。見た目よりも反発力がしっかりとあるのでボレーも打ちやすかった。筋力は落ちてきたけど、パワフルに打ちたい人にお勧め。

お気に入り!

Cパワーの恩恵もありよく飛ぶので、追い込まれても球際の処理もうまくできる。そしてチャンスボールは思い切り振り抜くことができる。スピンもかかるしスライスも上々。ボレーも問題なく打てるときて、全てが及第点以上。なんでも楽に打つことができる、まさに「楽ラケ」! でかしたブリヂストン!

 

スライス系がお世辞抜きに抜群。ボールが糸を引くように伸びていき、深く進入してバウンド後に滑るというのは、間違いなく腕前ではなくラケットのおかげ。慌ててカット気味に打っても浮きにくいのは、ボールを深く包み込むフレームの特性によるものだろう。面を作って合わせるタイプの主婦&シニア層にマッチ。

PROBEAM X-BLADE 2.9 MP

 

イーブンバランスで、ハードヒットも気持ち良くスイングアシストしてくれる。楽ラケに比べるとスイートエリアは狭く、オフセンターがわかりやすい。グリグリした回転をかけるとかではなく、基本に忠実なスイングでラケットの良さが出る。スポーツ経験のある人が、テニスを始めるときにいいのでは?

 

自分が意図した以上のボールが行かないのはコントロール性の高さの裏返しだし、適度な重量感で相手のボールにも滅多なことでは弾き飛ばされない。ただ、フレームがしなやかなのはいいのだが、フレーム自体のしなりが収まるまでが少し長いかも。オフセンターすると特にそれを感じる。古風な感じの1本。

 

自分のしたスイングに忠実に反応する点は、とても素直で好印象。しっかり厚く叩いたときに得られるしなり感も嫌いではない。数年前までなら迷わずこれを選んでいただろう。ただ、もう少し助けてくれたり、プラスアルファの伸びを与えてほしいと、この歳になると思ってしまう。30代前半ぐらいの正統派にお勧め。

お気に入り!

すごくシンプルなラケットで余分なものは付いていないという感じ。重さが300gを切っているだけありスイングがしやすいし、スイートエリアも広めだと思う。思い切り振れるし、高いボールも打ち込んでいきやすく、ノビノビプレーできるのがいい。ジュニアや振っていくスタイルの人に幅広く受け入れられそう。

 

ツアー系っぽいが、これが意外と飛んでいく。当てるだけで返せるというわけではないが、振った分より少し飛ぶイメージ。ただしスピンのかかりがいいので、スピンをかけて飛ばすベースラインプレーヤーには向いているかもしれない。ボレーはあまり目を引くところがなかった。ツアー系デビューに向いている。

 

結構振動が多いというのが第一印象。芯を外すと響くのは、ツアー系を目指す人向けであればあって然るべきか。これで真面目に練習すれば、相当うまくなれると思う。本格派の女子、トップアマチュアといったツワモノたちにターゲットは据えられよう。プレースタイルでいうと癖のない分、オールラウンドの扱いが可能。

PROBEAM X-BLADE 3.2 MP

 

最初はこの重さと、硬さに慣れるのに手間取ったが、後ろから「ドカン」とボールにぶつけていくようにすると、飛んだ感じはするのにアウトせず、深く入る。また、芯にしっかり当たるとシャープでクリアな打ち応えがあった。特にスライスやボレーがしやすいという印象。あと少し軽ければ…という感じ。

 

いい意味で普通によくできた1本だと感じた。特別新味は感じないが、最近の高機能厚ラケにはない安心感は高く、さほど重さは感じないで使える。外国メーカーの同系ツアーモデルはもうキツイが、まだまだ頑張れるというベテラン層や女子の本格派にいいかも。ただし、皮のグリップは賛否両論あるかも。

 

力の限り攻めなさい、とラケットに強いられているような印象。自分から振っていかないとボールを作れない。相手に攻められ、少しでも体勢を崩すと打ち負けてしまう。2.9と同様のしなり感は好きだし、スペックほど重さは感じないが、ごまかしが利かない冷徹さは僕にはつらい。スイートエリアも狭めで上級者向き。

お気に入り!

重いので振り抜きやすくはなく、一振りするのにパワーを使う。ただし、厚めの当たりでドンピシャの場所でボールを捕らえることができると、気持ちいいボールが打てる。そのボールが打てる確率が低かったので上級者向きだと思う。皮のグリップに慣れていないためか、オフセンターしたら手に響く感じがした。

 

汗だくになるぐらい思い切り振っていってようやく使いこなせる。でもスイートエリアが狭く、飛ばないし重いので、生半可な気持ちでは使いこなせない。ただし、スイングしてラケットをぶつけていく、テニスの原点がここにある。それにしてもこの運動量は、ダイエットラケットと呼んでもいいぐらい……。

お気に入り!

スピン系が、実に気持ちいい。まさに「エッグボール」を打つために産み落とされた専用機。こう書くと若者、学生のゾーンがマークするだろうが、その見解で間違いはない。ストロークでガンガン打っていきたい人にベストマッチ。「エッグボール」を打ちたい人、あるいは磨きをかけたい人に、ぜひ。