編集部がホンキでテスト、ホンネでリポート

ラケットfeelingインプレッション

ヤラセなし企画!
連載/第77回

 07年度の連載1回目は、バボラを試打する。同社は04年秋に、競技者でも初級者でもない“トゥイナー”に向けて、「ドライブZ」シリーズを発売した。ツアーモデルよりも軽く、しかしザイロン補強によってしっかりした作りは維持したこのシリーズは、中間層のプレーヤーの間で人気を呼んだものだ。その「ドライブZ」が昨秋リニューアルして登場した。コアテックスシステムを導入することで、不快な振動と衝撃を軽減。割と上級志向の『ドライブZツアー』、軽さが売りの『同ライト』、スマートグリップ搭載のパワーモデル『同OS』が用意されたが、今回はその3機種全てを試打することとした。
 もう1本は、やはり昨秋発売の『アエロブラスト』。「アエロ」シリーズ最軽量で、スマートグリップも採用し、初級者から使える仕様になっている。果たして打ち味は?

DRIVE Z TOUR DRIVE Z LITE DRIVE Z OS AERO BLAST

ドライブZツアー

ドライブZライト

ドライブZオーエス

アエロブラスト

●価格/税込み31,500円(本体30,000円)
●フェイス面積/100平方インチ
●全長/27インチ
●平均重量/285g
●フレーム厚/23〜26mm
●平均バランス/335mm
●ストリングパターン/16×19
●素材/グラファイト+ザイロン
●グリップサイズ/1、2、3
●推奨テンション/51〜57ポンド(※今回はバボラ『エクセルプレミアム130』を53ポンドで張り上げ)

●価格/税込み31,500円(本体30,000円)
●フェイス面積/100平方インチ
●全長/27インチ
●平均重量/255g
●フレーム厚/23〜26mm
●平均バランス/350mm
●ストリングパターン/16×19
●素材/グラファイト+ザイロン
●グリップサイズ/1、2
●推奨テンション/51〜57ポンド(※今回はバボラ『エクセルプレミアム130』を53ポンドで張り上げ)

●価格/税込み31,500円(本体30,000円)
●フェイス面積/110平方インチ
●全長/27.5インチ
●平均重量/265g
●フレーム厚/27mm均一
●平均バランス/360mm
●ストリングパターン/16×20
●素材/グラファイト+ザイロン
●グリップサイズ/1、2
●推奨テンション/51〜57ポンド(※今回はバボラ『エクセルプレミアム130』を53ポンドで張り上げ)

●価格/税込み36,750円(本体35,000円)
●フェイス面積/112平方インチ
●全長/27.5インチ
●平均重量/270g
●フレーム厚/26〜28mm
●平均バランス/355mm
●ストリングパターン/16×19
●素材/ハイモジュラスグラファイト
●グリップサイズ/1、2
●推奨テンション/55〜62ポンド(※今回はバボラ『エクセルプレミアム130』を57ポンドで張り上げ)

筋力:★★☆☆☆ 
技術レベル:★★★★☆
30代中盤女性。テニス歴14年。身長165cm。
女性としてはスイングが速いほうで、球質はナチュラルスピン系。ネットにも積極的に出る。コントロール性の高いトップライトモデルが好み。
筋力:★★★★☆ 
技術レベル:★★☆☆☆
30代中盤男性。テニス歴6年。身長170cm。
パワー志向のストローカーで、ボレーは苦手。とにかく振るのを身上にしている。イーブンからトップライトで、しなやかな打感のラケットが好み。
筋力:★★★☆☆ 
技術レベル:★★★★★
40歳間近の男性。テニス歴27年。身長165cm。
トップスピン主体のオールラウンダー。食いつき感があり、トップライト気味で、打感がマイルドなラケットが好み。パワーサポートも少し欲しい。
筋力:★★☆☆☆ 
技術レベル:★★★☆☆
30代前半女性。テニス歴10年。身長160cm。
ストローク主体だが、ボレーも練習中。攻撃的なストロークが打ちやすく、つかむような打感のラケットが好み。重いラケットは疲れるからパス。
筋力:★★★★★ 
技術レベル:★★★★☆
20代中盤男性。テニス歴11年。身長175cm。
編集部随一の筋力を誇るパワーヒッター。大学テニス部出身で、技術も割と高い。飛びが抑えられた、スピン性能の高いツアー系モデルが好み。
筋力:★★★☆☆ 
技術レベル:★★★☆☆
30代中盤男性。テニス歴16年。身長164cm。
厚い握りでフラット系のボールを打つストローカー。ボールが面にのめりこむような打感が好き。重めのラケットのほうがスイングが安定する。
DRIVE Z TOUR

 

日頃トップライトを使っているので取り回しやすく感じた。スイートエリアは広いとは言えないが、回転系で振れば、振っただけの結果が得られるラケット。ボールを真ん中に当てる確率を上げたい中級プレーヤーにとっては、クリアな情報が得られるので良いと思う。スライス、ボレーでのコントロールがいい。

お気に入り!

今回では一番普通のラケット。頑丈なフレームに、そこそこの重量感、飛びも素直でスピン性もそこそこというムード。やや軽めなので振り回したくなるラケット。パワーアシストのレベルも「ちょい飛ぶ」というイメージなので持ったときの印象とはズレない。尖がった個性はなく、安心して使えるモデルという印象。

 

スピンで打つと自分の意図以上にボールが引っかかり、安心して振れる。スライスはやや飛びすぎたが、直線的な伸びは秀逸で、回転性能は総じて高い。ボレーでパチンと弾けるのも快適だった。また、コアテックスが付いて振動は前作より減ったと思う。ただ打感自体は硬めで、しっかりした打ち応えを好む人向き。

 

これといって打ちづらいショットはなく、全ての面でアベレージを保てているような印象。少し振り抜きづらさがあるものの重いわけではなく、パワーも回転も打つ人の技量に委ねられている感じがしたので、確かにトゥイナー向けかも。Zライトよりは重さがある分、ボールに力が伝わっているような感じは受ける。

お気に入り!

いい意味でクセモノぞろいのラケットの中で、このドライブZツアーはいわゆる普通に打つことができるラケットだった。特に欠点があるわけでもなく、中級程度ならば問題ない。欠点がない分、万人に受け入れられるはず。合わせるより、自分でスイングをして攻撃していくプレーヤーに向いているだろう。

 

軽すぎず、重すぎずの重量感で、平均的な筋力の自分には概ね扱いやすかった。打球感に硬さはあるが、それもしっかりとした手応えだと受け止めれば許容範囲内だ。攻撃力と守備力をバランス良く兼備。叩いて良し、しのいでも良しだから、ラリーしていて物凄く楽しめる。前作に比べると扱いやすさは格段に上がった。

DRIVE Z LITE

 

回転をかけやすいラケット。スピン性能から言えば、4本のうち一番だった。バランスがトップ寄りで、スペックほど軽いとは感じない。打球感は硬め。だが、旧モデルよりは金属的な音と振動が緩和され、マイルドに仕上がっている。軽いから振れすぎるところがちょっと危険。パワーヒッター以外なら受け皿は広い。

 

確かに軽い。しかし、飛ばないほうの特性が強く、強いボールに対してはかなり頑張らないと思ったようなボールは飛ばせない。一点の打点に向けてフルスイングしていければ快適だが、合わせる打ち方ではボールに弾かれて飛んでくれない。スイングしていくテニスを覚えたい人と、ジュニア層向けだろうと思う。

お気に入り!

軽量なのに高反発ではないので、アウトを恐れず思い切り振っていける。いわゆる楽チンモデルではなく、振ることを前提とした真っ当な作りで、重量だけ落としたという印象。ボールの重さは生みにくいが、低年齢のジュニアが正しい技術を身につけるのに最適だと思う。前作より振動は減ったが、打感はやはりしっかり系。

 

少し硬めの打球感だったけれど、前作よりは硬さが緩和されている気はした。軽くてラケット自体にパワーはないため、自分でしっかりと振っていかないと飛んでくれない。だからこそ、フォームを作りたいジュニアや初心者にはいいと思う。ローボレーでは自分でボールを運んでいる感じでコントロールしやすかった。

 

簡単そうな外見からは想像つかない打ち心地。合わせるだけではいい球は行かず、思い切り振っていかないとダメ。自分の打点がしっかり定まっていて、どんどん攻撃していきたい若い世代に向いているのではないか。また、ラケット自体はたしかに軽いのだが、全体がのっぺりと重い感じがした。

お気に入り!

軽い割に面安定性が高いのは、さすがザイロンマトリックスの成せる業だと驚く。芯を外しても安定性が損なわれないので、素直に「助かった!」と思えることも少なくなかった。いい意味でごまかしが効くのだ。トゥイナーというカテゴリーに最も相応しい1本だと思える。軽量モデルの本格派を求める人などにお勧め。

DRIVE Z OS

 

パワーはあるが、回転はかけにくい。きわどいボール、低いボールに強く、あらかじめ面を作って振ってあげれば、厳しいボールでも容易に返せる。スマートグリップはまめに握り変える人には向かないと思うが、ボレーでは面が安定させやすかった。初心者にはいいかもしれないが、慣れすぎるのも心配。

 

はまったときのボールの勢いはいいし、力負けもしないバランス設定。トップヘビー系のラケットとしては普通に使えるラケットだと思う。ただ、操作性はさほどに高くないので、色んな球種を打ちたいという人には難しいのかも。フラットとスピン系で押したい人なら、選択肢の中に入れてもいいのでは?

 

軽いのはいいのだが、トップヘビーすぎて、スピナーの僕にはヘッドを回す動作がつらかった。あまり力を入れずにフラット系で打つ人のほうが、軽く振りながら、ヘッドの重さを生かしていいボールが打てると思う。つまりは年配者や主婦層などだ。実際、僕もそういう打ち方をしたら、楽に長くラリーを続けられた。

 

見た目のイメージよりも重い感じはしたけれど、その重さを生かして、当てて押すだけで返球できる。打ち込まれたボールに対してもラケット面が安定しているので、守備力は高いものがある。ただし、あまり振り抜きやすさはなく、ボレーでも細かい操作はしづらいので、コンパクトなスイングの人に合いそう。

 

ヘッドが重いのか、ラクをしようとすると全て振り遅れてしまう。「こりゃダメかな……?」と思ったが、ヘッドを意識して走らせるようにスイングをすると、「これはイイ!」という打球の連発。ただし、反発性に優れるので、あまりスイングを考えてしまうのも禁物。初中級男性に向いているのではないか。

 

案外、と言ったら大変失礼だが、コントロール性が想像していた以上に高かった。プレーヤーの力量をリアルに反映する味付けで、振ったら振った分だけ飛んで、飛びすぎるような余分なパワーサポートはむしろ控えめ。ラクさを求めて買うと違和感を覚えるかも。振り切ってプレーしたい人のほうに適性がありそうだ。

AERO BLAST

お気に入り!

スマートグリップの山に合わせて、少し厚めに握る。そして普通にスイングすると、回転がかかってコートに落ちる。パワーを加えすぎたり、ワイパースイングをしてしまうと途端に散らかったり、かかりすぎてしまうので注意が必要。苦手なショットがこんなに簡単にできる! という意味で驚きのラケットだった。

 

独特のグリップ形状は思ったほどには気にならなかったが、咄嗟の場面ではやはり違和感も。自分がどういう面を作っているかが把握しにくいのだ。慣れの問題だろうが、克服するのには時間もかかりそう。アエロシリーズと言っても、さほどにその恩恵は感じなかったが、普通に良くできた厚ラケだとは思った。

 

かなり厚いので、他のアエロモデルに比べると、形状によるスピンスイングのしやすさは劣るが、一般的な厚ラケよりボールの食いつきがいいので、それによってスピンをかけやすく感じた。初〜中級者で、楽にボールを飛ばしながら、少しスピンをかけたいという人にお勧め。反発はかなり高いので非力な人でもOK。

お気に入り!

打球感はマイルドで、スイートエリアも広く感じた。飛び出し感があり、コンパクトなスイングでも威力は十分。アエロシリーズの割には、普通に打って予想以上にスピンがかかる驚きはなかったし、スピンを意識してかけると短くなりがちだったけれど、つなげるボールの安定感は他の3本よりもずば抜けていた。

 

なんだか微妙に重い。ラケットの重みを生かしてスイングをすると、いい球が飛んでいく。ボレーでもその重みのおかげで相手の打球に弾かれることなく、決めることができる。スピンもそれなりにかかるし、使い勝手のいいラケット。僕にはそこまで気になる重みではないが、女性やシニア層には果たして?

 

面が大きいせいか、従来型アエロほどの加速性は正直あまり感じない。この新型アエロはスイングスピードよりもむしろ、ホールド性でスピンパフォーマンスを高めている印象。食いつかせて回転をかける分には快適だから、スライスにも伸びを与えやすい。面が大きくなった分ボレーもラク。対応幅は確実に拡大した。
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